平成26年12月改訂版 美容師実技試験 美容技術審査マニュアル (公財)理容師美容師試験研修センター 理容師美容師国家試験委員会 第1 用具類審査マニュアル 実技試験で使用する用具類は、美容師実技試験委員と衛生実技試験委員が、それぞれ専門の 立場から不足用具類の有無、規格の適合状況、作業を有利にするための不正行為の有無等につい て審査します。 モデルウイッグ及び用具類には、個人を特定することができる氏名、学校名、店名及びこれら を表わす記号等が記入されているものは公正な審査を阻害するおそれがあることから、これらの 個人特定情報の記入を禁止し、記入があった場合は規格不適合となります。 また、個人特定情報を容易に剥がすことができるテープ等で覆っていたり、インク等で塗りつ ぶしていても内容が判別できる場合も規格不適合とみなします。 なお、試験の条件及び遵守事項並びに持参用具類の品目、数量、規格等は、試験ごとに見直し が行われ、最新の情報は各試験回ごとに配布する「受験案内」に記載していますので、必ず内容 を確認してください。 1 モデルウイッグの審査 ⑴ 第1課題カッティング用 審 査 の 内 容 ⑴ モデルウイッグの有無の確認 ⑵ モデルウイッグ標準仕様適合状況の確認 備 考 モデルウイッグの台座前面に、次のいずれかに該当するシールが 貼付されていることを確認し、貼付されていない場合は、条件違反 とする ・ 「美容師実技試験用23-**-**標準仕様適合モデルウイッグ」 ・ 「美容師実技試験用24-**-**標準仕様適合モデルウイッグ」 ・ 「美容師実技試験用25-**-**標準仕様適合モデルウイッグ」 ⑶ モデルウイッグに対する不正行為の有無の確認 次の事項に該当している場合は、条件違反とする ① 作業の目安となるもしくはそのおそれのある植毛、脱毛、染 毛、毛髪の切断又はマーキング等の加工もしくは処理 ② 水濡らしを含む一切の事前処理 ・ 作業の目安と なるマーキング や事前処理が行 われていると判 別できた場合は 規格不適合とみ なします - 1 - ⑵ 第2課題用モデルウイッグ 審 査 の 内 容 ・ モデルウイッグに対する不正行為の有無の確認 備 ・ 作業の目安となるもしくはそのおそれのある植毛、脱毛、染毛、 考 作業の目安と ならない毛髪の 毛髪の切断又はマーキング等がある場合は、条件違反とする 長さや毛量の調 ただし、ワインディング課題用モデルウイッグに対する植毛は平 整、パーマネン 成29年10月から適用する ト及び染毛の薬 液処理をしても かまいません 2 用具類の審査 ⑴ 第1課題カッティング用用具類 審 査 の 内 容 ⑴ 考 用具類の有無及び数量の確認 ・ 次の用具類の品目の有無及び数量の不足がないか確認し、不足し は受験案内によ ている場合は、「用具」の条件違反とする ⑵ 備 ・ モデルウイッグ用取付金具(1個) ・ スプレイヤー(1個) ・ カッティングシザーズ(1丁) ・ コーム(1本) ・ 乾燥タオル(2枚) ・ ダックカールクリップ(適量) 用具類の規格適合状況の確認 規格が定められているカッティング用用具類の規格適合状況を確 認し、規格に適合していない用具類又は規定されていない用具類を 机上に出している場合は、「用具」の条件違反とする - 2 - る。 用具類の規格 ⑵ 第2課題(ワインディング又はオールウェーブセッティング)用用具類 審 査 の 内 容 ⑴ 考 用具類の有無及び数量の確認 ・ 次の用具類の品目の有無及び数量の不足がないか確認し、不足し は受験案内によ ている場合は、「用具」の条件違反とする 【ワインディングの場合】 ・ モデルウイッグ用取付金具(1個) ・ スプレイヤー(1個) ・ ロッド(4種類及びショートロッド) ・ ロッドケース(1個) ・ ワインディング用ペーパー(適量) ・ 輪ゴム(適量) ・ コーム(1本) ・ 乾燥タオル(2枚) 【オールウェーブセッティングの場合】 ⑵ 備 ・ モデルウイッグ用取り付け金具(1個) ・ スプレイヤー(1個) ・ ボビーピン(アメリカピン)(適量) ・ オニピン(適量) ・ ピン皿(1枚) ・ コーム(1本) ・ セットローション(1本) ・ 乾燥タオル(2枚) ・ シングルピン又はダブルピン(適量) 用具類の規格適合状況の確認 規格が定められている用具類について、規格の適合状況を確認 し、規格に適合していない用具類又は規定されていない用具類を机 上に出している場合は、「用具」の条件違反とする - 3 - る。 用具類の規格 第2 1 技術の審査マニュアル 第1課題カッティング 項目 審査のポイント 減 点 対 象 配分点数及び減点数 1 配分点数10点 ヘ ム ラ イン ⑴ ヘムラインのつな ① につながっていない がり ② ⑵ モデルウイッグの汚 れ ヘムラインに段差があり、きれい ヘムラインから飛び出た毛がある モデルウイッグに著しい毛髪の付着 や水濡れがある 2点単位で減点し、 減点の上限を10点と する ⑵に該当した場合は 4点減点とする 2 配分点数40点 レ イ ヤ ーカ ッ ト の つ なが り ⑴ フロント ① 悪い (イヤツーイヤパートよ り前の部分) トップからフロントのつながりが ② 減点の上限を40点と トップから左サイドのつながりが 悪い ③ トップから右サイドのつながりが 悪い ④ フロントと左サイドのつながりが 悪い ⑤ フロントと右サイドのつながりが 悪い 【留意事項】 ④及び⑤は横スライスでチェックす る ⑵ バック ① り後ろの部分) トップからネープのつながりが悪 い (イヤツーイヤパートよ ② トップから左バックサイドのつな がりが悪い ③ トップから右バックサイドのつな がりが悪い ④ 左サイドと左バックサイドのつな がりが悪い ⑤ 5点単位で減点し、 右サイドと右バックサイドのつな がりが悪い - 4 - する 【留意事項】 ④及び⑤は横スライスでチェックす る (注) 1 スライスの幅は概ね3㎝幅とする 2 横スライスのチェックとはトップ ポイントから放射状にカットされ たパネルに対して90度に交わる 角度でスライスし、レイヤーカッ トの横のつながりをチェックする ⑶ 明らかな切り残しがある 切り残し 3 配分点数10点 左 右 の バラ ン ス 正中線を基に左右が ① シンメトリーであるか 審査する トップポイントから左サイドと右 サイドがシンメトリーでない ② トップポイントから左バックサイ 2点単位で減点し、 減点の上限を10点と する ドと右バックサイドがシンメトリ ーでない ③ フロントのヘムラインがシンメト リーでない ④ バックのヘムラインがシンメトリ ーでない 4 配分点数40点 毛 髪 の 長さ 毛髪の長さを審査する ⑴ フロント(前髪)の生 長さが4.1~5.4㎝又は6.6~7.9㎝ 10点減点 え際の長さが許容範囲 5.5~6.5㎝に収まって いるか審査する ⑵ 左右のもみあげの ① 生え際の長さが許容 範囲9.5~10.5㎝に収 まっているか審査す 左の長さが8.1~9.4㎝又は10.6~ 5点減点 11.9㎝ ② 右の長さが8.1~9.4㎝又は10.6~ 11.9㎝ る - 5 - 5点減点 ⑶ トップの長さが許 長さが8.1~9.4㎝又は10.6~11.9㎝ 10点減点 長さが8.1~9.4㎝又は10.6~11.9㎝ 10点減点 容範囲9.5~10.5㎝に 収まっているか審査 する ⑷ ネープの生え際の 長さが許容範囲9.5~ 10.5㎝に収まってい るか審査する 【留意事項】 1 規定の長さより2㎝以上の過不足 がある場合は、条件違反の「技 術」とする 2 もみあげを除く各ポイントは正中 線上で計測する 3 計測をする毛髪の範囲 ① 概ね5㎜×5㎜程度とする ② フロント及びネープは、正中線 上で生え際から5㎜程度内側を三 角形に分け取る ③ もみあげ部分は、先端を中心に 5㎜程度を分け取る 4 各ポイントの計測方法 ① トップは地肌に対して直角に持 ち上げ、計測板を地肌に当てて計 測する ② フロント及びネープは、自然に 下ろした状態で、計測する毛髪が 地肌から浮かないようにし、計測 板を毛髪の下に差し入れ、生え際 から計測する ③ 左右のもみあげは、計測する毛 髪が地肌から浮かないようにし、 あごの先端に向けシェープして計 測板を毛髪の下に差し入れ、生え 際から計測する - 6 - 5 作業終了後に次の⑴ 条件違反 ~⑸の減点対象のいず れかに該当した場合 は、条件違反とする ⑴ ドライカッティングをしている スプレイヤーによ ただし、作業終了後に乾燥したと思 る毛髪の濡らし われるものは除く ⑵ 補助ピンの有無 完成後、補助ピンが残っている ⑶ 各計測ポイントご 計測ポイントのいずれかが規定より とに2㎝以上の過不 2㎝以上過不足している 足 ⑷ カットしていない毛髪の範囲が1㎝2 明らかにカットさ れていない部位の有 以上ある 無 ⑸ 用具類の品目及び ① 数量の不足 持参用具類の品目及び数量に不足 がある ② 準備時間終了後又は作業終了後に 第1課題及び第2課題ごとに規格が 定められている用具類の規格適合状 況を確認し、規格に適合していない 用具類を机上に出している場合は、 条件違反の「用具」とする。 - 7 - 参 考 毛髪の長さの計測方法 【留意事項】 ダックカールクリップを使用して計測に不要な毛髪を止め、計測位置が正しいことを確認し、 計測板を地肌から浮かないように当てること 【トップ】 トップポイント(つむじ)を中心に5㎜幅程度分 け取り、地肌から直角に引き出して計測板を当 て、地肌から計測する 【フロント】 生え際から奥行き5㎜幅程 度を三角に分け取り、自然 に下ろした状態で地肌から 浮かないように引き出して 計測板を毛髪の 下に差し入れ、 生え際から 計測する 【もみあげ】 もみあげ部の先端を5㎜幅程度 分け取り、あごの先端に向けて 地肌から浮かないように引き出 し、計測板を毛髪の下に差し入 れ、生え際から計測する 【ネープ】 正中線上で生え際から奥行き5㎜ 幅程度を三角に分け取り、自然に 下ろした状態で、地肌から浮かな いように引き出し、計測板を毛髪 の下に差し入れ、生え際から計測 する - 8 - 2 第2課題ワインディング 項目 審査のポイント 減 点 対 象 配分点数及び減点数 1 配分点数40点 全 体 の バラ ン ス フロントの右5本及び左2本のロ ①~⑩は5点単位で ドのつながり及び配列 ッドの配列及び方向性が適切でな 減点し、減点の上限を を審査する い 40点とする 各セクションのロッ ① ② 左右のサイドがシンメトリーでな い ③ センターのロッドの中央が正中線 上に位置していない ④ センターのロッドが水平に巻き収 められていない ⑤ バックサイドがラウンドするよう に巻き収められていない ⑥ 左右のバックサイドからネープが シンメトリーでない ⑦ ネープのロッドが生え際に沿って ラウンドするように巻き収められ ていない ⑧ スライス線が歪んでいる ⑨ ベースの毛がつれている ⑩ 使用したロッドの長さがベース幅 に合っていない ⑪ ロッドの配置と太さが指定どおり に巻き収められていない ア フロントの巻き始めのロッドが13 ㎜又は13.5㎜以外 イ サイドが12㎜のロッドで巻き始め られ、11㎜のロッドへとつながる ように巻かれていない ウ P点以下が12㎜のロッドから10㎜ のロッドへと順次つながるように 巻かれていない (注) P点とはゴールデンポイント から13㎜又は13.5㎜のロッド3本 分後方で正中線上の位置をいう - 9 - ⑪のア~ウの減点対象 のいずれかに該当した 場合は40点減点とす る 2 配分点数30点 ス テ ム の角 度 と 方 向 ステムの角度と方向性 ① ロッドの中心がオンベースに巻き 収められていない を審査する ② ロッドの中心が1/2オフベースに 5点単位で減点し、 減点の上限を30点と する 巻かれていない ③ オンベースと1/2オフベースとの つなぎのロッドが適切に巻き収め られていない ④ ステムの角度や方向が悪く、ロッ ドが地肌から浮いている 3 配分点数15点 シェープ シェープの状態を審査 ① ストランドの根元からシェープさ れていない する ② ロッドの表面に毛髪の重なりやゆ 3点単位で減点し、 減点の上限を15点と する るみがある ③ ロッドの表面から毛先が出ている 4 配分点数10点 輪 ゴ ム の掛 け 方 輪ゴムの掛け方を審査 ① する 輪ゴムがロッドの中央に平行に掛 けられていない ② 輪ゴムがロッドの中央に掛けられ ①~③は2点単位で 減点し、減点の上限を 10点とする ていない ③ 輪ゴムの掛け方が悪いためロッド がベースから浮いている ④ ロッドの直径の幅以上オフベース で巻かれ、ロッドがベースからぶ ④に該当した場合は 10点減点とする ら下がっている 5 配分点数5点 残り毛 ⑴ 残り毛の有無を審査 する ⑵ モデルウイッグの汚 れ 巻かれていない毛髪が地肌から出て 該当した場合は5点 減点とする。 いる モデルウイッグに著しい毛髪の付着 や水濡れがある - 10 - 6 条件について審査す 作業終了後に次の⑴ 条件違反 る ~⑹の減点対象のいず れかに該当した場合は 条件違反欄にマークす る ⑴ 技術の条件どおり ① に巻き収められてい るか審査する フロントの斜めパートラインが左 右逆になっている ② フロントに斜めパートラインが なく、オールバックに巻き収めら れている ③ 耳上部のロッドが技術の条件どお りに巻き収められていない ア 耳上部のロッドが斜め後方に巻か れている イ 耳上部のロッドが後方に向け、縦 に巻かれている (注) 上記アの「ロッドが斜め」と は、巻かれたロッドが水平線に 対して45度以上斜めである場合 をいう ⑵ 使用したロッドの ① 使用したロッドの本数がショー 条件について審査す トロッドを含め49本以下又は56本 る 以上 ② 使用したロッドの太さの種類が3 種類以下 ⑶ 輪ゴムの掛け方の 条件について審査す ロッド1本に輪ゴムを2本以上掛け ている る ⑷ スプレイヤーによ カラ巻きをしている る毛髪の濡らしの有 無を審査する ⑸ を審査する ⑹ 巻き残っている毛髪の範囲が1㎝2以 未完成部分の有無 作業机に置かれて 上ある ① 準備時間中又は作業終了後に持参 いる用具類について 用具として規定されていないものや 審査する 規格不適合の用具類を作業机に出し ている ② 規定された持参用具類に不足があ る - 11 - 3 第2課題オールウェーブセッティング 項目 審査のポイント 減 点 対 象 配分点数及び減点数 1 配分点数30点 全 体 の つな が り ⑴ ウェーブ7段構成を ① 頭部の左右及び中央のバランスが 悪い 審査する ② ⑴は5点単位で減点 し、減点の上限を30 耳上部のウェーブが耳にかかって 点とする いる ③ 左右のフィンガーウェーブとピン カールの接続部が割れている ⑵ スタイル構成を審査 ① する ② 完成後、補助ピンが残っている 技術の条件で指定された箇所に指 定されたピンカールが作られてい ⑵の減点対象のいず れかに該当した場合は 30点減点とする ない ③ 技術の条件で指定された箇所にフ ィンガーウェーブが作られていな い ⑶ モデルウイッグの汚 れ モデルウイッグに著しい毛髪又はロ ーションの付着や水濡れがある ⑶に該当した場合は 5点減点とする 2 配分点数30点 フ ィ ン ガー ウ ェ ー ブ ⑴ フィンガーウェー ① ウェーブが割れている ブのシェープの状態 ② ウェーブが重なっている を審査する ⑵ ウェーブ幅の状態 ① ウェーブ1段がハーフウェーブに なっていない ② 各段のハーフウェーブが適切で ない リッジの状態を審 査する 減点の上限を30点と する を審査する ⑶ 5点単位で減点し、 ① リッジをつまんで作っている ② リッジが割れている ③ リッジが流れている - 12 - 3 配分点数30点 ピ ン カ ール ⑴ ループの状態を審査 ① ループがウェーブ幅の2/3になっ ていない する ② ループの大きさがそろっていない ③ ループから毛先が出ている ④ リフトカールのループがスライス 5点単位で減点し、 減点の上限を30点と する 線上に巻き収められていない ⑵ ステムの状態を審査 ① ステムの方向が4時30分又は7時 30分の方向になっていない場合 する ② ステムが割れている場合 ③ リフトカールのステムがつぶれて いる場合 ⑶ カールスペースを審 ① カールスペースが広すぎる ② カールスペースが狭すぎる ③ カールスペースがない 査する 4 配分点数10点 ピニング ピニングを審査する ① ループが壊れている ② ループが変形している 減点し、減点の上限を ③ ループが浮いている 10点とする ④ 同一列で同方向にピニングされて いない ⑤ 規定以外のピニング ア メイポールカールがボビーピンと オニピン各1本によるクロスピニ ング以外で作られている イ メイポールカール以外のピンカー ルがボビーピン1本以外で作られ ている 【留意事項】 1 ピニングは上下どちらからでも かまいません 2 クロッキノールカールのピニング は毛量により両面打ち、片面打ち のどちらでもかまいません - 13 - ①~③は2点単位で ④又は⑤に該当した 場合は10点減点とす る 5 作業終了後に次の⑴ 条件について審査す 条件違反 ~⑶の減点対象のいず る れかに該当した場合は 条件違反欄にマークす る ⑴ 技術の条件どおりに ① 作られているか審査 する ウェーブの段数が7段以外 ② ウェーブ構成が左右逆に作られ ている ③ 同一列のピンカールが同一方向に 巻き収められていない ⑵ 完成していない箇所がある 未完成部分の有無を 審査する ⑶ 作業机に置かれてい ① 準備時間中又は作業終了後に持参 る用具類について審 用具として規定されていないものや 査する 規格不適合の用具類を作業机に出し ている ② 規定された持参用具類に不足があ る - 14 - 第3 第1課題 実技試験課題の設定条件 カッティング 1 試験時間 2 技術の条件 20分間 ⑴ 仕上がりはレイヤースタイルとする。 ⑵ カッティングはシザーズによるブラントカッティングとし、セニングシザーズの使用は禁 止する。 ⑶ カッティングはウェットカッティングとする。 ⑷ ヘムラインのガイド幅は、概ね2㎝とする。 ⑸ フロント(前髪)のガイド幅は、正中線の左右2㎝を分け取り、合計4㎝幅とする。 また、ガイドの長さは、正中線の生え際から顔面へと自然に下ろした状態で概ね6㎝とす る。 ⑹ 両サイドの長さは、もみあげ部分を下ろした状態で生え際から概ね10㎝とする。 ⑺ フロントのガイドとサイドのガイドは、顔面側に台座と平行になるように引き出し、つな げるものとする。 ⑻ トップの位置は、フロントの生え際から奥行き9㎝前後の正中線上とし、トップの長さは 概ね10㎝とする。 ⑼ フロントとトップは、正中線上を垂直に持ち上げた状態でつなげるものとする。 ⑽ ネープのガイドの長さは、正中線の生え際から垂直に下ろした状態で概ね10㎝とし、ネー プの幅は正中線から左右2㎝幅を分け取り、合計4㎝幅とする。 ⑾ サイドとネープのガイドは垂直に下ろした状態でつなげるものとする。 ⑿ 正中線上で後頭部の一番凸部をバックポイントと定め、バックポイントの長さは概ね10㎝ とする。 ⒀ 作業中に使用したダックカールクリップは、作業終了後はモデルウイッグから取り除くこ と。 - 15 - 第2課題 ワインディング 1 試験時間 2 技術の条件 20分間 ① 毛髪は完全に濡れた状態で作業すること。 ② ロッドの本数はショートロッドを含め50本以上55本以内とする。 ③ 輪ゴムの掛け方は1本1重とし、ロッドの中央に平行になるように掛けること。 ④ ロッドを巻き収めるベースの幅はセンターにおけるロッドの両端の幅を基本とする。 ただし、フロント及びサイドからネープにかけてラウンドさせて巻き収める箇所のベース の幅は、ロッドの両端の幅にならなくともよい。 ⑤ フ口ン卜では、正中線から4㎝左側(左サイド側)の生え際の位置をF点、正中線上で生 え際から奥行き7㎝の位置をF´点とし、このFからF´に向け、斜めにパー卜ラインを分 け取り、太さ13㎜又は13.5㎜のロッドを使用し、パー卜ラインの右側では右斜め後方に5 本のロッドを、左側では左斜め後方に2本の口ッドをそれぞれオンベースに巻き収めること。 ⑥ センターでは、ゴールデンポイン卜から13㎜又は13.5㎜のロッド3本分後方で正中線上 の位置をP点とし、フ口ン卜後方からP点までを13㎜又は13.5㎜のロッドでオンベースで 巻き収めること。P点からネープまでは12㎜のロッドから巻き始め、10㎜のロッドで巻き 終わるように1/2オフベースで巻き収めること。 ⑦ 右バックサイドでは、フロン卜からP点までを13㎜又は13.5㎜のロッドで斜め後方にオ ンベースで巻き収めること。 ⑧ 左バックサイドでは、フロン卜からP点までを13㎜又は13.5㎜のロッドでオンベースに 巻き収めること。 ⑨ ネープでは、P点から左右のネープまでを生え際に沿ってラウンドするように12㎜のロ ッドで巻き始め、10㎜のロッドで巻き終えるように1/2オフベースで巻き収めること。 ⑩ 両サイドの耳上部では、下方向に12㎜のロッドで巻き始め、11㎜のロッドで巻き終わる よう1/2オフベースで巻き収めること。 - 16 - 第2課題 オールウェーブセッティング 1 試験時間 2 技術の条件 ⑴ 25分間 ノーパート7段のオールウェーブをフィンガーウェーブとピンカールによって構成するこ と。 ⑵ ウェーブ1段を概ね3等分し、左側の1/3を左側、右側の1/3を右側とし、残りの1/3を中 央とすること。 ⑶ 左右とも耳上部までにクローズドエンドのウェーブを2段作ること。 ⑷ 1段目は、カウンタークロックワイズワインドカールのスカルプチュアカールを5又は6 個巻くこと。 ⑸ 2段目は、フィンガーウェーブを作ること。 ⑹ 3段目の中央はスカルプチュアカールを巻き、左側と右側はフィンガーウェーブを作るこ と。 ⑺ 4段目の中央はリフトカールを巻き、左側と右側はフィンガーウェーブを作ること。 ⑻ 5段目は4段目と同じ構成とすること。 ⑼ 6段目の中央はメイポールカールを巻き、左側と右側はフィンガーウェーブを作ること。 ⑽ 7段目はクロッキノールカールで巻き収めること。巻き残る場合はターンステムで処理す ること。 ⑾ ピニングは同一列で同方向とする。 ⑿ ピンカールに使用するピンは、ボビーピン(アメリカピン)及びオニピンとする。 ⒀ ピンカール1個に使用するピンは、ボビーピン1本とする。 ただし、メイポールカールのピニングは、ボビーピンとオニピン各1本によるクロスピニ ングとする。 ⒁ 作業中に使用したシングルピン又はダブルピンは、作業終了後はモデルウイッグから取り 除くこと。 - 17 - 第4 1 美容師実技試験カット用標準仕様モデルウイッグ 標準仕様 美容師実技試験におけるカッティング課題は、受験者の技術レベルが同一程度ならば使用す るモデルウイッグの毛量や毛質といった要素により、仕上がり状態に差が生じることは容易に 判断でき、受験者間の公平性が保たれないのは言うまでもありません。一方試験委員側からす ると、審査の際に作品の完成度にモデルウイッグの個体差を加味することなど不可能であると 言わざるを得ません。そこで、公益財団法人理容師美容師試験研修センター(以下「センター」 という。)の美容師実技試験部会において、美容師実技試験カット用モデルウイッグの頭部の 大きさ、毛量、毛質、植毛方法等に一定の規格基準を設け、それを美容師実技試験カット用モ デルウイッグの標準仕様(以下「標準仕様」という。)と定めました。 試験では、受験者間の公平性を確保するため、標準仕様に適合したモデルウイッグを使用す ることとし、現在、標準仕様に適合しているモデルウイッグの型式番号及び販売会社を、セン ターホームページ及び各試験回ごとに配布する受験案内に記載しています。 2 標準仕様適合番号の表示 標準仕様に適合したモデルウイッグには、型式番号及び販売会社が表示された「美容師実技 試験用標準仕様適合シール」が貼付されています。標準仕様に適合していないモデルウイッグ 及び標準仕様に適合しているモデルウイッグであっても、適合シールがないものは試験に使用 することができません。 なお、適合シールは、次の様式で標準仕様モデルウイッグの台座の正面に貼付されています。 標準仕様適合番号表示シール例 (平成23年導入の標準仕様に適合したモデルウイッグ) 23-××-×× (平成24年導入の標準仕様に適合したモデルウイッグ) 24-××-×× (平成25年導入の標準仕様に適合したモデルウイッグ) 25-××-×× - 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