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平成28年度 施設における継続教育のプログラム開発
~「継続教育の基準ver.2」活用のためのガイドの解説~
【manaba使用研修】
~受講者の皆様からの講義へのご質問と回答~
科目名/2.「継続教育の基準ver.2」活用のためのガイド解説
講義内容への質問
●2.「継続教育の基準ver.2」活用のためのガイド解説
○施設内において、新人を対象にするものなど、一部アン
ケートではなく、レポート提出(研修後)を課しているものが
あります。講師へのフィードバックが不十分だと感じていま
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す。
また、少人数の事もあり、まとめず、そのままレポートを回
覧報告しています。部署でうけとり部署担当者から教育担
当者へ提出されます。流れとして、逆のほうが効果的でしょ
うか。まとめて回覧がよろしいでしょうか。
回 答
ご質問ありがとうございました。レポート回覧の流れとしては、どち
らでも構わないと考えます。ただ、重要なことは部署の担当者と教育
担当者の双方がお互いの立場でレポートの内容を確認することで
す。部署の担当者は、教育担当者よりも研修対象者に近い立場とし
て、対象者が研修で学んだことを実践に生かすためにどのように
OJTの中で関わるっていくべきかをレポートの中から読み取ることが
大切です。また、教育担当者は研修企画時に立てた目的や目標と照
らし合わせながら、研修の内容が意図したゴールに向かったか等を
確認することが大切です。
レポートをまとめて回覧した方がよいかについても明確な答えはあ
りませんが、ある程度内容を整理した状態でレポートを確認すると、
研修対象者全体の傾向は把握しやすくなるかと考えます。例えば、
退院支援に関する研修のレポートが提出された際に、社会資源の活
用についての考察が少ない傾向にあったとすると、次回の研修では
その点を補完する必要があると気づくことができ、研修企画を更に充
実したものすることができます。
<講師: 渋谷 美香>
ご質問ありがとうございました。組織によって人的資源の状況は
様々であり、各組織の人的資源を考慮した上で、組織の教育理念・
目的・目標を達成するために適切かつ必要な人材を選出することは
重要です。特に、中小規模病院の場合は看護職員数自体も少なく、
●2.「継続教育の基準ver.2」活用のためのガイド解説
教育の運営組織に携わるメンバーを確保することにも苦慮する場合
があるかと思います。そのような場合、例えば継続教育の基準ver.2
○"人材・人員の確保"のパワーポイントにおいて、[必ずし
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にある「看護の実務経験年数を5年以上有する者」という選出基準に
も選出基準を満たす人材を選出する必要はない]とは、組
必ずしも沿う必要はなく、5年未満であっても組織の教育理念等を明
織がどう教育担当者を育成したいかに係るからなのでしょ
確に理解し、研修の企画・運営・実施といった役割を果たす素地があ
うか?具体的理由を教えてください。
ると考えられる人材を運営組織のメンバーに選出することは問題あり
ません。
<講師:渋谷 美香>
科目名/3.施設内研修における教育担当者の役割と活動
講義内容への質問
回 答
○各施設では物理的、人的な制約があるため基礎教育の看護技術
習得状況を確認しながら、直ぐに現場で必要となる看護技術を精選
して集合研修を行っていると思います。看護基準や看護手順、医療
安全マニュアル等には、安全・確実に実施する方法や根拠が明文化
されていますので、まずは指導にあたる先輩看護師が、これらを十分
に理解して実践していることを、看護師長や教育委員等の協力を得
て事前に確認しておくと良いです。
●3.施設内研修における教育担当者の役割と活動
○新人を受け入れる準備段階として、直接新人指導にあたる実地指
導者や先輩看護師に、看護基準や手順、技術チェックリストが現場
○新人教育を担当しているが、集合研修で行った技術が
の看護実践状況に即しているのかを確認してもらうことにより、自ら
現場ではそれぞれの先輩の方法に変わってしまう。集合研
の看護実践を再確認する機会を与えることも良いと思います。意外と
3 修で習得した技術を現場で浸透させるにはどのようにした
先輩は、この段階で自己流で行っていることに気が付くかもしれませ
ら良いか。
ん。また、集合研修で使用した技術チェックリストを現場でも活用し
て、計画的に技術指導をしたり、評価することを取り入れると徐々に
○研修担当の人員確保に苦労しています。ヒントになるこ
現場に浸透していくことができると思います。
とがあればお教えいただきたい。
○研修担当者を確保することは厳しい現状があります。研修目標が
達成できるように研修内容や方法を検討する中で、集合研修で学習
した方がより効果が得られる内容と、現場の実践を通して学習した方
が良いこともあります。集合研修とOJTを上手く使い分けることで、必
要最低限の人員でも十分に研修効果を得ることができます。
<講師:郷 由里子>
教育方法の一つとして、eラーニングを利用できる環境が整っていて、
学習者の抵抗感などが無いようでしたら活用することは良いと思いま
す。eラーニングはインターネットが利用できれば、個人的に何時で
も、何処でも学習できますので事前・事後課題としても活用できます。
●3.施設内研修における教育担当者の役割と活動
集合研修前に学習者に研修内容を提示して予め基本的知識を得て
から集合研修をすることにより、研修を効果的に進められると思いま
○次年度、教育研修にeラーニングを利用したいと考えて
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す。また、eラーニングは、教育担当者が学習(課題)内容、対象者、
います。現在の教育プログラムにどのように組み込んでい
学習時期、評価レベルなどを設定しておくことにより、多数の対象者
くか、注意点や重視した方がよい点、評価方法などご指導
が同じ学習内容を何時でも実施することができます。教育担当者が
いただけますと幸いです。
学習内容、対象者、時期を明確にして教育プログラムに組み込まれ
ると良いと思います。
<講師:郷 由里子>
○教育計画は、前年度3月までに組織の特徴や理念、社会のニー
ズ、組織のニーズ、看護職のニーズをアセスメントし、年間を通して計
画立案します。教育プログラムの作成は、教育計画をもとに開催の
2、3か月前を目安に目的・目標・対象・時期・内容・方法・評価などの
●3.施設内研修における教育担当者の役割と活動
詳細を決定し、研修が円滑かつ効果的に行われるためにします。教
育計画と教育プログラムが混同しやすいようであれば、教育プログラ
○教育計画と教育プログラムの言葉の使い分けがあるよう
ムを研修プログラムという使い方をしてもよいと考えます。
ですが、その意図を教えてください。
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○看護職員の看護実践能力を把握するために、クリニカルラダーを
○個々の看護師の能力の把握はどのように考えればよい
用いてレベル毎に評価しています。他には、所属看護師長や上司か
ですか。経験年数だけでは能力把握にならないのではない
ら日常の看護実践状況の情報を得て客観的に評価したり、個別の
かと思います。能力把握には別途教育プログラムやラダー
キャリアカード、ポートフォリオなどから職務経験や自己啓発内容な
を取り入れているのですか。
どの情報を得る場合や面接を通してキャリアを把握することもありま
す。
<講師:郷 由里子>
○パフォーマンステスト:研修で得た知識・技術を、研修生が演習や
ロールプレイをすることで、習熟度をさらに高める方法。
シミュレーション:研修内容・方法として、実際に現場で遭遇する事例
などの状況設定を組み入れることにより、課題をクリアする方法。実
際の業務と直結した状況を解決するため、研修生にとっても理解しや
すく、効果的であるとされています。
●3.施設内研修における教育担当者の役割と活動
エクササイズ、演習:演習の成果を見て、研修参加者の習熟度や不
明点を明らかにする方法。研修参加者の理解度や行動を客観的に
○多様な評価方法における、パフォーマンステスト、シミュ 見ながら、コメントを返したり、良い点を指摘するなど、研修目標に到
6 レーション、エクササイズを具体的に知りたい。
達できるように研修担当者や講師がサポートする必要があります。
○看護協会が主催する個人または施設別のeラーニング
の費用はどのくらいかかるのか。
<講師:郷 由里子>
○日本看護協会のインターネット配信研修[オンデマンド]の詳細は、
公式ホームページに掲載しております。ぜひご覧ください。オンデマ
ンド配信として90分のコンテンツは、会員2,052円・非会員3,132円、
180分のコンテンツは、会員4,104円・非会員6,264円で、約7ヶ月間24
時間いつでもスマートフォンなどのモバイル機器、ご自宅や施設の
PCを用いて視聴できます。
○アンケートにより研修の満足度を知りたいのか、目標達成度を明ら
かにしたいのか、自由意見や感想の記述を求めた方が良いのかな
ど、まずはアンケートの目的や内容を検討されると良いと思います。
回答の度合いを明らかにするためには、評価スケールとしてリッカー
●3.施設内研修における教育担当者の役割と活動
ト尺度が用いて5段階や7段階尺度で回答を求める場合があります。
奇数のスケールを用いると中間点がありますので、中心化傾向や7
○アンケート用紙を作成するうえで今年度作成したものに
段階を超えると自分の観点を定義して回答するのは難しくなるとも言
修正を加えようと思っています。評価スケールは、講義で
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われています。研修評価は目標が達成されたか否かを確認したり、
は4段階でのスケールを提示されていましたが、当院では5
次の研修に活かすために行われますので基本フォーマットは必要で
段階のものを使用しています。また、3段階のものもあると
すが、評価内容やスケールは研修により異なることもあります。「は
思いますがそれぞれの利点をご教示いただければと思い
い・いいえ」の単純回答や4段階、5段階、7段階尺度の回答が必要な
ます。
場合もあると思います。リッカート尺度を用いる場合にラベル付など
の注意点もありますので参考にされると良いと思います。
<講師:郷 由里子>