塩路勝久参与 - 日本下水道新技術機構

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本機構と関わりを持つ方を紹介するコーナーです。
昨年10月に参与に就任した塩路さんに,ご就任の心境から
機構にかける思い,今後の抱負などについてお聞きしました。
ピープル
参与 塩路 勝久
■本機構の参与に就任された心境は
必要に応じ伐採するというような管理を行って所期の
私は常々,数多くあるインフラの中で,下水道ほど
能力が発揮できるようにしています。ところが,下水
技術開発が重要な分野は他に無いと言ってきました。
管きょの中を「よく見る」ということはなかなか簡単
本機構は,産学官が連携して技術開発を進めるうえ
なことではありません。すなわち下水管きょは管理し
で,まさにそれらの「橋わたし」を行う組織として,
にくく,管理のためには困難の多いインフラであり,
下水道界の技術開発の重要な一翼を担っています。今
その困難を克服するために工夫が求められ,技術開発
回,このような重要な組織の一員になったわけです
が必要となります。下水管きょの資産管理は一例です
が,機構の活動を通じ,技術開発,引いては下水道界
が,下水道事業にはこの他にも多くの「困難」があ
の発展に微力ながらお役に立てればと思っているとこ
り,それ故に技術開発が大変重要であると理解してい
ろです。
ます。
■今までの業務での本機構との関わりは
■機構の役割として重視したいことは
私は今まで機構への出向等は無く,機構の一員とな
機構は設立以来,下水道分野における産学官の「新
ったのは今回が初めてです。ただ,今までの業務の中
技術の橋わたし」に取り組んできましたし,また,昨
でも機構とは随分深く関わってきました。平成6年頃
年5月に策定した中期事業計画には,「橋わたし機能
には本省で技術開発担当の課長補佐を務めていました
の強化」が謳われています。新しい話でなくて大変恐
が,機構が立ち上がったばかりで,全体の中の機構の
縮ですが,機構としては,この「橋わたし」を確実
役割とか,どうやって組織として継続していけるかな
に,そして愚直に進めることが何よりも大事であると
ど,当時の機構の方々と何度も議論したことを覚えて
考えています。
います。また,日本下水道事業団関東北陸総合事務所
また,少し見方を変えれば,組織を構成するのも
長時代には,ある市の大深度雨水貯留管の設計を,機
「人」であり,技術も所詮「人」に付随するものであ
構と事業団が共同で実施し,機構にはドロップシャフ
ることを考えれば,詰まるところ機構は人と人の橋わ
トの検討をご担当いただきました。おそらく,機構と
たしをしているとも言えます。この点,機構の一員に
事業団が共同して自治体のために働いた最初の事例だ
なって,機構のOB会がかなり活発に行われ産官の交
ったと思います。
流が続いていることを知り,本当に良いことだと思っ
■ところで,どうして下水道は他のインフラに比べ技
ています。人と人を橋わたしする機構の面目躍如とい
術開発が重要なのですか
うところでしょう。機構のこのような面も大事にして
いろいろな切り口があると思いますが,一例をあげ
いければと思っています。
れば,下水管きょの資産管理があると思います。イン
■今後の抱負を一言
フラに限らず,物の管理の基本は「対象物をよく見て
私は今年還暦を迎え,暦が一巡するのですが,これ
観察する」ことだと考えています。例えば,河川堤防
を機に初心に戻り,心機一転,改めて機構のため,下
は,定期的に担当者が河川堤防を巡回し,亀裂やモグ
水道界のために努力していきたいと思っています。
ラの穴があれば埋め戻し,河川敷に高木が繁茂すれば
36 —— 下水道機構情報
Vol.11 No.24