経営分析調査報告書-平成27年度決算版

はじめに
公 益 社 団 法 人 大 分 県 ト ラ ッ ク 協 会 は 、 平 成 28 年 5 月 末 現 在 で 会 員 数 は
5 2 0 社 、事 業 所 数 5 8 6 事 業 所 、車 両 総 数 は 1 0 , 3 2 9 台 、従 業 員 総 数 約 1 3 , 0 0 0
人 の 規 模 を 擁 し 、貨 物 自 動 車 運 送 事 業 の 適 正 な 運 営 及 び 健 全 な 事 業 の 発 展
を 促 進 し 、社 会 に 不 可 欠 な 物 資・エ ネ ル ギ ー 等 の 安 定 供 給 を 行 い 、も っ て
公共の福祉の増進に資することを目的として活動を行っています。
こ の 目 的 を 達 成 す べ く 会 員 企 業 に お い て は 、国 内 物 流 の 基 幹 産 業 と し て
時代にマッチした物流システムの構築及び利用者ニーズの利便性を第一
に 、国 民 の 生 活 の 安 定 と 、地 域 産 業 の 振 興 を 物 流 と い う 分 野 で 貢 献 す る こ
とを理念におきながら、日々の業務を遂行しております。
今 、私 た ち が 担 っ て い る 国 内 物 流 は 大 き な 変 化 の 波 を 受 け て い ま す 。今
年 早 々 の 経 済 情 報 に よ れ ば 、大 手 宅 配 事 業 者 の 決 算 が「 取 扱 量 は 増 え た も
の の 減 益 と な っ た 」よ う で す 。公 需 や 民 需 、ビ ジ ネ ス と 非 ビ ジ ネ ス 等 の 相
違 は あ る も の の 、物 流 分 野 に お け る 荷 動 き は 堅 調 に 伸 び て い ま す 。し か し 、
利 益 は 低 迷 し 又 は 減 益 と な っ て い る の で す 。厳 し い 現 実 、こ れ が ト ラ ッ ク
業界の実態です。
そ の 背 景 の 1 つ に 、担 い 手 で あ る 運 転 手 の 不 足 が あ り ま す 。若 手 の 新 規
就 職 へ の 敬 遠 、ド ラ イ バ ー の 高 齢 化 な ど に よ り 、人 件 費 の 上 昇 が 経 営 を 圧
迫 し 始 め て い ま す 。「 翌 日 で は な く 当 日 配 送 」 に 代 表 さ れ る よ う に 、 荷 主
都 合 に よ る 要 求 が 強 ま っ て い ま す 。I O T や A I に 代 表 さ れ る 第 4 次 産 業
革 命 の 進 行 に よ り 、物 流 現 場 で は 時 間 に 極 め て 縛 ら れ た 作 業 等 が 行 な わ れ 、
その対応に四苦八苦しているのが現実です。
一 方 、 海 外 に 目 を 転 じ れ ば 、 28 年 6 月 に 発 表 さ れ た 英 国 の E U 離 脱
( Brexit)や 米 国 の ト ラ ン プ 新 大 統 領 の 就 任 な ど 、自 由 貿 易 を 旨 と し て き
た 世 界 経 済 の 流 れ に 逆 行 す る 動 き も 見 ら れ 始 め て い ま す 。こ れ ら は 政 治 の
世 界 で の 出 来 事 で す 。し か し 間 接 的 に は 経 済 活 動 に 影 響 を 与 え 、ま た 日 本
国内そして大分県内の経済活動へ微妙な影響を与えるものと考えておく
必要があるでしょう。
こ れ ら の 経 営 制 約 要 因 の 影 響 度 は 計 り か ね る も の の 、い ず れ は 会 員 企 業
に ダ メ ー ジ を 与 え 始 め る か も 知 れ ま せ ん 。し か し そ の リ ス ク の 程 度 を 真 摯
に評価し対応すれば、事業改善と安定的な成長は可能と考えられます。
本 報 告 書 で は 会 員 企 業 35 社 か ら 国 土 交 通 省 へ 届 出 の あ っ た [ 事 業 報 告
書 ]の デ ー タ を 分 析 し 、平 均 的 な 会 員 企 業 の 姿 を 導 き 出 し て い ま す 。本 報
告 書 の 統 計 資 料 等 と 自 社 の 経 営 数 値 と を 比 較 検 証 す る こ と で 、経 営 者 は ど
のような経営判断を行うべきかを、理解できるものと期待しています。
最 後 に な り ま し た が 、本 報 告 書 が 大 分 県 ト ラ ッ ク 協 会 の 会 員 各 社 の 経 営
改善の一助になることを切に願ってやみません。
目
次
はじめに
�1�
��の�本�性��
1 . 調 査 の 方 法 に つ い て …………………………………………………………………
・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
1
…………………………………
2.営 業 収益( 運 送収入 )に対する 構成比率・
・・・・・・・・・・
1
………………………………………………………………………………
3.事業の種類・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
…………………………………………………………………………………
4.事業内容・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
…………………………………………………………………………………
5.経営規模・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
…………………………………………………………………………………
6.輸送実績・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
…………………………………………………………………………………
7.事故件数・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
�2�
経営分析�は
………………………………………………………
1.経営分析は4つの視点から・
・・・・・・・・・・・・・・・・
6
2 . 経 営 分 析 を 効 果 的 に す る た め に ・………………………………………………
・・・・・・・・・・・・・・
6
�3�
���経営分析指標�分析�果
……………………………………………………………………
1.総資産経常利益率・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
2.収益性指標
( 1 ) 営 業 収 益 総 利 益 率 ・ ……………………………………………………………
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
11
( 2 ) 営 業 収 益 営 業 利 益 率 ・…………………………………………………………
・・・・・・・・・・・・・・・・・
12
( 3 ) 労 務 比 率 ・…………………………………………………………………………
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
14
3.流動性指標
( 1 ) 流 動 比 率 ・…………………………………………………………………………
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16
( 2 ) 当 座 比 率 ・…………………………………………………………………………
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
17
……………………………………………………
( 3 ) 受 取 債 権 回 転 期 間 ( 日 )・
・・・・・・・・・・・・・・・
19
……………………………………………………………………
(4)自己資本比率・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
21
( 5 ) 固 定 長 期 適 合 率 …………………………………………………………………
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
22
4.生産性指標
( 1 ) 従 業 員 1 人 当 り 営 業 収 益 ・…………………………………………………
・・・・・・・・・・・・・・・
25
………………………………………………………
(2)車両一両当り営業収益・
・・・・・・・・・・・・・・・・
27
……………………………………………………………………
(3)総資産回転率・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
28
5.総合性指標
…………………………………………………………
(1)損益分岐点営業収益・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
30
………………………………………
( 2 )営 業 キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー ・ マ ー ジ ン ・・・・・・・・・・・・・
・
34
�4�
�の�の経営分析指標
1 . 収 益 性 指 標 ………………………………………………………………………………
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
38
2 . 流 動 性 指 標 ………………………………………………………………………………
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
39
3 . 生 産 性 指 標 ………………………………………………………………………………
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
39
4 . 総 合 性 指 標 ………………………………………………………………………………
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
40
�5�
損益分岐点分析を経営に�かす
……………………………………………………
1 .損 益 計 分 岐 点 分 析 を 再 考 す る ・
・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
41
2 . 燃 料 油 脂 費 の 統 制 ・ 縮 減 に よ る 損 益 分 岐 点 の 変 動 ……………………
…………………………………………………………
( 1 )原 油 の 国 際 価 格 の 動 向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・
42
( 2 ) 為 替 の 動 向 ・…………………………………………………………………………
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
42
…………………………………
3 .燃 料 費 の 上 昇 が 経 営 に 与 え る 影 響 の 試 算・
・・・・・・・・・・
43
[参考資料]
4 5 -5 0
経営分析調査報告書
経営分析調査報告書
― Management Analysis Survey Report ―
― Management Analysis Survey Report ―
第1章
各社の基本属性情報
1.調査の方法について
本 報 告 書 で は 各 社 の 貨 物 自 動 車 の 保 有 車 両 数 に よ り 、次 の 3 つ の グ ル ー プ に
区分・分類しました。各グループのサンプル企業数は次のとおりです。
今回で 9 回目の調査報告です。直近の 3 年間分のみの分析としています。4
年 以 前 の 分 析 内 容 に つ い て は 、 毎 年 公 表 を し て い る [( 各 年 度 の ) 経 営 分 析 調
査報告書]にてご確認下さい。
各 年 度 で 取 り 扱 っ て い る サ ン プ ル 会 員 企 業 数 は 同 一 で は あ り ま せ ん( 下 記 資
料 を 参 照 )。 過 去 の 経 営 分 析 調 査 報 告 書 と 今 年 度 の 報 告 書 を 比 較 検 証 す る 際 に
は、この点にご留意下さい。
■ 5 両 以 上 20 両 未 満
1 5 社( 1 9 年 1 0 社 、2 0 年 1 5 社 、2 1 年 1 6 社 、2 2 年 1 5 社 、
23 年 17 社 、 24 年 15 社 、 25 年 15 社 、 26 年 15 社 )
■ 20 両 以 上 50 両 未 満
1 3 社( 1 9 年 1 0 社 、2 0 年 1 1 社 、2 1 年 1 1 社 、2 2 年 1 3 社 、
23 年 14 社 、 24 年 11 社 、 25 年 12 社 、 26 年 13 社 )
■ 50 両 以 上
7 社 ( 19 年 10 社 、 20 年 10 社 、 21 年 10 社 、 22 年 9 社 、
23 年 9 社 、 24 年 9 社 、 25 年 8 社 、 26 年 7 社 )
2.営業収益(運送収入)に対する構成比率
図 表 1~ 図 表 3 は 営 業 収 益 に 対 す る 各 科 目 の 構 成 比 で す 。
最 初 に 図 表 1 を 診 て み ま す 。[ 貨 物 運 賃 収 入 ] が 車 輌 保 有 台 数 の ど の ク ラ ス
に お い て も 9 0 % 台 で す 。[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] で は [ 貨 物 運 賃 収 入 ] が 3 年 連
続 で ほ ぼ 1 0 0 % で す 。[ そ の 他 ] の 収 入 は 、 保 有 車 輌 台 数 が 増 え る ほ ど 収 入 額
が多くなり、かつ構成比も高くなっています。
運 送 収 入 は 全 て の ク ラ ス で 前 年 の 26 年 実 績 を 下 回 っ て い ま す 。 し か し 、 25
年 実 績 比 で は 全 ク ラ ス で 上 回 っ て い る こ と か ら 、こ こ 数 年 堅 調 に 推 移 し て き た
収入の伸びが鈍化したと捉えた方が良さそうです。
図表 1
対 営 業 収 益 ( 運 送 収 入 + 運 送 雑 収 ) 構 成 比 (1)]
運送収入(千円)
保 有
車両数
決算期
貨物運賃
H25年
実績
全体
H26年
14,524
H27年
19,240
H25年
H26年
95.1%
95.0%
3.7%
4.7%
4.8%
99.9%
99.8%
2.5%
2.4%
-1.9%
91.2%
32.5%
1.0%
3.6%
3.5%
105,924 112,399 108,791
0
0
0.0%
0.0%
構成比
100.0%
100.0%
99.9%
伸び率
13.4%
6.1%
-3.2%
381,806 402,403 401,061
5,518
12,064
H27年
19,428 393,887 407,649 400,624
96.2%
99.8%
0.1%
100.0%
100.0%
100.0%
13.4%
6.1%
-3.2%
12,408 387,324 414,467 413,469
98.2%
96.6%
96.6%
1.4%
2.9%
3.0%
99.6%
99.5%
伸び率
-0.4%
5.4%
-0.3%
-5.0%
118.6%
2.9%
-0.5%
7.0%
888,394 953,868 928,032
55,265
73,796
99.5%
構成比
94.1%
92.8%
92.6%
5.9%
7.2%
7.4%
100.0%
100.0%
100.0%
伸び率
8.9%
7.4%
-2.7%
140.2%
33.5%
0.2%
11.3%
8.9%
-2.5%
1 -
H26年
528
0.1%
H27年
724
H27年
0.2%
100.0%
100.0%
100.0%
-1.5%
3.6%
3.5%
-1.7%
0.0%
0.0%
0.4%
H26年
0.2%
0
1,540
H25年
713 394,415 408,373 401,337
37.1%
0
-0.2% 158.5%
73,967 943,660 1,027,665 1,001,999
-
H25年
-1.7% 181.9%
60 105,924 112,399 108,851
構成比
実績
50以上
H25年
伸び率
実績
20~50
H27年
379,363 388,409 381,197
合計
運送雑収(千円)
計
構成比
実績
5~20
H26年
その他
単位:千円
1,948
0 105,924 112,399 108,851
0.0%
100.0%
100.0%
100.0%
13.4%
6.1%
-3.2%
1,919 388,864 416,416 415,388
0.5%
0.5%
100.0%
100.0%
100.0%
26.5%
-1.5%
-0.3%
7.1%
-0.2%
0
0
0.0%
0.0%
0 943,660 1,027,665 1,001,999
0.0%
100.0%
100.0%
100.0%
11.3%
8.9%
-2.5%
1
※
経営分析調査報告書
経営分析調査報告書
― Management Analysis Survey Report ―
― Management Analysis Survey Report ―
図表 1 のみ 1 社平均の実績値を掲載しています。他の各科目の実績値は本報告書末尾の[参考
資 料 ( 4 7 頁 )] に て ご 確 認 下 さ い 。
次に図表 2 を診てみます。営業収益(売上高)比で、全体の[人件費]は
3 3 % 前 半 が 基 調 と な っ て い ま す 。運 転 手 の 労 働 力 不 足 が 囁 か れ る 中 、個 別 賃 金
の 引 上 げ 圧 力 が あ る と 思 料 さ れ る と こ ろ 、経 営 者 は 人 件 費 総 額 の 抑 制 に 苦 心 し
ている様子が窺い知れます。
全 て の ク ラ ス で 、 27 年 は 26 年 よ り も 人 件 費 割 合 が 若 干 で は あ り ま す が 上 昇
し て い ま す 。[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] で 0 . 2 % 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] で 0 . 3 % 、
[ 50 台 以 上 ] で 0.6% の ア ッ プ で す 。 そ れ で も 、 25 年 度 比 で は 同 率 か 又 は 低
くなっています。
人件費の次に比率が大きい[燃料油脂費]をみてみます。全てのクラスで、
3 年 間 を 通 じ て 最 も 低 い 率 と な り ま し た 。[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] で は 、 2 7 年 は
2 5 年 と 比 較 し て 7 . 3 % も 構 成 比 が 低 く な っ て い ま す 。産 油 国 の 実 情 や 為 替 動 向
な ど の 複 合 的 要 因 か ら 、燃 料 油 脂 費 が 低 位 安 定 化 し た こ と は 喜 ば し い こ と で す 。
た だ し 、こ の よ う な 良 好 な 外 部 要 因 が 今 後 と も 続 く と は 限 り ま せ ん 。引 き 続 き 、
燃料油脂費の統制努力を行っていく必要があるでしょう。
[図表 2
保 有
車両数
全体
5~20
20~50
50以上
保 有
車両数
全体
5~20
20~50
50以上
2
対 営 業 収 益 構 成 比 ( 2 ) / 運 送 費 ( 原 価 )]
決算期
H25年
H26年
H27年
H25年
H26年
H27年
H25年
H26年
H27年
H25年
H26年
H27年
決算期
H25年
H26年
H27年
H25年
H26年
H27年
H25年
H26年
H27年
H25年
H26年
H27年
人件費
ガソリン費
33.3%
0.6%
33.3%
0.8%
33.7%
0.1%
36.0%
0.1%
34.8%
0.1%
35.0%
0.1%
38.9%
1.7%
38.6%
1.9%
38.9%
0.3%
30.1%
0.1%
28.9%
0.1%
29.5%
0.0%
施設使用 自動車
料
リース料
0.6%
0.8%
0.6%
1.1%
0.6%
1.1%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.4%
0.3%
1.5%
0.3%
2.1%
0.3%
2.0%
0.8%
0.5%
0.8%
0.5%
1.0%
0.5%
燃料油脂費
修繕費
軽油費
その他
計
14.6%
0.2%
15.7%
4.6%
13.7%
0.2%
14.6%
4.7%
11.4%
0.1%
11.6%
5.0%
20.6%
0.9%
21.5%
6.7%
18.0%
0.6%
18.7%
6.0%
13.6%
0.6%
14.3%
6.2%
16.2%
0.2%
19.0%
5.2%
15.1%
0.1%
17.1%
5.9%
13.5%
0.1%
13.9%
6.2%
12.4%
0.1%
12.6%
4.0%
11.7%
0.1%
11.8%
3.5%
9.1%
0.1%
9.2%
3.9%
施設賦課 事故賠償 道路使用 フェリー
費
料
利用料
税
0.3%
0.2%
1.9%
1.2%
0.3%
0.2%
2.0%
1.3%
0.3%
0.1%
2.3%
1.3%
0.7%
0.1%
1.4%
0.9%
0.5%
0.1%
1.2%
0.8%
0.4%
0.1%
1.4%
0.8%
0.2%
0.2%
1.8%
2.5%
0.2%
0.2%
2.2%
2.2%
0.1%
0.1%
2.6%
2.1%
0.3%
0.2%
2.0%
0.4%
0.4%
0.2%
2.1%
0.8%
0.4%
0.2%
2.2%
0.8%
-
2 -
減 価
償却費
4.3%
4.3%
4.8%
5.9%
7.1%
7.0%
7.4%
4.9%
5.2%
2.6%
3.1%
3.9%
その他
23.5%
23.7%
23.2%
11.2%
14.8%
15.1%
12.3%
13.0%
12.7%
33.0%
33.8%
33.1%
保険料
1.3%
1.3%
1.3%
1.7%
1.7%
1.7%
1.1%
1.3%
1.3%
1.4%
1.3%
1.3%
計
91.9%
87.4%
85.4%
86.3%
85.9%
82.4%
90.5%
88.0%
85.7%
93.9%
87.3%
85.9%
経営分析調査報告書
経営分析調査報告書
― Management Analysis Survey Report ―
― Management Analysis Survey Report ―
最 後 に 図 表 3 を 診 て み ま す 。 27 年 の 営 業 損 益 は 全 ク ラ ス で プ ラ ス で す 。 ま
た 3 年 間 通 じ て も 最 も 高 い 実 績 を 確 保 で き ま し た 。 2 5 年 と の 比 較 で は 、[ 5 台
以 上 2 0 台 未 満 ] が 3 . 3 % 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] が 5 . 8 % 、 そ し て [ 5 0 台 以
上 ] が 8.8% と 大 幅 な 改 善 を 実 現 し て い ま す 。 燃 料 油 脂 費 の 削 減 等 の 効 果 も あ
ったと思いますが、地道な経営改善努力が身を結んできたと言えるでしょう。
営 業 外 収 益 は[ 全 体 ]の 実 績 が 年 々 減 少 し て き て い ま す 。遊 休 不 動 産 の 賃 貸
料 や 各 種 の 補 助 金・助 成 金 収 入 、保 険 解 約 返 戻 金 な ど が[ そ の 他 ]に 含 ま れ ま
す 。収 入 額 が 減 少 す る の は 少 々 残 念 で す が 、本 業 で あ る[ 運 送 収 入 ]が 安 定 し
ていれば特段の問題は発生することはありません。心配しすぎは無用です。
[ 営 業 外 費 用 ] で [ 20 台 以 上 50 台 未 満 ] が 僅 か で は あ り ま す が 、 徐 々 に 上
昇 し て き て い る こ と が 懸 念 材 料 で す 。2 7 年 で も 1 . 0 % で す か ら 、損 益 に 与 え る
影 響 は 微 々 た る も の で す が 、金 融 債 務 以 外 の 負 債 の 増 加 が 推 測 さ れ ま す 。注 意
深く観察していく必要がありそうです。
[図表 3
保 有
車両数
全体
5~20
20~50
50以上
対 営 業 収 益 構 成 比 (3)/一 般 管 理 費 外 ]
営業損益
決算期
営業外収益
金融収益
その他
営業外費用
合計
金融費用
その他
営業外損益
合計
経常損益
H25年
-4.1%
0.0%
1.6%
1.7%
0.4%
0.1%
0.5%
1.2%
-2.9%
H26年
H27年
1.0%
3.1%
0.0%
0.0%
1.3%
1.1%
1.4%
1.1%
0.3%
0.3%
0.2%
0.3%
0.5%
0.6%
0.9%
0.5%
1.9%
3.6%
H25年
2.2%
0.0%
1.2%
1.5%
0.4%
0.0%
0.5%
1.0%
3.2%
H26年
1.6%
0.0%
1.2%
1.2%
0.3%
0.0%
0.4%
0.9%
2.4%
H27年
5.5%
0.0%
0.9%
1.0%
0.3%
0.1%
0.4%
0.6%
6.1%
H25年
-3.4%
0.0%
2.5%
2.5%
0.4%
0.1%
0.4%
2.1%
-1.4%
H26年
H27年
0.4%
2.4%
0.0%
0.0%
1.0%
1.3%
1.1%
1.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.6%
0.6%
1.0%
0.5%
0.4%
0.9%
2.8%
H25年
-5.7%
0.1%
1.2%
1.2%
0.4%
0.1%
0.5%
0.7%
-5.1%
H26年
1.4%
0.1%
1.5%
1.6%
0.3%
0.1%
0.4%
1.2%
2.6%
H27年
3.1%
0.1%
0.9%
1.0%
0.3%
0.1%
0.4%
0.6%
3.7%
3.事業の種類
26 年 は 一 般 貨 物 ( 特 別 積 合 せ ・ 無 ) 事 業 を 営 ん で い る 会 社 が 34 社 と 25 年
比 で 大 幅 に 増 え ま し た 。 27 年 は 一 転 し て 減 少 に 転 じ て い ま す 。 同 様 の 傾 向 は
貨物利用運送事業にも見られました。
一 般 貨 物 ( 特 別 積 合 せ ・ 有 ) 事 業 を 営 ん で い る の は [20 台 以 上 50 台 未 満 ]で
し か な く 、 27 年 は 26 年 と 同 様 に 1 社 の み と な っ て い ま す 。
[図表 4
事 業 の 種 類 ( 複 数 回 答 )]
5~ 2 0
単位:社
20~ 50
50 以 上
合計
H25年
H26年
H27年
H25年
H26年
H27年
H25年
H26年
H27年
H25年
H26年
一般(特別有)
0
0
0
2
1
1
0
0
0
2
1
1
一般(特別無)
11
15
12
8
12
12
6
7
6
25
34
30
貨物利用
5
6
5
3
5
3
3
3
2
11
14
10
-
3 -
H27年
3
経営分析調査報告書
経営分析調査報告書
― Management Analysis Survey Report ―
― Management Analysis Survey Report ―
4.事業内容
3 年 間 連 続 で は 偶 然 に も 全 く 同 じ 数 値 と な り ま し た 。 [5 台 以 上 20 台 未 満 ]
で は [ ダ ン プ に よ る 土 砂 等 輸 送 ] や [ 原 木 、製 材 輸 送 ] を 行 っ て い る 会 員 が 多 数 を
占 め て い ま す 。 [20 台 以 上 50 台 未 満 ]で は こ の 2 分 野 に 加 え て 、 [冷 凍 、 冷 蔵
輸 送 ]や 「 引 越 し 運 送 」 の 分 野 に も 進 出 し て い ま す 。 [50 台 以 上 ]で は [冷 凍 、
冷 蔵 輸 送 ]と [危 険 物 等 輸 送 ]の 取 扱 企 業 が 多 く な っ て い ま す 。
ま た [ 原 木 、製 材 輸 送 ] は 事 業 規 模 が 大 き く な る に つ れ て 会 員 数 が 少 な く な っ
て い ま す 。 そ の 一 方 で [ 危 険 物 等 輸 送 ] は [ 50 台 以 上 ] で し か 行 っ て い ま せ
ん。夫々の事業分野で必要とする車両調達費用との兼ね合いも有りそうです。
[図表5
事 業 の 内 容 ( 複 数 回 答 )]
5~20
単位:社
2 0~ 50
50以上
合計
H25年
H26年
H27年
H25年
H26年
H27年
H25年
H26年
H27年
H25年
H26年
H27年
ダンプによる土砂等輸送
4
4
4
2
2
2
0
0
0
6
6
6
長大物等輸送
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
国際海上コンテナ輸送
0
0
0
0
0
0
1
1
1
1
1
1
生コンクリート輸送
0
0
0
0
0
0
1
1
1
1
1
1
危険物等輸送
0
0
0
0
0
0
2
2
2
2
2
2
冷凍、冷蔵輸送
1
1
1
3
3
3
5
5
5
9
9
9
原木、製材輸送
5
5
5
2
2
2
1
1
1
8
8
8
引越運送
0
0
0
2
2
2
1
1
1
3
3
3
その他
6
6
6
7
7
7
5
5
5
18
18
18
5.経営規模
経 営 規 模 が 年 々 拡 大 し て い る こ と が 診 て と れ ま す 。[ 全 社 ] で は [ 総 資 産 ] の
27 年 は 25 年 比 で 21.3% 増 、 同 じ く [従 業 員 数 ]2.3% 増 、 [輸 送 ト ン 数 ]21.4%
増 と な り ま し た 。 図 表 6 に 掲 げ る 6 つ の 指 標 の 全 て で 、 25 年 よ り も 27 年 が 上
回っており、経営規模拡大に対する経営者の関心の高さが診てとれます。
[図表 6
経 営 規 模 ( 1 社 平 均 )]
資本金(千円)
H25年
H26年
売上高(千円)
H27年
H25年
H26年
H27年
H25年
H26年
H27年
全体
13,390
14,161
14,504
393,887
407,649
400,624
164,933
179,024
200,051
5~20
8,233
9,367
9,367
105,924
112,399
108,851
12,667
17,916
22,649
20~50
11,225
11,562
12,485
387,324
414,467
413,469
130,425
140,087
158,157
50以上
26,305
29,263
29,263
943,660 1,027,665 1,001,999
502,194
596,570
658,001
従業員数(人)
H25年
4
総資産(千円)
H26年
輸送トン数(トン)
H27年
H25年
H26年
H27年
保有車両数(両)
H25年
H26年
H27年
全体
33.1
33.6
33.9
109,651
161,476
133,149
33.1
32.3
33.2
5~20
9.5
9.7
9.5
37,859
49,179
41,267
9.4
9.5
9.3
20~50
34.3
37.5
37.6
122,791
188,872
126,225
31.5
32.2
33.8
50以上
75.8
77.4
79.3
224,553
351,233
342,898
79.8
81.6
83.4
-
4 -
経営分析調査報告書
経営分析調査報告書
― Management Analysis Survey Report ―
― Management Analysis Survey Report ―
6.輸送実績
[ 輸 送 ト ン 当 り 営 業 収 益 ]の[ 全 社 ]の 2 7 年 実 績 が 、2 5 年 比 で 二 桁( △ 1 6 . 2 % )
落 ち 込 ん で い る こ と が 注 目 さ れ ま す 。 図 表 7 を 概 観 す る と 、[ 走 行 キ ロ 数 ] が
△ 1 2 . 0 % ( 2 7 年 / 2 5 年 ) と な る 一 方 で 、[ 輸 送 ト ン 数 / 両 ] は + 2 0 . 9 % と な っ て
います。
前 頁 図 表 6 の [ 売 上 高 ] の 25 年 比 は 1.7% 増 と な っ て い る こ と か ら 、 荷 主
からの単価引下げ要請等を一台当りの輸送トン数をあげることで対応してい
る姿が垣間見れるようです。
[図表7
輸 送 実 績 ( 1 社 平 均 )]
走行キロ数(km)
H25年
全体
H26年
H27年
実車キロ数(km)
H25年
H26年
実車率
H27年
H25年
H26年
期末実在車両数(両)
H27年
H25年
H26年
H27年
1,878,335 1,637,551 1,653,376 1,408,845 1,211,385 1,233,917
75.0%
74.0%
74.6%
33.1
32.3
33.2
481,702 476,311 452,772 338,693 327,282 322,492
70.3%
68.7%
71.2%
9.4
9.5
9.3
20~50
2,109,985 2,061,148 2,195,863 1,532,326 1,542,871 1,626,946
72.6%
74.9%
74.1%
31.5
32.2
33.8
50以上
4,149,548 3,339,242 3,218,621 3,230,159 2,490,277 2,457,061
77.8%
74.6%
76.3%
79.8
81.6
83.4
5~20
延実在車両数(両)
全体
H25年
H26年
H27年
12,039
12,013
11,762
延実働車両数(両)
H25年
8,443
H26年
輸送トン数/両(トン) 輸送トン当り営業収益(千円)
H27年
8,225
8,095
H25年
H26年
3,317
4,997
H27年
4,011
H25年
3.59
H26年
2.52
H27年
3.01
5~20
3,417
3,413
3,228
2,236
1,960
2,097
4,028
5,195
4,453
2.80
2.29
2.64
20~50
11,959
12,586
12,598
8,355
8,638
8,413
3,898
5,874
3,738
3.15
2.19
3.28
50以上
28,324
29,379
28,499
20,213
20,883
20,357
2,816
4,306
4,110
4.20
2.93
2.92
7.事故件数
[ 5 0 台 以 上 ]の[ 交 通 事 故 件 数 ]が 年 々 増 加 し て い る こ と が 気 が か り で す 。
他 の 2 つ の ク ラ ス は 正 反 対 に 減 少 し て き て い ま す 。[ 重 大 事 故 件 数 ] も [ 5 0 台
以 上 ] の み 発 生 し て い ま す 。[ 死 者 数 ] は 3 年 間 、 全 ク ラ ス で 0 名 と な っ て い
ます。
[ 5 0 台 以 上 ]の 会 員 は 、こ れ ま で 以 上 に 安 全 運 転 意 識 の 向 上 を 目 指 し て 、
社内体制整備に努めていく必要がありそうです。
[図表8
事 故 件 数 ( 1 社 平 均 )]
交通事故件数
H25年
H26年
単位:件
重大事故件数
H27年
H25年
H26年
死者数
H27年
H25年
H26年
負傷者数
H27年
H25年
H26年
H27年
全体
1.11
0.86
0.74
0.06
0.03
0.03
0.00
0.00
0.00
0.14
0.09
0.06
5~20
0.27
0.07
0.00
0.07
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.07
0.00
0.00
20~50
2.17
1.46
0.85
0.08
0.08
0.00
0.00
0.00
0.00
0.17
0.23
0.08
50以上
1.13
1.43
2.14
0.00
0.00
0.14
0.00
0.00
0.00
0.25
0.00
0.14
-
5 -
5
経営分析調査報告書
経営分析調査報告書
― Management Analysis Survey Report ―
― Management Analysis Survey Report ―
第2章
経営分析とは
1.経営分析は4つの視点から
本報告書で使用している経営分析の手法は次のとおりです。
[図表 9
経営分析の概要]
分類
総合性
収益性
流動性
生産性
分析の意味
収 益 性 等 各 指 標 の バ ラ ン ス が 適 正 か 否 か を 分 析 し て い ま す 。主 と し
て、総資産の売上や利益を稼ぐ能力の分析という手法を用います。
営業収益(売上高)を基準に利益を稼ぐ能力の高さを評価します。
分析した結果の数値が高い方が良い、というのが原則です。
資 金 の 調 達 元 と 資 金 の 運 用 ・ 活 用 の 良 否 を 評 価 し ま す 。資 金 繰 り の
現状や資産と負債のバランスを評価しています。
[運転者らの人材]や[有形固定資産]等の経営資源の稼働状況、
収益や利益を稼ぐ能力の強弱を分析しています。
2.経営分析を効果的にするために
経 営 分 析 は 過 去 の 実 績 を 対 象 と し て い ま す が 、業 界 水 準 等 の 他 指 標 と 比 較 対
照・検証すると、経営分析はより効果的になります。
分析結果をもとに「改善すべき点はどこで、どのような対策を実行すれば、
会 社 の 経 営 が 良 く な る の か 」を 発 見 す る と い う こ と も 経 営 分 析 の 目 的 の 一 つ で
す 。本 報 告 書 で は 各 指 標 の 説 明 と 計 算 式 を 掲 載 し て い ま す 。会 員 企 業 に お い て
も必要に応じて、随時経営分析を行うことをお勧めいたします。
[ 図 表 10
比較検討の対象・基準]
検証対象
目
的
予算書
事業開始前に設定した経営予算と比較することです。1 年とい
(経営計画書)
う 短 期 の み な ら ず 、3 年 程 度 の 中 期 、5 年 超 の 長 期 の 期 間 予 算 と
の比較も有効です。経営予算には利益計画書の外に予想貸借対
照表を含むとより効果的になります。
過去の実績
前年実績、前々年実績などと時系列で推移をみることです。
業界水準
同業他社の(一社平均)実績と比較してみることです。
モデル企業
目標とする企業(ベチマーク企業)の実績と比較してみること
で す 。流 動 性 指 標 は 異 業 種 で あ っ て も 比 較 す る 価 値 は あ り ま す 。
注.業界水準について
本 報 告 書 で は 「 T K C 経 営 指 標 - 平 成 2 8 年 指 標 版 -( H 2 7 年 1 月 期 ~ 1 2 月 期 決 算 )」 の 「 一
般 貨 物 自 動 車 運 送 業 ( 4 4 1 1 )・ 黒 字 企 業 平 均 」 を 業 界 水 準 の 値 と し て 使 用 し ま し た 。
※ ㈱ TKC:1 万 人 超 の 会 計 専 門 家 ( 税 理 士 や 公 認 会 計 士 ) を 会 員 と す る 全 国 的 組 織
6
-
6 -
経営分析調査報告書
経営分析調査報告書
― Management Analysis Survey Report ―
― Management Analysis Survey Report ―
本報告書での区分
TKC経営指標での区分
全体
黒字企業平均
車輌保有
台数区分
5 台 以 上 20 台 未 満
0.5 億 円 ~ 1 億 円
20 台 以 上 50 台 未 満
営業収益
2.5 億 円 ~ 5 億 円
50 台 以 上
5 億 円 ~ 10 億 円
※ 営 業 収 益 を 一 般 的 に は 売 上 高 と 呼 ん で い ま す 。T K C 経 営 指 標 で も 売 上 高 と 記 載 し て い ま す
が、営業収益と読み替えて転記しています。
[ 図 表 10-2
損益計算書(PL)
(一定期間の営業成績)
運 貨物運賃
送
その他
収
入 計
運送雑収
営業収益
人件費
ガソリン費
軽油費
その他
燃料油脂費
事業用自動車
その他
修繕費
事業用自動車
その他
減価償却費
保険料
施設使用料
自動車リース料
施設賦課税
事故賠償費
道路使用料
フェリー利用料
その他
運送費
人件費
その他
一般管理費
営業費用
営業損益
金融収益
その他
営業外収益
金融費用
その他
営業外費用
営業外損益
経常損益
財務諸表体系と経営分析関連図]
貸借対照表(BS)
1.総合性分析
(一定期日(通常は決算期)における財政状態)
損益計算書と貸借対照表とを組み合わせて、総合的に会社
の企業力・体力を判断していきます。例えば、総資産経常利
利益率の計算式は次のとおりです。
・総資産経常利益率=経常利益÷総資産
2.収益性分析
主として、左辺の損益計算書を中心に分析をします。
分母には、営業収益(売上高)をする場合が多いです。
例えば、営業収益対営業損益率(売上高対営業利益率)は
借方(資金の運用)
現金預金
支払手形
受取手形
買掛金
未収運賃
短期借入金
有価証券
1年返済長期借入金
商品
1年償還予定社債
貯蔵品
未払金
前払費用
未払費用
前払金
未払法人税
未収還付消費税
未払消費税
未収収益
前受金
短期貸付金
預り金
立替金
賞与引当金
繰延税金資産
繰延税金負債
その他資産
貸倒引当金
営業損益÷営業収益で計算されます。
貸方(資金の調達)
その他流動負債
流動負債合計
流動資産計
社債
車両運搬具
3.流動性分析
右辺の貸借対照表を利用して計算します。
資金の動き、資金繰り、資金の安全性などについて検証し
ます。借方と貸方の両方の科目を利用して、資金調達の安
建物
退職給付引当金
構築物
役員退職
機械装置
繰延税金負債
工具器具
その他固定負債
その他
土地
建設仮勘定
有形固定資産計
全性を分析することができます。
例えば、金融機関が最も重視する指標の一つである流動比
長期借入金
固定負債合計
負債の部合計
資本金
新株式申込
のれん
資本準備金
ソフトウエア
その他資本剰余
その他
資本剰余金合計
無形固定資産計
率は次の計算式で算出されます。
利益準備金
投資有価証券
任意積立金
関係会社株式
・流動比率=流動資産÷流動負債
出資金
4.生産性分析
経営資源(ひと・もの)が効率的に稼動しているかを分析
します。生産・販売資源である[もの(車両)]を焦点に当
てた車両一両当り営業収益などがあります。
・車両一両当り営業収益=営業収益÷車両総数
その他利益剰余
利益剰余金合計
長期貸付金
自己株式
長期前払費用
自己株式申込
破産厚生債権
株主資本合計
その他
その他有価証券差額金
繰延税金資産
土地再評価
貸倒引当金
投資その他の資産
固定資産合計
繰延資産
資産の部合計
繰延ヘッジ
評価換算差額合計
新株予約権
純資産の合計
負債の部・純資産の部合計
こ の 図 表 は 、[ 一 般 貨 物 自 動 車 運 送 事 業 報 告 書 ] の 様 式 に あ る 損 益 計 算 書 と
貸 借 対 照 表 と を 分 か り 易 く 整 理 し た も の で す 。本 報 告 書 の 経 営 分 析 は 、提 供 の
あ っ た 全 35 社 の 資 料 の 勘 定 科 目 の 実 績 値 か ら 行 な っ て お り ま す 。
-
7 -
7
経営分析調査報告書
経営分析調査報告書
― Management Analysis Survey Report ―
― Management Analysis Survey Report ―
第3章
主要な経営分析指標と分析結果
本 章 で は 前 章 に て 取 り 上 げ た 経 営 分 析 の 4 つ の 視 点 の 中 か ら 、特 に 重 要 と 思
われる指標を取り上げて、3 年連続の分析結果を掲載するとともに、業界水準
値 ( ※ 6 頁 図 表 10 の 注 意 書 き 参 照 ) と 比 較 検 証 し て い ま す 。
1.総資産経常利益率
企 業 活 動 の 成 果 を 計 る 最 初 の ア プ ロ ー チ は 、「 保 有 す る 資 産 が ど れ だ け の 利
益 を 稼 ぎ 出 し た か 」を 分 析 す る こ と か ら 始 め る の が 一 般 的 で す 。利 益 に は 総 利
益 、営 業 利 益 、経 常 利 益 な ど の 区 分 が あ り ま す が 、本 項 で 分 析 対 象 と す る 利 益
は 経 常 利 益 ( ※ 7 頁 図 表 10-2 参 照 ) と し ま し た 。
保 有 す る 総 資 産( 総 資 本 )が 経 常 利 益 を 獲 得 す る 力 を 診 る 分 析 指 標 を「 総 資
産経常利益率」と呼んでいます。総資産経常利益率は 6 頁の[図表 9
経営分
析の概要]では総合性分析に該当します。
総資産経常利益率以外の指標は後記にて言及しています。ご確認下さい。
より少ない総資産でより多くの利益を稼ぎ出せれば収益力が高いと判断で
きます。総資産経常利益率の計算式は次のとおりです。
総資産経常利益率
=
経常利益
総資産
×
100
上記の式はさらに、次の 2 つの計算式に分解することが可能です。
総資産経常利益率
=
営業収益経常利益率
×
総資産回転率
こ の 計 算 式 を 分 数 に 分 解 し て み ま し ょ う 。こ れ に よ れ ば 、営 業 収 益 経 常 利 益
率 の 分 母 と 総 資 産 回 転 率 の 分 子 が と も に 営 業 収 益 で あ る た め 、結 果 と し て 総 資
産経常利益率という計算式が成立することが理解できます。
経常利益
総資産
=
経常利益
×
営業収益
営業収益
総資産
総資産経常利益率を高めるための選択肢は大きく分けて 2 つあります。
㈠
営業収益経常利益率の改善
営 業 収 益 経 常 利 益 率 を よ り 高 く し よ う と す る 取 組 み で す 。例 え ば 、同
8
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経営分析調査報告書
経営分析調査報告書
― Management Analysis Survey Report ―
― Management Analysis Survey Report ―
業 他 社 の 運 搬 役 務 と の 差 別 化 を 計 っ て 高 付 加 価 値 を“ 売 り ”に し 、利 益
を大きくしようとします。
ただし、提供する運送役務の価値を高める為に高機能車両の調達等、
保 有 資 産 額 が 多 く な り 易 い の で 注 意 が 必 要 で す 。ま た 、安 全 運 転 励 行 や
効率的な配送にも留意することも求められます。
㈡
総資産回転率の改善
営 業 収 益 経 常 利 益 率 は 低 く て も 、保 有 資 産 を 少 な く し 、ま た は 資 産 の
回転率を高めることで総資産経常利益率を高めようという取組みです。
これは薄利多売の経営を行なうことと強い関連性があります。
し か し 、保 有 資 産 の 増 加 や 充 分 な 売 上・荷 主 の 確 保 が で き な い と き は 、
資 産 回 転 率 が 低 下 し 、総 資 産 経 常 利 益 率 が 下 が る 可 能 性 が 高 く な り ま す 。
①分析結果
そ れ で は 、[ 総 資 産 経 常 利 益 率 ] の 分 析 結 果 を 診 て み ま し ょ う 。 す べ て の
ク ラ ス で プ ラ ス と な っ て い ま す 。 25 年 は [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] の み プ ラ ス
で し た の で 、 26 年 の 業 績 回 復 の 足 取 り が 本 物 と な っ た と 言 え る か も 知 れ ま
せん。
特 筆 す べ き は [ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] の 数 値 の 高 さ で す 。 規 模 的 大 き い[ 5 0
台 以 上 ]の 値 が 1 . 9 % な の に 対 し 、7 . 1 % も 高 い 9 . 0 % の 実 績 を 残 し て い ま す 。
過 去 3 年 間 で 最 も 高 く な っ た と 共 に 、業 界 水 準 と 比 較 し て も 際 立 っ た 好 成 績
を残したと指摘しておきたいと思います。
次に[営業収益経常利益率]の実績推移をみてみましょう。ここでも[5
台 以 上 20 台 未 満 ]の 好 調 さ が 特 筆 さ れ ま す 。6.1% の 実 績 は 他 の ク ラ ス 、過
去実績、業界水準のいずれの数値と比較してもNo1の実績です。
[ 5 0 台 以 上 ]も 回 復 ス ピ ー ド が 速 ま っ て い ま す 。2 5 年 は △ 5 . 1 % で し た が 、
2 7 年 は 3 . 7 % と 8 . 8 % も 改 善 さ れ て い ま す 。2 5 年 比 の 改 善 度 合 い だ と 、2 . 9 %
に 過 ぎ な い [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] を 大 幅 に 上 回 っ て い ま す 。
こ の 2 つ の ク ラ ス に 対 し 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] の 利 益 率 は も う 一 歩 と
い う 状 況 で す 。 な お 、 2 5 年 比 で は 4 . 2 % の 改 善 を 示 し て お り 、「 問 題 あ り 」
ということではありません。
最 後 に[ 総 資 産 回 転 率 ]は ど う で し ょ う か 。全 般 的 に「 停 滞 し て い る か 又
は 悪 く な っ て い る 」 と 指 摘 で き ま す 。[ 営 業 収 益 経 常 利 益 率 ] で は 高 い 数 値
を 記 録 し た [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] は 3 年 間 で は 悪 化 傾 向 に あ り ま す 。
こ の よ う に 、[ 営 業 収 益 経 常 利 益 率 ] と [ 総 資 産 回 転 率 ] の 両 指 標 の 改 善
を同時に達成することは困難です。
[ 総 資 産 経 常 利 益 率 ]の 改 善 に 当 っ て は 、
2 つのいずれかに重心を置いてアクションを起こしていくことが大切なので
す。
②業界水準との比較
[ 総 資 産 経 常 利 益 率 ] の 水 準 は [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] で 業 界 水 準 を 大 き
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く上回っています。
[ 5 0 台 以 上 ]で は 業 界 水 準 と は 3 . 1 % の 乖 離 が あ り ま す 。
この差異の原因はどこから来るのでしょうか。
[ 営 業 収 益 経 常 利 益 率 ] で は 会 員 3.7% で あ り 、 業 界 水 準 3.9% と 大 き な
差 異 は あ り ま せ ん 。 問 題 は [ 総 資 産 回 転 率 ] で す 。 会 員 0.52 回 転 、 業 界 水
準 1 . 3 回 転 と 業 界 水 準 の 4 割 の 回 転 率 で し か あ り ま せ ん 。後 頁 に て 営 業 収 益
に つ い て 言 及 し て い ま す が 、会 員 企 業 と 業 界 水 準 と で は 注 目 す る ほ ど の 乖 離
はみられていません。
よ っ て 、[ 総 資 産 回 転 率 ] の 不 良 は 総 資 産 の 持 ち す ぎ と い う 仮 説 が 成 立 し
ま す 。 遊 休 又 は 不 稼 働 、 非 効 率 の 資 産 の 保 有 が な い か 、[ 5 0 台 以 上 ] の 会 員
は確認する必要がありそうです。
[ 図 表 11
総 資 産 経 常 利 益 率 /営 業 収 益 経 常 利 益 率 /総 資 産 回 転 率 ]
総資産経常利益率
H25年
全体
H26年
H27年
営業収益経常利益率
業界水準
H25年
H26年
H27年
総資産回転率(回転)
業界水準
H25年
H26年
H27年
業界水準
-2.2%
1.5%
2.7%
4.8%
-2.9%
1.9%
3.6%
3.5%
0.76
0.77
0.74
1.4
5.8%
3.9%
9.0%
4.7%
3.2%
2.4%
6.1%
3.8%
1.80
1.59
1.49
1.3
20~50
-1.7%
1.1%
3.4%
4.8%
-1.4%
0.9%
2.8%
3.3%
1.22
1.26
1.23
1.4
50以上
-2.8%
1.4%
1.9%
5.0%
-5.1%
2.6%
3.7%
3.9%
0.56
0.55
0.52
1.3
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2.収益性指標
営 業 収 益 に 対 す る 利 益 や 費 用( 運 送 原 価 や 営 業 経 費 )の 割 合 を 分 析 す る も の
です。損益計算書では利益は次の 5 つに区分されます。
[ 図 表 12
5つの利益概念]
総利益
営 業 収 益 か ら 運 送 費 を 減 算 し た も の 。 粗 利 益 と も 言 う 。( 注 )
営業利益
営業収益総利益から一般管理費(営業経費)を減算したもの。
経常利益
営業利益に営業外収益(例.雑収入)を加算し、営業外費用(例.
支払利息・手形売却損)を減算したもの。
税引前利益
経常利益に資産売却損益等の特別損益を減算又は加算したもの。
税引後利益
税引前利益から法人税等を減算したもの。
注
「 一 般 貨 物 自 動 車 運 送 事 業 報 告 書 ( 平 成 2 7 年 度 分 )」 に は 営 業 収 益 原 価 ( 売 上 原 価 ) や 営 業 収
益 総 利 益 ( 売 上 高 総 利 益 ) と い う 表 記 は あ り ま せ ん が 、一 般 に 利 用 さ れ て い る 企 業 会 計 を 参 考 に 、
“総利益”という表現を採用しました。
本 項 で は 5 つ の 利 益 率 の 中 で 、営 業 収 益 総 利 益 率 と 営 業 利 益 率 に つ い て 分 析
しました。なお、関連して経常利益率と労務比率についても分析しています。
労 務 比 率 は 営 業 収 益 に 占 め る 人 件 費 の 割 合 で す 。人 件 費 に は 運 送 に 直 接 係 る
運 転 手 の 賃 金 等 の ほ か 、営 業 担 当 者 や 事 務 職 等 後 方 部 門 の 従 業 員 の 賃 金 等 が 含
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ま れ て い ま す 。労 務 比 率 が 低 い と い う こ と は 、一 般 的 に は 少 な い 従 業 員 数 で 又
は 多 く な い 賃 金 総 額 で 、多 く の 営 業 収 益( 売 上 高 )を 稼 ぎ 出 し て い る こ と を 意
味しています。
(1)営業収益総利益率
営 業 収 益 総 利 益 率 の 計 算 式 は 次 の と お り で す 。こ こ で は 運 送 費 を 営 業 収 益 原
価 と み な し ま し た 。何 故 な ら 、運 送 費 を 投 入 す る こ と で 営 業 収 益 ( 運 送 収 入 等 )
を獲得することができるからです。
営業収益総利益率
※1
=
営業収益-運送費
営業収益
×
100
営 業 収 益 の 過 半 は 運 送 収 入 で す 。2 7 年 の 運 送 雑 収 入 は 全 3 5 社 平 均 で 7 1 3 千 円 で し た( 営
業 収 益 比 0 . 2 % )。
※2
運送費=運送人件費+燃料油脂費+修繕費+(運送に直接係る資産の)減価償却費+そ
の 他 (保 険 料 等 )。 運 送 費 を 営 業 収 益 原 価 と み な し た の で 、 営 業 収 益 か ら 運 送 費 を 控 除 し た 残
高 が 営 業 収 益 総 利 益 と な り ま す ( 営 業 収 益 総 利 益 = 営 業 収 益 - 運 送 費 )。
①分析結果
27 年 は 3 年 間 で 最 高 の 実 績 を 残 す こ と が で き ま し た 。 [ 5 台 以 上 20 台 未
満 ] で は 17.6% を 記 録 し 、 26 年 比 で 3.5% も ア ッ プ し ま し た 。 他 の 2 つ の
ク ラ ス の 伸 び( % )よ り も 高 く な っ て い ま す 。こ の 伸 び を 続 け れ ば 、大 台 の
20% の キ ャ ッ チ も 可 能 と な り そ う で す 。
[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ]( 1 4 . 3 % ) と [ 5 0 台 以 上 ]( 1 4 . 1 % ) も 堅 調 に 推 移
し て い ま す 。 し か し 、 26 年 に 大 き く 伸 長 し た [ 50 台 以 上 ] の 勢 い に 陰 り が
見 ら れ 、 27 年 に は [ 20 台 以 上 50 台 未 満 ] に 僅 か 0.2% で す が 、 逆 転 さ れ て
しまいました。
②業界水準との比較
一般的に使用される企業会計原則による財務諸表と本報告書の根拠とし
て い る[ 一 般 貨 物 自 動 車 運 送 事 業 報 告 書 ]に 勘 定 科 目 等 の 相 違 が あ る と 見 ら
れ る と こ ろ か ら 、計 算 結 果 と 業 界 水 準 と の 間 で 大 き な 乖 離 が 発 生 し て い ま す 。
ち な み に 、業 界 水 準 と 計 算 結 果 と の 差 異 は 次 の と お り で す 。[ 全 体 ]6 . 2 %
( 昨 年 6 . 8 % ) 、 [ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] 2 5 . 0 % ( 同 2 8 . 7 % )、 [ 2 0 台 以 上
5 0 台 未 満 ] 1 1 . 4 % ( 同 1 3 . 2 % )、 [ 5 0 台 以 上 ] 5 . 4 % ( 同 6 . 3 % ) と な っ て
い ま す 。 括 弧 書 き は 26 年 の 実 績 で す 。 今 年 は 全 ク ラ ス で 乖 離 幅 が 縮 小 し て
い ま す 。こ の 事 実 か ら 、会 員 企 業 の「 稼 ぐ 力 」が 徐 々 に て は あ り ま す が 上 昇
してきていることが推察されます。
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― Management Analysis Survey Report ―
[ 図 表 13
営 業 収 益 総 利 益 率 /営 業 利 益 率 /経 常 利 益 率 ]
営業収益総利益率
H25年
H26年
営業収益営業利益率
H27年 業界水準 H25年
H26年
H27年
営業収益経常利益率
業界水準
H25年
H26年
H27年
業界水準
8.1%
12.6%
14.6%
20.8%
-4.1%
1.0%
3.1%
2.8%
-2.9%
1.9%
3.6%
3.5%
13.7%
14.1%
17.6%
42.6%
2.2%
1.6%
5.5%
2.6%
3.2%
2.4%
6.1%
3.8%
20~50
9.5%
12.0%
14.3%
25.7%
-3.4%
0.4%
2.4%
2.6%
-1.4%
0.9%
2.8%
3.3%
50以上
6.1%
12.7%
14.1%
19.5%
-5.7%
1.4%
3.1%
3.1%
-5.1%
2.6%
3.7%
3.9%
全体
5~20
(2)営業収益営業利益率
会 社 を 経 営 す る に 当 っ て 注 目 す べ き 数 値 は 利 益 で す 。「 1 年 苦 労 し て 経 営 を
し て き た の に 、結 果 は 赤 字 か ! ? 」と な れ ば 、何 の 為 に 苦 労 を 重 ね て き た の か
と 自 虐 的 に な っ て し ま い そ う で す 。こ の 利 益 は 図 表 1 2 に 記 載 し て い る と お り 、
大きく 5 つの段階があります。ここでは、2 つ目の利益である営業利益(率)
について分析を行ってみました。
営 業 利 益 は 会 員 企 業 が 日 常 的 な 経 営 活 動 を 行 な う 、か つ 営 業 収 益 を 上 げ る 為
に 直 接 的 で は あ る も の の 運 送 現 場 で は な い 後 方 部 門( 非 運 送 現 場 )で の 費 用 を
総 利 益 か ら 控 除 し て 計 算 さ れ ま す 。よ っ て 、会 社 の 総 合 力 と し て の「 利 益 を 稼
ぐ力」の強弱を診ることができます。
営業収益営業利益率の計算式は次のとおりです。
営業収益営業利益率
=
営業利益
営業収益
×
100
①分析結果
25 年 は [ 20 台 以 上 50 台 未 満 ] と [ 50 台 以 上 ] と が マ イ ナ ス ( △ 3.4% と
△ 5.7% ) を 記 録 し て い ま し た 。 26 年 に 全 ク ラ ス で プ ラ ス に な っ た も の の 、
そ の 率 は 1 . 6 % 以 下 と 低 水 準 で し た 。と こ ろ が 2 7 年 は[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ]
が 最 も 低 い も の の 2 . 4 % と 2 6 年 比 で 2 % の ア ッ プ を 実 現 で き ま し た 。数 値 の
急 回 復 が 実 現 で き て い ま す 。こ れ を 総 利 益 率 と 営 業 利 益 率 の 差 異 、つ ま り 一
般 管 理 費 率 ( 一 般 管 理 費 ÷営 業 収 益 ) の 視 点 か ら 診 て み ま す 。
最 初 に 2 5 年 実 績 で す 。[ 全 体 ] 1 2 . 2 % 、
[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] 1 1 . 5 % 、[ 2 0
台 以 上 5 0 台 未 満 ] 1 2 . 9 % 、[ 5 0 台 以 上 ] 1 1 . 8 % で し た 。 2 7 年 実 績 を 精 査 す
る と [ 全 体 ] 1 1 . 5 % ( △ 0 . 7 % )、[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] 1 2 . 1 % ( 0 . 6 % )、[ 2 0
台 以 上 5 0 台 未 満 ] 1 1 . 9 ( △ 1 . 0 % )、[ 5 0 台 以 上 ] 1 1 . 0 % ( △ 0 . 8 % ) と な っ
ています。
[ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] は 25 年 よ り も 0.6% 悪 化 し て い ま す が 、 他 の 2 つ
の ク ラ ス は 1.0% 、 0.8% の 改 善 が 診 ら れ て い ま す 。 営 業 収 益 営 業 利 益 率 の
改 善 に 一 般 管 理 費 の 統 制 が 貢 献 し て い る こ と が 確 認 で き ま し た 。こ の 姿 勢 は
次年度以降も持ち続けてもらいたいものです。
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― Management Analysis Survey Report ―
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②業界水準との比較
営 業 収 益 総 利 益 率 の 段 階 で は 運 送 費 の 原 価 又 は 一 般 管 理 費 の 振 分 け が 、本
報 告 書 と 業 界 水 準 と は 異 な っ て い る た め に 大 き な 乖 離 が 生 じ て い ま し た 。し
か し 、営 業 収 益 営 業 利 益 率 の 段 階 で は 、こ の 費 用 の 振 分 け ・ 配 賦 問 題 が 解 決
されます。よって、より正確に業界水準との対比が可能となります。
[ 20 台 以 上 50 台 未 満 ] の 業 界 水 準 は 2.6% で す 。 会 員 企 業 は 2.4% で す
か ら 、 僅 か で す が 0 . 2 % 下 回 っ て い ま す 。 他 の 2 ク ラ ス は 、[ 5 台 以 上 2 0 台
未 満 ]が 2 . 9 % プ ラ ス 、
[ 5 0 台 以 上 ]が 同 じ 値 で 差 異 は 0 % と な っ て い ま す 。
27 年 の 会 員 企 業 は 業 界 水 準 と 比 較 し て 遜 色 な い 実 績 を 残 す こ と が で き た よ
うです。
③参考までに、営業収益経常利益率との比較
営 業 利 益 と 経 常 利 益 と の 間 に は 、加 算 要 因 と し て 営 業 外 収 益 が 、ま た 減 算
要 因 と し て 営 業 外 費 用 が あ り ま す 。営 業 外 収 益 は 預 貯 金 等 の 受 取 利 息 や 不 動
産 賃 貸 収 入 な ど の 雑 収 入 が 含 ま れ て い ま す 。営 業 外 費 用 は 雑 損 失 の 他 に 、金
融債務に係る支払利息や手形の割引・売却損が含まれています。
一 般 的 な 会 社 で は 、営 業 外 収 益 よ り も 営 業 外 費 用 の 発 生 高 が 多 く な っ て い
ま す 。ま た 、営 業 外 費 用 の 大 部 分 は 支 払 利 息 を 占 め て い ま す 。よ っ て 、営 業
収益営業利益率から営業収益経常利益率を差し引いた率はマイナスとなる
可 能 性 が 高 い の で す 。そ の マ イ ナ ス の 率 は 、言 葉 を 変 え れ ば 金 融 債 務 の 負 担
の 度 合 い ( 実 質 支 払 利 息 率 ) を 示 す こ と に な り ま す 。 そ れ で は 、 図 表 13-2
に基づき分析結果を診てみましょう。
会 員 企 業 又 は 業 界 水 準 問 わ ず 、計 算 結 果 は マ イ ナ ス と な っ て い ま す 。ま た 、
会 員 企 業 の 3 年 間 の い ず れ も マ イ ナ ス で す 。こ れ ら か ら 分 か る こ と は 、営 業
外 費 用 額 が 営 業 外 収 益 額 を 上 回 っ て い る と い う こ と で す 。つ ま り 、ど の 運 送
会社も「金融債務の負担を抱えている」ということに他なりません。
図 表 13-2 の 数 値 の 絶 対 額 が 大 き い ほ ど 、 金 融 債 務 の 負 担 率 が 大 き い と い
う こ と で す 。 27 年 の 会 員 企 業 は 0.4% ~ 0.6% の 間 に 位 置 し て い ま す 。 業 界
水 準 は 0.7% ~ 1.2% で す 。 全 て の ク ラ ス で 業 界 水 準 を 下 回 っ て い ま す 。
実 質 支 払 利 息 率 は 1.0% 未 満 が 目 安 で す 。 こ れ を 上 回 る と 金 融 債 務 が 急 激
に 増 え て い き ま す 。 2.0% を 超 す と 「 借 入 金 返 済 の 為 に 仕 事 を し て い る 」 と
いう事態に陥ります。実質支払利息率に注意を払って下さい。
[ 図 表 13-2
利 益 率 差 異 ( 営 業 収 益 営 業 利 益 率 - 営 業 収 益 経 常 利 益 率 )]
差異:営業収益率-経常利益率
H25年
H26年
H27年
業界水準
-1.2%
-0.9%
-0.5%
-0.7%
-1.0%
-0.9%
-0.6%
-1.2%
-2.1%
-0.7%
-0.5%
-1.2%
-0.4%
-0.6%
-0.7%
-0.8%
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(3)労務比率
営 業 収 益 に 対 す る 人 件 費 の 割 合 で す 。企 業 経 営 に お け る 最 も 大 き な 費 用 の ひ
と つ は 人 件 費 で す 。こ の 人 件 費 の 統 制 が 上 手 く い け ば 利 益 は 膨 ら み ま す 。企 業
は人件費の効率化について常に検討を重ね対処していくことが求められます。
計算式は次のとおりです。
労務比率
=
人件費
営業収益
×
100
※ 人 件 費 : 役 員 報 酬 +運 転 手 の 給 与 手 当 ・ 賞 与 +一 般 従 業 員 の 給 与 手 当 ・ 賞 与 +臨 時 雇 の 雑 給 +法
定 福 利 費 +福 利 厚 生 費 +賄 費 +教 育 研 修 費
①分析結果
[ 5 0 台 以 上 ]の 2 7 年 実 績 は 、2 6 年 よ り も 0 . 9 % 高 い 3 6 . 2 % と な り ま し た 。
他 の ク ラ ス は 26 年 実 績 と 同 じ 程 度 で 、 ま た 3 年 間 の 傾 向 で も 僅 か な が ら も
低下傾向にあるようです。
労 務 比 率 は 上 記 計 算 式 に も あ る よ う に 、営 業 収 益 に 対 す る 人 件 費 の 割 合 で
す 。人 件 費 が 同 じ 額 で も 営 業 収 益 が 減 少 す る と 必 然 的 に 労 務 比 率 は 上 昇 し て
い き ま す 。 図 表 14 か ら は 、 27 年 の [ 50 台 以 上 ] は 26 年 と 比 較 す る と 人 件
費 の 伸 び 率 △ 0.06% に 対 し 営 業 収 益 の そ れ は △ 2.5% と な っ て お り 、 こ の 計
算式の罠に陥ったことが分かります。
そ れ で は 、ど の よ う な 対 策 ・ 工 夫 を 講 じ れ ば 、労 務 比 率 の 上 昇 を 抑 え て い
けるのでしょうか。下記にその対策・工夫について記載してみました。
~労務比率を統制し上昇することを抑えるための対策・工夫~
㈠
運送収入に見合わない必要以上の(例えば営業担当者や後方事務
担当者)人員を抱えない。業務のアウトソーシングも一考してみる。
㈡
社員1人当りの労働生産性と比較して高い賃金を支払っていない
か精査する。労働生産性の伸び率≧賃金の伸び率を意識する。
㈢
基準内手当の種類(扶養手当、精勤手当、営業手当等)が必要以
上に多くなっていないか確認する。手当の見直しを実施する。
㈣
基本給以外の基準内諸手当、賞与の水準が高くなっていないかを
確認する。
㈤
時間外労働、深夜労働、休日出勤労働など所定外労働の発生を統
制・抑制し、割増賃金の支払を低減させていく。
㈥
分母である営業収益(運送単価)を最低でも維持していく。
このような労務比率を押し上げる諸要因の抑制、除去の対策・工夫が、
会社内で意識的に実行されているかを、今一度点検することが必要です。
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②業界水準との比較
業 界 水 準 で は 保 有 台 数 が 多 く な る ほ ど 、労 務 比 率 が 低 下 し て い ま す 。そ の
一 方 で 会 員 企 業 で は 、3 つ の ク ラ ス の 中 で は[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ]が 4 4 . 7 %
と 最 も 高 く な っ て い ま す 。[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] に あ る 会 員 企 業 の 改 善 努
力が大いに期待されるところです。
[ 図 表 14
労務比率]
単 位 : 千 円 /社
H25年
人件費 営業収益
全体
5~20
20~50
50以上
157,045
45,097
178,014
335,495
394,415
105,924
388,864
943,660
H26年
H27年
結果
人件費 営業収益
結果
人件費 営業収益
結果
39.8%
42.6%
45.8%
35.6%
161,356 408,373
45,992 112,399
186,007 416,416
362,782 1,027,665
39.5%
40.9%
44.7%
35.3%
160,545 401,337
44,367 108,851
185,810 415,388
362,577 1,001,999
40.0%
40.8%
44.7%
36.2%
業界水準
34.0%
42.8%
37.9%
34.8%
注.人件費の実績値について
「一般貨物自動車運送事業損益明細表」と「一般貨物自動車運送事業人件費明細表」の“人件
費”の掲載値が一致しておりません。労務比率の試算に当っては「一般貨物自動車運送事業損
益明細表」での数値を利用しています。
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3.流動性指標
流 動 性 指 標 に よ り 、「 短 期 的 及 び 長 期 的 な 資 金 の 調 達 と 運 用 が 上 手 く 行 っ て
い る か 」 や 「 資 金 繰 り は 安 定 し て い る か 」「 資 金 シ ョ ー ト す る 恐 れ は な い か 」
等 を 判 断 す る こ と が 可 能 で す 。短 期 的 な 資 金 繰 り の 安 全 性 を 判 断 す る 視 点 か ら
流動比率、当座比率、受取債権回転期間による指標を取り上げました。
ま た 、長 期 的 な 資 金 繰 り の 安 全 性 を 判 断 す る 視 点 か ら は 自 己 資 本 比 率 と 固 定
長期適合率とを代表的な分析指標として採用しました。
(1)流動比率
[現金及び預貯金]に加え、1 年以内に現金化されうる資産を流動資産とし
て計上します。同様に、1 年以内に会社から現金が流出する恐れのある負債を
流動負債として計上します。
この“1 年以内”という基準をワンイヤー・ルールと呼んでいます。流動資
産 、流 動 負 債 の 区 分 に 関 し て は 他 の 計 上 ル ー ル も あ り ま す が 、ワ ン イ ヤ ー ・ ル
ー ル で 流 動 資 産( 負 債 )又 は 固 定 資 産( 負 債 )の 区 分 を す る と 理 解 し て お け ば
充分でしょう。流動比率の計算式は次のとおりです。
流動比率
=
流動資産
流動負債
×
100
※流動資産:現金預金、受取手形、未収運賃、前払費用、短期貸付金など
※流動負債:支払手形、買掛金、短期借入金、未払金、未払費用、預り金など
こ の 計 算 式 か ら 分 か る よ う に 、 流 動 比 率 は 100% を 越 す こ と が 資 金 繰 り 安 定
の た め に 不 可 欠 だ と い う こ と が 理 解 で き ま す 。何 故 な ら 、1 年 以 内 に 流 入 す る
現 金 を 100 と す れ ば 、 1 年 以 内 に 流 出 す る 現 金 を 100 以 内 に 抑 え な い と 、 1 年
と い う 期 間 内 で は 現 金 が 不 足 す る こ と に な る か ら で す( 流 動 資 産 > 流 動 負 債 )。
流動比率は1年という短期での企業の支払い能力を計る物差しなのです。
一 般 的 に 流 動 比 率 は 130% 以 上 と な る こ と が 望 ま し い と さ れ て い ま す 。 70%
を 下 回 る と 確 実 に 資 金 繰 り は 苦 し く な っ て き ま す の で 要 注 意 で す 。製 造 業 や 建
設 業 の よ う に[ 原 材 料 ]や[ 製 品 ・ 商 品 ]な ど の[ 棚 卸 資 産 ]が 多 額 に あ る と 、
例 え 流 動 比 率 が 130% 以 上 で あ っ て も 資 金 シ ョ ー ト す る 可 能 性 が 出 て き ま す 。
何 故 な ら 、[ 棚 卸 資 産 ] が 「 会 社 が 自 由 に 使 え る 現 金 」 に 転 換 す る ま で に か な
りの時間を必要とするからです。
2 7 年 の [ 全 社 ( 一 社 当 り )] の [ 棚 卸 資 産 ( 商 品 と 貯 蔵 品 の 計 )] は 5 , 5 1 1
千 円 で 総 資 産 ( 542,354 千 円 ) に 占 め る 割 合 は 僅 か 1.0% で す 。
な お 、流 動 比 率 に 大 き な 影 響 を 与 え る も う 1 つ の 要 因 で あ る[ 売 掛 債 権( 受
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取 手 形 と 未 収 運 賃 の 計 )]の 残 高 を み る と 、2 7 年 の[ 全 社( 一 社 当 り )]は 1 1 3 , 8 1 6
千 円 で 、 総 資 産 に 占 め る 割 合 は 21.0% と な っ て い ま す 。 よ っ て 、 会 員 企 業 は
[ 売 掛 債 権 ]の 回 収 に 大 き な 関 心 を 寄 せ る 必 要 が あ り ま す 。こ の 回 収 を 疎 か に
すると必ず資金繰りが徐々に悪化して行きます。
こ の 件 の 詳 細 は 参 考 資 料 の [ 2 - 1 . 貸 借 対 照 表 ( 資 産 の 部 )・ 4 6 頁 ] に て
ご確認下さい。
①分析結果
[ 全 体 ] で は 1 2 1 . 8 % と な り 、 2 6 年 よ り 僅 か 0 . 9 % 悪 化 し て い ま す 。[ 5 台
以 上 20 台 未 満 ] は 26 年 実 績 168.4% を 大 幅 に 上 回 る 211.9% と な っ た も の
の 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] で 2 6 年 比 △ 1 . 8 % 、[ 5 0 台 以 上 ] で 同 △ 3 . 6 % と
なったことが影響しています。
3 年 間 の 数 値 を 診 る と 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] は 1 8 0 % 以 上 と 高 い 数 値 を
獲 得 で き て い る 一 方 で 、[ 5 0 台 以 上 ] は 2 5 年 と 2 7 年 が 1 0 0 % を 下 回 っ て い
ま す 。[ 5 0 台 以 上 ] が 低 位 な 水 準 に あ る の は 、 こ の ク ラ ス 特 有 の 制 約 条 件 が
あ る の か も 知 れ ま せ ん 。流 動 比 率 上 昇 に 対 す る 制 約 条 件 を 認 識 し 、適 切 な 対
応をとることが望まれます。
②業界水準との比較
[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] が 最 も 高 く 、[ 5 0 台 以 上 ] が 低 い と い う 傾 向 は 会 員
[ 5 0 台 以 上 ]は 業 界 水 準 1 5 6 . 1 %
企業のみならず業界特有の傾向のようです。
に 対 し て 56.4% も 低 く 、 約 2/3 の 水 準 で す 。 他 の 2 つ の ク ラ ス が 業 界 水 準
を 上 回 っ て い る こ と を 考 慮 す る と 、[ 5 0 台 以 上 ] の 会 員 企 業 は 、 今 以 上 の 資
金繰りに注力していく必要がありそうです。
[ 図 表 15
流 動 比 率 /当 座 比 率 /受 取 債 権 回 転 期 間 ]
流動比率
H25年
H26年
当座比率
H27年 業界水準 H25年
H26年
H27年
受取債権回転期間(日)
業界水準
H25年
H26年
H27年
業界水準
全体
112.9% 122.7% 121.8% 155.9% 102.1% 110.0% 114.5% 139.7%
106.0
107.9
105.5
51.8
5~20
163.7% 168.4% 211.9% 188.7% 143.8% 139.9% 182.2% 170.8%
52.0
49.9
41.5
51.6
20~50
183.3% 197.1% 195.3% 172.9% 176.6% 186.3% 185.3% 157.9%
66.3
60.3
64.6
53.6
142.0
157.3
151.9
51.5
50以上
96.3% 103.3%
99.7% 156.1%
85.4%
91.5%
94.3% 141.2%
(2)当座比率
当 座 資 産 は 支 払 資 産 と も 言 わ れ 、概 ね 3 ヶ 月 以 内 に 現 金 化 で き る( 及 び 既 に
現 金 と な っ て い る ) 資 産 で す 。 当 座 資 産 に は 、[ 現 金 ・ 預 金 ] の 他 に [ 受 取 手
形 ] や [ 未 収 運 賃 ( 売 掛 金 )] も 含 ま れ ま す 。
3 ヵ月以内に現金化できる資産である当座資産に対し、1 年以内に流出する
負 債 で あ る 流 動 負 債 の 割 合 が 当 座 比 率 で す 。当 座 比 率 は 高 い ほ ど 良 好 で す 。一
般 的 に は 、7 0 % 以 上 と な る こ と が 望 ま し い と さ れ て い ま す 。計 算 式 は 次 の と お
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りです。
当座比率
=
当座資産
流動負債
×
100
※当座資産:現金預金+受取手形+未収運賃
①分析結果
[ 全 体 ] で は 3 年 間 で 12.4% の 上 昇 と な っ て お り 、 と て も 良 い 傾 向 を 示
し て い ま す 。 こ こ で も 、[ 5 0 台 以 上 ] は 3 年 間 通 じ て 1 0 0 % 未 満 と な っ て い
る も の の 、 流 動 比 率 と は 異 な っ て 3 年 間 推 移 で は 上 昇 傾 向 に あ り ま す 。こ の
勢 い を 落 さ ず に 、早 急 に 1 0 0 % 以 上 を 達 成 す る よ う 努 力 し て 欲 し い も の で す 。
その結果として、流動比率の改善も達成されていくのです。
な お 、当 座 比 率 が 高 い と 言 っ て も 安 心 で き な い 場 合 が あ り ま す 。 荷 主 企 業
の 行 き 詰 ま り 等 で 、根 雪 と な っ て し ま っ た 回 収 不 能 な 受 取 手 形 や 未 収 運 賃 を
幾 ら 多 く 保 有 し て い て も 、現 金 化 す る こ と は で き ま せ ん 。売 掛 債 権 の( 与 信 )
管理と短期間での回収を忘れないようにして下さい。
回 収 不 能 と な っ た[ 売 掛 債 権 ]を 控 除 し た 実 質 の 当 座 比 率( 及 び 流 動 比 率 )
を 試 み に 計 算 し て お く こ と も 、資 金 の 安 全 性 を 担 保 す る 上 で 重 要 で す 。簿 価
上 の 比 率 と 実 質 の 比 率 と に 大 き な 乖 離 が あ る と き は 、金 融 機 関 に 対 す る 信 用
度・信頼性確保の為に、何らかの対策を講じる必要性が出てきます。
②流動比率と当座比率との比較
図 表 16 は 流 動 比 率 と 当 座 比 率 の 差 引 き 一 覧 表 で す 。 こ の 差 額 の 意 味 す る
と こ ろ は 、 当 座 資 産 以 外 の 流 動 資 産 が ど れ だ け あ る か と い う こ と で す 。数 値
の良否判断としては、この値が小さい方が良しという判断となります。
こ の 差 異 が 大 き い と い う こ と は 、当 座 資 産 以 外 の 流 動 資 産 、例 え ば[ 棚 卸
資 産 ]、[ 短 期 貸 付 金 ]、[ 立 替 金 ]、[ 仮 払 金 ] な ど が 多 く 計 上 さ れ て い る と い
う こ と に な り ま す 。一 般 的 に 、こ れ ら 当 座 資 産 以 外 の 流 動 資 産 は 、現 金 回 収
できず不良資産化する場合が多いものです。
当 座 資 産 以 外 の 流 動 資 産 の“ 棚 卸 ”を 定 期 的 に 行 い 、不 要 不 急 の 資 産 は 処
分 し 持 た な い よ う に す る こ と 、こ れ が と て も 重 要 な 資 金 繰 り 対 策 と な り ま す 。
[ 図 表 16
流動比率と当座比率の差異(流動比率-当座比率)]
H25年
全体
5~20
20~50
50以上
18
10.8%
19.8%
6.7%
11.0%
H26年
12.7%
28.5%
10.9%
11.8%
H27年
7.4%
29.7%
10.0%
5.4%
業界水準
16.2%
17.9%
15.0%
14.9%
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③業界水準との比較
各 ク ラ ス と も 130% を 超 え て い ま す 。 会 員 企 業 で は 低 か っ た [ 50 台 以 上 ]
で も 141.2% の 実 績 値 と な っ て い ま す 。 な お 、 業 界 水 準 の [ 全 体 ] が 3 つ の
ク ラ ス よ り 下 回 っ て い る の は 、[ 5 0 台 以 上 ] の 定 義 を 営 業 収 益 ( 売 上 高 ) 5
億 円 か ら 10 億 円 の 企 業 と し た か ら で す 。 よ っ て 、 業 界 水 準 の 数 値 に は 営 業
収 益 ( 売 上 高 ) 10 億 円 以 上 の 会 社 の 実 績 が 影 響 し た 結 果 と な っ て い る こ と
に留意して下さい。
「 ② 流 動 比 率 と 当 座 比 率 と の 比 較 」に つ い て 補 足 説 明 を し て お き ま す 。業
界 平 均 で の 流 動 比 率 と 当 座 比 率 の 差 異 は 、 14.9% か ら 17.9% の 範 囲 内 に 収
まっています。
[ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] で は 会 員 企 業 は 29.7% で す が 、 業 界 平 均 は 17.9%
と な っ て お り 、 少 し 多 い と い う 感 じ も し ま す が 、こ の 程 度 の 差 異 で あ れ ば 問
題 な い 範 囲 と 言 え な く も あ り ま せ ん 。他 の 2 つ の ク ラ ス は 業 界 水 準 を 下 回 っ
て い ま す 。業 界 水 準 よ り は 、当 座 資 産 以 外 の 資 産 の 保 有 率 が 少 な い と い う こ
とであり、資金繰り面からは良い流れだと言えるでしょう。
(3)受取債権回転期間(日)
受 取 債 権 回 転 期 間 と は 、現 金 と し て 回 収 さ れ て い な い 営 業 収 益 債 権( 受 取 手
形 や 未 収 運 賃 な ど )が 平 均 日 商 の 何 日 分 あ る か を 示 す も の で す 。こ の 数 値 が 小
さ い ほ ど 、受 取 債 権 の 回 収 ス ピ ー ド( 日 数 )が 速 い と い う こ と で す 。そ の 結 果 、
資金繰りは更に安定していきます。
現金として回収できない不良債権を抱えていたり、また回収の速度が遅い
(現金回収までの日数が多くかかる)と資金繰りは悪化の一途をたどります。
計算式は次のとおりです。
受取債権回転期間
※
=
受取債権勘定
営 業 収 益 ÷365 日
受取債権勘定:受取手形+未収運賃+他の未収勘定(売掛金、未収入金)
①分析結果
3 年間の動きを診てみます。
[ 5 台 以 上 20 台 未 満 ]は 順 調 に 回 転 期 間 を 短 縮
し て き て い ま す 。2 5 年 に 5 2 . 0 日 で し た が 、 2 7 年 に は 4 1 . 5 日 と 1 0 . 5 日 短 縮
さ れ て い ま す 。 率 に 換 算 す る と 20% 以 上 の 改 善 で す 。
[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ]は 2 5 年 比 で は △ 1 . 7 日 と 改 善 さ れ て い る の で す が 、
2 6 年 比 で は 逆 に 4 . 3 日 の 悪 化 で す 。[ 5 0 台 以 上 ] は [ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ]
と 正 反 対 の 動 き と な っ て い ま す 。 26 年 比 で は △ 5.4 日 で す が 、 25 年 比 で は
9.9 日 の 悪 化 と な っ て い ま す 。
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安 定 的 か つ 資 金 繰 り が 改 善 し つ つ あ る [ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] に 対 し 、[ 2 0
台 以 上 50 台 未 満 ] と [ 50 台 以 上 ] は 不 安 定 な 動 き を 示 し て お り 、 受 取 債 権
の回収姿勢がしっかりと確立されていないのではないかと危惧されます。
こ こ で 目 線 を 変 え て 、受 取 債 権 の 回 収 が 営 業 外 費 用 で あ る 支 払 利 息 に 与 え
る影響について検討してみましょう。
回 収 し た 受 取 債 権 は 、例 え ば 燃 料 代 や 従 業 員 の 賃 金 等 、 諸 費 用 の 支 出 に 充
て ら れ ま す 。受 取 債 権 回 転 期 間 が 長 く な れ ば 、 そ の 間 の 資 金 の 手 当 が 必 要 と
なる訳です。
[ 20 台 以 上 50 台 未 満 ] の 27 年 実 績 64.6 日 を 参 考 に 計 算 し て み ま す 。 試
み に 目 標 回 転 期 間 を 業 界 水 準 に 近 い 55.0 日 と し て み ま す 。 計 算 結 果 か ら は
10,662 千 円 分 の 現 金 を 余 分 に 保 有 し な け れ ば な ら な い と い う 事 実 が 判 り ま
し た 。 逆 説 的 に 言 え ば 、 回 転 期 間 を 実 績 よ り 9.6 日 短 縮 す る と 、 10,662 千
円分の現金を余分に持つことができるということです。
こ の 資 金 を 銀 行 借 入 で 調 達 し 、 か つ 支 払 利 息 率 を 2.0% と 仮 定 す る と 、 年
間 で 213 千 円 の 支 払 利 息 が 別 途 発 生 し て い る の で す 。 213 千 円 は 後 方 事 務 を
担当する社員の 1 ヶ月分の賃金にも相当する金額ではないでしょうか。
こ の 試 算 か ら 分 か る よ う に 、受 取 債 権 の 回 収 に 注 意 を 払 っ て い く こ と が 肝
要 で す 。な お 、発 注 元( 荷 主 )と 受 注 す る 会 員 企 業 の そ れ ぞ れ の 資 本 金 の 額
に よ っ て は 、下 請 代 金 支 払 遅 延 等 防 止 法 に 抵 触 す る 場 合 が あ り ま す 。 会 員 企
業はこの下請法をよく理解しておくことも重要です。
※ 必 要 運 転 資 金 の 試 算 ([ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] の 会 員 企 業 )
㈠
必 要 な 資 金 の 手 当 日 数 : 64.6 日 - 55.0 日 = 9.6 日
㈡
年 間 の 運 送 原 価 ・ 一 般 管 理 費 : 405,388 千 円 ( ※ )
㈢
9 . 6 日 分 の 運 送 原 価 等:1 0 , 6 6 2 千 円 =( 4 0 5 , 3 8 8 千 円 / 3 6 5 日 )× 9 . 6
日
※ 27 年 実 績 に お け る [ 20 台 以 上 50 台 未 満 ] の 1 社 当 り 平 均 。 参 考 資 料 ・ 3-(2).
一
般貨物自動車運送事業損益明細表を参照。
②業界水準との比較
業 界 水 準 は 5 0 日 前 半 で す 。[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] で は 会 員 企 業 が 業 界 水 準
に 対 し 1 0 . 1 日 上 回 っ て い ま す( 良 好 で す )。し か し 、
[ 20 台 以 上 50 台 未 満 ]
で は 1 1 . 0 日 、[ 5 0 台 以 上 ] に い た っ て は 1 0 0 . 4 日 も 業 界 水 準 よ り も 悪 く な
っています。
[ 50 台 以 上 ] は 業 界 水 準 の 約 3 倍 と な っ て い ま す 。 こ れ は 尋 常 で は あ り
ま せ ん 。仕 事 を 受 注 し た い 為 に 債 権 回 収 を 後 回 し に し た 取 引 条 件 を 安 易 に 締
結 し て い る 恐 れ が あ り そ う で す 。 ま た 、荷 主 と 会 員 企 業 と の 企 業 力 や 渉 外 能
力 の ひ ら き か ら 、荷 主 の 過 大 な 要 求 を 呑 ん で い る 可 能 性 も あ り ま す 。 過 去 の
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取 引 慣 行 の 見 直 し も せ ず に 、そ の ま ま の 取 引 を 繰 り 返 し て い る か も 知 れ ま せ
ん。
い ず れ に し て も 、売 掛 債 権 回 収 期 日( 相 手 先 に と っ て は 支 払 い )が こ れ 以
上 に 長 期 化 し な い よ う に 、荷 主 企 業 と の 交 渉 に 注 意 を 払 っ て い か な く て は な
りません。毎年指摘をしているのですが、3 年間推移では大きな改善がなさ
れていないことに、危機感を持って対処する必要があるように思います。
(4)自己資本比率
貸 借 対 照 表 の 資 産 の 部 は 資 金( 現 金 )の 運 用 実 態・実 績 を 示 し 、負 債・純 資
産 の 部 は 資 金 の 調 達 元( 源 )を 示 し て い ま す 。資 金 の 調 達 元 は 次 の と お り 、大
きく 2 つに分けられます。
㈠
自己資本:資本金や繰越利益剰余金などの“自己の資金”
㈡
他人資本:銀行借入や社債、買掛債務など“他人の資金”
自己資本は資本金の減資や利益配当など特段の理由が
ない限り、現金の社外流出は発生しません。一方の他人
資本は、将来必ず現金流出が発生する科目で構成されて
負債
(他人資本)
資産
います。
資産の調達に関して、全額を自己資金で賄えば良いの
=
純資産
(自己資本)
ですが、そうすると企業規模を(経営者の希望通りに)
大 き く す る こ と が で き ま せ ん 。設 備 投 資 等 に 資 金 調 達 面 で 制 約 を 受 け る と 、臨
機 応 変 に 荷 主 の 要 望 に 応 え ら れ ず 、運 送 収 入 の 獲 得 機 会 を み す み す 逃 し て し ま
います。機会ロス(チャンス・ロス)が発生するのです。
新 規 借 入 等 に 過 剰 に 反 応 し て は い け ま せ ん 。合 理 的 な 資 金 調 達 基 準 を 持 っ て
借 入 を す れ ば 資 金 シ ョ ー ト 等 の 問 題 は 発 生 し ま せ ん ( 注 )。 自 己 資 本 比 率 の 計
算式は次のとおりです。
自己資本比率
=
自己資本
総資産
×
100
※ 自 己 資 本 : 資 本 金 、 準 備 金 ( 資 本 準 備 金 、 利 益 準 備 金 な ど )、 繰 越 利 益 な ど
※他人資本:流動負債、固定負債(長期借入金、社債、退職引当金など)
①分析結果
一 般 的 に 、 資 金 繰 り の 安 全 性 を 診 る 自 己 資 本 比 率 の 目 安 は 30% と さ れ て
い ま す 。 27 年 は 全 て の ク ラ ス で 30% を 超 え ま し た 。 さ ら に 、 3 年 連 続 で 上
昇しています。これは良いことです。
な お 、自 己 資 本 比 率 の 計 算 式 か ら 、自 己 資 本 比 率 を 改 善 し て い く に は 次 の
方法があると理解できます。
㈠
自己資本を増やす。増資実施や毎期の税引後利益を確実に出す。
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㈡
総 資 産 を 減 ら す 。不 要 不 急 な 資 産 は 購 入 し な い 、売 却 す る な ど の 対
策を講じる。
㈢
自 己 資 本 増 加 率 > 総 資 産 増 加 率 、ま た は 自 己 資 本 減 少 率 < 総 資 産 減
少率の式を成立させる。
会 員 企 業 は こ の 公 式 を 理 解 し た 上 で 、確 実 に 自 己 資 本 比 率 を ア ッ プ さ せ て
戴きたいものです。
②業界水準との比較
業 界 水 準 は 各 ク ラ ス で 3 0 % を 超 え て い ま す 。[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] の み 業
界 水 準 よ り も 2.4% 悪 く な っ て い ま す 。 し か し 、 30% を 超 え て い る こ と 、 25
年 比 で 9 . 3 % も ア ッ プ し た こ と な ど を 考 慮 す る と 、2 8 年 以 降 は 業 界 水 準 を 超
している可能性もみえてきたようです。
~金融機関からの新規借入を行う際の考え方の例~
1)
支 払 利 息 は 資 産 の 調 達 コ ス ト で す 。借 入 金 は 資 金 用 途 が 運 転 資 金 で な い 限 り 、原 則 と し
て 固 定 資 産 調 達 の た め に 調 達 さ れ ま す 。ち な み に 資 産 の 運 用 効 率 は 総 資 産 経 常 利 益 率 で 表
されます。
2)
よ っ て 、[ 総 資 産 経 常 利 益 率 > 借 入 支 払 利 息 率 ] で あ れ ば 、 積 極 的 に 借 入 を 行 っ て 運 送
車 輌 等 経 営 資 産 を 増 や す と 、 よ り 多 く の 利 益 を 獲 得 で き る よ う に な り ま す 。[ 梃 子 ( て こ )
の原理]で、適正範囲の借入を行うことで、今多くの利益・現金を獲得できるのです。
[ 図 表 17-1
自 己 資 本 比 率 /固 定 長 期 適 合 率 ]
自己資本比率
H25年
H26年
H27年
固定長期適合率
業界水準
H25年
H26年
H27年
業界水準
全体
31.7%
33.9%
36.9%
31.3%
91.9%
86.7%
87.3%
77.3%
5~20
21.6%
25.4%
30.9%
33.3%
59.9%
55.0%
48.5%
69.7%
20~50
41.0%
42.4%
46.9%
31.6%
67.6%
65.7%
63.5%
71.1%
50以上
29.7%
31.8%
34.1%
31.6% 102.6%
97.8% 100.2%
77.5%
(5)固定長期適合率
前 述 の と お り 、資 産 の 部 は ワ ン イ ヤ ー ・ ル ー ル が 適 用 さ れ る 流 動 資 産 と 1 年
超 の 資 産 に 分 類 さ れ る 固 定 資 産 の 2 つ に 大 別 さ れ ま す 。同 様 に 、負 債 は 流 動 負
債と固定負債とに大別されます。
1 年 を 超 し た “ 資 産 と 資 金 調 達 ( 固 定 負 債 と 純 資 産 )” の 比 較 検 証 が 固 定 長
期適合率です。
固 定 長 期 適 合 率 の“ 固 定 ”と は 、株 式 配 当 以 外 に は 原 則 と し て 現 金 が 社 外 流
出 す る こ と が な い 安 定 し た 資 金 、つ ま り 自 己 の 資 金 で あ る 純 資 産 の こ と を 指 し
て い ま す 。ま た 、固 定 長 期 適 合 率 の“ 長 期 ”と は 1 年 を 超 え て 社 外 流 出 す る 他
人 の 資 金 と い う 意 味 で あ り 、主 と し て 、固 定 負 債 に お け る 長 期 借 入 金 の こ と を
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― Management Analysis Survey Report ―
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指しています。
この固定的及び長期的な資金調達と長期的な資金の運用である固定資産と
のバランスを分析するのが、固定長期適合率です。計算式は次のとおりです。
固定長期適合率
=
固定資産
純資産+固定負債
×
100
固 定 長 期 適 合 率 は 100% 以 下 で あ る こ と が 望 ま し い で す 。 も し こ の 数 値 が
1 0 0 % を 超 え て い る 場 合 は 、固 定 資 産 を 運 用 す る 資 金 の 一 部 の 調 達 を 短 期 資 金 、
つまり流動負債から行なっているということになります。
1 年以内という短期間で社外流出する資金(流動負債)で長期の資産(固定
資産)を運用すると、資金繰りが必ず悪くなってきます。
何 故 な ら 、固 定 資 産 の 現 金 化 は 、損 益 計 算 書 へ の 減 価 償 却 費 計 上 や 資 産 売 却
に よ っ て し か で き な い か ら で す 。こ の 方 法 で は 直 ぐ に 現 金 を 獲 得 す る こ と が で
き ま せ ん 。数 年 と い う 時 間 を か け て し か 、現 金 を 獲 得 す る こ と が で き な い の で
す。よって、資金繰りが徐々に苦しくなってくるのです
( 減 価 償 却 費 + 資 産 売 却 額 ) < ( 流 動 負 債 科 目 の 現 金 流 出 額 )、 と い う 計 算
式が成立してしまい、資金繰りが苦しくなるのは当然の結末です。
①分析結果
[ 50 台 以 上 ] が 100.2% と 僅 か に 100% を 上 回 っ て い ま す 。 そ れ で は 直 ぐ
に 資 金 繰 り が 苦 し く な る か と 言 え ば 、心 配 す る こ と は な い と も 言 え る の で す 。
それは何故でしょうか。
固 定 長 期 適 合 率 の 計 算 式 を 今 一 度 み て み ま し ょ う 。分 子 > 分 母 が 成 立 す る
と き に 100% を 超 す こ と に 気 が つ き ま す 。 純 資 産 を 直 ぐ に 増 加 さ せ る こ と は
で き な い も の の 、も う 1 つ の 構 成 要 因 で あ る 固 定 負 債 は そ れ が 可 能 で す 。金
融 機 関 に 対 す る 信 用 力 が あ れ ば 、必 要 資 金 を 新 規 借 入 金 と し て 調 達 す る こ と
ができるからです。
こ の よ う に 、 固 定 長 期 適 合 率 が 100% を 超 す と き は 、 長 期 借 入 金 を 起 こ す
な ど し て 資 金 バ ラ ン ス の 改 善 を 図 る こ と と な り ま す 。な お 、 簡 単 に 借 入 す る
と後年度に元金返済等の負担が生じることも念頭に入れておくことが必要
です。安易な借入は絶対に控えて下さい。
[ 50 台 以 上 ] 以 外 の 2 つ の ク ラ ス は 48.5% 、 63.5% で あ り 特 段 の 問 題 は あ
り ま せ ん 。 さ ら に 、 3 年 間 を 通 じ て 改 善 さ れ て き て い ま す 。[ 2 0 台 以 上 5 0 台
未 満 ]の 改 善 は [ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] よ り も 緩 慢 で す が 、 問 題 あ り ま せ ん 。
当 面 の 信 用 力 に 問 題 が な い の で あ れ ば 、「 少 し ず つ だ が 改 善 し て い る 」 と い
う事実がとても重要なのです。
参 考 ま で に 、 図 表 17-2 に て 総 資 産 に 対 す る 固 定 資 産 の 割 合 を 調 べ て み ま
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した。
こ の 数 値 と 固 定 長 期 適 合 率 と を 比 較 検 証 す る と 、総 資 産 に 占 め る 固 定 資 産
の 割 合 が 高 ま る ほ ど 、固 定 長 期 適 合 率 が 上 昇 し て い く こ と が 分 か り ま す 。こ
れは固定資産の増加率よりも純資産の増加率の方が低いためではないかと
推 測 さ れ ま す 。そ の た め 、長 期 借 入 金 に よ る 調 達 を 図 っ て も 、固 定 長 期 適 合
率が悪化していくのは避けられないのではないかと考えられます。
以 上 の こ と か ら 、利 益 の 増 加 は 絶 対 不 可 欠 な 対 策 で あ る こ と を 再 認 識 で き
ると思います。
[ 図 表 17-2
総資産に占める固定資産の割合]
25 年
26 年
27 年
㈠
全体
56.5%
54.6%
55.2%
㈡
5 台 以 上 20 台 未 満
36.8%
33.2%
33.3%
㈢
20 台 以 上 50 台 未 満
48.6%
48.5%
45.9%
㈣
50 台 以 上
60.1%
58.3%
60.0%
②業界水準との比較
業 界 水 準 は い ず れ の ク ラ ス も 80% を 下 回 っ て い ま す 。
[ 全 体 ]で は 8 7 . 3 %
と 業 界 水 準 77.3% よ り も 10.0% も 高 く な っ て い ま す 。
他 の 指 標 で は 時 折 、業 界 水 準 よ り も 悪 い 実 績 を 示 す[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ]
も 固 定 長 期 適 合 率 は 63.5% と 業 界 水 準 の 71.1% よ り も 7.6% 低 く な っ て い
ます。
[ 50 台 以 上 ] で は 100.2% で し た 。 業 界 水 準 ( 77.5% ) よ り も 22.7% も
悪 い 数 値 で す 。[ 5 0 台 以 上 ] の 会 員 企 業 の 奮 起 を 期 待 し た い も の で す 。
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4.生産性指標
投 入 し た 経 営 資 源( イ ン プ ッ ト )が ど れ だ け 多 く の 成 果( 営 業 収 益 や 営 業 利
益 等 ( ア ウ ト プ ッ ト )) を 獲 得 で き た か を 判 断 す る 指 標 が 生 産 性 分 析 で す 。
経 営 資 源 の 区 分 に よ り“ ひ と ”に 着 目 し た[ 従 業 員 1 人 当 り 営 業 収 益 ]、
“( 生
産 設 備 で あ る )も の ”に 着 目 し た[ 車 両 一 両 当 り 営 業 収 益 ]に つ い て 取 り 上 げ
ま し た 。“ も の ” の 集 積 で あ る “ 総 資 産 ” か ら 、 総 資 産 回 転 率 に つ い て も 計 算
しています。
(1)従業員1人当り営業収益
こ こ で い う 従 業 員 に は 運 転 手 の ほ か 、営 業 活 動 や 事 務 後 方 部 門 を 担 当 し て い
る 従 業 員 、車 両 整 備 を 行 っ て い る 作 業 員 、会 社 の 常 勤 役 員 等 す べ て の 人 々 が 含
ま れ て い ま す 。勿 論 、運 転 手 だ け に 絞 っ て 、生 産 性 を 分 析 す る こ と も 可 能 で す 。
一 般 的 に 、つ ぎ の よ う な 傾 向 が 見 ら れ る と 、従 業 員 一 人 当 り の 給 与 水 準 は 低
くなりがちです。
㈠
従業員の平均年齢が若い(低い)とき
㈡
従業員の(平均)勤続年数が短いとき
㈢
他の標準的従業員とは別の勤務条件を設定したとき
従 業 員 数 が 多 く て も 総 人 件 費 が 低 く な る こ と も あ り ま す 。 必 ず し も 、「 従 業
員 数 と 総 人 件 費 と の 間 に 、い か な る 場 合 で も 正 比 例 の 関 係 に あ る 」と は 言 い 切
れません。同業他社等と比較検証する場合には注意が必要です。
従業員1人当り営業収益の計算式は次のとおりです。
従業員1人当り営業収益
=
営業収益
従業員数
①分析結果
最 初 に [ 全 社 ] 実 績 を 100% と し た 場 合 の 各 ク ラ ス の 相 対 比 を 調 べ て み ま
し た ( 図 表 1 8 - 1 参 照 )。
[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] 9 6 . 5 % 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] 9 3 . 3 % 、[ 5 0 台 以
上 ] 106.8% と い う 実 績 で す 。 26 年 の 実 績 値 よ り も 、 各 ク ラ ス の 従 業 員 1 人
当り営業収益の差異は縮小されたようです。
図 表 1 8 - 2 に よ れ ば 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] は 3 年 間 で は 僅 か ず つ で は あ
り ま す が 収 益 力 が 低 下 し て き て い る よ う で す 。[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] と [ 5 0
台 以 上 ] は 26 年 に 25 年 比 で 上 昇 し た も の の 、 27 年 で は 減 少 し て し ま い ま
し た 。し か し 、25 年 比 で は[ 5 台 以 上 20 台 未 満 ]229 千 円 、
[ 50 台 以 上 ]180
千円とプラスとなっています。
こ れ ら の 事 実 か ら 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] に 該 当 す る 会 員 企 業 の ビ ジ ネ
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スモデルを変革する必要性がありそうです。
[ 図 表 18- 1
従 業 員 1 人 当 り 営 業 収 益 /相 対 比 ]
従業員1人当り営業収益/構成比
H25年
H26年
H27年 業界水準
100.0% 100.0% 100.0% 100.0%
全体
5~20
94.0%
94.9%
96.5%
66.5%
20~50
95.2%
91.4%
93.3%
91.9%
104.7% 109.1% 106.8% 101.4%
50以上
②業界水準との比較
図 表 1 8 - 1 に よ れ ば 、業 界 水 準 は[ 全 体 ]に 対 し て[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ]
は 6 6 . 5 % 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] は 9 1 . 9 % 、[ 5 0 台 以 上 ] は 1 0 1 . 4 % と な
っ て い ま す 。こ の こ と か ら 、業 界 水 準 で は 経 営 規 模 が 大 き く な る ほ ど 効 率 が
高まるという“規模の経済”が出現しているようです。
図 表 1 8 - 2 の 絶 対 値 で は 、[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] は 業 界 水 準 よ り 2 , 7 9 0 千
円 高 い も の の 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] は △ 8 8 5 千 円 、[ 5 0 台 以 上 ] は △ 5 2 6
千 円 と 低 く な っ て い ま す ( 負 け て い ま す )。 こ れ か ら し て も 、 会 員 の [ 5 台
以 上 20 台 未 満 ] は 稼 ぐ 力 が か な り 高 い と 判 断 で き そ う で す 。
以 下 に 、従 業 員 1 人 当 り の 営 業 収 益 を 伸 ば す た め の 幾 つ か の ア プ ロ ー チ に
言及しました。参考にされて下さい。
a.営業収益を上げること
㈠
高 い 運 送 単 価 を 獲 得 で き る 業 種 へ 進 出 す る ( 荷 主 を 獲 得 す る )。
㈡
人件費上昇などの根拠を元に、運送単価の改定を継続的に行なう。
㈢
車両の実車率を上げていく。
㈣
荷主の理解のもと混載を行ない、一回当りの運送収入を上げる。
㈤
帰 り 便 の 荷 物 を つ く り 、実 車 率 を 上 げ る と 同 時 に 運 送 収 入 を 獲 得 す
る。
㈥
不稼働の車両を発生させず、また稼働率を上げていく。
b.従業員数を減らすこと
㈠
少 な い 運 転 手 で 稼 働 率 を 上 げ 、現 行 水 準 と 同 等 か そ れ 以 上 の 営 業 収
益を獲得する。
㈡
勤 務 シ フ ト を 緻 密 に 作 成 し 、労 働 時 間 管 理 等 ム リ ・ ム ラ ・ ム ダ の な
い配送を徹底的に追及する。
㈢
集 荷 、集 配 等 の 車 両 運 行 ル ー ト の 見 直 し を 行 い 、よ り 少 な い 人 員 で
より高い運送効率を実現させる。
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㈣
運 送 現 場 の I T 化 を 進 め 、帰 り 荷 の 確 保 を 行 い 作 業 の 重 複 を 無 く す
㈤
後 方 部 門( 事 務・経 理・人 事 な ど )の I T 化 を 進 め 、人 員 削 減 を 図
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る。
㈥
一人で複数の仕事(業務)をこなせるよう多能工化を進める。
[ 図 表 18- 2
従 業 員 1 人 当 り 営 業 収 益 /車 両 一 両 当 り 営 業 収 益 /総 資 産 回 転 率 ]
従業員1人当り営業収益(千円)
H25年
H26年
H27年
業界水準
総資産回転率(回転)
車輌一台当り営業収益(千円)
H25年
H26年
H27年
H25年
H26年
H27年
業界水準
全体
11,900 12,164 11,834 12,984 11,931 12,638 12,088
0.76
0.77
0.74
1.4
5~20
11,189 11,548 11,418
8,628 11,269 11,873 11,747
1.80
1.59
1.49
1.3
20~50
11,326 11,116 11,043 11,928 12,345 12,951 12,301
1.22
1.26
1.23
1.4
50以上
12,458 13,272 12,638 13,164 11,833 12,598 12,010
0.56
0.55
0.52
1.3
注.
「 車 両 一 両 当 り 営 業 収 益 」の「 業 界 水 準 」は 同 様 の 指 標 が 無 か っ た た め 、記 載 し て お り ま せ ん 。
(2)車両一両当り営業収益
貨 物 運 送 事 業 は 荷 主 か ら 運 送 依 頼 を 受 け て 荷 物 を 運 送 す る 事 業 で す 。こ の 貨
物 運 送 事 業 の 主 役 は 貨 物 自 動 車 で す 。貨 物 自 動 車 一 両 当 り の 営 業 収 益 を 分 析 す
ることで、貨物自動車という有形資産の稼働効率を確認することができます。
数値が大きいほど稼働効率が高いということになります。
こ こ で 、運 送 収 益 を 構 成 す る 諸 要 因 と の 関 係 を 整 理 し て お き ま す 。運 送 収 益
は次の計算式で表現することが可能です。
■
運 送 収 益 = 運 送 単 価 ×輸 送 ト ン 数 ×輸 送 距 離
従 っ て 、営 業 収 益 を 多 く し 、 結 果 と し て 車 両 一 両 当 り 営 業 収 益 を 高 く す る た
めには次のいずれかのアプローチを採ることが求められます。
㈠
運送単価の高い荷物を運ぶ割合を高くする。
㈡
混載を含め、一度に運ぶ輸送トン数を多くする。
㈢
輸送距離が長くなる長距離の運搬荷物を受注する。
㈣
上記各号を同時に達成する。
こ の よ う に 、車 両 一 両 当 り の 営 業 収 益 を 分 析 す る に 当 っ て 、運 送 単 価 、輸 送
トン数や輸送距離などの指標に分解して行うと詳細に車両生産性の良否の判
断が可能となります。
車両一両当り営業収益の計算式は次のとおりです。
車両一両当り営業収益
=
営業収益
貨物自動車両数
①分析結果
図 表 18- 2 を 加 工 し 、 過 去 3 年 間 の 前 年 対 比 の 伸 び 率 を 調 べ て み ま し た 。
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そ れ が 図 表 18- 3 で す 。 26 年 は 全 て の ク ラ ス で プ ラ ス で し た が 、 27 年 は 逆
に全クラスでマイナスです。
次 に 2 5 年 比 で 2 7 年 を 診 て み ま し ょ う 。[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] 4 . 1 % 、[ 2 0
台 以 上 5 0 台 未 満 ] △ 0 . 4 % 、[ 5 0 台 以 上 ] 1 . 5 % 、[ 全 体 ] 1 . 3 % と な っ て い
ま す 。[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] は 伸 び 率 が 鈍 化 し た も の の 、 堅 調 に 推 移 し て い
ることが分かります。
[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ]は 中 々 厳 し い 状 況 の よ う で す 。
[ 全 体 ] を 1 0 0 と し た と き の 各 ク ラ ス の 割 合 を み て み ま し た 。[ 2 0 台 以 上
50 台 未 満 ]が 最 も 高 く 3 年 間 い ず れ も 100% を 超 え て い ま す 。た だ し 、そ の
割 合 は 年 々 低 下 し て き て い ま す 。 ま た 、[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] は 9 7 . 2 % と 上
昇 基 調 の ほ か 、[ 5 0 台 以 上 ] は 1 0 0 % 弱 と 安 定 し て い る よ う で す 。
[ 図 表 18- 3
車 輌 一 台 当 り 営 業 収 益 /伸 び 率 、 車 輌 一 台 当 り 営 業 収 益 /全 体 100]
車輌一台当り営業収益/伸び率
H25年
H26年
H27年
車輌一台当り営業収益/全体100
H25年
H26年
H27年
6.1%
5.9%
-4.3% 100.0% 100.0% 100.0%
5~20
15.8%
5.4%
-1.1%
20~50
-3.9%
4.9%
-5.0% 103.5% 102.5% 101.8%
50以上
9.5%
6.5%
-4.7%
全体
94.4%
99.2%
94.0%
99.7%
97.2%
99.4%
②業界水準との比較
業 界 水 準 で は 適 切 な 指 標 が な い た め 、本 報 告 書 で は 比 較 は 行 っ て お り ま せ
ん。
(3)総資産回転率
総 資 産 回 転 率 は 総 資 産 経 常 利 益 率( 8 ~ 1 0 頁 参 照 )の 項 で 若 干 触 れ て い ま す 。
本 項 で は よ り 詳 細 に 、総 資 産 回 転 率 が ど の よ う な 示 唆 を 与 え て く れ る の か を 検
討してみました。
運 送 会 社 の 経 営 実 態 と し て 車 両 だ け を 保 有 し 、他 の 固 定 資 産( 例 .事 務 所 棟 、
車 庫 、倉 庫 、修 理 工 具・機 器 、駐 車 敷 地 な ど )は す べ て 賃 借 と い う 形 態 は 皆 無
だ と 思 わ れ ま す 。車 両 以 外 の 有 形 固 定 資 産 、無 形 固 定 資 産 、投 資 等 は 残 高 の 多
少を別にすれば、どの運送会社も保有していると推測されます。
ま た 当 然 に 、流 動 資 産 も 総 資 産 の 中 の ひ と つ に 含 ま れ て い ま す 。よ っ て 、車
両一台当り営業収益性分析は会社経営分析の一部分しか診ていないものにな
り ま す 。生 産 性 を 俯 瞰 的 に ま た 全 体 的 に 判 断 す る 指 標 が 必 要 で す 。そ れ が 総 資
産回転率なのです。
総 資 産 回 転 率 と 表 現 し て い ま す が 、 計 算 結 果 は % 表 示 で は な く 、“ ○ 回 転 ”
と し て 表 現 さ れ ま す 。数 値 が 高 い ほ ど 生 産 性 が 高 い こ と を 表 し て い ま す 。総 資
産回転率は次の計算式で表現することができます。
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総資産回転率
=
営業収益
総資産
①分析結果
[ 5 台 以 上 20 台 未 満 ]は 25 年 に 1.80 回 転 だ っ た の が 、27 年 に は 1.49 回
転 と 0.31 回 転 も 低 下 し て い ま す 。 率 に 換 算 す る と △ 17.2% と 大 き な 落 ち 込
み を 記 録 し て い ま す 。分 子 の 営 業 収 益 は 堅 調 に 推 移 し て い ま す の で 、総 資 産
の増加が回転率悪化の原因と推測できます。
[ 別 紙 参 考 資 料 2 - 1 貸 借 対 照 表( 資 産 の 部 )]か ら 計 算 し た 総 資 産 の 2 7 年
の 25 年 比 伸 び 率 は 24.5% で す 。 27 年 の 絶 対 額 は 73,105 千 円 と [ 20 台 以 上
5 0 台 未 満 ] の 3 3 7 , 2 2 2 千 円 、[ 5 0 台 以 上 ] 1 , 9 2 8 , 8 5 0 千 円 よ り も 少 な い の で
すが、少ない為に少しの資産増が回転率の悪化に影響を与えたのです。
こ の 分 析 結 果 か ら 、総 資 産 回 転 率 を 改 善 し て い く に は 、総 資 産 伸 び 率 < 営
業収益伸び率となるよう統制していくことが重要であることが分かります。
[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] は 1 . 2 回 転 台 、[ 5 0 台 以 上 ] は 0 . 5 回 転 台 で 比 較
的 安 定 し て い ま す 。 な お 、[ 5 0 台 以 上 ] は 毎 年 少 し ず つ で は あ り ま す が 、 回
転 率 が 低 下 し て い る こ と が 気 に な り ま す 。思 い 切 っ た 資 産 圧 縮 な ど の 対 策 を
講 じ る 必 要 性 も あ り そ う で す 。例 え ば 、資 産 効 率 を 高 め る た め に 、不 要 不 急
な資産の売却を進める等の対策も一考すべきでしょう。
②業界水準との比較
次 に 業 界 水 準 を 見 て み ま す 。 3 つ の ク ラ ス で は 、 1.3 回 転 か ら 1.4 回 転 の
実績であり、車両保有台数による明らかな差異はなさそうです。
前 述 の と お り 、会 員 企 業 で は 車 両 保 有 台 数 の 増 加 と 反 比 例 し て 回 転 率 が 悪
くなっていました。しかし業界水準ではそのような傾向は診られません。
会 員 企 業 と 業 界 水 準 と の 差 異( 会 員 企 業 - 業 界 水 準 )を 試 算 し ま し た 。[5
台 以 上 20 台 未 満 ]で 0.19 回 転 、 [20 台 以 上 50 台 未 満 ]△ 0.17 回 転 、 [50 台
以 上 ]△ 0.78 回 転 と な っ て い ま す 。 こ の こ と か ら 、 会 員 企 業 は 経 営 規 模 に よ
る差異が極めて大きいという事実が分かりました。
会 員 企 業 に お い て も 業 界 水 準 の 1 . 4 回 転 を 最 低 ラ イ ン に 設 定 し 、更 に 資 産
効率を上げるよう努力して欲しいものです
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5.総合性指標
部 分 最 適 が 全 体 最 適 に 通 ず る と は 限 り ま せ ん 。収 益 性 は 高 い も の の 、流 動 性
や 生 産 性 が 低 い と い う こ と も あ り 得 ま す 。会 社 経 営 が 全 体 最 適 に 近 づ く よ う に 、
収益性、流動性、生産性の各指標のバランスが取れているか否かを診るのが、
総合性評価です。
こ の 指 標 の 代 表 的 な も の と し て 、 [総 資 産 経 常 利 益 率 ]、 [損 益 分 岐 点 営 業 収
益 ]、 [営 業 C F マ ー ジ ン ]の 3 つ を 取 り 上 げ て み ま し た 。
総 資 産 経 常 利 益 率 は 既 に 言 及 ( 8~ 10 頁 参 照 ) し ま し た の で 、 本 項 で は 損 益
分 岐 点 営 業 収 益 と 安 全 余 裕 率 、そ し て 営 業 C F マ ー ジ ン の 3 つ の 指 標 に つ い て
分析を行なっています。
(1)損益分岐点営業収益
損 益 分 岐 点 営 業 収 益 と は 、赤 字 で も な く 黒 字 で も な い 時 点 で の 営 業 収 益( 売
上 高 )で す 。企 業 経 営 の 目 標 の 一 つ は 利 益 を 出 す こ と 、平 た く 言 え ば 黒 字 と す
る こ と で す 。損 益 分 岐 点 営 業 収 益 分 析 は 赤 字 に な ら な い こ と を 前 提 と し た 営 業
収益目標を確認することを意味しています。
こ の 営 業 収 益 を 下 回 る と 赤 字 に 転 落 す る の で す か ら 、最 低 限 達 成 し な け れ ば
な ら な い 営 業 収 益 目 標 と な る の で す 。毎 年 赤 字 を 計 上 し 続 け て は 、会 社 経 営 を
続けていくことはできません。
損益分岐点営業収益は次の計算式で表現することが可能です。
損益分岐点営業収益
=
固定費
1 - ( 変 動 費 ÷営 業 収 益 )
※固定費=営業費用-(燃料油脂費+修繕費+道路使用料+フェリー利用料+傭車費等)-
(営業外収益-営業外費用)
※変動費=営業収益-固定費-経常損益
※分子に借入金返済額を加えると、借入金返済を可能とする目標営業収益を試算することが
できます
①分析結果
3 年 間 の 推 移 を 診 て み ま す 。 26 年 は
[5 台 以 上 20 台 未 満 ]と [20 台 以 上
5 0 台 未 満 ] の ク ラ ス は 2 5 年 よ り 上 昇 し て い ま し た 。後 述 す る[ 安 全 余 裕 率 ]
と の 絡 み が あ り ま す が 、単 純 に 評 価 す れ ば「 損 益 分 岐 点 営 業 収 益 が 上 昇 す る
こ と は 好 ま し く な い 」と 指 摘 し て お き ま す 。何 故 な ら 、実 際 の 売 上 高 が 増 収
とならない限り、赤字になる可能性が高まっていくからです。
そ の 観 点 か ら す れ ば 、 27 年 は 全 て の ク ラ ス で 26 年 実 績 よ り 下 回 っ て い ま
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す 。3 年 間 の 推 移 で 診 て も 、2 7 年 は 全 ク ラ ス と も 最 も 低 い 数 値 と な り ま し た 。
これは良い傾向と判断しても良いでしょう。
更 に 損 益 分 岐 点 営 業 収 益 の 良 否 を 、損 益 分 岐 点 営 業 収 益 を 更 に 展 開 し た 安
全余裕率というアプローチで分析してみたいと思います。
安全余裕率は次の計算式で表現することができます。
安全余裕率
=
営業収益実績-損益分岐点営業収益
営業収益実績
×
100
②安全余裕率が示すもの
“ 営 業 収 益 > 損 益 分 岐 点 営 業 収 益 ”の 時 に 、分 子 が プ ラ ス と な り ま す 。値
が プ ラ ス と い う こ と は 黒 字 に な っ て い る こ と を 示 し て い ま す 。 逆 に 、“ 営 業
収 益 < 損 益 分 岐 点 営 業 収 益 ”の 時 は 分 子 が マ イ ナ ス と な り 、赤 字 と な っ て い
る こ と を 示 し て い ま す ( 図 表 2 0 参 照 )。
27 年 実 績 を 診 て み ま す 。 3 つ の ク ラ ス 全 て で 26 年 に 引 き 続 き プ ラ ス と な
り 、 プ ラ ス 幅 も 大 き く な り ま し た 。 最 大 は [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] で 5.7% の
ア ッ プ 、 最 小 は [ 50 台 以 上 ] で 1.8% の ア ッ プ で す 。
26 年 比 で の ア ッ プ 率 で は 2.9% と [ 50 台 以 上 ] を 上 回 っ た [ 20 台 以 上 50
台 未 満 ] の 実 績 値 は 4.4% と [ 50 台 以 上 ] の 7.2% よ り も 2.8% 低 い 実 績 で
す。
3 年 間 の 推 移 を 診 て み ま す ( 27 年 実 績 - 25 年 実 績 ) 。 27 年 実 績 > 25 年 実
績 で プ ラ ス と な っ て い れ ば 、「 改 善 さ れ た 」 と 言 え る で し ょ う 。 最 も 好 成 績
だ っ た の は [ 50 台 以 上 ] で 17.7% の 改 善 を 示 し て い ま す 。 △ 10.5% の 赤 字
基 調 か ら 、 7.2% と も う 少 し の 感 は あ り ま す が 、 し っ か り と し た 黒 字 基 調 へ
と劇的に転換を果たしています。
同 様 に 、 [ 20 台 以 上 50 台 未 満 ] は 6.8% 改 善 、 [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] は
4.3% の 改 善 と な っ て い ま す 。 [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] の 27 年 の 安 全 余 裕 率
は 9.8% で す 。 よ っ て 、 安 全 余 裕 率 が プ ラ ス で そ こ そ こ の 数 値 を 記 録 し て い
る場合の改善は厳しくなるということを示しています。
安 全 余 裕 率 は 10% 以 上 を 目 指 し て 欲 し い も の で す 。 と 言 う の も 、 10% 程
度 の 売 上 減 少 は 経 営 環 境 の 変 化 に よ り 容 易 に 発 生 す る も の だ か ら で す 。ま た 、
営 業 収 益 の 増 収 は 困 難 で も 、費 用 で あ る 運 送 費 や 一 般 管 理 費 は 無 為 無 策 の と
き は 自 然 的 に 増 加 し て い き ま す 。よ っ て 、気 が つ い た と き は「 安 全 余 裕 率 が
マイナスとなってしまった」という悲劇を生じかねません。
安 全 余 裕 率 は 次 の よ う な 示 唆 を 会 員 企 業 に 与 え て く れ ま す 。こ れ を 肝 に 銘
じ、黒字体質への転換と強化に取り組んで戴きたいものです。
㈠
黒字企業の時は、赤字に転落しないですむ減収率の限度
㈡
赤字企業の時は、赤字の状態から脱却するのに必要な増収率
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㈢
営業収益伸び率>営業費用伸び率、の公式の成立
③業界水準の比較
安 全 余 裕 率 の 業 界 平 均 は 4% 前 半 か ら 5% 前 半 の 数 値 と な っ て い ま す 。 全
て の 会 員 企 業 は 業 界 水 準 を 上 回 っ て い ま す 。 業 界 水 準 に 近 い の は [ 20 台 以
上 50 台 未 満 ] で そ の 差 異 は 0.1% の プ ラ ス で す 。 ま た も っ と も 離 れ て い る
の は [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] で 、 5.2% も 上 回 っ て い ま す 。[ 5 台 以 上 20 台 未
満 ] の 25 年 の 安 全 余 裕 率 は 5.5% 、 26 年 は 4.1% で し た の で 、 27 年 は 大 き
く改善されたことを改めて確認できました。
④損益分岐点営業収益と目標営業収益
損 益 分 岐 点 営 業 収 益 に つ い て 再 び 言 及 し ま す 。 前 述 の 計 算 式 の 分 子 は“ 固
定 費 ”と し て い ま し た 。固 定 費 は 変 動 費 と 同 様 に 損 益 計 算 書 に 記 載 さ れ て い
る科目から導き出されるものです。
し か し 、資 金 が 社 外 流 出 す る 代 表 的 な 科 目 で あ る 借 入 金 の 返 済 は こ の 計 算
式には算入されていません。何故なら、借入金は貸借対照表の科目であり、
損益計算書の科目ではないからです。
そ こ で 、分 子 を“ 固 定 費 + 借 入 金 元 金 返 済 額 ”に 変 更 す る と 、借 入 金 返 済
を考慮した時の損益分岐点営業収益に転換することができます。
さ ら に 、利 益 目 標 を 算 入 し た 計 算 式 に す る と 、 借 入 金 返 済 と 目 標 利 益 と を
考慮した時の損益分岐点営業収益、つまり目標営業収益となるのです。
以上を考慮したときの計算式は次のとおりです。
目標営業収益
=
固定費+借入金返済+目標利益
1 - ( 変 動 費 ÷営 業 収 益 )
こ の よ う に 、損 益 分 岐 点 営 業 収 益 の 計 算 式 は 、 過 去 の 決 算 デ ー タ の み な ら
ず 、将 来 の 自 社 に お け る 借 入 金 返 済 と 利 益 計 画 を 考 慮 し た 目 標 営 業 収 益 の 計
算にも応用できるのです。
[ 図 表 19
損 益 分 岐 点 営 業 収 益 /安 全 余 裕 率 /営 業 C F マ ー ジ ン ]
損益分岐点営業収益
H25年
H26年
H27年
安全余裕率
業界水準
H25年
H26年
H27年
単位:千円
営業CFマージン
業界水準
H25年
H26年
H27年
業界水準
全体
415,705 393,647 375,762 436,404
-5.4%
3.6%
6.4%
4.8%
1.7%
6.4%
8.1%
7.6%
5~20
100,096 107,762 98,224 71,640
5.5%
4.1%
9.8%
4.6%
8.8%
9.7%
12.0%
8.2%
20~50
398,017 410,055 396,963 342,492
-2.4%
1.5%
4.4%
4.3%
7.0%
5.9%
7.4%
8.2%
50以上
1,042,568
972,189 929,484 664,320 -10.5%
5.4%
7.2%
5.3%
-3.7%
6.7%
8.7%
8.2%
注 .「 営 業 C F マ ー ジ ン 」 の 「 業 界 水 準 」 は T K C 経 営 指 標 に 掲 載 さ れ て い な か っ た た め 、 T K C
経営指標の掲載データを元に計算しました。
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[ 図 表 20
損益分岐点営業収益図表]
~ 損 益 分 岐 点 営 業 収 益 を 改 善 さ せ
営業収益曲線
る方法~
損益分岐点営業収益
上図から、損益分岐点営業収益を
改善しようとする(図では左側に交
総費用曲線
点を移動させる)には大きく 3 つの
変動費
方 法 が あ り ま す 。 1)固 定 費 を 引 き 下
げ る 、2 ) 変 動 費( 端 的 に は 運 送 原 価 )
固定費
(+借入金+目標利益)
を 引 き 下 げ る 、3 ) 1 ) と 2 ) と を 同 時 に
実行する、の 3 つです。
営業収益
[ 図 表 20-2
固定費を下げた時の損益分岐点営業収益図表]
~ 損 益 分 岐 点( 交 点 )の 左 へ の 移
営業収益曲線
(旧)損益分岐点営業収益
動~
(旧)総費用曲線
1 ) 営 業 収 益 と 変 動 費( 変 動 費 比
率)の額に変更なしとします。
(新)総費用曲線
2) 固 定 費 を 企 業 努 力 に よ り 引
き 下 げ た 時( 削 減 し た 時 )の 総 費
変動費
(変更なし)
用曲線は、下方に移動します。
(旧)固定費
3 ) 結 果 と し て 、営 業 収 益 曲 線 と
(新 )総 費 用 曲 線 と の 交 点 が 左 下
(新)損益分岐点営業収益
に移動することになります。
対策後の
(新)固定費
営業収益
固 定 費 の 削 減 効 果 と し て 、損 益
分 岐 点 収 益 が 低 く な っ た こ と を
意味します。
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(2)営業キャッシュフロー・マージン
営 業 C F( 営 業 キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー )と は 、企 業 活 動 を 一 定 期 間 行 な っ た 結 果 、
その期間中に獲得した現金(キャッシュ)額のことを示しています。
な お 、企 業 が 獲 得 す る 現 金 は こ の 営 業 C F に よ る 方 法 に 限 ら れ て は い ま せ ん 。
現 金 の 獲 得 方 法 は 、次 の よ う に 大 き く 3 つ の カ テ ゴ リ ー か ら 成 り 立 っ て い ま す 。
キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー 計 算 書 は 、前 期 と 当 期 の 2 期 分 の 貸 借 対 照 表 と 当 期 の 損 益
計 算 書 か ら 計 算 さ れ る 財 務 諸 表 で す 。 こ れ か ら の 企 業 経 営 で は 、“ 利 益 ” の 多
少も重要ですが、ますます“現金”獲得額に関する重要度が高まってきます。
念 の 為 に 付 記 し て お き ま す が 、利 益 = 現 金 と は な ら な い こ と は ご 承 知 の 通 り
です。
会 員 企 業 で も 、キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー 計 算 書 を 作 成 で き る よ う に 、会 計 実 務 能 力
を高めていく必要があるでしょう。
[ 図 表 21
営業CF
キャッシュフロー計算書の概要]
1)
企業活動(貨物運送事業等)を行うことによって、獲得した
現金の出所を表しています。どの営業活動から現金が生み出さ
れ 、ど の 営 業 活 動 に よ り 現 金 が 社 外 流 出 し た の か が 分 か り ま す 。
2)
①損益計算書における当期発生高と、②貸借対照表における
流動資産並びに流動負債の前期から当期までの増減額、の 2 つ
の実績値から計算していきます。
㈠
減 価 償 却 費 は 非 現 金 支 出 で す の で 、運 送 費 や 一 般 管 理 費 か
ら控除し計算対象外とします。貸倒引当金も同様です。
㈡
短 期 貸 付 金( 流 動 資 産 )は 投 資 C F に て 、短 期 借 入 金( 流
動負債)は財務CFにて計算します。
㈢
投資CF
1)
現預金(流動資産)は計算に入れることはありません。
固定資産を取得(購入)したり、又は売却したことによる現
金の増減を表すものです。
2)
固定資産の取得は現金の減少(流出)に、売却は現金の増加
(流入)として計算します。
財務CF
3)
償却資産の減価償却費を減算科目として算入し計算します。
1)
短期及び長期借入金の増減や、資本金の増減資、社債の発行
など、営業活動や投資活動以外の財務活動による現金の増減を
表すものです。
2)
借入金等が増加すると現金が増加(流入)し、借入金等を返
済すると現金が減少(流出)するとして計算します。
3 つのCFの合計額は、貸借対照表科目の[現金及び預貯金]の前期末から
今 期 末 ま で の 増 減 額 と 必 ず 一 致 し ま す 。従 っ て 、資 金 繰 り の ポ イ ン ト を ご く 簡
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単 に 一 言 で 言 う と す れ ば 、「 現 金 及 び 預 貯 金 の 増 減 の 動 き に 注 意 し な さ い 」 と
なります。
[ 営 業 C F マ ー ジ ン ]と は 、営 業 C F を 営 業 収 益 で 割 っ た 率 を 示 し て い ま す 。
同 様 な 指 標 に は 、 営 業 収 益 営 業 利 益 率 ( 12~ 13 頁 参 照 ) な ど の 収 益 性 指 標 が
あります。両者の違いはどこにあるのでしょうか。
図 表 21 に お い て 、 営 業 C F を 計 算 す る に は 損 益 計 算 書 ( P L ) の み な ら ず
貸 借 対 照 表( B S )も 利 用 す る と 説 明 し ま し た 。よ っ て 、概 ね 貸 借 対 照 表 の 勘
定 科 目 を 考 慮 し た 収 益 性 指 標 が 営 業 C F マ ー ジ ン で 、損 益 計 算 書 の み の 勘 定 科
目を利用したのが営業収益営業利益率、と理解しても良いでしょう。
例 え ば 、 企 業 努 力 で 運 送 収 入 を 大 き く 伸 ば し て も 、[ 売 掛 債 権 ( 未 収 運 賃 ・
受 取 手 形 等 )] で “ 回 収 ” し た の で あ れ ば 、 本 当 の 意 味 で の 現 金 “ 回 収 ” と な
っていません。
何 故 な ら[ 売 掛 債 権 ]は 今 直 ぐ に で も 使 え る[ 現 金 ]で は あ り ま せ ん し 、一
般的に現金化するまでに数十日から数ヶ月を要するからです。
従 っ て 、本 当 の 意 味 で の 現 金“ 回 収・獲 得 ”と 営 業 収 益 と を 交 差 す る 営 業 C
F マ ー ジ ン の 方 が 、現 金 の 獲 得 能 力 の 実 態 を よ り 正 確 に 表 し て い る と 言 え る の
です。
営業CFマージンは次の計算式で表現することができます。
営業CFマージン
=
営業CF
営業収益
×
100
※本報告書では簡易的に営業CFを計算するため、営業CFを次のような計算をしました。
乗 率 0.6 は “ 法 人 税 等 ” の 税 率 を 考 慮 し た も の で す 。
※ 経 常 利 益 額 が 黒 字 ・ ・ ・ 営 業 C F = 経 常 利 益 額 ×0.6+ 減 価 償 却 費
※経常利益額が赤字・・・営業CF=経常利益額+減価償却費
①分析結果
ど の ク ラ ス で も 、営 業 収 益 営 業 利 益 率 よ り も 営 業 C F マ ー ジ ン の 値 が 上 回
っ て い ま す 。 そ の 事 実 は 図 表 22 の [ 差 異 ( 営 業 C F マ ー ジ ン - 営 業 収 益 経
常利益率)にて確認できます。
3 年 間 の 推 移 を 診 て み ま す 。[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] は 2 5 年 に お け る 営 業
収 益 営 業 利 益 率 と 営 業 C F マ ー ジ ン と の 差 異 が 10.4% も あ り ま し た 。 営 業
C F マ ー ジ ン の 方 が 数 値 が 10.4% も 高 か っ た の で す 。 と こ ろ が 、 27 年 に は
5.0% ま で 縮 小 し て き ま し た 。
[ 5 0 台 以 上 ]の 5 . 6 % よ り も 悪 く な っ て い ま す 。
25 年 に は 10.4% と 2.0% と で 、 両 者 の 開 き は 8.4% も あ っ た の に 、 27 年 に
は [ 50 台 以 上 ] に 0.6% の 水 を 開 け ら れ て し ま っ て い ま す 。
[ 5 台 以 上 20 台 未 満 ]
営業CFマージンそのものの数値を確認してみます。
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は 1 2 . 0 % と 高 い 値 を 記 録 し ま し た 。 高 成 績 で す 。[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] は
7 . 4 % 、[ 5 0 台 以 上 ] 8 . 7 % と 決 し て 悪 く な い 数 値 で す 。 な お 、 二 桁 を 目 指 し
て欲しいことは言うまでもありません。
[ 2 - 1 . 貸 借 対 照 表 ( 資 産 の 部 )] に よ れ ば 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] の 売
掛 債 権 は 前 期 よ り 4 , 4 0 8 千 円 の 増 加 と な っ て い ま す 。売 掛 債 権 の 増 加 は「 現
金の回収ができなかった」という意味ですので、現金収入の観点からは△
4,408 千 円 と 理 解 を し ま す 。
[ 3 - ( 2 ) . 一 般 貨 物 自 動 車 運 送 事 業 損 益 明 細 表 ] に よ れ ば 、[ 2 0 台 以 上 5 0
台 未 満 ] の 当 期 営 業 利 益 は 10,002 千 円 で す 。 こ れ を 現 金 収 入 の 観 点 か ら は
プ ラ ス 10,002 千 円 と 理 解 を し ま す 。
以 上 の 売 掛 債 権 の 増 加 と 当 期 営 業 利 益 と の 交 差 に よ り 、 27 年 の 営 業 C F
は 1 0 , 0 0 2 千 円 か ら 4 , 4 0 7 千 円 を 差 し 引 い た 5 , 5 9 4 千 円 と な る の で す ( 注 )。
こ の よ う に 営 業 C F を 計 算 す る こ と に よ っ て 、「 売 掛 債 権 を き ち ん と 回 収 す
る 」「 営 業 は 売 掛 債 権 の 回 収 が で き て 終 わ る 」 と い う 債 権 管 理 の 重 要 性 を 確
認することができるのです。
注 : こ の 計 算 に は 運 送 原 価 や 一 般 管 理 費 の 合 計 額 ( 4 0 5 , 3 8 8 千 円 )、 買 掛 債 務 の 増 減 ( 1 4 2 千
円 )な ど 、営 業 C F を 計 算 す る 際 に 加 減 す る 他 の 費 目 を 計 算 に 入 れ て い な い こ と に 留 意
が必要。
補 足 す る と 、減 価 償 却 費 の 計 算 に つ い て も 留 意 し な け れ ば な り ま せ ん 。営
業 利 益 の 計 算 に は 減 価 償 却 費 を 算 入 し ま す が 、営 業 C F で は 減 価 償 却 費 を 算
入しません。減価償却費は現金の支出と直結しないからです。
よ っ て 別 の 言 い 方 を す れ ば 、営 業 C F マ ー ジ ン は 減 価 償 却 費 分 、か さ 上 げ
されていると言えなくもありません。
なお減価償却費は節税効果や将来の設備投資資金の回収などの性格も帯
び て い ま す 。 法 定 分 の 減 価 償 却 費 の 計 上 は 必 ず 実 施 し て 下 さ い 。「 減 価 償 却
費 を 計 上 せ ず 、利 益 を つ く る 」こ と は 、後 年 度 決 算 に 悪 い 影 響 を 与 え か ね ま
せん。ご留意下さい。
営業収益営業利益率がマイナスであっても営業CFマージンをプラスに
することが可能です。例えば、次のような策を講じると良いでしょう。
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㈠
売掛債権の回収を早める(前期末残高より当期末残高を減らす)
㈡
(商品や貯蔵品等の)棚卸資産を減らす努力を行う
㈢
他の流動資産の残高を安易に増やさない
㈣
買掛債務(支払手形や買掛金)の弁済サイクルを少し長くする
㈤
他の流動負債科目の支払いを極端に早くせずに適正化する
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[ 図 表 22
経常利益率と営業CFマージン比較対照表]
営業収益営業利益率
H25年
H26年
H27年
営業CFマージン
業界水準
H25年
H26年
H27年
差異(営業CFマージン-営業収益営業利益率)
業界水準
H25年
H26年
H27年
業界水準
-4.1%
1.0%
3.1%
2.8%
1.7%
6.4%
8.1%
7.6%
5.8%
5.3%
5.0%
4.8%
2.2%
1.6%
5.5%
2.6%
8.8%
9.7%
12.0%
8.2%
6.6%
8.1%
6.5%
5.6%
20~50
-3.4%
0.4%
2.4%
2.6%
7.0%
5.9%
7.4%
8.2%
10.4%
5.5%
5.0%
5.6%
50以上
-5.7%
1.4%
3.1%
3.1%
-3.7%
6.7%
8.7%
8.2%
2.0%
5.3%
5.6%
5.1%
全体
5~20
②業界水準の比較
業 界 水 準 は 全 て の ク ラ ス で 同 じ 実 績 値 で あ る 8.2% と な っ て お り 、 ク ラ ス
による差異はみられません。
会 員 企 業 で は 最 大 が [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] で 12.0% 、 最 小 が [ 20 台 以 上
5 0 台 未 満 ]で 7 . 4 % で す 。両 者 の 差 異 は 4 . 6 % で す 。業 界 平 均 の そ れ が 0 . 0 %
で あ る こ と か ら 、会 員 企 業 の 経 営 能 力 等 に 大 き な 格 差 が あ る こ と が 見 て 取 れ
る結果となっています。
[ 全 体 ] で は 会 員 企 業 8.1% に 対 し て 、 業 界 平 均 は 7.6% で す 。 3 つ の ク
ラ ス の 実 績 値 よ り も 低 く な っ て い ま す 。こ の こ と は 、業 界 水 準 で は 経 営( 売
上 )規 模 等 が 更 に 大 き く な る こ と に よ っ て 、営 業 C F マ ー ジ ン は 低 く な る 傾
向にあることを示しています。
-
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第4章
その他の経営分析指標
本 章 で は 第 3 章 で 取 り 上 げ た 指 標 以 外 に 、会 員 企 業 が 経 営 改 善 の た め に 使 用
することが望ましい指標を幾つか取り上げて、説明することとします。
な お 本 章 で は 、こ れ ら の 指 標 を 用 い て の デ ー タ 分 析 は 行 っ て お り ま せ ん 。ご
了承下さい。
1.収益性指標
(1)分析指標の概要
分析指標
一般管理費比率
営業収益支払
利息率
労働分配率
表示
%
%
%
その意味
運送原価以外の費用である一般管理費が、営業収益
に占める割合のことです。率が低いほど良好です。
実質支払金利が営業収益に占める割合のことです。
率 が 低 い ほ ど 良 好 で す 。 1% 未 満 が 望 ま し い で す 。
企業が創造し獲得した実質的な価値(付加価値額)
に 対 す る 人 件 費 の 割 合 で す 。率 が 低 い ほ ど 良 好 で す 。
(2)計算式
分析指標
分子
分母
一般管理費比率
一般管理費
営業収益
営業収益支払利息率
実質支払金利
営業収益
労働分配率
人件費
付加価値額
《注釈》
実質支払金利
(支払利息+手形売却損+手形割引)-受取利息
役員報酬+給料手当+賞与+退職金+法定福利費+福利厚
人件費
生費+臨時雇賃金
※運送費(原価)計上分、一般管理費計上分ともに含む
(経常損益+金融費用+人件費+減価償却費+施設使用料
付加価値額
+施設賦課税)-金融収益
※ 付 加 価 値 額 と 営 業 収 益 総 利 益( 売 上 総 利 益 )と は 、必 ず し も 一 致 し
ません。考え方が多少異なります。試算の時はご注意下さい。
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2.流動性指標
(1)分析指標の概要
分析指標
固定比率
有形固定資産
回転率
支払債務回転
期間
表示
%
回転
日
その意味
固定資産と純資産(自己資本)との割合です。率が
低 い ほ ど 良 好 で す 。 望 ま し い の は 100% 以 下 で す 。
有 形 固 定 資 産 が 営 業 収 益 を あ げ る の に 、1 年 間 で 何 回
稼 働 し た か を み る 指 標 で 、大 き い 数 値 ほ ど 良 好 で す 。
支払債務の運送費に対する割合を示すものです。支
払い速度が速いと高い数値になります。
(2)計算式
分析指標
分子
分母
固定比率
固定資産
純資産
有形固定資産回転率
年間営業収益
有形固定資産
支払債務回転期間
運送費
支払債務勘定
《注釈》
支払債務勘定
支払手形(車両手形を除く)+買掛金+未払金
3.生産性指標
(1)分析指標の概要
分析指標
表示
労働生産性
千円
労働装備率
千円
設備投資効率
回転
その意味
役員を含む全従業員が、どれだけの付加価値を生み
出したかを示し、数値が大きいほど良好です。
役員を含む全従業員の 1 人当り有形固定資産保有額
で、新鋭設備だと数値が多くなる傾向があります。
車両設備等の新しさ、運搬能力また業務処理能力の
高さを表しています。
従業員 1 人当りの人件費です。年齢が高い、勤務年
1 人当り人件費
千円
数が長い、保有能力・スキルが高い、などの条件が
重なると高くなる傾向があります。
保有する車両の運行可能な総日数に対する、実際の
実働率
%
稼働総日数の割合です。高すぎる場合は新たな車両
の購入を検討することも必要となります。
車両の総走行キロ数に対して、実際に荷物を積んで
実車率
%
走行した走行キロ数の割合です。無駄がない配車の
ためのチェックポイントにもなります。
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経営分析調査報告書
経営分析調査報告書
― Management Analysis Survey Report ―
― Management Analysis Survey Report ―
(2)計算式
分析指標
分子
分母
労働生産性
付加価値額
従業員数
労働装備率
有形固定資産-土地
従業員数
設備投資効率
付加価値額
有形固定資産-土地
1 人当り人件費
人件費
従業員数
実働率
延実働車両数(日車)
延実在車両数(日車)
実車率
実車キロ数
総走行キロ数
《注釈》
従業員数
役員も含む(但し非常勤は除く)
短時間勤務者は所定内労働時間(通常は 8 時間)で置換え
人件費
年間又は月間のいずれの計算でも可
4.総合性指標
(1)分析指標の概要
分析指標
借 入 債 務 償 還
年数
借 入 金 対 月 商
倍率
営業収益成長率
表示
その意味
企業(営業)活動で獲得した現金(営業CF)で、
年
長短借入金と社債を返済するのに何年要するかを診
る指標です。数値が短いほど良好です。
長短借入金と社債が平均月商の何倍あるかを見る指
倍
標 で す 。数 値 が 小 さ い ほ ど 良 好 で す 。6 ヶ 月 を 超 え る
と長短借入金等の負担が重くなってきます。
%
時系列推移を見る指標です。過去の実績から来期以
降の営業収益高を予測することも可能です。
(2)計算式
分析指標
分子
分母
借入債務償還年数
長期借入金+短期借入金+社債
営業キャッシュフロー
借入金対月商倍率
長期借入金+短期借入金+社債
平均月商
営業収益成長率
当年度営業収益
基準年度営業収益
《注釈》
40
平均月商
年 間 営 業 収 益 ÷12 ヶ 月
基準年度営業収益
前年だけではなく、3 年前、5 年前と置換えが可能
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― Management Analysis Survey Report ―
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第5章
損益分岐点分析を経営に活かす
1.損益計分岐点分析を再考する
損 益 分 岐 点 分 析 に つ い て は 、第 3 章 の[ 5 .総 合 性 指 標 ]の 項 に て 具 体 的 に
記 述 し て き ま し た 。損 益 分 岐 点 分 析 を 意 識 す る こ と で 経 営 改 善 を 図 ら れ る こ と
から、本章でより具体例を上げながら説明をしていきたいと思います。
損 益 分 岐 点 分 析 を 行 な う 前 提 条 件 と し て 、費 用 を 固 定 費 と 変 動 費 と に 区 分 す
る こ と が 必 要 で す 。本 報 告 書 で は 、固 定 費 と 変 動 費 を 次 の よ う に 分 類 し ま し た 。
な お 、固 定 費 の 代 表 的 な も の と し て は[ 人 件 費 ]で す 。ま た 代 表 的 な 変 動 費 は
[燃料油脂費]です。
[ 図 表 23-1-1
固定費
固定費と変動費の内訳]
営業費用-(燃料油脂費+修繕費+道路使用料+フェリー利用料+
傭車費等)-(営業外収益-営業外費用)
変動費
営業収益-固定費-経常損益
図 表 2 3 - 1 - 2 で は 、各 ク ラ ス 別 に 固 定 費 と 変 動 費 の 2 7 年 実 績 を リ ス ト ア ッ プ
し 、 総 費 用 に 占 め る 固 定 費 と 変 動 費 の 比 率 を 確 認 し て い ま す 。[ 全 体 ] で は 固
定 費 比 率 は 55.0% 、 変 動 費 比 率 は 45.0% と な っ て い ま す 。 主 要 な 科 目 で あ る
[ 人 件 費 ] は 4 1 . 5 % 、[ 燃 料 油 脂 費 ] は 1 2 . 1 % で す 。 や は り 、[ 人 件 費 ] は 高
率となっていることが確認できました。
損 益 分 岐 点 を 改 善 し よ う と す れ ば 、[ 5 . 総 合 性 指 標 ] の 項 で 言 及 し た 対 策
を 講 じ れ ば 良 い の で す 。し か し 闇 雲 に「 コ ス ト を 下 げ ろ ! 」で は な く 、タ ー ゲ
ットとする費目を定めての費用統制や縮減を行なっていくべきでしょう。
そ の 意 味 で は 、会 員 企 業 に お い て は「 自 社 の 費 用 構 造 を よ り 詳 細 に 分 析 を し 、
必要な対策を立案し実行していく」ことが求められています。
[ 図 表 23-1-2
固定費と変動費の構成比]
固定費
実績
比率
内、人件費
実績
単位:千円
変動費
比率
実績
比率
内、燃料油脂費
実績
比率
総費用
実績
比率
全体
212,817
55.0% 160,545
41.5% 174,035
45.0% 46,621
12.1% 386,852
100.0%
5~20
61,083
59.7% 44,367
43.4% 41,160
40.3% 15,530
15.2% 102,243
100.0%
20~50
247,765
61.3% 185,810
46.0% 156,123
38.7% 57,889
14.3% 403,888
100.0%
50以上
473,061
49.0% 362,577
37.6% 492,031
51.0% 92,318
9.6% 965,092
100.0%
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2.燃料油脂費の統制・縮減による損益分岐点の変動
前 節 で は 固 定 費 の 代 表 的 な も の と し て[ 人 件 費 ]を 取 り 上 げ ま し た 。ま た 変
動費の代表的なものとして[燃料油脂費]を取り上げました。
[人件費]の統制・縮減手法については多種多様なアプローチがあります。
そ の 一 方 で 会 員 企 業 の 成 長 戦 略 や 営 業 方 針 と は 必 ず し も 一 致 し ま せ ん 。ま た 政
府 が 中 小 企 業 の 経 営 状 況 が 厳 し い 中 で も 、最 低 賃 金 の 引 上 げ を 半 ば 強 引 に 実 施
しています。
[ 人 件 費 ]の 統 制 ・ 縮 減 策 を 検 討 す る に あ た っ て 、こ の よ う な 諸 々
の環境条件が損益分岐点にどのような影響を与えるかを考察するには慎重に
ならざるを得ません。
そ こ で 本 節 で は 、[ 燃 料 油 脂 費 ] の 統 制 ・ 縮 減 に の み 絞 っ て 、 費 用 の 増 減 が
損益分岐点にどのような影響を与えるのかを試算してみたいと思います。
(1)原油の国際価格の動向
代 表 的 な 国 際 価 格 指 標 で あ る W T I( ウ エ ス ト ・ テ キ サ ス ・ イ ン タ ー ミ デ ィ
エ ー ト ) の 値 動 き を 図 表 23-2 に 掲 載 し ま し た 。 28 年 は 年 間 を 通 じ た 平 均 は
43.2US ド ル /バ レ ル で 27 年 の 48.8 US ド ル よ り も 低 く な っ て い ま す 。
し か し 、 月 毎 の 価 格 推 移 を み る と 1 月 に 31.7 US ド ル だ っ た の が 、 12 月 に
は 52.0 US ド ル へ と 上 昇 し て き て い ま す 。 価 額 で 20.3 US ド ル 、 率 で 64.1%
と急上昇しています。
28 年 か ら 29 年 に か け て 、 O P E C 諸 国 と 非 O P E C 諸 国 と の 間 で 、 産 油 量
削 減 の 合 意 が 成 立 し た と い う ニ ュ ー ス が 流 れ ま し た 。 29 年 以 降 は 原 油 価 格 の
上 昇 は 確 実 な も の と し て 、こ れ ま で 安 価 に 調 達 で き た 燃 料 油 脂 の 徹 底 的 な 統 制
と縮減が益々重要となってきたと言わざるを得ません。
[ 図 表 23-2
原油価格相場の時系列推移]
単 位 : US ドル/バレル
※ 参 考 : http://ecodb.net/pcp/imf_usd_poilwti.html
(2)為替の動向
28 年 は 国 際 政 治 に お い て 大 き な 節 目 と な る 出 来 事 が あ り ま し た 。 28 年 6 月
42
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の 英 国 の E C か ら の 離 脱 と 28 年 11 月 の 米 国 大 統 領 選 に よ る ト ラ ン プ 氏 の 当 選
で す 。両 者 と も 円 高 の 基 調 を 促 し た の で す が 、ト ラ ン プ 氏 は 米 国 経 済 界 の 成 功
者 と し て 名 を は せ て お り 、大 統 領 就 任 後 の 経 済 政 策 へ の 期 待 か ら 、世 界 的 に 株
価上昇と円安の進行という副産物を産出しました。
こ の よ う に 、経 済 情 勢 は 各 国 の 政 治 の 動 向 に よ っ て 大 き く 左 右 さ れ る の が 現
実 で す 。大 手 企 業 で も 、ま た 自 動 車 産 業 の よ う な 基 幹 産 業 で あ っ て も 、国 際 政
治 が 為 替 相 場 に ど の よ う な 影 響 を 与 え る の か を 断 定 す る こ と は で き ま せ ん 。大
分 県 の そ し て 運 送 業 界 に 位 置 す る 会 員 企 業 に お い て は 、推 し て 知 る べ し と い う
べきでしょうか。
会 社 経 営 は こ の よ う な 不 確 定 で 、か つ 大 き く 変 動 す る か も 知 れ な い と い う 為
替動向においても、堅実経営を貫かねばなりません。
よ っ て 、「 会 社 に と っ て 不 利 益 な 事 実 が 発 生 す る 」 と い う 仮 説 の 元 で 、 事 業
計 画 を 立 案 し 実 行 し て い く べ き で し ょ う 。こ れ を 為 替 相 場 と い う 場 面 に 照 ら し
合 わ せ る と 、「 為 替 は 円 高 に 向 か う と 予 想 さ れ る も の の 、 1 1 0 円 程 度 の 円 安 が
基 調 と な る 」と す べ き で は な い で し ょ う か 。円 安 は 燃 料 油 脂 費 の 上 昇 圧 力 と な
ります。
今後も燃料費を決定づける原油の国際価格や為替の動向にも分析の目をや
らなければなりません。
[ 図 表 23-3
対ドル円相場の時系列推移]
※ 参 考 : http://ecodb.net/exchange/usd_jpy.html
3.燃料費の上昇が経営に与える影響の試算
前節で原油の国際価格や為替の動向が燃料油脂費の支出額に影響を与える
と い う こ と に 言 及 を し ま し た 。 本 節 で は 、 燃 料 油 脂 費 が 27 年 実 績 よ り も 10%
上 昇 ( 試 算 A ) 又 は 10% 下 落 ( 試 算 B ) し た と い う 条 件 で 、 損 益 分 岐 点 が ど
のように変化するのかを考察してみました。
な お 、 元 と な る 指 標 は 図 表 19 の 数 値 と 同 じ と な っ て い ま す 。
試 算 結 果 は 図 表 24 の と お り で す 。 試 算 A の 損 益 分 岐 点 営 業 収 益 は 394,591
-
43 -
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― Management Analysis Survey Report ―
千 円 と な り ま し た 。こ の 時 の 安 全 余 裕 率 は 1 . 7 % で 、2 7 年 実 績 に 比 較 し て 4 . 7 %
のダウンです。費用増が損益分岐点営業収益を押し下げたのです。
一 方 の 試 算 B の 損 益 分 岐 点 営 業 収 益 は 374,875 千 円 、 安 全 余 裕 率 は 7.9% で
27 年 実 績 比 1.5% の ア ッ プ と な り ま し た 。
試 算 の 前 提 と な る 油 脂 燃 料 費 は 、2 7 年 実 績 値 か ら「 1 0 % 増 え る 」か 又 は「 1 0 %
減 る か 」の 違 い は あ り ま す が 、
[ 全 体 ]の 燃 料 油 脂 費 の 増 減 額 の 絶 対 値 は 4 , 6 6 2
千円となります。
に も 係 ら ず 、 増 加 の 時 は 4.7% の マ イ ナ ス 効 果 を 、 減 少 の 時 は 1.5% の プ ラ
ス 効 果 が あ る こ と が 分 か り ま し た 。プ ラ ス 効 果 の 3 . 1 倍 の 負 の 効 果( マ イ ナ ス
効果)を生じさせていました。
参 考 ま で に 、 マ イ ナ ス 効 果 が プ ラ ス 効 果 の 何 倍 あ る か を 計 算 す る と 、[ 5 台
以 上 2 0 台 未 満 ] は 3 . 2 倍 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] は 3 . 3 倍 、[ 5 0 台 以 上 ] は
2.8 倍 で し た 。
変 動 費 は 図 表 20 と 図 表 20-2 に あ る 損 益 分 岐 点 営 業 収 益 図 に あ る 総 費 用 曲 線
の 傾 き に 影 響 を 与 え ま す 。燃 料 油 脂 費 の 増 加 は 総 費 用 曲 線 の 傾 き を 左 上 方 へ と
変更させることがあり、
「 急 速 に 収 益 構 造 を 悪 化 さ せ る 」こ と が 分 か り ま し た 。
人 件 費 な ど の 固 定 費 の 縮 減 努 力 も 大 事 で す が 、燃 料 油 脂 費 な ど の 変 動 費 の 統
制 ・ 縮 減 効 果 も 大 き い の で す 。会 員 企 業 に お い て は 、是 非 と も 自 社 の 費 用 構 造
を 確 認 し 、「 ど の 費 用 を 統 制 ・ 縮 減 す る こ と が 収 益 改 善 の 効 果 が 大 き い の か 」
を考えて戴きたいものです。
[ 図 表 24
燃料油脂費の増減の影響]
車輌保有
台
数
44
損益分岐点分析
損益分岐点
安全余裕率
試算根拠
差異
営業収益
固定費
変動費
うち燃料油脂費
経常損益
375,762
6.4%
401,337
212,817
174,035
46,621
14,485
98,224
9.8%
108,851
61,083
41,160
15,530
6,609
20~50
396,963
4.4%
415,388
247,765
156,123
57,889
11,500
50以上
929,484
7.2%
1,001,999
473,061
492,031
92,318
36,907
全体
全体
現状
単位:千円
5~20
394,591
1.7%
-4.7%
401,337
218,898
178,697
51,283
3,742
試
燃料油脂費が 5~20
算
10%上昇
20~50
A
103,403
5.0%
-4.8%
108,851
62,828
42,713
17,083
3,310
417,630
-0.5%
-5.0%
415,388
254,844
161,912
63,678
-1,368
50以上
973,666
2.8%
-4.4% 1,001,999
486,577
501,263
101,550
14,159
全体
374,875
7.9%
1.5%
407,071
218,898
169,373
41,959
18,800
試
燃料油脂費が 5~20
算
10%下落
20~50
B
97,975
11.3%
1.5%
110,406
62,828
39,607
13,977
7,971
396,222
6.0%
1.5%
421,322
254,844
150,334
52,100
16,144
50以上
926,901
8.8%
1.6% 1,016,313
486,577
482,800
83,087
46,937
-
44 -
参考資料
その他
自動車道
鉄軌道業
貨物利用
一般(特別無)
-45-
1
30
10
0
0
1
1,162
1,187
978
6
0
2
1
3
7
8
2
20
合計
33.1
33.1
27.7
25年
0.1
13,390
15,214
2.0
523,954
0.1
0.0
1.0
0.0
交通事故
事
故 重大事故
件 死者数
数
負傷者数
507,640
1.1
26.0
営業収入
15,236
25,561
593,441
14,970
14,504
0.1
0.0
0.0
0.7
12,090
140,500
0.0
0.0
0.0
0.0
382,234 1,631,872
33,823
99,326
1,330
993
8,233
0.1
0.1
0.0
0.3
105,938
1,016
9,367
0.0
0.0
0.0
0.1
112,399
1,683
327,282
47,496
8,355
11,959
25年
8,638
12,586
26年
8,413
12,598
27年
33.8
37.6
32.2
27年
142,496
199,493
合計
78.4
72.7
60.9
25年
81.6
77.4
63.6
26年
1社平均
83.4
79.3
63.9
27年
20,213
28,324
25年
20,883
29,379
26年
1社平均
50以上
28,499
27年
単位:台、km、千円、件
0
6
2
0
0
0
584
555
447
0
0
2
1
3
4
1
1
5
合計
292,557
806
9,367
0.0
0.0
0.0
0.0
245,980
162,300
1.0
0.0
0.0
11.0
108,791 5,083,274
1,704
3,485
11,225
0.2
0.1
0.0
2.2
360,687
29,050
19,394
11,562
0.2
0.1
0.0
1.5
386,837
58,823
865,675
18,922
12,485
0.1
0.0
0.0
0.8
265,884
204,840
1.0
1.0
0.0
15.0
391,021 6,663,054
22,504
59,473
26,305
0.3
0.0
0.0
1.1
899,990
90,454
37,983
29,263
0.0
0.0
0.0
1.4
993,946
109,463
37,983
29,263
0.1
0.1
0.0
2.1
951,865
123,668
322,492 21,150,292 1,532,326 1,542,871 1,626,946 17,199,426 3,230,159 2,490,277 2,457,061
39,563 1,348,374
93,741
130,049
103,721 1,534,609
134,098
241,770
219,230
109,372
163,772
合計
32.2
37.5
32.2
26年
1社平均
20~50
31.5
34.3
29.3
25年
20,357
452,772 28,546,215 2,109,985 2,061,148 2,195,863 22,530,347 4,149,548 3,339,242 3,218,621
2,097
3,228
27年
1
12
3
0
0
1
439
489
418
1
0
0
0
0
2
2
1
9
合計
50以上
― Management Analysis Survey Report ―
14,161
0.1
0.0
0.0
0.9
44,462
390,643
31,205
374,778
1,183,793
13,378,200
利用運送
117,014
476,311
1,960
3,413
26年
9.3
9.5
7.5
27年
1社平均
20~50
単 位 : 件 、台 、人
経営分析調査報告書
― Management Analysis Survey Report ―
規 経 資本金
模 営 株式総額(株)
2,236
3,417
338,693
36,529
78,446
31,455
48,413
25年
1社平均
5~20
9.5
9.7
8.2
26年
1社平均
5~20
9.4
9.5
7.5
25年
43,187,097 1,408,845 1,211,385 1,233,917 4,837,379
8,095
11,762
合計
0
12
5
0
0
0
139
143
113
5
0
0
0
0
1
5
0
6
合計
481,702
8,225
12,013
26年
1社平均
33.2
33.9
27.9
27年
57,868,148 1,878,335 1,637,551 1,653,376 6,791,586
3,476,424
8,443
283,323
実働車両数
輸 走行キロ
送
実車キロ
実
績 実輸送
12,039
25年
411,678
合計
実在車両数
保有台数
全体
27年
32.3
33.6
28.2
26年
1社平均
全体
(2)輸送実績、事故件数、経営規模
その他
引越
コンテナ
事 生コン
業
危険物
内
容 冷凍
原木
長大物
ダンプ
事 自動車数
業
従業員数
概
況 運転者数
事
業
種
類
一般(特別有)
保有台数
1.回答企業の概要
(1)事業種類、事業概要、事業内容
経営分析調査報告書
45
46
-46-
544
18,982,404
資産の部合計
10,481,007
繰延資産
91,665
6,921
106,016
251
3,308
3,376
674
187
35
1,651
1,573
1,110
0
11,897
-2,523
226,140
18,771
48,826
5,331
18,811
3,344
8,640
117,764
0
221,487
0
203
658
878
24,454
22,016
1,537
1,947
2,239
0
19,668
0
0
71,863
294,227
17
520,384
95,788
7,973
111,244
259
4,220
3,080
739
194
0
1,502
1,306
1,067
0
14,889
-2,498
239,762
18,619
49,545
5,011
14,567
3,361
8,014
110,599
4,677
214,393
0
315
592
907
26,013
23,623
712
1,566
2,044
0
19,473
0
0
73,430
288,730
2
528,494
2 6年
1社平均
合計
114,375
442,651
5,701
27,545
108,116
157,873
259
80
2,398
0
3,112
1,395
957
2,887
104
189
26
0
2,225
438
1,096
24,257
1,144
851
0
0
5,978
72,862
-2,610
-444
242,882
730,584
16,888
132,203
56,437
48,521
5,634
3,681
14,300
52,228
3,515
1,271
21,662
44,804
107,346
46,983
795
0
226,578
329,693
0
0
252
2,244
761
7,643
1,014
9,887
28,645
4,113
16,212
0
1,085
2,831
1,861
0
2,097
6,538
0
0
21,967
12,438
0
0
0
0
71,866
25,920
299,457
365,502
16
481
542,354 1,096,568
27 年
17,845
869
13,891
5
0
177
134
60
0
328
2,310
70
0
1,433
-23
37,100
9,997
2,147
246
2,190
86
1,912
3,012
0
19,590
0
0
453
453
253
0
185
0
381
0
740
0
0
1,559
21,602
0
58,702
2 5年
23,873
2,945
12,292
5
0
134
181
7
0
117
2,083
144
0
5,325
-34
47,072
9,986
3,343
292
2,146
68
2,315
3,132
0
21,283
0
0
480
480
258
0
187
0
418
0
778
0
0
1,640
23,403
0
70,474
26 年
1社平均
29,510
1,836
10,525
5
0
93
192
13
0
29
1,617
57
0
4,857
-30
48,706
8,814
3,235
245
3,482
85
2,987
3,132
0
21,980
0
150
510
659
274
0
189
0
436
0
829
0
0
1,728
24,367
32
73,105
27 年
1,298,232
102,044
848,219
8,975
4,116
8,713
17,046
1,160
911
5,708
1,185
2,428
0
72,833
-2,123
2,369,447
245,720
270,702
71,476
9,878
4,966
21,129
1,054,742
0
1,678,616
0
954
9,902
10,856
137,087
59,000
23,921
0
30,073
0
74,820
0
0
324,902
2,014,375
63
4,383,885
合計
87,257
9,001
61,248
725
394
809
957
59
0
349
760
429
0
1,586
-107
163,467
26,558
15,306
6,825
1,089
583
5,226
75,258
0
130,844
0
0
580
627
8,576
4,917
1,442
1,330
1,869
0
5,188
0
0
23,324
154,796
39
318,301
25 年
91,812
8,697
59,993
690
282
603
1,119
63
0
73
557
204
0
5,870
-86
169,877
23,192
21,956
6,125
881
358
2,951
80,946
0
136,408
0
38
422
461
10,442
4,538
839
0
1,936
0
5,640
0
0
23,396
160,264
6
330,148
26 年
1社平均
20~50
99,864
7,850
65,248
690
317
670
1,311
89
70
439
91
187
0
5,603
-163
182,265
18,902
20,823
5,498
760
382
1,625
81,134
0
129,124
0
73
762
835
10,545
4,538
1,840
0
2,313
0
5,755
0
0
24,992
154,952
5
337,222
2 7年
25 年
2 6年
1社平均
2 7年
単位:千円
2,262,256
236,689
257,275
323,179
69,931
15,147
17,400
9,990
2,777,952
345,904
418,465
396,850
0
0
0
0
79,831
13,880
20,579
11,404
98,814
13,225
13,994
14,116
13,578
1,260
1,229
1,940
2,305
617
841
329
0
151
0
0
71,737
6,086
7,124
10,248
12,921
1,413
1,031
1,846
36,754
4,080
4,646
5,251
0
0
0
0
63,529
46,983
52,132
9,076
-88,786
-10,835
-12,260
-12,684
5,400,822
674,601
782,454
771,546
213,168
23,542
28,627
30,453
1,656,076
186,629
199,785
236,582
122,038
12,623
13,052
17,434
438,381
76,558
66,601
62,626
116,774
13,594
15,993
16,682
692,247
26,379
29,626
98,892
2,655,399
396,682
395,957
379,343
27,827
0
23,387
3,975
5,921,911
736,007
773,030
845,987
0
0
0
0
5,638
889
1,504
805
9,106
1,160
1,149
1,301
14,744
2,050
2,654
2,106
861,364
93,649
110,118
123,052
508,410
88,945
109,686
72,630
11,210
4,213
1,601
1,601
65,133
6,524
7,829
9,305
36,783
6,280
5,727
5,255
0
0
0
0
681,575
76,879
85,223
97,368
0
0
0
0
0
0
0
0
2,164,474
276,490
320,185
309,211
8,101,130 1,014,547 1,095,868 1,157,304
0
14
0
0
13,501,951 1,689,162 1,878,322 1,928,850
合計
50以上
― Management Analysis Survey Report ―
固定資産合計
4,003,139
199,520
3,784,044
9,055
83,947
108,922
33,511
3,654
911
77,883
38,363
40,033
0
209,224
-91,353
8,500,853
591,091
1,975,299
197,195
500,487
123,011
758,180
3,757,124
27,827
7,930,220
0
8,836
26,651
35,487
1,002,564
567,410
37,962
65,133
73,394
0
768,833
0
0
2,515,296
2 5年
5 ~ 20
経営分析調査報告書
― Management Analysis Survey Report ―
投資その他の資産
貸倒引当金
繰延税金資産
その他
破産厚生債権
長期前払費用
長期貸付金
出資金
関係会社株式
投資有価証券
無形固定資産計
その他
ソフトウエア
のれん
有形固定資産計
建設仮勘定
土地
その他
工具器具
機械装置
構築物
建物
車両運搬具
流動資産計
貸倒引当金
その他資産
繰延税金資産
立替金
短期貸付金
未収収益
未収還付消費税
前払金
前払費用
貯蔵品
商品
有価証券
未収運賃
受取手形
現金預金
合計
全体
2-1.貸借対照表(資産の部)
経営分析調査報告書
経営分析調査報告書
経営分析調査報告書
― Management Analysis Survey Report ―
― Management Analysis Survey Report ―
47
48
事業
事業
事業
利用運送業
その他
特別積合
-48-45-
437,542
1,955
591,262
当期純利益
調整額
1,030,761
法人税等
-59,798
1,090,559
41,167
272,968
37,451
45,034
15,549
585,421
997,590
92,969
合計
税引前純利益
特別損益
その他特別損益
補助金に係る損益
前期損益修正損益
固定資産売却
経常損益
営業外損益
その他損益
流動資産等売却益
金融損益
営業損益
そ
の
他
事
業
一
般
貨
物
(1)損益計算書
3.損益計算書
-563
-3,911
1,451
9,712
0
0
6,688
4,423
11,110
419
11,529
8,923
-139
2,745
25年
748
-500
1,591
19,329
580
0
21,749
4,076
25,824
-9,395
16,429
9,629
0
6,800
26年
1社平均
全体
1,176
7,799
1,070
1,287
444
16,726
28,503
2,656
31,159
-1,709
29,450
12,501
56
16,893
27年
0
89,591
0
0
0
0
89,591
9,537
99,128
-2,364
96,764
23,320
1,955
71,488
合計
-442
2,989
-11
-219
0
0
2,317
1,060
3,377
6
3,383
1,099
12
2,271
25年
-1,079
2,829
0
0
0
0
1,750
967
2,717
319
3,037
880
0
2,156
26年
1社平均
5~20
0
5,973
0
0
0
0
5,973
636
6,609
-158
6,451
1,555
130
4,766
27年
25年
0 -2,894
61,556 -10,627
24,616
0
20,414
734
15,549
0
8,434
0
130,569 -12,786
21,161
7,077
151,730 -5,709
-28,315
1,618
123,415 -4,091
43,927
775
0
0
79,487 -4,866
合計
643
-4,172
1,381
2,165
1,561
0
1,578
2,250
3,828
728
4,556
1,233
0
3,323
26年
1社平均
20~50
0
4,735
1,894
1,570
1,196
649
10,044
1,628
11,672
-2,178
9,493
3,379
0
6,114
27年
41,167
121,821
12,835
24,620
0
576,987
777,430
62,271
839,701
-29,119
810,582
370,295
0
440,287
合計
26年
27年
2,705
4,860
5,881
-6,777
-816 17,403
6,367
5,392
1,834
41,798 92,626
3,517
0
0
0
0
0 82,427
44,093 102,062 111,061
6,746 14,127
8,896
50,839 116,189 119,957
-604 -49,010 -4,160
50,235 67,179 115,797
35,814 43,969 52,899
-630
0
0
15,050 23,211 62,898
25年
単位:千円
1社平均
50以上
経営分析調査報告書
経営分析調査報告書
― Management Analysis Survey Report ―
― Management Analysis Survey Report ―
-49-
436,865
5,956
153,051
159,006
44,891
44,007
88,898
70,108
506,973
381,197
19,428
400,624
713
401,337
135,426
95,158
478
45,577
566
46,621
19,283
963
20,246
17,659
1,474
19,133
5,356
2,575
4,353
1,259
568
9,113
5,079
92,977
72,221
342,705
25,119
21,031
46,151
388,856
12,482
170
4,373
4,543
1,283
1,257
2,540
2,003
14,485
1,631,872
896
1,632,768
0
1,632,768
570,718
393,366
843
222,636
9,477
232,956
99,069
2,054
101,123
111,225
2,408
113,633
27,089
2,676
5,800
6,349
1,703
23,608
12,440
247,275
200,934
1,345,371
94,790
103,007
197,807
1,543,178
89,591
234
15,461
15,695
4,728
1,430
6,158
9,537
99,128
合計
105,924
0
105,924
0
105,924
38,098
27,635
79
21,814
918
22,812
6,481
580
7,061
5,771
445
6,216
1,768
218
215
692
142
1,446
927
11,869
7,195
91,464
6,999
5,144
12,106
103,570
2,355
13
1,244
1,568
404
23
521
1,047
3,401
25年
112,399
0
112,399
0
112,399
39,075
20,102
79
20,197
692
20,968
6,466
317
6,783
7,795
227
8,023
1,857
199
225
550
75
1,303
866
16,607
14,361
96,532
6,917
7,200
14,117
110,649
1,750
13
1,360
1,373
361
44
405
967
2,717
26年
1社平均
108,791
60
108,851
0
108,851
38,048
26,224
56
14,842
632
15,530
6,605
137
6,742
7,415
161
7,576
1,806
178
387
423
114
1,574
829
16,485
13,396
89,691
6,319
6,867
13,187
102,879
5,973
16
1,031
1,046
315
95
411
636
6,609
27年
5,213,790
161,305
5,375,095
24,952
5,400,047
2,098,151
1,293,763
14,459
731,466
6,632
752,557
334,747
1,900
336,647
275,505
7,595
283,100
72,114
18,864
109,261
7,664
7,124
140,785
111,336
688,292
257,371
4,625,895
317,375
326,769
644,144
5,270,039
130,023
510
72,170
72,680
18,337
34,868
53,205
19,475
149,498
合計
381,806
5,518
387,324
1,540
388,864
151,377
102,873
6,720
62,851
593
73,806
20,453
289
20,360
22,966
1,037
28,900
4,272
1,237
6,027
605
603
6,941
9,908
47,872
20,139
351,906
26,636
23,719
50,355
402,261
-13,398
49
9,629
9,678
1,393
300
1,694
7,984
-5,413
25年
402,403
12,064
414,467
1,948
416,416
160,692
101,278
7,998
62,820
590
71,408
23,944
453
24,397
18,909
1,501
20,409
5,350
1,312
8,619
868
820
9,161
9,194
54,264
20,015
366,494
25,316
23,068
48,383
414,877
1,538
108
4,089
4,671
1,307
1,115
2,422
2,250
3,788
26年
1社平均
401,061
12,408
413,469
1,919
415,388
161,396
99,520
1,112
56,267
510
57,889
25,750
146
25,896
21,193
584
21,777
5,547
1,451
8,405
590
548
10,830
8,564
52,946
19,798
355,838
24,413
25,136
49,550
405,388
10,002
39
5,552
5,591
1,411
2,682
4,093
1,498
11,500
27年
6,496,223
517,770
7,013,993
0
7,013,993
2,071,028
1,643,384
1,429
641,105
3,696
646,229
241,080
29,759
270,839
231,349
41,576
272,925
88,243
68,598
37,305
30,054
11,037
154,549
53,986
2,318,618
2,069,429
6,023,410
467,014
306,318
773,332
6,796,743
217,251
5,212
65,420
70,631
21,826
7,709
29,535
41,096
258,347
合計
49
(注2)傭車費、下請費等他の事業者に支払った費用を、内数として括弧書きで明記。
(注1)運送費中の「人件費」には、運転者、修理工、運行管理者等の専ら事業用自動車の運行に従事する者の人件費を、内数として括弧書きで明記。
388,409
19,240
407,649
724
408,373
135,787
92,520
3,146
55,943
675
59,764
18,511
585
19,096
16,364
1,056
17,421
5,497
2,269
4,358
1,385
718
8,205
5,508
96,837
78,959
356,844
25,568
21,754
47,323
404,167
4,206
171
5,266
5,613
1,257
666
1,923
3,690
7,895
379,363
14,524
393,887
528
394,415
131,277
78,476
2,432
57,605
802
62,088
17,369
998
18,236
14,591
871
17,141
5,073
2,299
3,265
1,253
625
7,324
4,642
92,761
75,502
362,286
25,769
22,357
48,110
410,396
-15,981
149
6,348
6,630
1,561
349
1,951
4,680
-11,301
27年
20~50
26年
1社平均
2 7年
単位:千円
888,394
953,868
928,032
55,265
73,796
73,967
943,660 1,027,665 1,001,999
0
0
0
943,660 1,027,665 1,001,999
275,836
296,776
295,861
137,207
231,439
234,769
412
705
204
116,845
119,767
91,586
899
799
528
118,157
121,271
92,318
33,156
34,230
34,440
2,847
1,407
4,251
36,003
35,637
38,691
18,567
30,001
33,050
1,422
2,007
5,939
19,989
32,009
38,989
12,469
13,572
12,606
7,793
8,482
9,800
4,839
5,301
5,329
3,277
4,135
4,293
1,564
1,907
1,577
18,919
21,218
22,078
3,709
8,607
7,712
311,768
347,821
331,231
286,621
326,852
295,633
885,646
896,736
860,487
59,660
66,006
66,716
52,591
50,502
43,760
112,250
116,508
110,476
997,896 1,013,244
970,963
-54,237
14,421
31,036
557
626
745
10,995
15,823
9,346
11,552
16,449
10,090
3,983
3,085
3,118
1,033
1,165
1,101
5,017
4,251
4,219
6,535
12,198
5,871
-47,701
26,619
36,907
25年
50以上
― Management Analysis Survey Report ―
経常損益
26年
1社平均
25 年
5~20
経営分析調査報告書
― Management Analysis Survey Report ―
営業外損益
営業外費用
その他
金融費用
営業外収益
その他
金融収益
13,609,960
営業損益
879,179
736,094
1,615,283
11,994,676
4,739,897
3,330,513
16,731
1,595,207
19,805
1,631,742
674,896
33,713
708,609
618,079
51,579
669,658
187,446
90,138
152,366
44,067
19,864
318,942
177,762
3,254,185
2,527,734
14,046,808
24,952
14,021,856
679,971
13,341,885
営業費用
一般管理費
その他
人件費
運送費
(注2)
その他
フェリー利用料
道路使用料
事故賠償費
施設賦課税
自動車リース料
施設使用料
保険料
減価償却費
その他
事業用自動車
修繕費
その他
事業用自動車
燃料油脂費
その他
軽油費
ガソリン費
(注1)
人件費
営業収益
運送雑収
運 貨物運賃
送
その他
収
入 計
合計
全体
(2)一般貨物自動車運送事業損益明細表
経営分析調査報告書
50
-50-
合計
その他人件費
臨時雇賃金
厚生福利費
法定福利費
退職金
小計
賞与
給料手当
役員報酬
96,697
7,359
104,056
1,006
17,056
2,271
574
144
125,107
4,110
693
4,803
257
785
81
244
0
6,170
100,808
8,052
108,860
1,263
17,841
2,352
817
144
131,276
12,466
9,280
1,120
22,866
166
2,098
662
0
0
25,793
12,466
2,089
98,510
35,028
1,429
19,939
3,014
817
144
157,069
98,968
8,264
107,231
2,186
16,974
2,647
615
82
129,736
4,302
708
5,010
167
729
98
47
0
6,051
103,270
8,971
112,241
2,354
17,704
2,745
661
82
135,787
12,114
8,547
1,330
21,990
385
2,229
964
0
0
25,568
12,114
20,745
101,005
35,263
2,739
19,933
3,709
661
82
161,356
2 6年
1社平均
99,497
9,091
108,589
350
18,130
2,512
693
292
130,566
4,052
851
4,903
34
736
100
219
29
6,021
103,550
9,942
113,492
383
18,867
2,612
912
321
136,587
12,037
9,006
1,210
22,253
134
2,084
853
0
0
25,324
12,037
27,543
101,559
36,247
517
20,951
3,466
912
321
161,912
27年
396,871
33,735
5,300
0
70,179
15,397
1,617
7,906
525,705
32,280
9,167
41,447
0
6,289
2,078
0
1,002
50,816
429,151
42,902
472,053
0
76,468
17,475
1,617
8,908
576,521
72,148
14,899
2,653
89,700
0
6,272
1,324
0
0
97,296
72,148
146,307
408,691
164,882
0
82,740
18,799
1,617
8,908
673,817
合計
26,685
2,080
0
664
4,422
807
62
3
34,723
2,293
556
2,849
0
431
96
0
0
3,375
28,978
2,636
31,614
664
4,853
902
62
3
38,098
4,847
1,360
115
6,322
0
562
115
0
0
6,999
4,847
7,054
27,357
11,251
664
5,415
1,017
62
3
45,097
25年
5~ 2 0
27,478
2,185
175
367
4,639
1,003
11
55
35,739
2,243
528
2,772
0
422
143
0
0
3,336
29,722
2,714
32,436
367
5,060
1,146
11
55
39,075
4,741
1,363
181
6,285
0
531
102
0
0
6,917
4,741
6,323
28,188
11,242
367
5,591
1,248
11
55
45,992
26年
1社平均
26,458
2,249
353
0
4,679
1,026
108
527
35,047
2,152
611
2,763
0
419
139
0
67
3,388
28,610
2,860
31,470
0
5,098
1,165
108
594
38,435
4,810
993
177
5,980
0
418
88
0
0
6,486
4,810
9,754
27,246
10,992
0
5,516
1,253
108
594
44,921
2 7年
1,584,578
140,626
1,725,204
2,316
279,757
37,986
15,374
0
2,060,637
48,220
9,322
57,542
0
6,514
638
7,673
0
72,367
1,632,798
149,948
1,782,746
2,316
286,271
38,624
23,047
0
2,133,004
164,533
94,699
13,115
272,347
2,900
31,429
15,366
0
0
322,042
164,533
292,417
1,607,015
470,515
5,216
317,700
53,990
23,047
0
2,455,046
合計
112,164
9,673
121,837
193
19,806
2,797
883
66
145,582
3,857
507
4,365
84
677
44
626
0
5,795
116,022
10,180
126,201
277
20,483
2,840
1,509
66
151,377
15,030
7,314
1,011
23,355
321
2,133
827
0
0
26,636
15,030
5,759
113,683
37,392
598
22,616
3,667
1,509
66
178,013
25年
121,657
9,850
131,507
1,252
19,570
3,147
1,105
0
156,581
2,943
464
3,408
73
469
35
126
0
4,111
124,601
10,315
134,915
1,325
20,039
3,183
1,230
0
160,692
12,747
6,975
1,245
20,967
602
2,346
1,400
0
0
25,316
12,747
13,707
123,367
34,225
1,927
22,385
4,582
1,230
0
186,007
26年
1社平均
2 0~ 5 0
121,891
10,817
132,708
178
21,520
2,922
1,183
0
158,511
3,709
717
4,426
0
501
49
590
0
5,567
125,600
11,534
137,134
178
22,021
2,971
1,773
0
164,077
12,656
7,285
1,009
20,950
223
2,418
1,182
0
0
24,772
12,656
22,494
123,617
36,193
401
24,438
4,153
1,773
0
188,850
2 7年
1,500,960
143,831
1,644,791
9,922
284,631
34,553
7,253
2,323
1,983,474
61,334
11,296
72,630
1,181
12,963
780
0
0
87,554
1,562,294
155,127
1,717,421
11,103
297,594
35,333
7,253
2,323
2,071,028
184,598
205,615
26,588
416,801
1,782
35,251
13,180
0
0
467,014
184,598
525,296
1,538,844
633,262
12,885
332,845
48,513
7,253
2,323
2,538,041
合計
204,769
13,787
218,556
2,867
36,619
4,228
1,068
526
263,864
7,898
1,227
9,125
998
1,613
109
126
0
11,971
212,667
15,014
227,681
3,865
38,232
4,337
1,194
526
275,835
22,905
27,081
3,166
53,152
246
4,925
1,442
0
0
59,765
22,905
-12,723
209,163
76,064
4,111
43,157
5,779
1,194
526
335,600
25年
210,021
18,341
228,362
7,822
38,588
5,241
998
292
281,304
11,238
1,543
12,781
701
1,872
118
0
0
15,472
221,259
19,885
241,143
8,523
40,460
5,358
998
292
296,776
26,737
26,861
3,947
57,544
807
5,652
2,002
0
0
66,006
26,737
64,718
215,511
88,667
9,330
46,112
7,361
998
292
362,782
26年
1社平均
50以 上
27年
214,423
20,547
234,970
1,417
40,662
4,936
1,036
332
283,353
8,762
1,614
10,376
169
1,852
111
0
0
12,508
223,185
22,161
245,346
1,586
42,513
5,048
1,036
332
295,861
26,371
29,374
3,798
59,543
255
5,036
1,883
0
0
66,716
26,371
75,042
219,835
90,466
1,841
47,549
6,930
1,036
332
362,577
― Management Analysis Survey Report ―
合計
3,482,409
318,192
3,800,601
12,238
634,567
87,936
24,244
10,229
4,569,815
141,834
29,785
171,619
1,181
25,766
3,496
7,673
1,002
210,737
3,624,243
347,977
3,972,220
13,419
660,333
91,432
31,917
11,231
4,780,553
421,279
315,213
42,356
778,848
4,682
72,952
29,870
0
0
886,352
421,279
964,020
3,554,550
1,268,659
18,101
733,285
121,302
31,917
11,231
5,666,904
25年
全体
単 位:千 円
経営分析調査報告書
― Management Analysis Survey Report ―
その他人件費
臨時雇賃金
厚生福利費
法定福利費
退職金
小計
賞与
合計
合 役員報酬
計
給料手当
一
般
管
理
費
その他人件費
臨時雇賃金
厚生福利費
法定福利費
退職金
小計
賞与
合計
計 給料手当
その他人件費
臨時雇賃金
厚生福利費
法定福利費
退職金
合計
そ 給料手当
の
賞与
他
小計
その他人件費
臨時雇賃金
厚生福利費
法定福利費
退職金
運 運 給料手当
送 転
賞与
費 者
小計
合計
(3)一般貨物自動車運送事業人件費明細表
経営分析調査報告書