fax news - 千葉県保険医協会

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千葉県保険医協会
2017 年3月号【 号 外 - ② 】
発 行 千葉県保険医協会
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協会は、3月 26 日に行われる千葉県知事選挙を前に6名の県知事立候補予定者へ医療・社会保障に関するアン
ケートを実施した。回答全文を掲載する。
2月 28 日とした回答期限までに、
竹浪永和氏、
松崎秀樹氏、
角谷信一氏、
森田健作氏
(到着順)
から回答を得た。
なお、皆川眞一郎氏、
中脇啓二氏は立候補を取り止めた。
千葉県知事選挙・立候補予定者アンケートの回答
【要 請 項 目 】
①どちらでもない
森田 健作 氏
①子 どもの医療費助成の県
基準について通院、入院と
も高校3年生( 18 歳年度
末)まで、
所得制限なく、無
料としてください。
(コメント)通院の助成対象を中学校3年生まで拡大し、さらに所得制限を撤廃して自己負担も無くした場合の千
葉県の負担額は、現行の助成額・年間 67 億円に加えて、さらに年間 66 億円の増加となり、年間合計で 133 億円に
なると試算されています。
このように、きわめて大幅な予算の増額が必要となることから、子供医療費助成の通院の対象年齢引き上げ(所
得制限撤廃、自己負担なし)については、対象拡大の効果をしっかりと検証するとともに、国の動向を見極めつつ、
総合的な判断をしていくことが必要と考えています。
②県 立病院はじめ公的病院
を充実してください。
(コメント)県立病院が、県民に安心・安全な医療を提供していくために老朽化や狭隘化への対応は、着実に取り組
んでいく必要があると認識しています。
そのため、県立がんセンターについては、平成 31 年度の新棟完成をめざして工事に着手し始め、また救急医療センター
と精神科医療センターの一体的整備については平成 33 年度の完成をめざして来年度は基本設計に取り組む予定です。
さらに、耐震不足と判定されている佐原病院の本館については、来年度、診療への影響を最小限に抑える工法等
の検討を行い、必要な整備を図りたいと考えています。
③医師・看護師確保等にむけ
た対策事業費予算を増額
してください。
②賛成
③賛成
(コメント)医師の確保対策について、千葉県では、大学医学部の学生に貸与する修学資金の貸し付け人数を拡大
し、将来、地域医療を担う医師の確保を促進しています。さらに、地域医療を支える自治体病院の医師不足を解消
し、十分な診療機能を確保していくため、県内自治体病院に医師を派遣する民間医療機関等への助成制度を 27 年
度に創設するなど、医師の確保対策を推進しています。なお、千葉県では、平成 29 年度の当初予算において、前年比
3,400 万円増の年間 7 億 6,324 万円を医師確保関係事業として予算計上しました。
また、看護師の確保対策については、千葉県では、看護学生に貸与する修学資金の新規貸付人数について、これま
での実績を踏まえ、希望者全員に貸与できるよう大幅に拡大し、県内就業を促進しています。加えて、看護職員の養
成力の強化を図るため、看護学部を新設する大学 3 校に補助を行い、入学定員が増加しました。なお、千葉県では、
平成 29 年度の当初予算において、前年比 3,600 万円増の年間 3 億 1,712 万円を看護学生への修学資金貸付事業
として予算計上しました。
さらに、新規の大学医学部(年間 11 億円)や看護師養成学校(年間 10 億 4 千万円)の設置に対する助成なども実
施しています。
④ 2025 年に向けた取り組み
として地域医療構想(地域
医療ビジョン)については、
高齢社会を見すえ、地域住
民や地域の実態に基づく必 ④賛成
要量を確保するなど医療・ (コメント)千葉県では、平成 28 年 3 月に、保健医療施策の基本指針である「千葉県保健医療計画」の一部を改定し、
2025 年を見据えた地域医療構想を盛り込むとともに、基準病床数や指標の見直しを行いました。これによ
介護提供体制の整備・拡充 新たに
り、医療機関の機能分化や連携強化、在宅医療の充実など、地域医療体制の整備を図るとともに、地域医療を支える
医療・介護人材の確保と定着に取り組んでいます。
を図ってください。
⑤後期高齢者の保険料を引き
上げしないよう千葉県後期
高齢者広域連合へ県として
財政支援をしてください。
また、県では、地域医療介護総合確保基金等を活用し、地域の中核的な医療機能を担う公的病院の施設整備に対
する助成や、医師不足自治体病院への医師派遣促進事業などに取り組んでいます。今後は、超高齢社会の医療ニー
ズに的確に対応するため、地域包括ケアシステム構築の要となる在宅医療の充実などが必要であり、総合診療医や
訪問看護の果たす役割は重要であると考えています。
さらに、千葉県の地域医療構想では、団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年に向け医療ニーズが大きく変動す
ることが見込まれる中、限られた医療資源を有効に活用し、県民が地域で安心して質の高い医療サービスが受けら
れるよう、医療機関の病床機能の分化と連携等を促進するなど、今後も医療・介護体制の整備を促進します。
⑤反対
⑥高齢者の窓口負担増( 75 歳 (コメント)千葉県では、後期高齢者医療に毎年 500 億円を超える費用を負担しており、今後、医療給付の伸びはさら
将来にわたって持続可能な医療保険制度とするため、国の責任において財政負担の
以上の窓口負担を原則2割) に増加することが見込まれる中、
あり方を検討されるべきものと考えており、県単独での財政支援については、現在のところ特段考えておりません。
をしないこと、70 歳以上
の患者負担限度額
(高額療養 ⑥どちらでもない
持続可能な医療保険制度を構築し、将来にわたって国民皆保険を堅持することができるよう、
費)
を引き上げないことを国 (コメント)国は、
様々な医療制度改革を実施することとしていますが、その一環として、後期高齢者医療保険料の特例軽減措置の廃
止や窓口負担のあり方なども検討するとしており、具体的な内容については今後国において検討し、結論を得ると
へ要請してください。
⑦介護利用料の引き上げをはじ
め、介護分野の負担増をしない
よう国へ要請してください。
⑧健康保険で良い医療・歯科
医療が受けられるよう、患
者窓口一部負担金を大幅
に軽減するよう国へ要請
してください。
アンケートは①~⑧の要請
項目について、賛成または反対
を聞き、
コメント欄を設けた。
されているため、千葉県としても国の動向を注視していきます。
また、千葉県では後期高齢者医療制度については、全国知事会等を通じて、現行制度を基本としつつ必要な改善
を加えながら、安定的な運営に努めるよう国に要望してきました。
なお、国では、高額療養費の見直しについては、制度の持続可能性を高めるため、世代間・世代内の負担の公平や、
負担能力に応じた負担を求める観点から、低所得者に配慮したうえで、高額療養費の算定基準額を見直すことが決
定され、平成 29 年 8 月から段階的に施行されることとなりました。
⑦どちらでもない
(コメント)介護制度の持続性を担保するため、資力のある高齢者の方に対して、応分の負担を求めることは、やむ
を得ないことと考えています。
しかしながら、低所得者の方への配慮については、引き続き実施することとしており、今後も高齢者の方が地域
で安心して暮らし続けられるよう努めていくことが重要であると思います。
⑧どちらでもない
(コメント)医療保険制度は、昭和 36 年に国民皆保険体制が確立されて以来、就労構造の変化や少子高齢化の進展、
国の財政状況等の社会経済情勢の変化を踏まえ、持続可能な制度の確立をめざして、数次にわたって改革が行わ
れ、現行の制度になったものと認識しています。
千葉県では、国の責任において、持続可能な制度設計が行われ、必要な借置が取られるよう、国に対して要望や提
案を行っています。