オムロンヘルスケア研究開発及び本社新拠点

No.05-042-2016作成
オムロンヘルスケア研究開発及び本社新拠点
新築
事務所/研究所
OMURON HEALTHCARE Co.,LTE New Head Office/R&D Center
発注者
オムロン ヘルスケア株式会社
設計・監理
KAJIMA DESIGN
施工
鹿島建設
カテゴリー
エコワークスタイルをサポートする技術
オフィスでは, アトリウムを利用した自然換気を行っている. 各階の開口は手動
開閉であり,
事務室設置の「窓開けナビ」に「自然換気有効」「省エネ効果」を
表示しユーザーの省エネ意識に訴えることで,
B. 省エネ・省CO2技術
A. 環境配慮デザイン
C. 各種制度活用
D. 評価技術/FB
H. 生産・施工との連携
E. リニューアル
F. 長寿命化
G. 建物基本性能確保
I. 周辺・地域への配慮
J. 生物多様性
K. その他
ユーザー参加による自発的な自然
換気を促す効果を意図した. オフィス東側窓面は, 庇と太陽追尾型の電動縦ルー
バーで日射を制御し, 快適な視環境を確保している. 午前中は自動制御で直達日
射を遮蔽, 午後は全開となり眺望を取り込む. 冬季は上記に加え, 早朝は全開と
し日射を取り入れ, 夜間は全閉とし断熱性を高めると共に, ユーザーによる手動
「集い」と「個」の両立・エコワークスタイルを実現したオフィス
操作も可能としている. オフィスはラボとの往来で在席状況が変動するため, タ
スクアンビエント空調方式を採用. オムロン社開発の高精度人感センサを用いて,
在席状況に合わせてタスク空調機と照明を制御している.
中思考室では窓面からの「ほてり」に配慮し,
した天井チャンバー給気方式の空調とし,
放射効果による冷房システムを採用.
また窓面積の大きな集
微細孔の空いたメタル天井を利用
室内に供給される冷風と天井面からの
合わせて天井面に室内環境に応じて使用可
能なパーソナル吹き出し口を設置し, 気流による温熱環境改善を意図した.
建築計画と一体で行う自然エネルギー利用
ワーカーの働き方を豊かにするアトリウムと, 頂部のトップライトを利用して,
太陽光発電, 自然換気を行っている. オムロン社開発技術を用いた, 太陽光発電
によるBCPに配慮した電力利用システムを構築し, 常時の系統への給電と非常
時の災害時避難場所等への電力供給を行っている.
アトリウム見上げ
エコルーフシステムで太陽光と自然通風を利用
遮風板
ハイサイドライト
熱だまり
太陽光パネル
窓開けナビによるユーザー参加の自然換気
自然換気
熱抜き
偏西風
低層棟2階からルーフガーデンから見る高層棟
当建物は, 血圧計や体温計などの健康医療機器やサービスを開発・販
売するオムロンヘルスケアの新本社・研究所である. 京都の桂川駅近
画面例
在席箇所を快適にコントロールする空調方式
くのビール工場跡地再開発エリアの一画に「ワーカーが個々の創造力
サーマル人感センサ
を高める, 快適な職場環境の実現と同時に, 積極的な自然エネルギー
会議
WC
利用など多様な環境技術の採用で, 高水準の環境配慮型オフィスを実
現した. 第三者認証によるCASBEE 新築(2010)でSクラス(BEE=
4.2)の高い環境性能を備える.
会議
図書
情報検索
打合せ
WC
食事
リフレッシュ
打合せ
図書
情報検索
個人
執務
メタル天井で放射環境改善
で
オフィス
食事
リフレッシュ
ON-OFF
パーソナル吹出口
オフィスでの思考分析が多い 実験室や試作室での活動が多い
ラボ
オフィス
ラボ
オフィス
ラボ
オフィス
集中思考室
様々なワーカータイプの分析
ワーカーの行動分析を行い, 自律的に個性能力を発揮する「個」の場
メカニカルバルコニー
と, 組織知への統合・価値創造を行う「集い」の場を効果的に設定し
ている. 基準フロアはワーカーが同一平面上で行き来できる利便性を
ラボ
テラス
重視して, 東側にオフィス, 西側にラボを配する明快なゾーニングと
し, 中央のアトリウムはオフィスとラボの間に適度な距離感を生みつ
打合せ
打合せ
アトリウム
『集い』
アトリウム
ルーバー閉
つ, ブリッジ, 階段, 会議室を組み込むことで回遊性を高め「集い」
オフィス
の場とし, ワーカーのアクティビティの核としての空間となってい
中庭
ラボ
る. 多様な場を設定し, ワーカーはオフィスやラボ・アトリウム・集
『個』
オフィスバルコニー
免震ピット
ルーバー開
外ルーバーによる日射コントロール
800
不在
ルーフガーデンでのドライフォグ噴霧
屋上日射量
600
400
事務室日射量
200
0
1
外ルーバー透過
0.8
0.6
外ルーバー遮蔽
0.4
0.2
0
0:00 6:00 12:00 18:00 0:00
日射遮蔽効果の検証
2 階ルーフガーデンでは, 山並みを模した
緑化にそってドライフォグを吹き, 屋外
を利用するワーカーの温熱感を緩和する.
N
中思考室など, アクティビティに合わせて場を移動することで, 最適
在席
太陽追尾型縦ルーバーにより効果的に日射を制御,
眺望を確保する
日射量 [W/m2]
実験室とオフィスを往復
外気
ペアガラス
+ 遮熱フィルム
+ ブラインド
*風向は手動
ワーカーの創造力を引き出す多様な場
アンビエント空調機
停止
図書
情報検索
個人執務
食事
リフレッシュ
タスク空調機
【冷房時】
タスク PAC
WC
打合せ
個人執務
会議
「ほてり」に配慮した空調方式
実験室
/ 試作室
日射透過率 [-]
を最大限発揮できる新拠点」として計画された. 働く人の知的生産性
Lab
実験
なパフォーマンスを生み出すオフィス環境の創出を意図した.
平面図 s=1:1000
平
平面図
図 s=1
1:10000
エコワークスタイルを可能とする様々な仕掛け
設計担当者
統括:米田浩二/建築:相原幸一・高橋朋之/ファシリティ・プログラミング:田中重良・大和田美以奈・宮本礼/構造:畠本斉・樋口聡・宮野鼻一郎・矢野貴大/設備:平岡雅哉・小池正俊・神谷麻理子
/インテリアコーディネート:イリア/外構:ランドスケ-プデザイン社/照明(和紙光壁)デザイン:堀木エリ子&アソシエイツ
建物データ
所在地
竣工年
敷地面積
延床面積
構造
階数
CASBEE評価
省エネルギー性能
京都府向日市
2011 年
9,917㎡
16,319㎡
SRC造一部RC造, S造
地上7階
PAL削減
ERR(CASBEE準拠)
LCCO2削減
11 %
32 %
25 %
Sランク
BEE=4.2
2010年度版
第三者認証
3.0
100
S
1.5
A
4.2
80
+
BEE=1.0
B
-
B
Q 50
0.5
C
0
0
19
50
L
主要な採用技術(CASBEE準拠)
Q3. 1.
Q3. 3.
LR1.2.
LR1.4.
LR2.2.
生物環境の保全と創出(外構緑化率, ビオトープ)
地域性・アメニティへの配慮(外装及び外構計画に対し, 地域の風土・歴史・文化の継承)
自然エネルギー利用(太陽光発電パネル, トップライト, 自然換気,可動ルーバーによる昼光制御,快適な視(光)環境の創出)
効率的運用(詳細な電力消費量計測, BEMSデータによる空調/熱源/自然換気効率評価
非再生性資源の使用量削減(持続可能な森林から算出された木材(使用比率50%以上)
100
サステナブル建築事例集/一般社団法人日本建設業連合会
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