はじめに 公 益 社 団 法 人 大 分 県 ト ラ ッ ク 協 会 は 、 平 成 28 年 5 月 末 現 在 で 会 員 数 は 5 2 0 社 、事 業 所 数 5 8 6 事 業 所 、車 両 総 数 は 1 0 , 3 2 9 台 、従 業 員 総 数 約 1 3 , 0 0 0 人 の 規 模 を 擁 し 、貨 物 自 動 車 運 送 事 業 の 適 正 な 運 営 及 び 健 全 な 事 業 の 発 展 を 促 進 し 、社 会 に 不 可 欠 な 物 資・エ ネ ル ギ ー 等 の 安 定 供 給 を 行 い 、も っ て 公共の福祉の増進に資することを目的として活動を行っています。 こ の 目 的 を 達 成 す べ く 会 員 企 業 に お い て は 、国 内 物 流 の 基 幹 産 業 と し て 時代にマッチした物流システムの構築及び利用者ニーズの利便性を第一 に 、国 民 の 生 活 の 安 定 と 、地 域 産 業 の 振 興 を 物 流 と い う 分 野 で 貢 献 す る こ とを理念におきながら、日々の業務を遂行しております。 今 、私 た ち が 担 っ て い る 国 内 物 流 は 大 き な 変 化 の 波 を 受 け て い ま す 。今 年 早 々 の 経 済 情 報 に よ れ ば 、大 手 宅 配 事 業 者 の 決 算 が「 取 扱 量 は 増 え た も の の 減 益 と な っ た 」よ う で す 。公 需 や 民 需 、ビ ジ ネ ス と 非 ビ ジ ネ ス 等 の 相 違 は あ る も の の 、物 流 分 野 に お け る 荷 動 き は 堅 調 に 伸 び て い ま す 。し か し 、 利 益 は 低 迷 し 又 は 減 益 と な っ て い る の で す 。厳 し い 現 実 、こ れ が ト ラ ッ ク 業界の実態です。 そ の 背 景 の 1 つ に 、担 い 手 で あ る 運 転 手 の 不 足 が あ り ま す 。若 手 の 新 規 就 職 へ の 敬 遠 、ド ラ イ バ ー の 高 齢 化 な ど に よ り 、人 件 費 の 上 昇 が 経 営 を 圧 迫 し 始 め て い ま す 。「 翌 日 で は な く 当 日 配 送 」 に 代 表 さ れ る よ う に 、 荷 主 都 合 に よ る 要 求 が 強 ま っ て い ま す 。I O T や A I に 代 表 さ れ る 第 4 次 産 業 革 命 の 進 行 に よ り 、物 流 現 場 で は 時 間 に 極 め て 縛 ら れ た 作 業 等 が 行 な わ れ 、 その対応に四苦八苦しているのが現実です。 一 方 、 海 外 に 目 を 転 じ れ ば 、 28 年 6 月 に 発 表 さ れ た 英 国 の E U 離 脱 ( Brexit)や 米 国 の ト ラ ン プ 新 大 統 領 の 就 任 な ど 、自 由 貿 易 を 旨 と し て き た 世 界 経 済 の 流 れ に 逆 行 す る 動 き も 見 ら れ 始 め て い ま す 。こ れ ら は 政 治 の 世 界 で の 出 来 事 で す 。し か し 間 接 的 に は 経 済 活 動 に 影 響 を 与 え 、ま た 日 本 国内そして大分県内の経済活動へ微妙な影響を与えるものと考えておく 必要があるでしょう。 こ れ ら の 経 営 制 約 要 因 の 影 響 度 は 計 り か ね る も の の 、い ず れ は 会 員 企 業 に ダ メ ー ジ を 与 え 始 め る か も 知 れ ま せ ん 。し か し そ の リ ス ク の 程 度 を 真 摯 に評価し対応すれば、事業改善と安定的な成長は可能と考えられます。 本 報 告 書 で は 会 員 企 業 35 社 か ら 国 土 交 通 省 へ 届 出 の あ っ た [ 事 業 報 告 書 ]の デ ー タ を 分 析 し 、平 均 的 な 会 員 企 業 の 姿 を 導 き 出 し て い ま す 。本 報 告 書 の 統 計 資 料 等 と 自 社 の 経 営 数 値 と を 比 較 検 証 す る こ と で 、経 営 者 は ど のような経営判断を行うべきかを、理解できるものと期待しています。 最 後 に な り ま し た が 、本 報 告 書 が 大 分 県 ト ラ ッ ク 協 会 の 会 員 各 社 の 経 営 改善の一助になることを切に願ってやみません。 目 次 はじめに �1� ��の�本�性�� 1 . 調 査 の 方 法 に つ い て ………………………………………………………………… ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 ………………………………… 2.営 業 収益( 運 送収入 )に対する 構成比率・ ・・・・・・・・・・ 1 ……………………………………………………………………………… 3.事業の種類・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 ………………………………………………………………………………… 4.事業内容・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 ………………………………………………………………………………… 5.経営規模・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 ………………………………………………………………………………… 6.輸送実績・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 ………………………………………………………………………………… 7.事故件数・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 �2� 経営分析�は ……………………………………………………… 1.経営分析は4つの視点から・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 2 . 経 営 分 析 を 効 果 的 に す る た め に ・……………………………………………… ・・・・・・・・・・・・・・ 6 �3� ���経営分析指標�分析�果 …………………………………………………………………… 1.総資産経常利益率・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 2.収益性指標 ( 1 ) 営 業 収 益 総 利 益 率 ・ …………………………………………………………… ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 ( 2 ) 営 業 収 益 営 業 利 益 率 ・………………………………………………………… ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 ( 3 ) 労 務 比 率 ・………………………………………………………………………… ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14 3.流動性指標 ( 1 ) 流 動 比 率 ・………………………………………………………………………… ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 ( 2 ) 当 座 比 率 ・………………………………………………………………………… ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 …………………………………………………… ( 3 ) 受 取 債 権 回 転 期 間 ( 日 )・ ・・・・・・・・・・・・・・・ 19 …………………………………………………………………… (4)自己資本比率・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21 ( 5 ) 固 定 長 期 適 合 率 ………………………………………………………………… ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 4.生産性指標 ( 1 ) 従 業 員 1 人 当 り 営 業 収 益 ・………………………………………………… ・・・・・・・・・・・・・・・ 25 ……………………………………………………… (2)車両一両当り営業収益・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ 27 …………………………………………………………………… (3)総資産回転率・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28 5.総合性指標 ………………………………………………………… (1)損益分岐点営業収益・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30 ……………………………………… ( 2 )営 業 キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー ・ マ ー ジ ン ・・・・・・・・・・・・・ ・ 34 �4� �の�の経営分析指標 1 . 収 益 性 指 標 ……………………………………………………………………………… ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38 2 . 流 動 性 指 標 ……………………………………………………………………………… ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39 3 . 生 産 性 指 標 ……………………………………………………………………………… ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39 4 . 総 合 性 指 標 ……………………………………………………………………………… ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40 �5� 損益分岐点分析を経営に�かす …………………………………………………… 1 .損 益 計 分 岐 点 分 析 を 再 考 す る ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・ 41 2 . 燃 料 油 脂 費 の 統 制 ・ 縮 減 に よ る 損 益 分 岐 点 の 変 動 …………………… ………………………………………………………… ( 1 )原 油 の 国 際 価 格 の 動 向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・ 42 ( 2 ) 為 替 の 動 向 ・………………………………………………………………………… ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42 ………………………………… 3 .燃 料 費 の 上 昇 が 経 営 に 与 え る 影 響 の 試 算・ ・・・・・・・・・・ 43 [参考資料] 4 5 -5 0 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 第1章 各社の基本属性情報 1.調査の方法について 本 報 告 書 で は 各 社 の 貨 物 自 動 車 の 保 有 車 両 数 に よ り 、次 の 3 つ の グ ル ー プ に 区分・分類しました。各グループのサンプル企業数は次のとおりです。 今回で 9 回目の調査報告です。直近の 3 年間分のみの分析としています。4 年 以 前 の 分 析 内 容 に つ い て は 、 毎 年 公 表 を し て い る [( 各 年 度 の ) 経 営 分 析 調 査報告書]にてご確認下さい。 各 年 度 で 取 り 扱 っ て い る サ ン プ ル 会 員 企 業 数 は 同 一 で は あ り ま せ ん( 下 記 資 料 を 参 照 )。 過 去 の 経 営 分 析 調 査 報 告 書 と 今 年 度 の 報 告 書 を 比 較 検 証 す る 際 に は、この点にご留意下さい。 ■ 5 両 以 上 20 両 未 満 1 5 社( 1 9 年 1 0 社 、2 0 年 1 5 社 、2 1 年 1 6 社 、2 2 年 1 5 社 、 23 年 17 社 、 24 年 15 社 、 25 年 15 社 、 26 年 15 社 ) ■ 20 両 以 上 50 両 未 満 1 3 社( 1 9 年 1 0 社 、2 0 年 1 1 社 、2 1 年 1 1 社 、2 2 年 1 3 社 、 23 年 14 社 、 24 年 11 社 、 25 年 12 社 、 26 年 13 社 ) ■ 50 両 以 上 7 社 ( 19 年 10 社 、 20 年 10 社 、 21 年 10 社 、 22 年 9 社 、 23 年 9 社 、 24 年 9 社 、 25 年 8 社 、 26 年 7 社 ) 2.営業収益(運送収入)に対する構成比率 図 表 1~ 図 表 3 は 営 業 収 益 に 対 す る 各 科 目 の 構 成 比 で す 。 最 初 に 図 表 1 を 診 て み ま す 。[ 貨 物 運 賃 収 入 ] が 車 輌 保 有 台 数 の ど の ク ラ ス に お い て も 9 0 % 台 で す 。[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] で は [ 貨 物 運 賃 収 入 ] が 3 年 連 続 で ほ ぼ 1 0 0 % で す 。[ そ の 他 ] の 収 入 は 、 保 有 車 輌 台 数 が 増 え る ほ ど 収 入 額 が多くなり、かつ構成比も高くなっています。 運 送 収 入 は 全 て の ク ラ ス で 前 年 の 26 年 実 績 を 下 回 っ て い ま す 。 し か し 、 25 年 実 績 比 で は 全 ク ラ ス で 上 回 っ て い る こ と か ら 、こ こ 数 年 堅 調 に 推 移 し て き た 収入の伸びが鈍化したと捉えた方が良さそうです。 図表 1 対 営 業 収 益 ( 運 送 収 入 + 運 送 雑 収 ) 構 成 比 (1)] 運送収入(千円) 保 有 車両数 決算期 貨物運賃 H25年 実績 全体 H26年 14,524 H27年 19,240 H25年 H26年 95.1% 95.0% 3.7% 4.7% 4.8% 99.9% 99.8% 2.5% 2.4% -1.9% 91.2% 32.5% 1.0% 3.6% 3.5% 105,924 112,399 108,791 0 0 0.0% 0.0% 構成比 100.0% 100.0% 99.9% 伸び率 13.4% 6.1% -3.2% 381,806 402,403 401,061 5,518 12,064 H27年 19,428 393,887 407,649 400,624 96.2% 99.8% 0.1% 100.0% 100.0% 100.0% 13.4% 6.1% -3.2% 12,408 387,324 414,467 413,469 98.2% 96.6% 96.6% 1.4% 2.9% 3.0% 99.6% 99.5% 伸び率 -0.4% 5.4% -0.3% -5.0% 118.6% 2.9% -0.5% 7.0% 888,394 953,868 928,032 55,265 73,796 99.5% 構成比 94.1% 92.8% 92.6% 5.9% 7.2% 7.4% 100.0% 100.0% 100.0% 伸び率 8.9% 7.4% -2.7% 140.2% 33.5% 0.2% 11.3% 8.9% -2.5% 1 - H26年 528 0.1% H27年 724 H27年 0.2% 100.0% 100.0% 100.0% -1.5% 3.6% 3.5% -1.7% 0.0% 0.0% 0.4% H26年 0.2% 0 1,540 H25年 713 394,415 408,373 401,337 37.1% 0 -0.2% 158.5% 73,967 943,660 1,027,665 1,001,999 - H25年 -1.7% 181.9% 60 105,924 112,399 108,851 構成比 実績 50以上 H25年 伸び率 実績 20~50 H27年 379,363 388,409 381,197 合計 運送雑収(千円) 計 構成比 実績 5~20 H26年 その他 単位:千円 1,948 0 105,924 112,399 108,851 0.0% 100.0% 100.0% 100.0% 13.4% 6.1% -3.2% 1,919 388,864 416,416 415,388 0.5% 0.5% 100.0% 100.0% 100.0% 26.5% -1.5% -0.3% 7.1% -0.2% 0 0 0.0% 0.0% 0 943,660 1,027,665 1,001,999 0.0% 100.0% 100.0% 100.0% 11.3% 8.9% -2.5% 1 ※ 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 図表 1 のみ 1 社平均の実績値を掲載しています。他の各科目の実績値は本報告書末尾の[参考 資 料 ( 4 7 頁 )] に て ご 確 認 下 さ い 。 次に図表 2 を診てみます。営業収益(売上高)比で、全体の[人件費]は 3 3 % 前 半 が 基 調 と な っ て い ま す 。運 転 手 の 労 働 力 不 足 が 囁 か れ る 中 、個 別 賃 金 の 引 上 げ 圧 力 が あ る と 思 料 さ れ る と こ ろ 、経 営 者 は 人 件 費 総 額 の 抑 制 に 苦 心 し ている様子が窺い知れます。 全 て の ク ラ ス で 、 27 年 は 26 年 よ り も 人 件 費 割 合 が 若 干 で は あ り ま す が 上 昇 し て い ま す 。[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] で 0 . 2 % 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] で 0 . 3 % 、 [ 50 台 以 上 ] で 0.6% の ア ッ プ で す 。 そ れ で も 、 25 年 度 比 で は 同 率 か 又 は 低 くなっています。 人件費の次に比率が大きい[燃料油脂費]をみてみます。全てのクラスで、 3 年 間 を 通 じ て 最 も 低 い 率 と な り ま し た 。[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] で は 、 2 7 年 は 2 5 年 と 比 較 し て 7 . 3 % も 構 成 比 が 低 く な っ て い ま す 。産 油 国 の 実 情 や 為 替 動 向 な ど の 複 合 的 要 因 か ら 、燃 料 油 脂 費 が 低 位 安 定 化 し た こ と は 喜 ば し い こ と で す 。 た だ し 、こ の よ う な 良 好 な 外 部 要 因 が 今 後 と も 続 く と は 限 り ま せ ん 。引 き 続 き 、 燃料油脂費の統制努力を行っていく必要があるでしょう。 [図表 2 保 有 車両数 全体 5~20 20~50 50以上 保 有 車両数 全体 5~20 20~50 50以上 2 対 営 業 収 益 構 成 比 ( 2 ) / 運 送 費 ( 原 価 )] 決算期 H25年 H26年 H27年 H25年 H26年 H27年 H25年 H26年 H27年 H25年 H26年 H27年 決算期 H25年 H26年 H27年 H25年 H26年 H27年 H25年 H26年 H27年 H25年 H26年 H27年 人件費 ガソリン費 33.3% 0.6% 33.3% 0.8% 33.7% 0.1% 36.0% 0.1% 34.8% 0.1% 35.0% 0.1% 38.9% 1.7% 38.6% 1.9% 38.9% 0.3% 30.1% 0.1% 28.9% 0.1% 29.5% 0.0% 施設使用 自動車 料 リース料 0.6% 0.8% 0.6% 1.1% 0.6% 1.1% 0.2% 0.2% 0.2% 0.2% 0.2% 0.4% 0.3% 1.5% 0.3% 2.1% 0.3% 2.0% 0.8% 0.5% 0.8% 0.5% 1.0% 0.5% 燃料油脂費 修繕費 軽油費 その他 計 14.6% 0.2% 15.7% 4.6% 13.7% 0.2% 14.6% 4.7% 11.4% 0.1% 11.6% 5.0% 20.6% 0.9% 21.5% 6.7% 18.0% 0.6% 18.7% 6.0% 13.6% 0.6% 14.3% 6.2% 16.2% 0.2% 19.0% 5.2% 15.1% 0.1% 17.1% 5.9% 13.5% 0.1% 13.9% 6.2% 12.4% 0.1% 12.6% 4.0% 11.7% 0.1% 11.8% 3.5% 9.1% 0.1% 9.2% 3.9% 施設賦課 事故賠償 道路使用 フェリー 費 料 利用料 税 0.3% 0.2% 1.9% 1.2% 0.3% 0.2% 2.0% 1.3% 0.3% 0.1% 2.3% 1.3% 0.7% 0.1% 1.4% 0.9% 0.5% 0.1% 1.2% 0.8% 0.4% 0.1% 1.4% 0.8% 0.2% 0.2% 1.8% 2.5% 0.2% 0.2% 2.2% 2.2% 0.1% 0.1% 2.6% 2.1% 0.3% 0.2% 2.0% 0.4% 0.4% 0.2% 2.1% 0.8% 0.4% 0.2% 2.2% 0.8% - 2 - 減 価 償却費 4.3% 4.3% 4.8% 5.9% 7.1% 7.0% 7.4% 4.9% 5.2% 2.6% 3.1% 3.9% その他 23.5% 23.7% 23.2% 11.2% 14.8% 15.1% 12.3% 13.0% 12.7% 33.0% 33.8% 33.1% 保険料 1.3% 1.3% 1.3% 1.7% 1.7% 1.7% 1.1% 1.3% 1.3% 1.4% 1.3% 1.3% 計 91.9% 87.4% 85.4% 86.3% 85.9% 82.4% 90.5% 88.0% 85.7% 93.9% 87.3% 85.9% 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 最 後 に 図 表 3 を 診 て み ま す 。 27 年 の 営 業 損 益 は 全 ク ラ ス で プ ラ ス で す 。 ま た 3 年 間 通 じ て も 最 も 高 い 実 績 を 確 保 で き ま し た 。 2 5 年 と の 比 較 で は 、[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] が 3 . 3 % 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] が 5 . 8 % 、 そ し て [ 5 0 台 以 上 ] が 8.8% と 大 幅 な 改 善 を 実 現 し て い ま す 。 燃 料 油 脂 費 の 削 減 等 の 効 果 も あ ったと思いますが、地道な経営改善努力が身を結んできたと言えるでしょう。 営 業 外 収 益 は[ 全 体 ]の 実 績 が 年 々 減 少 し て き て い ま す 。遊 休 不 動 産 の 賃 貸 料 や 各 種 の 補 助 金・助 成 金 収 入 、保 険 解 約 返 戻 金 な ど が[ そ の 他 ]に 含 ま れ ま す 。収 入 額 が 減 少 す る の は 少 々 残 念 で す が 、本 業 で あ る[ 運 送 収 入 ]が 安 定 し ていれば特段の問題は発生することはありません。心配しすぎは無用です。 [ 営 業 外 費 用 ] で [ 20 台 以 上 50 台 未 満 ] が 僅 か で は あ り ま す が 、 徐 々 に 上 昇 し て き て い る こ と が 懸 念 材 料 で す 。2 7 年 で も 1 . 0 % で す か ら 、損 益 に 与 え る 影 響 は 微 々 た る も の で す が 、金 融 債 務 以 外 の 負 債 の 増 加 が 推 測 さ れ ま す 。注 意 深く観察していく必要がありそうです。 [図表 3 保 有 車両数 全体 5~20 20~50 50以上 対 営 業 収 益 構 成 比 (3)/一 般 管 理 費 外 ] 営業損益 決算期 営業外収益 金融収益 その他 営業外費用 合計 金融費用 その他 営業外損益 合計 経常損益 H25年 -4.1% 0.0% 1.6% 1.7% 0.4% 0.1% 0.5% 1.2% -2.9% H26年 H27年 1.0% 3.1% 0.0% 0.0% 1.3% 1.1% 1.4% 1.1% 0.3% 0.3% 0.2% 0.3% 0.5% 0.6% 0.9% 0.5% 1.9% 3.6% H25年 2.2% 0.0% 1.2% 1.5% 0.4% 0.0% 0.5% 1.0% 3.2% H26年 1.6% 0.0% 1.2% 1.2% 0.3% 0.0% 0.4% 0.9% 2.4% H27年 5.5% 0.0% 0.9% 1.0% 0.3% 0.1% 0.4% 0.6% 6.1% H25年 -3.4% 0.0% 2.5% 2.5% 0.4% 0.1% 0.4% 2.1% -1.4% H26年 H27年 0.4% 2.4% 0.0% 0.0% 1.0% 1.3% 1.1% 1.3% 0.3% 0.3% 0.3% 0.6% 0.6% 1.0% 0.5% 0.4% 0.9% 2.8% H25年 -5.7% 0.1% 1.2% 1.2% 0.4% 0.1% 0.5% 0.7% -5.1% H26年 1.4% 0.1% 1.5% 1.6% 0.3% 0.1% 0.4% 1.2% 2.6% H27年 3.1% 0.1% 0.9% 1.0% 0.3% 0.1% 0.4% 0.6% 3.7% 3.事業の種類 26 年 は 一 般 貨 物 ( 特 別 積 合 せ ・ 無 ) 事 業 を 営 ん で い る 会 社 が 34 社 と 25 年 比 で 大 幅 に 増 え ま し た 。 27 年 は 一 転 し て 減 少 に 転 じ て い ま す 。 同 様 の 傾 向 は 貨物利用運送事業にも見られました。 一 般 貨 物 ( 特 別 積 合 せ ・ 有 ) 事 業 を 営 ん で い る の は [20 台 以 上 50 台 未 満 ]で し か な く 、 27 年 は 26 年 と 同 様 に 1 社 の み と な っ て い ま す 。 [図表 4 事 業 の 種 類 ( 複 数 回 答 )] 5~ 2 0 単位:社 20~ 50 50 以 上 合計 H25年 H26年 H27年 H25年 H26年 H27年 H25年 H26年 H27年 H25年 H26年 一般(特別有) 0 0 0 2 1 1 0 0 0 2 1 1 一般(特別無) 11 15 12 8 12 12 6 7 6 25 34 30 貨物利用 5 6 5 3 5 3 3 3 2 11 14 10 - 3 - H27年 3 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 4.事業内容 3 年 間 連 続 で は 偶 然 に も 全 く 同 じ 数 値 と な り ま し た 。 [5 台 以 上 20 台 未 満 ] で は [ ダ ン プ に よ る 土 砂 等 輸 送 ] や [ 原 木 、製 材 輸 送 ] を 行 っ て い る 会 員 が 多 数 を 占 め て い ま す 。 [20 台 以 上 50 台 未 満 ]で は こ の 2 分 野 に 加 え て 、 [冷 凍 、 冷 蔵 輸 送 ]や 「 引 越 し 運 送 」 の 分 野 に も 進 出 し て い ま す 。 [50 台 以 上 ]で は [冷 凍 、 冷 蔵 輸 送 ]と [危 険 物 等 輸 送 ]の 取 扱 企 業 が 多 く な っ て い ま す 。 ま た [ 原 木 、製 材 輸 送 ] は 事 業 規 模 が 大 き く な る に つ れ て 会 員 数 が 少 な く な っ て い ま す 。 そ の 一 方 で [ 危 険 物 等 輸 送 ] は [ 50 台 以 上 ] で し か 行 っ て い ま せ ん。夫々の事業分野で必要とする車両調達費用との兼ね合いも有りそうです。 [図表5 事 業 の 内 容 ( 複 数 回 答 )] 5~20 単位:社 2 0~ 50 50以上 合計 H25年 H26年 H27年 H25年 H26年 H27年 H25年 H26年 H27年 H25年 H26年 H27年 ダンプによる土砂等輸送 4 4 4 2 2 2 0 0 0 6 6 6 長大物等輸送 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 国際海上コンテナ輸送 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 1 1 生コンクリート輸送 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 1 1 危険物等輸送 0 0 0 0 0 0 2 2 2 2 2 2 冷凍、冷蔵輸送 1 1 1 3 3 3 5 5 5 9 9 9 原木、製材輸送 5 5 5 2 2 2 1 1 1 8 8 8 引越運送 0 0 0 2 2 2 1 1 1 3 3 3 その他 6 6 6 7 7 7 5 5 5 18 18 18 5.経営規模 経 営 規 模 が 年 々 拡 大 し て い る こ と が 診 て と れ ま す 。[ 全 社 ] で は [ 総 資 産 ] の 27 年 は 25 年 比 で 21.3% 増 、 同 じ く [従 業 員 数 ]2.3% 増 、 [輸 送 ト ン 数 ]21.4% 増 と な り ま し た 。 図 表 6 に 掲 げ る 6 つ の 指 標 の 全 て で 、 25 年 よ り も 27 年 が 上 回っており、経営規模拡大に対する経営者の関心の高さが診てとれます。 [図表 6 経 営 規 模 ( 1 社 平 均 )] 資本金(千円) H25年 H26年 売上高(千円) H27年 H25年 H26年 H27年 H25年 H26年 H27年 全体 13,390 14,161 14,504 393,887 407,649 400,624 164,933 179,024 200,051 5~20 8,233 9,367 9,367 105,924 112,399 108,851 12,667 17,916 22,649 20~50 11,225 11,562 12,485 387,324 414,467 413,469 130,425 140,087 158,157 50以上 26,305 29,263 29,263 943,660 1,027,665 1,001,999 502,194 596,570 658,001 従業員数(人) H25年 4 総資産(千円) H26年 輸送トン数(トン) H27年 H25年 H26年 H27年 保有車両数(両) H25年 H26年 H27年 全体 33.1 33.6 33.9 109,651 161,476 133,149 33.1 32.3 33.2 5~20 9.5 9.7 9.5 37,859 49,179 41,267 9.4 9.5 9.3 20~50 34.3 37.5 37.6 122,791 188,872 126,225 31.5 32.2 33.8 50以上 75.8 77.4 79.3 224,553 351,233 342,898 79.8 81.6 83.4 - 4 - 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 6.輸送実績 [ 輸 送 ト ン 当 り 営 業 収 益 ]の[ 全 社 ]の 2 7 年 実 績 が 、2 5 年 比 で 二 桁( △ 1 6 . 2 % ) 落 ち 込 ん で い る こ と が 注 目 さ れ ま す 。 図 表 7 を 概 観 す る と 、[ 走 行 キ ロ 数 ] が △ 1 2 . 0 % ( 2 7 年 / 2 5 年 ) と な る 一 方 で 、[ 輸 送 ト ン 数 / 両 ] は + 2 0 . 9 % と な っ て います。 前 頁 図 表 6 の [ 売 上 高 ] の 25 年 比 は 1.7% 増 と な っ て い る こ と か ら 、 荷 主 からの単価引下げ要請等を一台当りの輸送トン数をあげることで対応してい る姿が垣間見れるようです。 [図表7 輸 送 実 績 ( 1 社 平 均 )] 走行キロ数(km) H25年 全体 H26年 H27年 実車キロ数(km) H25年 H26年 実車率 H27年 H25年 H26年 期末実在車両数(両) H27年 H25年 H26年 H27年 1,878,335 1,637,551 1,653,376 1,408,845 1,211,385 1,233,917 75.0% 74.0% 74.6% 33.1 32.3 33.2 481,702 476,311 452,772 338,693 327,282 322,492 70.3% 68.7% 71.2% 9.4 9.5 9.3 20~50 2,109,985 2,061,148 2,195,863 1,532,326 1,542,871 1,626,946 72.6% 74.9% 74.1% 31.5 32.2 33.8 50以上 4,149,548 3,339,242 3,218,621 3,230,159 2,490,277 2,457,061 77.8% 74.6% 76.3% 79.8 81.6 83.4 5~20 延実在車両数(両) 全体 H25年 H26年 H27年 12,039 12,013 11,762 延実働車両数(両) H25年 8,443 H26年 輸送トン数/両(トン) 輸送トン当り営業収益(千円) H27年 8,225 8,095 H25年 H26年 3,317 4,997 H27年 4,011 H25年 3.59 H26年 2.52 H27年 3.01 5~20 3,417 3,413 3,228 2,236 1,960 2,097 4,028 5,195 4,453 2.80 2.29 2.64 20~50 11,959 12,586 12,598 8,355 8,638 8,413 3,898 5,874 3,738 3.15 2.19 3.28 50以上 28,324 29,379 28,499 20,213 20,883 20,357 2,816 4,306 4,110 4.20 2.93 2.92 7.事故件数 [ 5 0 台 以 上 ]の[ 交 通 事 故 件 数 ]が 年 々 増 加 し て い る こ と が 気 が か り で す 。 他 の 2 つ の ク ラ ス は 正 反 対 に 減 少 し て き て い ま す 。[ 重 大 事 故 件 数 ] も [ 5 0 台 以 上 ] の み 発 生 し て い ま す 。[ 死 者 数 ] は 3 年 間 、 全 ク ラ ス で 0 名 と な っ て い ます。 [ 5 0 台 以 上 ]の 会 員 は 、こ れ ま で 以 上 に 安 全 運 転 意 識 の 向 上 を 目 指 し て 、 社内体制整備に努めていく必要がありそうです。 [図表8 事 故 件 数 ( 1 社 平 均 )] 交通事故件数 H25年 H26年 単位:件 重大事故件数 H27年 H25年 H26年 死者数 H27年 H25年 H26年 負傷者数 H27年 H25年 H26年 H27年 全体 1.11 0.86 0.74 0.06 0.03 0.03 0.00 0.00 0.00 0.14 0.09 0.06 5~20 0.27 0.07 0.00 0.07 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.07 0.00 0.00 20~50 2.17 1.46 0.85 0.08 0.08 0.00 0.00 0.00 0.00 0.17 0.23 0.08 50以上 1.13 1.43 2.14 0.00 0.00 0.14 0.00 0.00 0.00 0.25 0.00 0.14 - 5 - 5 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 第2章 経営分析とは 1.経営分析は4つの視点から 本報告書で使用している経営分析の手法は次のとおりです。 [図表 9 経営分析の概要] 分類 総合性 収益性 流動性 生産性 分析の意味 収 益 性 等 各 指 標 の バ ラ ン ス が 適 正 か 否 か を 分 析 し て い ま す 。主 と し て、総資産の売上や利益を稼ぐ能力の分析という手法を用います。 営業収益(売上高)を基準に利益を稼ぐ能力の高さを評価します。 分析した結果の数値が高い方が良い、というのが原則です。 資 金 の 調 達 元 と 資 金 の 運 用 ・ 活 用 の 良 否 を 評 価 し ま す 。資 金 繰 り の 現状や資産と負債のバランスを評価しています。 [運転者らの人材]や[有形固定資産]等の経営資源の稼働状況、 収益や利益を稼ぐ能力の強弱を分析しています。 2.経営分析を効果的にするために 経 営 分 析 は 過 去 の 実 績 を 対 象 と し て い ま す が 、業 界 水 準 等 の 他 指 標 と 比 較 対 照・検証すると、経営分析はより効果的になります。 分析結果をもとに「改善すべき点はどこで、どのような対策を実行すれば、 会 社 の 経 営 が 良 く な る の か 」を 発 見 す る と い う こ と も 経 営 分 析 の 目 的 の 一 つ で す 。本 報 告 書 で は 各 指 標 の 説 明 と 計 算 式 を 掲 載 し て い ま す 。会 員 企 業 に お い て も必要に応じて、随時経営分析を行うことをお勧めいたします。 [ 図 表 10 比較検討の対象・基準] 検証対象 目 的 予算書 事業開始前に設定した経営予算と比較することです。1 年とい (経営計画書) う 短 期 の み な ら ず 、3 年 程 度 の 中 期 、5 年 超 の 長 期 の 期 間 予 算 と の比較も有効です。経営予算には利益計画書の外に予想貸借対 照表を含むとより効果的になります。 過去の実績 前年実績、前々年実績などと時系列で推移をみることです。 業界水準 同業他社の(一社平均)実績と比較してみることです。 モデル企業 目標とする企業(ベチマーク企業)の実績と比較してみること で す 。流 動 性 指 標 は 異 業 種 で あ っ て も 比 較 す る 価 値 は あ り ま す 。 注.業界水準について 本 報 告 書 で は 「 T K C 経 営 指 標 - 平 成 2 8 年 指 標 版 -( H 2 7 年 1 月 期 ~ 1 2 月 期 決 算 )」 の 「 一 般 貨 物 自 動 車 運 送 業 ( 4 4 1 1 )・ 黒 字 企 業 平 均 」 を 業 界 水 準 の 値 と し て 使 用 し ま し た 。 ※ ㈱ TKC:1 万 人 超 の 会 計 専 門 家 ( 税 理 士 や 公 認 会 計 士 ) を 会 員 と す る 全 国 的 組 織 6 - 6 - 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 本報告書での区分 TKC経営指標での区分 全体 黒字企業平均 車輌保有 台数区分 5 台 以 上 20 台 未 満 0.5 億 円 ~ 1 億 円 20 台 以 上 50 台 未 満 営業収益 2.5 億 円 ~ 5 億 円 50 台 以 上 5 億 円 ~ 10 億 円 ※ 営 業 収 益 を 一 般 的 に は 売 上 高 と 呼 ん で い ま す 。T K C 経 営 指 標 で も 売 上 高 と 記 載 し て い ま す が、営業収益と読み替えて転記しています。 [ 図 表 10-2 損益計算書(PL) (一定期間の営業成績) 運 貨物運賃 送 その他 収 入 計 運送雑収 営業収益 人件費 ガソリン費 軽油費 その他 燃料油脂費 事業用自動車 その他 修繕費 事業用自動車 その他 減価償却費 保険料 施設使用料 自動車リース料 施設賦課税 事故賠償費 道路使用料 フェリー利用料 その他 運送費 人件費 その他 一般管理費 営業費用 営業損益 金融収益 その他 営業外収益 金融費用 その他 営業外費用 営業外損益 経常損益 財務諸表体系と経営分析関連図] 貸借対照表(BS) 1.総合性分析 (一定期日(通常は決算期)における財政状態) 損益計算書と貸借対照表とを組み合わせて、総合的に会社 の企業力・体力を判断していきます。例えば、総資産経常利 利益率の計算式は次のとおりです。 ・総資産経常利益率=経常利益÷総資産 2.収益性分析 主として、左辺の損益計算書を中心に分析をします。 分母には、営業収益(売上高)をする場合が多いです。 例えば、営業収益対営業損益率(売上高対営業利益率)は 借方(資金の運用) 現金預金 支払手形 受取手形 買掛金 未収運賃 短期借入金 有価証券 1年返済長期借入金 商品 1年償還予定社債 貯蔵品 未払金 前払費用 未払費用 前払金 未払法人税 未収還付消費税 未払消費税 未収収益 前受金 短期貸付金 預り金 立替金 賞与引当金 繰延税金資産 繰延税金負債 その他資産 貸倒引当金 営業損益÷営業収益で計算されます。 貸方(資金の調達) その他流動負債 流動負債合計 流動資産計 社債 車両運搬具 3.流動性分析 右辺の貸借対照表を利用して計算します。 資金の動き、資金繰り、資金の安全性などについて検証し ます。借方と貸方の両方の科目を利用して、資金調達の安 建物 退職給付引当金 構築物 役員退職 機械装置 繰延税金負債 工具器具 その他固定負債 その他 土地 建設仮勘定 有形固定資産計 全性を分析することができます。 例えば、金融機関が最も重視する指標の一つである流動比 長期借入金 固定負債合計 負債の部合計 資本金 新株式申込 のれん 資本準備金 ソフトウエア その他資本剰余 その他 資本剰余金合計 無形固定資産計 率は次の計算式で算出されます。 利益準備金 投資有価証券 任意積立金 関係会社株式 ・流動比率=流動資産÷流動負債 出資金 4.生産性分析 経営資源(ひと・もの)が効率的に稼動しているかを分析 します。生産・販売資源である[もの(車両)]を焦点に当 てた車両一両当り営業収益などがあります。 ・車両一両当り営業収益=営業収益÷車両総数 その他利益剰余 利益剰余金合計 長期貸付金 自己株式 長期前払費用 自己株式申込 破産厚生債権 株主資本合計 その他 その他有価証券差額金 繰延税金資産 土地再評価 貸倒引当金 投資その他の資産 固定資産合計 繰延資産 資産の部合計 繰延ヘッジ 評価換算差額合計 新株予約権 純資産の合計 負債の部・純資産の部合計 こ の 図 表 は 、[ 一 般 貨 物 自 動 車 運 送 事 業 報 告 書 ] の 様 式 に あ る 損 益 計 算 書 と 貸 借 対 照 表 と を 分 か り 易 く 整 理 し た も の で す 。本 報 告 書 の 経 営 分 析 は 、提 供 の あ っ た 全 35 社 の 資 料 の 勘 定 科 目 の 実 績 値 か ら 行 な っ て お り ま す 。 - 7 - 7 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 第3章 主要な経営分析指標と分析結果 本 章 で は 前 章 に て 取 り 上 げ た 経 営 分 析 の 4 つ の 視 点 の 中 か ら 、特 に 重 要 と 思 われる指標を取り上げて、3 年連続の分析結果を掲載するとともに、業界水準 値 ( ※ 6 頁 図 表 10 の 注 意 書 き 参 照 ) と 比 較 検 証 し て い ま す 。 1.総資産経常利益率 企 業 活 動 の 成 果 を 計 る 最 初 の ア プ ロ ー チ は 、「 保 有 す る 資 産 が ど れ だ け の 利 益 を 稼 ぎ 出 し た か 」を 分 析 す る こ と か ら 始 め る の が 一 般 的 で す 。利 益 に は 総 利 益 、営 業 利 益 、経 常 利 益 な ど の 区 分 が あ り ま す が 、本 項 で 分 析 対 象 と す る 利 益 は 経 常 利 益 ( ※ 7 頁 図 表 10-2 参 照 ) と し ま し た 。 保 有 す る 総 資 産( 総 資 本 )が 経 常 利 益 を 獲 得 す る 力 を 診 る 分 析 指 標 を「 総 資 産経常利益率」と呼んでいます。総資産経常利益率は 6 頁の[図表 9 経営分 析の概要]では総合性分析に該当します。 総資産経常利益率以外の指標は後記にて言及しています。ご確認下さい。 より少ない総資産でより多くの利益を稼ぎ出せれば収益力が高いと判断で きます。総資産経常利益率の計算式は次のとおりです。 総資産経常利益率 = 経常利益 総資産 × 100 上記の式はさらに、次の 2 つの計算式に分解することが可能です。 総資産経常利益率 = 営業収益経常利益率 × 総資産回転率 こ の 計 算 式 を 分 数 に 分 解 し て み ま し ょ う 。こ れ に よ れ ば 、営 業 収 益 経 常 利 益 率 の 分 母 と 総 資 産 回 転 率 の 分 子 が と も に 営 業 収 益 で あ る た め 、結 果 と し て 総 資 産経常利益率という計算式が成立することが理解できます。 経常利益 総資産 = 経常利益 × 営業収益 営業収益 総資産 総資産経常利益率を高めるための選択肢は大きく分けて 2 つあります。 ㈠ 営業収益経常利益率の改善 営 業 収 益 経 常 利 益 率 を よ り 高 く し よ う と す る 取 組 み で す 。例 え ば 、同 8 - 8 - 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 業 他 社 の 運 搬 役 務 と の 差 別 化 を 計 っ て 高 付 加 価 値 を“ 売 り ”に し 、利 益 を大きくしようとします。 ただし、提供する運送役務の価値を高める為に高機能車両の調達等、 保 有 資 産 額 が 多 く な り 易 い の で 注 意 が 必 要 で す 。ま た 、安 全 運 転 励 行 や 効率的な配送にも留意することも求められます。 ㈡ 総資産回転率の改善 営 業 収 益 経 常 利 益 率 は 低 く て も 、保 有 資 産 を 少 な く し 、ま た は 資 産 の 回転率を高めることで総資産経常利益率を高めようという取組みです。 これは薄利多売の経営を行なうことと強い関連性があります。 し か し 、保 有 資 産 の 増 加 や 充 分 な 売 上・荷 主 の 確 保 が で き な い と き は 、 資 産 回 転 率 が 低 下 し 、総 資 産 経 常 利 益 率 が 下 が る 可 能 性 が 高 く な り ま す 。 ①分析結果 そ れ で は 、[ 総 資 産 経 常 利 益 率 ] の 分 析 結 果 を 診 て み ま し ょ う 。 す べ て の ク ラ ス で プ ラ ス と な っ て い ま す 。 25 年 は [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] の み プ ラ ス で し た の で 、 26 年 の 業 績 回 復 の 足 取 り が 本 物 と な っ た と 言 え る か も 知 れ ま せん。 特 筆 す べ き は [ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] の 数 値 の 高 さ で す 。 規 模 的 大 き い[ 5 0 台 以 上 ]の 値 が 1 . 9 % な の に 対 し 、7 . 1 % も 高 い 9 . 0 % の 実 績 を 残 し て い ま す 。 過 去 3 年 間 で 最 も 高 く な っ た と 共 に 、業 界 水 準 と 比 較 し て も 際 立 っ た 好 成 績 を残したと指摘しておきたいと思います。 次に[営業収益経常利益率]の実績推移をみてみましょう。ここでも[5 台 以 上 20 台 未 満 ]の 好 調 さ が 特 筆 さ れ ま す 。6.1% の 実 績 は 他 の ク ラ ス 、過 去実績、業界水準のいずれの数値と比較してもNo1の実績です。 [ 5 0 台 以 上 ]も 回 復 ス ピ ー ド が 速 ま っ て い ま す 。2 5 年 は △ 5 . 1 % で し た が 、 2 7 年 は 3 . 7 % と 8 . 8 % も 改 善 さ れ て い ま す 。2 5 年 比 の 改 善 度 合 い だ と 、2 . 9 % に 過 ぎ な い [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] を 大 幅 に 上 回 っ て い ま す 。 こ の 2 つ の ク ラ ス に 対 し 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] の 利 益 率 は も う 一 歩 と い う 状 況 で す 。 な お 、 2 5 年 比 で は 4 . 2 % の 改 善 を 示 し て お り 、「 問 題 あ り 」 ということではありません。 最 後 に[ 総 資 産 回 転 率 ]は ど う で し ょ う か 。全 般 的 に「 停 滞 し て い る か 又 は 悪 く な っ て い る 」 と 指 摘 で き ま す 。[ 営 業 収 益 経 常 利 益 率 ] で は 高 い 数 値 を 記 録 し た [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] は 3 年 間 で は 悪 化 傾 向 に あ り ま す 。 こ の よ う に 、[ 営 業 収 益 経 常 利 益 率 ] と [ 総 資 産 回 転 率 ] の 両 指 標 の 改 善 を同時に達成することは困難です。 [ 総 資 産 経 常 利 益 率 ]の 改 善 に 当 っ て は 、 2 つのいずれかに重心を置いてアクションを起こしていくことが大切なので す。 ②業界水準との比較 [ 総 資 産 経 常 利 益 率 ] の 水 準 は [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] で 業 界 水 準 を 大 き - 9 - 9 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― く上回っています。 [ 5 0 台 以 上 ]で は 業 界 水 準 と は 3 . 1 % の 乖 離 が あ り ま す 。 この差異の原因はどこから来るのでしょうか。 [ 営 業 収 益 経 常 利 益 率 ] で は 会 員 3.7% で あ り 、 業 界 水 準 3.9% と 大 き な 差 異 は あ り ま せ ん 。 問 題 は [ 総 資 産 回 転 率 ] で す 。 会 員 0.52 回 転 、 業 界 水 準 1 . 3 回 転 と 業 界 水 準 の 4 割 の 回 転 率 で し か あ り ま せ ん 。後 頁 に て 営 業 収 益 に つ い て 言 及 し て い ま す が 、会 員 企 業 と 業 界 水 準 と で は 注 目 す る ほ ど の 乖 離 はみられていません。 よ っ て 、[ 総 資 産 回 転 率 ] の 不 良 は 総 資 産 の 持 ち す ぎ と い う 仮 説 が 成 立 し ま す 。 遊 休 又 は 不 稼 働 、 非 効 率 の 資 産 の 保 有 が な い か 、[ 5 0 台 以 上 ] の 会 員 は確認する必要がありそうです。 [ 図 表 11 総 資 産 経 常 利 益 率 /営 業 収 益 経 常 利 益 率 /総 資 産 回 転 率 ] 総資産経常利益率 H25年 全体 H26年 H27年 営業収益経常利益率 業界水準 H25年 H26年 H27年 総資産回転率(回転) 業界水準 H25年 H26年 H27年 業界水準 -2.2% 1.5% 2.7% 4.8% -2.9% 1.9% 3.6% 3.5% 0.76 0.77 0.74 1.4 5.8% 3.9% 9.0% 4.7% 3.2% 2.4% 6.1% 3.8% 1.80 1.59 1.49 1.3 20~50 -1.7% 1.1% 3.4% 4.8% -1.4% 0.9% 2.8% 3.3% 1.22 1.26 1.23 1.4 50以上 -2.8% 1.4% 1.9% 5.0% -5.1% 2.6% 3.7% 3.9% 0.56 0.55 0.52 1.3 5~20 2.収益性指標 営 業 収 益 に 対 す る 利 益 や 費 用( 運 送 原 価 や 営 業 経 費 )の 割 合 を 分 析 す る も の です。損益計算書では利益は次の 5 つに区分されます。 [ 図 表 12 5つの利益概念] 総利益 営 業 収 益 か ら 運 送 費 を 減 算 し た も の 。 粗 利 益 と も 言 う 。( 注 ) 営業利益 営業収益総利益から一般管理費(営業経費)を減算したもの。 経常利益 営業利益に営業外収益(例.雑収入)を加算し、営業外費用(例. 支払利息・手形売却損)を減算したもの。 税引前利益 経常利益に資産売却損益等の特別損益を減算又は加算したもの。 税引後利益 税引前利益から法人税等を減算したもの。 注 「 一 般 貨 物 自 動 車 運 送 事 業 報 告 書 ( 平 成 2 7 年 度 分 )」 に は 営 業 収 益 原 価 ( 売 上 原 価 ) や 営 業 収 益 総 利 益 ( 売 上 高 総 利 益 ) と い う 表 記 は あ り ま せ ん が 、一 般 に 利 用 さ れ て い る 企 業 会 計 を 参 考 に 、 “総利益”という表現を採用しました。 本 項 で は 5 つ の 利 益 率 の 中 で 、営 業 収 益 総 利 益 率 と 営 業 利 益 率 に つ い て 分 析 しました。なお、関連して経常利益率と労務比率についても分析しています。 労 務 比 率 は 営 業 収 益 に 占 め る 人 件 費 の 割 合 で す 。人 件 費 に は 運 送 に 直 接 係 る 運 転 手 の 賃 金 等 の ほ か 、営 業 担 当 者 や 事 務 職 等 後 方 部 門 の 従 業 員 の 賃 金 等 が 含 10 - 10 - 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― ま れ て い ま す 。労 務 比 率 が 低 い と い う こ と は 、一 般 的 に は 少 な い 従 業 員 数 で 又 は 多 く な い 賃 金 総 額 で 、多 く の 営 業 収 益( 売 上 高 )を 稼 ぎ 出 し て い る こ と を 意 味しています。 (1)営業収益総利益率 営 業 収 益 総 利 益 率 の 計 算 式 は 次 の と お り で す 。こ こ で は 運 送 費 を 営 業 収 益 原 価 と み な し ま し た 。何 故 な ら 、運 送 費 を 投 入 す る こ と で 営 業 収 益 ( 運 送 収 入 等 ) を獲得することができるからです。 営業収益総利益率 ※1 = 営業収益-運送費 営業収益 × 100 営 業 収 益 の 過 半 は 運 送 収 入 で す 。2 7 年 の 運 送 雑 収 入 は 全 3 5 社 平 均 で 7 1 3 千 円 で し た( 営 業 収 益 比 0 . 2 % )。 ※2 運送費=運送人件費+燃料油脂費+修繕費+(運送に直接係る資産の)減価償却費+そ の 他 (保 険 料 等 )。 運 送 費 を 営 業 収 益 原 価 と み な し た の で 、 営 業 収 益 か ら 運 送 費 を 控 除 し た 残 高 が 営 業 収 益 総 利 益 と な り ま す ( 営 業 収 益 総 利 益 = 営 業 収 益 - 運 送 費 )。 ①分析結果 27 年 は 3 年 間 で 最 高 の 実 績 を 残 す こ と が で き ま し た 。 [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] で は 17.6% を 記 録 し 、 26 年 比 で 3.5% も ア ッ プ し ま し た 。 他 の 2 つ の ク ラ ス の 伸 び( % )よ り も 高 く な っ て い ま す 。こ の 伸 び を 続 け れ ば 、大 台 の 20% の キ ャ ッ チ も 可 能 と な り そ う で す 。 [ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ]( 1 4 . 3 % ) と [ 5 0 台 以 上 ]( 1 4 . 1 % ) も 堅 調 に 推 移 し て い ま す 。 し か し 、 26 年 に 大 き く 伸 長 し た [ 50 台 以 上 ] の 勢 い に 陰 り が 見 ら れ 、 27 年 に は [ 20 台 以 上 50 台 未 満 ] に 僅 か 0.2% で す が 、 逆 転 さ れ て しまいました。 ②業界水準との比較 一般的に使用される企業会計原則による財務諸表と本報告書の根拠とし て い る[ 一 般 貨 物 自 動 車 運 送 事 業 報 告 書 ]に 勘 定 科 目 等 の 相 違 が あ る と 見 ら れ る と こ ろ か ら 、計 算 結 果 と 業 界 水 準 と の 間 で 大 き な 乖 離 が 発 生 し て い ま す 。 ち な み に 、業 界 水 準 と 計 算 結 果 と の 差 異 は 次 の と お り で す 。[ 全 体 ]6 . 2 % ( 昨 年 6 . 8 % ) 、 [ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] 2 5 . 0 % ( 同 2 8 . 7 % )、 [ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] 1 1 . 4 % ( 同 1 3 . 2 % )、 [ 5 0 台 以 上 ] 5 . 4 % ( 同 6 . 3 % ) と な っ て い ま す 。 括 弧 書 き は 26 年 の 実 績 で す 。 今 年 は 全 ク ラ ス で 乖 離 幅 が 縮 小 し て い ま す 。こ の 事 実 か ら 、会 員 企 業 の「 稼 ぐ 力 」が 徐 々 に て は あ り ま す が 上 昇 してきていることが推察されます。 - 11 - 11 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― [ 図 表 13 営 業 収 益 総 利 益 率 /営 業 利 益 率 /経 常 利 益 率 ] 営業収益総利益率 H25年 H26年 営業収益営業利益率 H27年 業界水準 H25年 H26年 H27年 営業収益経常利益率 業界水準 H25年 H26年 H27年 業界水準 8.1% 12.6% 14.6% 20.8% -4.1% 1.0% 3.1% 2.8% -2.9% 1.9% 3.6% 3.5% 13.7% 14.1% 17.6% 42.6% 2.2% 1.6% 5.5% 2.6% 3.2% 2.4% 6.1% 3.8% 20~50 9.5% 12.0% 14.3% 25.7% -3.4% 0.4% 2.4% 2.6% -1.4% 0.9% 2.8% 3.3% 50以上 6.1% 12.7% 14.1% 19.5% -5.7% 1.4% 3.1% 3.1% -5.1% 2.6% 3.7% 3.9% 全体 5~20 (2)営業収益営業利益率 会 社 を 経 営 す る に 当 っ て 注 目 す べ き 数 値 は 利 益 で す 。「 1 年 苦 労 し て 経 営 を し て き た の に 、結 果 は 赤 字 か ! ? 」と な れ ば 、何 の 為 に 苦 労 を 重 ね て き た の か と 自 虐 的 に な っ て し ま い そ う で す 。こ の 利 益 は 図 表 1 2 に 記 載 し て い る と お り 、 大きく 5 つの段階があります。ここでは、2 つ目の利益である営業利益(率) について分析を行ってみました。 営 業 利 益 は 会 員 企 業 が 日 常 的 な 経 営 活 動 を 行 な う 、か つ 営 業 収 益 を 上 げ る 為 に 直 接 的 で は あ る も の の 運 送 現 場 で は な い 後 方 部 門( 非 運 送 現 場 )で の 費 用 を 総 利 益 か ら 控 除 し て 計 算 さ れ ま す 。よ っ て 、会 社 の 総 合 力 と し て の「 利 益 を 稼 ぐ力」の強弱を診ることができます。 営業収益営業利益率の計算式は次のとおりです。 営業収益営業利益率 = 営業利益 営業収益 × 100 ①分析結果 25 年 は [ 20 台 以 上 50 台 未 満 ] と [ 50 台 以 上 ] と が マ イ ナ ス ( △ 3.4% と △ 5.7% ) を 記 録 し て い ま し た 。 26 年 に 全 ク ラ ス で プ ラ ス に な っ た も の の 、 そ の 率 は 1 . 6 % 以 下 と 低 水 準 で し た 。と こ ろ が 2 7 年 は[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] が 最 も 低 い も の の 2 . 4 % と 2 6 年 比 で 2 % の ア ッ プ を 実 現 で き ま し た 。数 値 の 急 回 復 が 実 現 で き て い ま す 。こ れ を 総 利 益 率 と 営 業 利 益 率 の 差 異 、つ ま り 一 般 管 理 費 率 ( 一 般 管 理 費 ÷営 業 収 益 ) の 視 点 か ら 診 て み ま す 。 最 初 に 2 5 年 実 績 で す 。[ 全 体 ] 1 2 . 2 % 、 [ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] 1 1 . 5 % 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] 1 2 . 9 % 、[ 5 0 台 以 上 ] 1 1 . 8 % で し た 。 2 7 年 実 績 を 精 査 す る と [ 全 体 ] 1 1 . 5 % ( △ 0 . 7 % )、[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] 1 2 . 1 % ( 0 . 6 % )、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] 1 1 . 9 ( △ 1 . 0 % )、[ 5 0 台 以 上 ] 1 1 . 0 % ( △ 0 . 8 % ) と な っ ています。 [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] は 25 年 よ り も 0.6% 悪 化 し て い ま す が 、 他 の 2 つ の ク ラ ス は 1.0% 、 0.8% の 改 善 が 診 ら れ て い ま す 。 営 業 収 益 営 業 利 益 率 の 改 善 に 一 般 管 理 費 の 統 制 が 貢 献 し て い る こ と が 確 認 で き ま し た 。こ の 姿 勢 は 次年度以降も持ち続けてもらいたいものです。 12 - 12 - 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― ②業界水準との比較 営 業 収 益 総 利 益 率 の 段 階 で は 運 送 費 の 原 価 又 は 一 般 管 理 費 の 振 分 け が 、本 報 告 書 と 業 界 水 準 と は 異 な っ て い る た め に 大 き な 乖 離 が 生 じ て い ま し た 。し か し 、営 業 収 益 営 業 利 益 率 の 段 階 で は 、こ の 費 用 の 振 分 け ・ 配 賦 問 題 が 解 決 されます。よって、より正確に業界水準との対比が可能となります。 [ 20 台 以 上 50 台 未 満 ] の 業 界 水 準 は 2.6% で す 。 会 員 企 業 は 2.4% で す か ら 、 僅 か で す が 0 . 2 % 下 回 っ て い ま す 。 他 の 2 ク ラ ス は 、[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ]が 2 . 9 % プ ラ ス 、 [ 5 0 台 以 上 ]が 同 じ 値 で 差 異 は 0 % と な っ て い ま す 。 27 年 の 会 員 企 業 は 業 界 水 準 と 比 較 し て 遜 色 な い 実 績 を 残 す こ と が で き た よ うです。 ③参考までに、営業収益経常利益率との比較 営 業 利 益 と 経 常 利 益 と の 間 に は 、加 算 要 因 と し て 営 業 外 収 益 が 、ま た 減 算 要 因 と し て 営 業 外 費 用 が あ り ま す 。営 業 外 収 益 は 預 貯 金 等 の 受 取 利 息 や 不 動 産 賃 貸 収 入 な ど の 雑 収 入 が 含 ま れ て い ま す 。営 業 外 費 用 は 雑 損 失 の 他 に 、金 融債務に係る支払利息や手形の割引・売却損が含まれています。 一 般 的 な 会 社 で は 、営 業 外 収 益 よ り も 営 業 外 費 用 の 発 生 高 が 多 く な っ て い ま す 。ま た 、営 業 外 費 用 の 大 部 分 は 支 払 利 息 を 占 め て い ま す 。よ っ て 、営 業 収益営業利益率から営業収益経常利益率を差し引いた率はマイナスとなる 可 能 性 が 高 い の で す 。そ の マ イ ナ ス の 率 は 、言 葉 を 変 え れ ば 金 融 債 務 の 負 担 の 度 合 い ( 実 質 支 払 利 息 率 ) を 示 す こ と に な り ま す 。 そ れ で は 、 図 表 13-2 に基づき分析結果を診てみましょう。 会 員 企 業 又 は 業 界 水 準 問 わ ず 、計 算 結 果 は マ イ ナ ス と な っ て い ま す 。ま た 、 会 員 企 業 の 3 年 間 の い ず れ も マ イ ナ ス で す 。こ れ ら か ら 分 か る こ と は 、営 業 外 費 用 額 が 営 業 外 収 益 額 を 上 回 っ て い る と い う こ と で す 。つ ま り 、ど の 運 送 会社も「金融債務の負担を抱えている」ということに他なりません。 図 表 13-2 の 数 値 の 絶 対 額 が 大 き い ほ ど 、 金 融 債 務 の 負 担 率 が 大 き い と い う こ と で す 。 27 年 の 会 員 企 業 は 0.4% ~ 0.6% の 間 に 位 置 し て い ま す 。 業 界 水 準 は 0.7% ~ 1.2% で す 。 全 て の ク ラ ス で 業 界 水 準 を 下 回 っ て い ま す 。 実 質 支 払 利 息 率 は 1.0% 未 満 が 目 安 で す 。 こ れ を 上 回 る と 金 融 債 務 が 急 激 に 増 え て い き ま す 。 2.0% を 超 す と 「 借 入 金 返 済 の 為 に 仕 事 を し て い る 」 と いう事態に陥ります。実質支払利息率に注意を払って下さい。 [ 図 表 13-2 利 益 率 差 異 ( 営 業 収 益 営 業 利 益 率 - 営 業 収 益 経 常 利 益 率 )] 差異:営業収益率-経常利益率 H25年 H26年 H27年 業界水準 -1.2% -0.9% -0.5% -0.7% -1.0% -0.9% -0.6% -1.2% -2.1% -0.7% -0.5% -1.2% -0.4% -0.6% -0.7% -0.8% - 13 - 13 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― (3)労務比率 営 業 収 益 に 対 す る 人 件 費 の 割 合 で す 。企 業 経 営 に お け る 最 も 大 き な 費 用 の ひ と つ は 人 件 費 で す 。こ の 人 件 費 の 統 制 が 上 手 く い け ば 利 益 は 膨 ら み ま す 。企 業 は人件費の効率化について常に検討を重ね対処していくことが求められます。 計算式は次のとおりです。 労務比率 = 人件費 営業収益 × 100 ※ 人 件 費 : 役 員 報 酬 +運 転 手 の 給 与 手 当 ・ 賞 与 +一 般 従 業 員 の 給 与 手 当 ・ 賞 与 +臨 時 雇 の 雑 給 +法 定 福 利 費 +福 利 厚 生 費 +賄 費 +教 育 研 修 費 ①分析結果 [ 5 0 台 以 上 ]の 2 7 年 実 績 は 、2 6 年 よ り も 0 . 9 % 高 い 3 6 . 2 % と な り ま し た 。 他 の ク ラ ス は 26 年 実 績 と 同 じ 程 度 で 、 ま た 3 年 間 の 傾 向 で も 僅 か な が ら も 低下傾向にあるようです。 労 務 比 率 は 上 記 計 算 式 に も あ る よ う に 、営 業 収 益 に 対 す る 人 件 費 の 割 合 で す 。人 件 費 が 同 じ 額 で も 営 業 収 益 が 減 少 す る と 必 然 的 に 労 務 比 率 は 上 昇 し て い き ま す 。 図 表 14 か ら は 、 27 年 の [ 50 台 以 上 ] は 26 年 と 比 較 す る と 人 件 費 の 伸 び 率 △ 0.06% に 対 し 営 業 収 益 の そ れ は △ 2.5% と な っ て お り 、 こ の 計 算式の罠に陥ったことが分かります。 そ れ で は 、ど の よ う な 対 策 ・ 工 夫 を 講 じ れ ば 、労 務 比 率 の 上 昇 を 抑 え て い けるのでしょうか。下記にその対策・工夫について記載してみました。 ~労務比率を統制し上昇することを抑えるための対策・工夫~ ㈠ 運送収入に見合わない必要以上の(例えば営業担当者や後方事務 担当者)人員を抱えない。業務のアウトソーシングも一考してみる。 ㈡ 社員1人当りの労働生産性と比較して高い賃金を支払っていない か精査する。労働生産性の伸び率≧賃金の伸び率を意識する。 ㈢ 基準内手当の種類(扶養手当、精勤手当、営業手当等)が必要以 上に多くなっていないか確認する。手当の見直しを実施する。 ㈣ 基本給以外の基準内諸手当、賞与の水準が高くなっていないかを 確認する。 ㈤ 時間外労働、深夜労働、休日出勤労働など所定外労働の発生を統 制・抑制し、割増賃金の支払を低減させていく。 ㈥ 分母である営業収益(運送単価)を最低でも維持していく。 このような労務比率を押し上げる諸要因の抑制、除去の対策・工夫が、 会社内で意識的に実行されているかを、今一度点検することが必要です。 14 - 14 - 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― ②業界水準との比較 業 界 水 準 で は 保 有 台 数 が 多 く な る ほ ど 、労 務 比 率 が 低 下 し て い ま す 。そ の 一 方 で 会 員 企 業 で は 、3 つ の ク ラ ス の 中 で は[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ]が 4 4 . 7 % と 最 も 高 く な っ て い ま す 。[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] に あ る 会 員 企 業 の 改 善 努 力が大いに期待されるところです。 [ 図 表 14 労務比率] 単 位 : 千 円 /社 H25年 人件費 営業収益 全体 5~20 20~50 50以上 157,045 45,097 178,014 335,495 394,415 105,924 388,864 943,660 H26年 H27年 結果 人件費 営業収益 結果 人件費 営業収益 結果 39.8% 42.6% 45.8% 35.6% 161,356 408,373 45,992 112,399 186,007 416,416 362,782 1,027,665 39.5% 40.9% 44.7% 35.3% 160,545 401,337 44,367 108,851 185,810 415,388 362,577 1,001,999 40.0% 40.8% 44.7% 36.2% 業界水準 34.0% 42.8% 37.9% 34.8% 注.人件費の実績値について 「一般貨物自動車運送事業損益明細表」と「一般貨物自動車運送事業人件費明細表」の“人件 費”の掲載値が一致しておりません。労務比率の試算に当っては「一般貨物自動車運送事業損 益明細表」での数値を利用しています。 - 15 - 15 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 3.流動性指標 流 動 性 指 標 に よ り 、「 短 期 的 及 び 長 期 的 な 資 金 の 調 達 と 運 用 が 上 手 く 行 っ て い る か 」 や 「 資 金 繰 り は 安 定 し て い る か 」「 資 金 シ ョ ー ト す る 恐 れ は な い か 」 等 を 判 断 す る こ と が 可 能 で す 。短 期 的 な 資 金 繰 り の 安 全 性 を 判 断 す る 視 点 か ら 流動比率、当座比率、受取債権回転期間による指標を取り上げました。 ま た 、長 期 的 な 資 金 繰 り の 安 全 性 を 判 断 す る 視 点 か ら は 自 己 資 本 比 率 と 固 定 長期適合率とを代表的な分析指標として採用しました。 (1)流動比率 [現金及び預貯金]に加え、1 年以内に現金化されうる資産を流動資産とし て計上します。同様に、1 年以内に会社から現金が流出する恐れのある負債を 流動負債として計上します。 この“1 年以内”という基準をワンイヤー・ルールと呼んでいます。流動資 産 、流 動 負 債 の 区 分 に 関 し て は 他 の 計 上 ル ー ル も あ り ま す が 、ワ ン イ ヤ ー ・ ル ー ル で 流 動 資 産( 負 債 )又 は 固 定 資 産( 負 債 )の 区 分 を す る と 理 解 し て お け ば 充分でしょう。流動比率の計算式は次のとおりです。 流動比率 = 流動資産 流動負債 × 100 ※流動資産:現金預金、受取手形、未収運賃、前払費用、短期貸付金など ※流動負債:支払手形、買掛金、短期借入金、未払金、未払費用、預り金など こ の 計 算 式 か ら 分 か る よ う に 、 流 動 比 率 は 100% を 越 す こ と が 資 金 繰 り 安 定 の た め に 不 可 欠 だ と い う こ と が 理 解 で き ま す 。何 故 な ら 、1 年 以 内 に 流 入 す る 現 金 を 100 と す れ ば 、 1 年 以 内 に 流 出 す る 現 金 を 100 以 内 に 抑 え な い と 、 1 年 と い う 期 間 内 で は 現 金 が 不 足 す る こ と に な る か ら で す( 流 動 資 産 > 流 動 負 債 )。 流動比率は1年という短期での企業の支払い能力を計る物差しなのです。 一 般 的 に 流 動 比 率 は 130% 以 上 と な る こ と が 望 ま し い と さ れ て い ま す 。 70% を 下 回 る と 確 実 に 資 金 繰 り は 苦 し く な っ て き ま す の で 要 注 意 で す 。製 造 業 や 建 設 業 の よ う に[ 原 材 料 ]や[ 製 品 ・ 商 品 ]な ど の[ 棚 卸 資 産 ]が 多 額 に あ る と 、 例 え 流 動 比 率 が 130% 以 上 で あ っ て も 資 金 シ ョ ー ト す る 可 能 性 が 出 て き ま す 。 何 故 な ら 、[ 棚 卸 資 産 ] が 「 会 社 が 自 由 に 使 え る 現 金 」 に 転 換 す る ま で に か な りの時間を必要とするからです。 2 7 年 の [ 全 社 ( 一 社 当 り )] の [ 棚 卸 資 産 ( 商 品 と 貯 蔵 品 の 計 )] は 5 , 5 1 1 千 円 で 総 資 産 ( 542,354 千 円 ) に 占 め る 割 合 は 僅 か 1.0% で す 。 な お 、流 動 比 率 に 大 き な 影 響 を 与 え る も う 1 つ の 要 因 で あ る[ 売 掛 債 権( 受 16 - 16 - 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 取 手 形 と 未 収 運 賃 の 計 )]の 残 高 を み る と 、2 7 年 の[ 全 社( 一 社 当 り )]は 1 1 3 , 8 1 6 千 円 で 、 総 資 産 に 占 め る 割 合 は 21.0% と な っ て い ま す 。 よ っ て 、 会 員 企 業 は [ 売 掛 債 権 ]の 回 収 に 大 き な 関 心 を 寄 せ る 必 要 が あ り ま す 。こ の 回 収 を 疎 か に すると必ず資金繰りが徐々に悪化して行きます。 こ の 件 の 詳 細 は 参 考 資 料 の [ 2 - 1 . 貸 借 対 照 表 ( 資 産 の 部 )・ 4 6 頁 ] に て ご確認下さい。 ①分析結果 [ 全 体 ] で は 1 2 1 . 8 % と な り 、 2 6 年 よ り 僅 か 0 . 9 % 悪 化 し て い ま す 。[ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] は 26 年 実 績 168.4% を 大 幅 に 上 回 る 211.9% と な っ た も の の 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] で 2 6 年 比 △ 1 . 8 % 、[ 5 0 台 以 上 ] で 同 △ 3 . 6 % と なったことが影響しています。 3 年 間 の 数 値 を 診 る と 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] は 1 8 0 % 以 上 と 高 い 数 値 を 獲 得 で き て い る 一 方 で 、[ 5 0 台 以 上 ] は 2 5 年 と 2 7 年 が 1 0 0 % を 下 回 っ て い ま す 。[ 5 0 台 以 上 ] が 低 位 な 水 準 に あ る の は 、 こ の ク ラ ス 特 有 の 制 約 条 件 が あ る の か も 知 れ ま せ ん 。流 動 比 率 上 昇 に 対 す る 制 約 条 件 を 認 識 し 、適 切 な 対 応をとることが望まれます。 ②業界水準との比較 [ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] が 最 も 高 く 、[ 5 0 台 以 上 ] が 低 い と い う 傾 向 は 会 員 [ 5 0 台 以 上 ]は 業 界 水 準 1 5 6 . 1 % 企業のみならず業界特有の傾向のようです。 に 対 し て 56.4% も 低 く 、 約 2/3 の 水 準 で す 。 他 の 2 つ の ク ラ ス が 業 界 水 準 を 上 回 っ て い る こ と を 考 慮 す る と 、[ 5 0 台 以 上 ] の 会 員 企 業 は 、 今 以 上 の 資 金繰りに注力していく必要がありそうです。 [ 図 表 15 流 動 比 率 /当 座 比 率 /受 取 債 権 回 転 期 間 ] 流動比率 H25年 H26年 当座比率 H27年 業界水準 H25年 H26年 H27年 受取債権回転期間(日) 業界水準 H25年 H26年 H27年 業界水準 全体 112.9% 122.7% 121.8% 155.9% 102.1% 110.0% 114.5% 139.7% 106.0 107.9 105.5 51.8 5~20 163.7% 168.4% 211.9% 188.7% 143.8% 139.9% 182.2% 170.8% 52.0 49.9 41.5 51.6 20~50 183.3% 197.1% 195.3% 172.9% 176.6% 186.3% 185.3% 157.9% 66.3 60.3 64.6 53.6 142.0 157.3 151.9 51.5 50以上 96.3% 103.3% 99.7% 156.1% 85.4% 91.5% 94.3% 141.2% (2)当座比率 当 座 資 産 は 支 払 資 産 と も 言 わ れ 、概 ね 3 ヶ 月 以 内 に 現 金 化 で き る( 及 び 既 に 現 金 と な っ て い る ) 資 産 で す 。 当 座 資 産 に は 、[ 現 金 ・ 預 金 ] の 他 に [ 受 取 手 形 ] や [ 未 収 運 賃 ( 売 掛 金 )] も 含 ま れ ま す 。 3 ヵ月以内に現金化できる資産である当座資産に対し、1 年以内に流出する 負 債 で あ る 流 動 負 債 の 割 合 が 当 座 比 率 で す 。当 座 比 率 は 高 い ほ ど 良 好 で す 。一 般 的 に は 、7 0 % 以 上 と な る こ と が 望 ま し い と さ れ て い ま す 。計 算 式 は 次 の と お - 17 - 17 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― りです。 当座比率 = 当座資産 流動負債 × 100 ※当座資産:現金預金+受取手形+未収運賃 ①分析結果 [ 全 体 ] で は 3 年 間 で 12.4% の 上 昇 と な っ て お り 、 と て も 良 い 傾 向 を 示 し て い ま す 。 こ こ で も 、[ 5 0 台 以 上 ] は 3 年 間 通 じ て 1 0 0 % 未 満 と な っ て い る も の の 、 流 動 比 率 と は 異 な っ て 3 年 間 推 移 で は 上 昇 傾 向 に あ り ま す 。こ の 勢 い を 落 さ ず に 、早 急 に 1 0 0 % 以 上 を 達 成 す る よ う 努 力 し て 欲 し い も の で す 。 その結果として、流動比率の改善も達成されていくのです。 な お 、当 座 比 率 が 高 い と 言 っ て も 安 心 で き な い 場 合 が あ り ま す 。 荷 主 企 業 の 行 き 詰 ま り 等 で 、根 雪 と な っ て し ま っ た 回 収 不 能 な 受 取 手 形 や 未 収 運 賃 を 幾 ら 多 く 保 有 し て い て も 、現 金 化 す る こ と は で き ま せ ん 。売 掛 債 権 の( 与 信 ) 管理と短期間での回収を忘れないようにして下さい。 回 収 不 能 と な っ た[ 売 掛 債 権 ]を 控 除 し た 実 質 の 当 座 比 率( 及 び 流 動 比 率 ) を 試 み に 計 算 し て お く こ と も 、資 金 の 安 全 性 を 担 保 す る 上 で 重 要 で す 。簿 価 上 の 比 率 と 実 質 の 比 率 と に 大 き な 乖 離 が あ る と き は 、金 融 機 関 に 対 す る 信 用 度・信頼性確保の為に、何らかの対策を講じる必要性が出てきます。 ②流動比率と当座比率との比較 図 表 16 は 流 動 比 率 と 当 座 比 率 の 差 引 き 一 覧 表 で す 。 こ の 差 額 の 意 味 す る と こ ろ は 、 当 座 資 産 以 外 の 流 動 資 産 が ど れ だ け あ る か と い う こ と で す 。数 値 の良否判断としては、この値が小さい方が良しという判断となります。 こ の 差 異 が 大 き い と い う こ と は 、当 座 資 産 以 外 の 流 動 資 産 、例 え ば[ 棚 卸 資 産 ]、[ 短 期 貸 付 金 ]、[ 立 替 金 ]、[ 仮 払 金 ] な ど が 多 く 計 上 さ れ て い る と い う こ と に な り ま す 。一 般 的 に 、こ れ ら 当 座 資 産 以 外 の 流 動 資 産 は 、現 金 回 収 できず不良資産化する場合が多いものです。 当 座 資 産 以 外 の 流 動 資 産 の“ 棚 卸 ”を 定 期 的 に 行 い 、不 要 不 急 の 資 産 は 処 分 し 持 た な い よ う に す る こ と 、こ れ が と て も 重 要 な 資 金 繰 り 対 策 と な り ま す 。 [ 図 表 16 流動比率と当座比率の差異(流動比率-当座比率)] H25年 全体 5~20 20~50 50以上 18 10.8% 19.8% 6.7% 11.0% H26年 12.7% 28.5% 10.9% 11.8% H27年 7.4% 29.7% 10.0% 5.4% 業界水準 16.2% 17.9% 15.0% 14.9% - 18 - 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― ③業界水準との比較 各 ク ラ ス と も 130% を 超 え て い ま す 。 会 員 企 業 で は 低 か っ た [ 50 台 以 上 ] で も 141.2% の 実 績 値 と な っ て い ま す 。 な お 、 業 界 水 準 の [ 全 体 ] が 3 つ の ク ラ ス よ り 下 回 っ て い る の は 、[ 5 0 台 以 上 ] の 定 義 を 営 業 収 益 ( 売 上 高 ) 5 億 円 か ら 10 億 円 の 企 業 と し た か ら で す 。 よ っ て 、 業 界 水 準 の 数 値 に は 営 業 収 益 ( 売 上 高 ) 10 億 円 以 上 の 会 社 の 実 績 が 影 響 し た 結 果 と な っ て い る こ と に留意して下さい。 「 ② 流 動 比 率 と 当 座 比 率 と の 比 較 」に つ い て 補 足 説 明 を し て お き ま す 。業 界 平 均 で の 流 動 比 率 と 当 座 比 率 の 差 異 は 、 14.9% か ら 17.9% の 範 囲 内 に 収 まっています。 [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] で は 会 員 企 業 は 29.7% で す が 、 業 界 平 均 は 17.9% と な っ て お り 、 少 し 多 い と い う 感 じ も し ま す が 、こ の 程 度 の 差 異 で あ れ ば 問 題 な い 範 囲 と 言 え な く も あ り ま せ ん 。他 の 2 つ の ク ラ ス は 業 界 水 準 を 下 回 っ て い ま す 。業 界 水 準 よ り は 、当 座 資 産 以 外 の 資 産 の 保 有 率 が 少 な い と い う こ とであり、資金繰り面からは良い流れだと言えるでしょう。 (3)受取債権回転期間(日) 受 取 債 権 回 転 期 間 と は 、現 金 と し て 回 収 さ れ て い な い 営 業 収 益 債 権( 受 取 手 形 や 未 収 運 賃 な ど )が 平 均 日 商 の 何 日 分 あ る か を 示 す も の で す 。こ の 数 値 が 小 さ い ほ ど 、受 取 債 権 の 回 収 ス ピ ー ド( 日 数 )が 速 い と い う こ と で す 。そ の 結 果 、 資金繰りは更に安定していきます。 現金として回収できない不良債権を抱えていたり、また回収の速度が遅い (現金回収までの日数が多くかかる)と資金繰りは悪化の一途をたどります。 計算式は次のとおりです。 受取債権回転期間 ※ = 受取債権勘定 営 業 収 益 ÷365 日 受取債権勘定:受取手形+未収運賃+他の未収勘定(売掛金、未収入金) ①分析結果 3 年間の動きを診てみます。 [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ]は 順 調 に 回 転 期 間 を 短 縮 し て き て い ま す 。2 5 年 に 5 2 . 0 日 で し た が 、 2 7 年 に は 4 1 . 5 日 と 1 0 . 5 日 短 縮 さ れ て い ま す 。 率 に 換 算 す る と 20% 以 上 の 改 善 で す 。 [ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ]は 2 5 年 比 で は △ 1 . 7 日 と 改 善 さ れ て い る の で す が 、 2 6 年 比 で は 逆 に 4 . 3 日 の 悪 化 で す 。[ 5 0 台 以 上 ] は [ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] と 正 反 対 の 動 き と な っ て い ま す 。 26 年 比 で は △ 5.4 日 で す が 、 25 年 比 で は 9.9 日 の 悪 化 と な っ て い ま す 。 - 19 - 19 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 安 定 的 か つ 資 金 繰 り が 改 善 し つ つ あ る [ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] に 対 し 、[ 2 0 台 以 上 50 台 未 満 ] と [ 50 台 以 上 ] は 不 安 定 な 動 き を 示 し て お り 、 受 取 債 権 の回収姿勢がしっかりと確立されていないのではないかと危惧されます。 こ こ で 目 線 を 変 え て 、受 取 債 権 の 回 収 が 営 業 外 費 用 で あ る 支 払 利 息 に 与 え る影響について検討してみましょう。 回 収 し た 受 取 債 権 は 、例 え ば 燃 料 代 や 従 業 員 の 賃 金 等 、 諸 費 用 の 支 出 に 充 て ら れ ま す 。受 取 債 権 回 転 期 間 が 長 く な れ ば 、 そ の 間 の 資 金 の 手 当 が 必 要 と なる訳です。 [ 20 台 以 上 50 台 未 満 ] の 27 年 実 績 64.6 日 を 参 考 に 計 算 し て み ま す 。 試 み に 目 標 回 転 期 間 を 業 界 水 準 に 近 い 55.0 日 と し て み ま す 。 計 算 結 果 か ら は 10,662 千 円 分 の 現 金 を 余 分 に 保 有 し な け れ ば な ら な い と い う 事 実 が 判 り ま し た 。 逆 説 的 に 言 え ば 、 回 転 期 間 を 実 績 よ り 9.6 日 短 縮 す る と 、 10,662 千 円分の現金を余分に持つことができるということです。 こ の 資 金 を 銀 行 借 入 で 調 達 し 、 か つ 支 払 利 息 率 を 2.0% と 仮 定 す る と 、 年 間 で 213 千 円 の 支 払 利 息 が 別 途 発 生 し て い る の で す 。 213 千 円 は 後 方 事 務 を 担当する社員の 1 ヶ月分の賃金にも相当する金額ではないでしょうか。 こ の 試 算 か ら 分 か る よ う に 、受 取 債 権 の 回 収 に 注 意 を 払 っ て い く こ と が 肝 要 で す 。な お 、発 注 元( 荷 主 )と 受 注 す る 会 員 企 業 の そ れ ぞ れ の 資 本 金 の 額 に よ っ て は 、下 請 代 金 支 払 遅 延 等 防 止 法 に 抵 触 す る 場 合 が あ り ま す 。 会 員 企 業はこの下請法をよく理解しておくことも重要です。 ※ 必 要 運 転 資 金 の 試 算 ([ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] の 会 員 企 業 ) ㈠ 必 要 な 資 金 の 手 当 日 数 : 64.6 日 - 55.0 日 = 9.6 日 ㈡ 年 間 の 運 送 原 価 ・ 一 般 管 理 費 : 405,388 千 円 ( ※ ) ㈢ 9 . 6 日 分 の 運 送 原 価 等:1 0 , 6 6 2 千 円 =( 4 0 5 , 3 8 8 千 円 / 3 6 5 日 )× 9 . 6 日 ※ 27 年 実 績 に お け る [ 20 台 以 上 50 台 未 満 ] の 1 社 当 り 平 均 。 参 考 資 料 ・ 3-(2). 一 般貨物自動車運送事業損益明細表を参照。 ②業界水準との比較 業 界 水 準 は 5 0 日 前 半 で す 。[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] で は 会 員 企 業 が 業 界 水 準 に 対 し 1 0 . 1 日 上 回 っ て い ま す( 良 好 で す )。し か し 、 [ 20 台 以 上 50 台 未 満 ] で は 1 1 . 0 日 、[ 5 0 台 以 上 ] に い た っ て は 1 0 0 . 4 日 も 業 界 水 準 よ り も 悪 く な っています。 [ 50 台 以 上 ] は 業 界 水 準 の 約 3 倍 と な っ て い ま す 。 こ れ は 尋 常 で は あ り ま せ ん 。仕 事 を 受 注 し た い 為 に 債 権 回 収 を 後 回 し に し た 取 引 条 件 を 安 易 に 締 結 し て い る 恐 れ が あ り そ う で す 。 ま た 、荷 主 と 会 員 企 業 と の 企 業 力 や 渉 外 能 力 の ひ ら き か ら 、荷 主 の 過 大 な 要 求 を 呑 ん で い る 可 能 性 も あ り ま す 。 過 去 の 20 - 20 - 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 取 引 慣 行 の 見 直 し も せ ず に 、そ の ま ま の 取 引 を 繰 り 返 し て い る か も 知 れ ま せ ん。 い ず れ に し て も 、売 掛 債 権 回 収 期 日( 相 手 先 に と っ て は 支 払 い )が こ れ 以 上 に 長 期 化 し な い よ う に 、荷 主 企 業 と の 交 渉 に 注 意 を 払 っ て い か な く て は な りません。毎年指摘をしているのですが、3 年間推移では大きな改善がなさ れていないことに、危機感を持って対処する必要があるように思います。 (4)自己資本比率 貸 借 対 照 表 の 資 産 の 部 は 資 金( 現 金 )の 運 用 実 態・実 績 を 示 し 、負 債・純 資 産 の 部 は 資 金 の 調 達 元( 源 )を 示 し て い ま す 。資 金 の 調 達 元 は 次 の と お り 、大 きく 2 つに分けられます。 ㈠ 自己資本:資本金や繰越利益剰余金などの“自己の資金” ㈡ 他人資本:銀行借入や社債、買掛債務など“他人の資金” 自己資本は資本金の減資や利益配当など特段の理由が ない限り、現金の社外流出は発生しません。一方の他人 資本は、将来必ず現金流出が発生する科目で構成されて 負債 (他人資本) 資産 います。 資産の調達に関して、全額を自己資金で賄えば良いの = 純資産 (自己資本) ですが、そうすると企業規模を(経営者の希望通りに) 大 き く す る こ と が で き ま せ ん 。設 備 投 資 等 に 資 金 調 達 面 で 制 約 を 受 け る と 、臨 機 応 変 に 荷 主 の 要 望 に 応 え ら れ ず 、運 送 収 入 の 獲 得 機 会 を み す み す 逃 し て し ま います。機会ロス(チャンス・ロス)が発生するのです。 新 規 借 入 等 に 過 剰 に 反 応 し て は い け ま せ ん 。合 理 的 な 資 金 調 達 基 準 を 持 っ て 借 入 を す れ ば 資 金 シ ョ ー ト 等 の 問 題 は 発 生 し ま せ ん ( 注 )。 自 己 資 本 比 率 の 計 算式は次のとおりです。 自己資本比率 = 自己資本 総資産 × 100 ※ 自 己 資 本 : 資 本 金 、 準 備 金 ( 資 本 準 備 金 、 利 益 準 備 金 な ど )、 繰 越 利 益 な ど ※他人資本:流動負債、固定負債(長期借入金、社債、退職引当金など) ①分析結果 一 般 的 に 、 資 金 繰 り の 安 全 性 を 診 る 自 己 資 本 比 率 の 目 安 は 30% と さ れ て い ま す 。 27 年 は 全 て の ク ラ ス で 30% を 超 え ま し た 。 さ ら に 、 3 年 連 続 で 上 昇しています。これは良いことです。 な お 、自 己 資 本 比 率 の 計 算 式 か ら 、自 己 資 本 比 率 を 改 善 し て い く に は 次 の 方法があると理解できます。 ㈠ 自己資本を増やす。増資実施や毎期の税引後利益を確実に出す。 - 21 - 21 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― ㈡ 総 資 産 を 減 ら す 。不 要 不 急 な 資 産 は 購 入 し な い 、売 却 す る な ど の 対 策を講じる。 ㈢ 自 己 資 本 増 加 率 > 総 資 産 増 加 率 、ま た は 自 己 資 本 減 少 率 < 総 資 産 減 少率の式を成立させる。 会 員 企 業 は こ の 公 式 を 理 解 し た 上 で 、確 実 に 自 己 資 本 比 率 を ア ッ プ さ せ て 戴きたいものです。 ②業界水準との比較 業 界 水 準 は 各 ク ラ ス で 3 0 % を 超 え て い ま す 。[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] の み 業 界 水 準 よ り も 2.4% 悪 く な っ て い ま す 。 し か し 、 30% を 超 え て い る こ と 、 25 年 比 で 9 . 3 % も ア ッ プ し た こ と な ど を 考 慮 す る と 、2 8 年 以 降 は 業 界 水 準 を 超 している可能性もみえてきたようです。 ~金融機関からの新規借入を行う際の考え方の例~ 1) 支 払 利 息 は 資 産 の 調 達 コ ス ト で す 。借 入 金 は 資 金 用 途 が 運 転 資 金 で な い 限 り 、原 則 と し て 固 定 資 産 調 達 の た め に 調 達 さ れ ま す 。ち な み に 資 産 の 運 用 効 率 は 総 資 産 経 常 利 益 率 で 表 されます。 2) よ っ て 、[ 総 資 産 経 常 利 益 率 > 借 入 支 払 利 息 率 ] で あ れ ば 、 積 極 的 に 借 入 を 行 っ て 運 送 車 輌 等 経 営 資 産 を 増 や す と 、 よ り 多 く の 利 益 を 獲 得 で き る よ う に な り ま す 。[ 梃 子 ( て こ ) の原理]で、適正範囲の借入を行うことで、今多くの利益・現金を獲得できるのです。 [ 図 表 17-1 自 己 資 本 比 率 /固 定 長 期 適 合 率 ] 自己資本比率 H25年 H26年 H27年 固定長期適合率 業界水準 H25年 H26年 H27年 業界水準 全体 31.7% 33.9% 36.9% 31.3% 91.9% 86.7% 87.3% 77.3% 5~20 21.6% 25.4% 30.9% 33.3% 59.9% 55.0% 48.5% 69.7% 20~50 41.0% 42.4% 46.9% 31.6% 67.6% 65.7% 63.5% 71.1% 50以上 29.7% 31.8% 34.1% 31.6% 102.6% 97.8% 100.2% 77.5% (5)固定長期適合率 前 述 の と お り 、資 産 の 部 は ワ ン イ ヤ ー ・ ル ー ル が 適 用 さ れ る 流 動 資 産 と 1 年 超 の 資 産 に 分 類 さ れ る 固 定 資 産 の 2 つ に 大 別 さ れ ま す 。同 様 に 、負 債 は 流 動 負 債と固定負債とに大別されます。 1 年 を 超 し た “ 資 産 と 資 金 調 達 ( 固 定 負 債 と 純 資 産 )” の 比 較 検 証 が 固 定 長 期適合率です。 固 定 長 期 適 合 率 の“ 固 定 ”と は 、株 式 配 当 以 外 に は 原 則 と し て 現 金 が 社 外 流 出 す る こ と が な い 安 定 し た 資 金 、つ ま り 自 己 の 資 金 で あ る 純 資 産 の こ と を 指 し て い ま す 。ま た 、固 定 長 期 適 合 率 の“ 長 期 ”と は 1 年 を 超 え て 社 外 流 出 す る 他 人 の 資 金 と い う 意 味 で あ り 、主 と し て 、固 定 負 債 に お け る 長 期 借 入 金 の こ と を 22 - 22 - 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 指しています。 この固定的及び長期的な資金調達と長期的な資金の運用である固定資産と のバランスを分析するのが、固定長期適合率です。計算式は次のとおりです。 固定長期適合率 = 固定資産 純資産+固定負債 × 100 固 定 長 期 適 合 率 は 100% 以 下 で あ る こ と が 望 ま し い で す 。 も し こ の 数 値 が 1 0 0 % を 超 え て い る 場 合 は 、固 定 資 産 を 運 用 す る 資 金 の 一 部 の 調 達 を 短 期 資 金 、 つまり流動負債から行なっているということになります。 1 年以内という短期間で社外流出する資金(流動負債)で長期の資産(固定 資産)を運用すると、資金繰りが必ず悪くなってきます。 何 故 な ら 、固 定 資 産 の 現 金 化 は 、損 益 計 算 書 へ の 減 価 償 却 費 計 上 や 資 産 売 却 に よ っ て し か で き な い か ら で す 。こ の 方 法 で は 直 ぐ に 現 金 を 獲 得 す る こ と が で き ま せ ん 。数 年 と い う 時 間 を か け て し か 、現 金 を 獲 得 す る こ と が で き な い の で す。よって、資金繰りが徐々に苦しくなってくるのです ( 減 価 償 却 費 + 資 産 売 却 額 ) < ( 流 動 負 債 科 目 の 現 金 流 出 額 )、 と い う 計 算 式が成立してしまい、資金繰りが苦しくなるのは当然の結末です。 ①分析結果 [ 50 台 以 上 ] が 100.2% と 僅 か に 100% を 上 回 っ て い ま す 。 そ れ で は 直 ぐ に 資 金 繰 り が 苦 し く な る か と 言 え ば 、心 配 す る こ と は な い と も 言 え る の で す 。 それは何故でしょうか。 固 定 長 期 適 合 率 の 計 算 式 を 今 一 度 み て み ま し ょ う 。分 子 > 分 母 が 成 立 す る と き に 100% を 超 す こ と に 気 が つ き ま す 。 純 資 産 を 直 ぐ に 増 加 さ せ る こ と は で き な い も の の 、も う 1 つ の 構 成 要 因 で あ る 固 定 負 債 は そ れ が 可 能 で す 。金 融 機 関 に 対 す る 信 用 力 が あ れ ば 、必 要 資 金 を 新 規 借 入 金 と し て 調 達 す る こ と ができるからです。 こ の よ う に 、 固 定 長 期 適 合 率 が 100% を 超 す と き は 、 長 期 借 入 金 を 起 こ す な ど し て 資 金 バ ラ ン ス の 改 善 を 図 る こ と と な り ま す 。な お 、 簡 単 に 借 入 す る と後年度に元金返済等の負担が生じることも念頭に入れておくことが必要 です。安易な借入は絶対に控えて下さい。 [ 50 台 以 上 ] 以 外 の 2 つ の ク ラ ス は 48.5% 、 63.5% で あ り 特 段 の 問 題 は あ り ま せ ん 。 さ ら に 、 3 年 間 を 通 じ て 改 善 さ れ て き て い ま す 。[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ]の 改 善 は [ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] よ り も 緩 慢 で す が 、 問 題 あ り ま せ ん 。 当 面 の 信 用 力 に 問 題 が な い の で あ れ ば 、「 少 し ず つ だ が 改 善 し て い る 」 と い う事実がとても重要なのです。 参 考 ま で に 、 図 表 17-2 に て 総 資 産 に 対 す る 固 定 資 産 の 割 合 を 調 べ て み ま - 23 - 23 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― した。 こ の 数 値 と 固 定 長 期 適 合 率 と を 比 較 検 証 す る と 、総 資 産 に 占 め る 固 定 資 産 の 割 合 が 高 ま る ほ ど 、固 定 長 期 適 合 率 が 上 昇 し て い く こ と が 分 か り ま す 。こ れは固定資産の増加率よりも純資産の増加率の方が低いためではないかと 推 測 さ れ ま す 。そ の た め 、長 期 借 入 金 に よ る 調 達 を 図 っ て も 、固 定 長 期 適 合 率が悪化していくのは避けられないのではないかと考えられます。 以 上 の こ と か ら 、利 益 の 増 加 は 絶 対 不 可 欠 な 対 策 で あ る こ と を 再 認 識 で き ると思います。 [ 図 表 17-2 総資産に占める固定資産の割合] 25 年 26 年 27 年 ㈠ 全体 56.5% 54.6% 55.2% ㈡ 5 台 以 上 20 台 未 満 36.8% 33.2% 33.3% ㈢ 20 台 以 上 50 台 未 満 48.6% 48.5% 45.9% ㈣ 50 台 以 上 60.1% 58.3% 60.0% ②業界水準との比較 業 界 水 準 は い ず れ の ク ラ ス も 80% を 下 回 っ て い ま す 。 [ 全 体 ]で は 8 7 . 3 % と 業 界 水 準 77.3% よ り も 10.0% も 高 く な っ て い ま す 。 他 の 指 標 で は 時 折 、業 界 水 準 よ り も 悪 い 実 績 を 示 す[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] も 固 定 長 期 適 合 率 は 63.5% と 業 界 水 準 の 71.1% よ り も 7.6% 低 く な っ て い ます。 [ 50 台 以 上 ] で は 100.2% で し た 。 業 界 水 準 ( 77.5% ) よ り も 22.7% も 悪 い 数 値 で す 。[ 5 0 台 以 上 ] の 会 員 企 業 の 奮 起 を 期 待 し た い も の で す 。 24 - 24 - 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 4.生産性指標 投 入 し た 経 営 資 源( イ ン プ ッ ト )が ど れ だ け 多 く の 成 果( 営 業 収 益 や 営 業 利 益 等 ( ア ウ ト プ ッ ト )) を 獲 得 で き た か を 判 断 す る 指 標 が 生 産 性 分 析 で す 。 経 営 資 源 の 区 分 に よ り“ ひ と ”に 着 目 し た[ 従 業 員 1 人 当 り 営 業 収 益 ]、 “( 生 産 設 備 で あ る )も の ”に 着 目 し た[ 車 両 一 両 当 り 営 業 収 益 ]に つ い て 取 り 上 げ ま し た 。“ も の ” の 集 積 で あ る “ 総 資 産 ” か ら 、 総 資 産 回 転 率 に つ い て も 計 算 しています。 (1)従業員1人当り営業収益 こ こ で い う 従 業 員 に は 運 転 手 の ほ か 、営 業 活 動 や 事 務 後 方 部 門 を 担 当 し て い る 従 業 員 、車 両 整 備 を 行 っ て い る 作 業 員 、会 社 の 常 勤 役 員 等 す べ て の 人 々 が 含 ま れ て い ま す 。勿 論 、運 転 手 だ け に 絞 っ て 、生 産 性 を 分 析 す る こ と も 可 能 で す 。 一 般 的 に 、つ ぎ の よ う な 傾 向 が 見 ら れ る と 、従 業 員 一 人 当 り の 給 与 水 準 は 低 くなりがちです。 ㈠ 従業員の平均年齢が若い(低い)とき ㈡ 従業員の(平均)勤続年数が短いとき ㈢ 他の標準的従業員とは別の勤務条件を設定したとき 従 業 員 数 が 多 く て も 総 人 件 費 が 低 く な る こ と も あ り ま す 。 必 ず し も 、「 従 業 員 数 と 総 人 件 費 と の 間 に 、い か な る 場 合 で も 正 比 例 の 関 係 に あ る 」と は 言 い 切 れません。同業他社等と比較検証する場合には注意が必要です。 従業員1人当り営業収益の計算式は次のとおりです。 従業員1人当り営業収益 = 営業収益 従業員数 ①分析結果 最 初 に [ 全 社 ] 実 績 を 100% と し た 場 合 の 各 ク ラ ス の 相 対 比 を 調 べ て み ま し た ( 図 表 1 8 - 1 参 照 )。 [ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] 9 6 . 5 % 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] 9 3 . 3 % 、[ 5 0 台 以 上 ] 106.8% と い う 実 績 で す 。 26 年 の 実 績 値 よ り も 、 各 ク ラ ス の 従 業 員 1 人 当り営業収益の差異は縮小されたようです。 図 表 1 8 - 2 に よ れ ば 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] は 3 年 間 で は 僅 か ず つ で は あ り ま す が 収 益 力 が 低 下 し て き て い る よ う で す 。[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] と [ 5 0 台 以 上 ] は 26 年 に 25 年 比 で 上 昇 し た も の の 、 27 年 で は 減 少 し て し ま い ま し た 。し か し 、25 年 比 で は[ 5 台 以 上 20 台 未 満 ]229 千 円 、 [ 50 台 以 上 ]180 千円とプラスとなっています。 こ れ ら の 事 実 か ら 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] に 該 当 す る 会 員 企 業 の ビ ジ ネ - 25 - 25 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― スモデルを変革する必要性がありそうです。 [ 図 表 18- 1 従 業 員 1 人 当 り 営 業 収 益 /相 対 比 ] 従業員1人当り営業収益/構成比 H25年 H26年 H27年 業界水準 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 全体 5~20 94.0% 94.9% 96.5% 66.5% 20~50 95.2% 91.4% 93.3% 91.9% 104.7% 109.1% 106.8% 101.4% 50以上 ②業界水準との比較 図 表 1 8 - 1 に よ れ ば 、業 界 水 準 は[ 全 体 ]に 対 し て[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] は 6 6 . 5 % 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] は 9 1 . 9 % 、[ 5 0 台 以 上 ] は 1 0 1 . 4 % と な っ て い ま す 。こ の こ と か ら 、業 界 水 準 で は 経 営 規 模 が 大 き く な る ほ ど 効 率 が 高まるという“規模の経済”が出現しているようです。 図 表 1 8 - 2 の 絶 対 値 で は 、[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] は 業 界 水 準 よ り 2 , 7 9 0 千 円 高 い も の の 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] は △ 8 8 5 千 円 、[ 5 0 台 以 上 ] は △ 5 2 6 千 円 と 低 く な っ て い ま す ( 負 け て い ま す )。 こ れ か ら し て も 、 会 員 の [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] は 稼 ぐ 力 が か な り 高 い と 判 断 で き そ う で す 。 以 下 に 、従 業 員 1 人 当 り の 営 業 収 益 を 伸 ば す た め の 幾 つ か の ア プ ロ ー チ に 言及しました。参考にされて下さい。 a.営業収益を上げること ㈠ 高 い 運 送 単 価 を 獲 得 で き る 業 種 へ 進 出 す る ( 荷 主 を 獲 得 す る )。 ㈡ 人件費上昇などの根拠を元に、運送単価の改定を継続的に行なう。 ㈢ 車両の実車率を上げていく。 ㈣ 荷主の理解のもと混載を行ない、一回当りの運送収入を上げる。 ㈤ 帰 り 便 の 荷 物 を つ く り 、実 車 率 を 上 げ る と 同 時 に 運 送 収 入 を 獲 得 す る。 ㈥ 不稼働の車両を発生させず、また稼働率を上げていく。 b.従業員数を減らすこと ㈠ 少 な い 運 転 手 で 稼 働 率 を 上 げ 、現 行 水 準 と 同 等 か そ れ 以 上 の 営 業 収 益を獲得する。 ㈡ 勤 務 シ フ ト を 緻 密 に 作 成 し 、労 働 時 間 管 理 等 ム リ ・ ム ラ ・ ム ダ の な い配送を徹底的に追及する。 ㈢ 集 荷 、集 配 等 の 車 両 運 行 ル ー ト の 見 直 し を 行 い 、よ り 少 な い 人 員 で より高い運送効率を実現させる。 26 ㈣ 運 送 現 場 の I T 化 を 進 め 、帰 り 荷 の 確 保 を 行 い 作 業 の 重 複 を 無 く す ㈤ 後 方 部 門( 事 務・経 理・人 事 な ど )の I T 化 を 進 め 、人 員 削 減 を 図 - 26 - 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― る。 ㈥ 一人で複数の仕事(業務)をこなせるよう多能工化を進める。 [ 図 表 18- 2 従 業 員 1 人 当 り 営 業 収 益 /車 両 一 両 当 り 営 業 収 益 /総 資 産 回 転 率 ] 従業員1人当り営業収益(千円) H25年 H26年 H27年 業界水準 総資産回転率(回転) 車輌一台当り営業収益(千円) H25年 H26年 H27年 H25年 H26年 H27年 業界水準 全体 11,900 12,164 11,834 12,984 11,931 12,638 12,088 0.76 0.77 0.74 1.4 5~20 11,189 11,548 11,418 8,628 11,269 11,873 11,747 1.80 1.59 1.49 1.3 20~50 11,326 11,116 11,043 11,928 12,345 12,951 12,301 1.22 1.26 1.23 1.4 50以上 12,458 13,272 12,638 13,164 11,833 12,598 12,010 0.56 0.55 0.52 1.3 注. 「 車 両 一 両 当 り 営 業 収 益 」の「 業 界 水 準 」は 同 様 の 指 標 が 無 か っ た た め 、記 載 し て お り ま せ ん 。 (2)車両一両当り営業収益 貨 物 運 送 事 業 は 荷 主 か ら 運 送 依 頼 を 受 け て 荷 物 を 運 送 す る 事 業 で す 。こ の 貨 物 運 送 事 業 の 主 役 は 貨 物 自 動 車 で す 。貨 物 自 動 車 一 両 当 り の 営 業 収 益 を 分 析 す ることで、貨物自動車という有形資産の稼働効率を確認することができます。 数値が大きいほど稼働効率が高いということになります。 こ こ で 、運 送 収 益 を 構 成 す る 諸 要 因 と の 関 係 を 整 理 し て お き ま す 。運 送 収 益 は次の計算式で表現することが可能です。 ■ 運 送 収 益 = 運 送 単 価 ×輸 送 ト ン 数 ×輸 送 距 離 従 っ て 、営 業 収 益 を 多 く し 、 結 果 と し て 車 両 一 両 当 り 営 業 収 益 を 高 く す る た めには次のいずれかのアプローチを採ることが求められます。 ㈠ 運送単価の高い荷物を運ぶ割合を高くする。 ㈡ 混載を含め、一度に運ぶ輸送トン数を多くする。 ㈢ 輸送距離が長くなる長距離の運搬荷物を受注する。 ㈣ 上記各号を同時に達成する。 こ の よ う に 、車 両 一 両 当 り の 営 業 収 益 を 分 析 す る に 当 っ て 、運 送 単 価 、輸 送 トン数や輸送距離などの指標に分解して行うと詳細に車両生産性の良否の判 断が可能となります。 車両一両当り営業収益の計算式は次のとおりです。 車両一両当り営業収益 = 営業収益 貨物自動車両数 ①分析結果 図 表 18- 2 を 加 工 し 、 過 去 3 年 間 の 前 年 対 比 の 伸 び 率 を 調 べ て み ま し た 。 - 27 - 27 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― そ れ が 図 表 18- 3 で す 。 26 年 は 全 て の ク ラ ス で プ ラ ス で し た が 、 27 年 は 逆 に全クラスでマイナスです。 次 に 2 5 年 比 で 2 7 年 を 診 て み ま し ょ う 。[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] 4 . 1 % 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] △ 0 . 4 % 、[ 5 0 台 以 上 ] 1 . 5 % 、[ 全 体 ] 1 . 3 % と な っ て い ま す 。[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] は 伸 び 率 が 鈍 化 し た も の の 、 堅 調 に 推 移 し て い ることが分かります。 [ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ]は 中 々 厳 し い 状 況 の よ う で す 。 [ 全 体 ] を 1 0 0 と し た と き の 各 ク ラ ス の 割 合 を み て み ま し た 。[ 2 0 台 以 上 50 台 未 満 ]が 最 も 高 く 3 年 間 い ず れ も 100% を 超 え て い ま す 。た だ し 、そ の 割 合 は 年 々 低 下 し て き て い ま す 。 ま た 、[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] は 9 7 . 2 % と 上 昇 基 調 の ほ か 、[ 5 0 台 以 上 ] は 1 0 0 % 弱 と 安 定 し て い る よ う で す 。 [ 図 表 18- 3 車 輌 一 台 当 り 営 業 収 益 /伸 び 率 、 車 輌 一 台 当 り 営 業 収 益 /全 体 100] 車輌一台当り営業収益/伸び率 H25年 H26年 H27年 車輌一台当り営業収益/全体100 H25年 H26年 H27年 6.1% 5.9% -4.3% 100.0% 100.0% 100.0% 5~20 15.8% 5.4% -1.1% 20~50 -3.9% 4.9% -5.0% 103.5% 102.5% 101.8% 50以上 9.5% 6.5% -4.7% 全体 94.4% 99.2% 94.0% 99.7% 97.2% 99.4% ②業界水準との比較 業 界 水 準 で は 適 切 な 指 標 が な い た め 、本 報 告 書 で は 比 較 は 行 っ て お り ま せ ん。 (3)総資産回転率 総 資 産 回 転 率 は 総 資 産 経 常 利 益 率( 8 ~ 1 0 頁 参 照 )の 項 で 若 干 触 れ て い ま す 。 本 項 で は よ り 詳 細 に 、総 資 産 回 転 率 が ど の よ う な 示 唆 を 与 え て く れ る の か を 検 討してみました。 運 送 会 社 の 経 営 実 態 と し て 車 両 だ け を 保 有 し 、他 の 固 定 資 産( 例 .事 務 所 棟 、 車 庫 、倉 庫 、修 理 工 具・機 器 、駐 車 敷 地 な ど )は す べ て 賃 借 と い う 形 態 は 皆 無 だ と 思 わ れ ま す 。車 両 以 外 の 有 形 固 定 資 産 、無 形 固 定 資 産 、投 資 等 は 残 高 の 多 少を別にすれば、どの運送会社も保有していると推測されます。 ま た 当 然 に 、流 動 資 産 も 総 資 産 の 中 の ひ と つ に 含 ま れ て い ま す 。よ っ て 、車 両一台当り営業収益性分析は会社経営分析の一部分しか診ていないものにな り ま す 。生 産 性 を 俯 瞰 的 に ま た 全 体 的 に 判 断 す る 指 標 が 必 要 で す 。そ れ が 総 資 産回転率なのです。 総 資 産 回 転 率 と 表 現 し て い ま す が 、 計 算 結 果 は % 表 示 で は な く 、“ ○ 回 転 ” と し て 表 現 さ れ ま す 。数 値 が 高 い ほ ど 生 産 性 が 高 い こ と を 表 し て い ま す 。総 資 産回転率は次の計算式で表現することができます。 28 - 28 - 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 総資産回転率 = 営業収益 総資産 ①分析結果 [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ]は 25 年 に 1.80 回 転 だ っ た の が 、27 年 に は 1.49 回 転 と 0.31 回 転 も 低 下 し て い ま す 。 率 に 換 算 す る と △ 17.2% と 大 き な 落 ち 込 み を 記 録 し て い ま す 。分 子 の 営 業 収 益 は 堅 調 に 推 移 し て い ま す の で 、総 資 産 の増加が回転率悪化の原因と推測できます。 [ 別 紙 参 考 資 料 2 - 1 貸 借 対 照 表( 資 産 の 部 )]か ら 計 算 し た 総 資 産 の 2 7 年 の 25 年 比 伸 び 率 は 24.5% で す 。 27 年 の 絶 対 額 は 73,105 千 円 と [ 20 台 以 上 5 0 台 未 満 ] の 3 3 7 , 2 2 2 千 円 、[ 5 0 台 以 上 ] 1 , 9 2 8 , 8 5 0 千 円 よ り も 少 な い の で すが、少ない為に少しの資産増が回転率の悪化に影響を与えたのです。 こ の 分 析 結 果 か ら 、総 資 産 回 転 率 を 改 善 し て い く に は 、総 資 産 伸 び 率 < 営 業収益伸び率となるよう統制していくことが重要であることが分かります。 [ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] は 1 . 2 回 転 台 、[ 5 0 台 以 上 ] は 0 . 5 回 転 台 で 比 較 的 安 定 し て い ま す 。 な お 、[ 5 0 台 以 上 ] は 毎 年 少 し ず つ で は あ り ま す が 、 回 転 率 が 低 下 し て い る こ と が 気 に な り ま す 。思 い 切 っ た 資 産 圧 縮 な ど の 対 策 を 講 じ る 必 要 性 も あ り そ う で す 。例 え ば 、資 産 効 率 を 高 め る た め に 、不 要 不 急 な資産の売却を進める等の対策も一考すべきでしょう。 ②業界水準との比較 次 に 業 界 水 準 を 見 て み ま す 。 3 つ の ク ラ ス で は 、 1.3 回 転 か ら 1.4 回 転 の 実績であり、車両保有台数による明らかな差異はなさそうです。 前 述 の と お り 、会 員 企 業 で は 車 両 保 有 台 数 の 増 加 と 反 比 例 し て 回 転 率 が 悪 くなっていました。しかし業界水準ではそのような傾向は診られません。 会 員 企 業 と 業 界 水 準 と の 差 異( 会 員 企 業 - 業 界 水 準 )を 試 算 し ま し た 。[5 台 以 上 20 台 未 満 ]で 0.19 回 転 、 [20 台 以 上 50 台 未 満 ]△ 0.17 回 転 、 [50 台 以 上 ]△ 0.78 回 転 と な っ て い ま す 。 こ の こ と か ら 、 会 員 企 業 は 経 営 規 模 に よ る差異が極めて大きいという事実が分かりました。 会 員 企 業 に お い て も 業 界 水 準 の 1 . 4 回 転 を 最 低 ラ イ ン に 設 定 し 、更 に 資 産 効率を上げるよう努力して欲しいものです - 29 - 29 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 5.総合性指標 部 分 最 適 が 全 体 最 適 に 通 ず る と は 限 り ま せ ん 。収 益 性 は 高 い も の の 、流 動 性 や 生 産 性 が 低 い と い う こ と も あ り 得 ま す 。会 社 経 営 が 全 体 最 適 に 近 づ く よ う に 、 収益性、流動性、生産性の各指標のバランスが取れているか否かを診るのが、 総合性評価です。 こ の 指 標 の 代 表 的 な も の と し て 、 [総 資 産 経 常 利 益 率 ]、 [損 益 分 岐 点 営 業 収 益 ]、 [営 業 C F マ ー ジ ン ]の 3 つ を 取 り 上 げ て み ま し た 。 総 資 産 経 常 利 益 率 は 既 に 言 及 ( 8~ 10 頁 参 照 ) し ま し た の で 、 本 項 で は 損 益 分 岐 点 営 業 収 益 と 安 全 余 裕 率 、そ し て 営 業 C F マ ー ジ ン の 3 つ の 指 標 に つ い て 分析を行なっています。 (1)損益分岐点営業収益 損 益 分 岐 点 営 業 収 益 と は 、赤 字 で も な く 黒 字 で も な い 時 点 で の 営 業 収 益( 売 上 高 )で す 。企 業 経 営 の 目 標 の 一 つ は 利 益 を 出 す こ と 、平 た く 言 え ば 黒 字 と す る こ と で す 。損 益 分 岐 点 営 業 収 益 分 析 は 赤 字 に な ら な い こ と を 前 提 と し た 営 業 収益目標を確認することを意味しています。 こ の 営 業 収 益 を 下 回 る と 赤 字 に 転 落 す る の で す か ら 、最 低 限 達 成 し な け れ ば な ら な い 営 業 収 益 目 標 と な る の で す 。毎 年 赤 字 を 計 上 し 続 け て は 、会 社 経 営 を 続けていくことはできません。 損益分岐点営業収益は次の計算式で表現することが可能です。 損益分岐点営業収益 = 固定費 1 - ( 変 動 費 ÷営 業 収 益 ) ※固定費=営業費用-(燃料油脂費+修繕費+道路使用料+フェリー利用料+傭車費等)- (営業外収益-営業外費用) ※変動費=営業収益-固定費-経常損益 ※分子に借入金返済額を加えると、借入金返済を可能とする目標営業収益を試算することが できます ①分析結果 3 年 間 の 推 移 を 診 て み ま す 。 26 年 は [5 台 以 上 20 台 未 満 ]と [20 台 以 上 5 0 台 未 満 ] の ク ラ ス は 2 5 年 よ り 上 昇 し て い ま し た 。後 述 す る[ 安 全 余 裕 率 ] と の 絡 み が あ り ま す が 、単 純 に 評 価 す れ ば「 損 益 分 岐 点 営 業 収 益 が 上 昇 す る こ と は 好 ま し く な い 」と 指 摘 し て お き ま す 。何 故 な ら 、実 際 の 売 上 高 が 増 収 とならない限り、赤字になる可能性が高まっていくからです。 そ の 観 点 か ら す れ ば 、 27 年 は 全 て の ク ラ ス で 26 年 実 績 よ り 下 回 っ て い ま 30 - 30 - 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― す 。3 年 間 の 推 移 で 診 て も 、2 7 年 は 全 ク ラ ス と も 最 も 低 い 数 値 と な り ま し た 。 これは良い傾向と判断しても良いでしょう。 更 に 損 益 分 岐 点 営 業 収 益 の 良 否 を 、損 益 分 岐 点 営 業 収 益 を 更 に 展 開 し た 安 全余裕率というアプローチで分析してみたいと思います。 安全余裕率は次の計算式で表現することができます。 安全余裕率 = 営業収益実績-損益分岐点営業収益 営業収益実績 × 100 ②安全余裕率が示すもの “ 営 業 収 益 > 損 益 分 岐 点 営 業 収 益 ”の 時 に 、分 子 が プ ラ ス と な り ま す 。値 が プ ラ ス と い う こ と は 黒 字 に な っ て い る こ と を 示 し て い ま す 。 逆 に 、“ 営 業 収 益 < 損 益 分 岐 点 営 業 収 益 ”の 時 は 分 子 が マ イ ナ ス と な り 、赤 字 と な っ て い る こ と を 示 し て い ま す ( 図 表 2 0 参 照 )。 27 年 実 績 を 診 て み ま す 。 3 つ の ク ラ ス 全 て で 26 年 に 引 き 続 き プ ラ ス と な り 、 プ ラ ス 幅 も 大 き く な り ま し た 。 最 大 は [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] で 5.7% の ア ッ プ 、 最 小 は [ 50 台 以 上 ] で 1.8% の ア ッ プ で す 。 26 年 比 で の ア ッ プ 率 で は 2.9% と [ 50 台 以 上 ] を 上 回 っ た [ 20 台 以 上 50 台 未 満 ] の 実 績 値 は 4.4% と [ 50 台 以 上 ] の 7.2% よ り も 2.8% 低 い 実 績 で す。 3 年 間 の 推 移 を 診 て み ま す ( 27 年 実 績 - 25 年 実 績 ) 。 27 年 実 績 > 25 年 実 績 で プ ラ ス と な っ て い れ ば 、「 改 善 さ れ た 」 と 言 え る で し ょ う 。 最 も 好 成 績 だ っ た の は [ 50 台 以 上 ] で 17.7% の 改 善 を 示 し て い ま す 。 △ 10.5% の 赤 字 基 調 か ら 、 7.2% と も う 少 し の 感 は あ り ま す が 、 し っ か り と し た 黒 字 基 調 へ と劇的に転換を果たしています。 同 様 に 、 [ 20 台 以 上 50 台 未 満 ] は 6.8% 改 善 、 [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] は 4.3% の 改 善 と な っ て い ま す 。 [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] の 27 年 の 安 全 余 裕 率 は 9.8% で す 。 よ っ て 、 安 全 余 裕 率 が プ ラ ス で そ こ そ こ の 数 値 を 記 録 し て い る場合の改善は厳しくなるということを示しています。 安 全 余 裕 率 は 10% 以 上 を 目 指 し て 欲 し い も の で す 。 と 言 う の も 、 10% 程 度 の 売 上 減 少 は 経 営 環 境 の 変 化 に よ り 容 易 に 発 生 す る も の だ か ら で す 。ま た 、 営 業 収 益 の 増 収 は 困 難 で も 、費 用 で あ る 運 送 費 や 一 般 管 理 費 は 無 為 無 策 の と き は 自 然 的 に 増 加 し て い き ま す 。よ っ て 、気 が つ い た と き は「 安 全 余 裕 率 が マイナスとなってしまった」という悲劇を生じかねません。 安 全 余 裕 率 は 次 の よ う な 示 唆 を 会 員 企 業 に 与 え て く れ ま す 。こ れ を 肝 に 銘 じ、黒字体質への転換と強化に取り組んで戴きたいものです。 ㈠ 黒字企業の時は、赤字に転落しないですむ減収率の限度 ㈡ 赤字企業の時は、赤字の状態から脱却するのに必要な増収率 - 31 - 31 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― ㈢ 営業収益伸び率>営業費用伸び率、の公式の成立 ③業界水準の比較 安 全 余 裕 率 の 業 界 平 均 は 4% 前 半 か ら 5% 前 半 の 数 値 と な っ て い ま す 。 全 て の 会 員 企 業 は 業 界 水 準 を 上 回 っ て い ま す 。 業 界 水 準 に 近 い の は [ 20 台 以 上 50 台 未 満 ] で そ の 差 異 は 0.1% の プ ラ ス で す 。 ま た も っ と も 離 れ て い る の は [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] で 、 5.2% も 上 回 っ て い ま す 。[ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] の 25 年 の 安 全 余 裕 率 は 5.5% 、 26 年 は 4.1% で し た の で 、 27 年 は 大 き く改善されたことを改めて確認できました。 ④損益分岐点営業収益と目標営業収益 損 益 分 岐 点 営 業 収 益 に つ い て 再 び 言 及 し ま す 。 前 述 の 計 算 式 の 分 子 は“ 固 定 費 ”と し て い ま し た 。固 定 費 は 変 動 費 と 同 様 に 損 益 計 算 書 に 記 載 さ れ て い る科目から導き出されるものです。 し か し 、資 金 が 社 外 流 出 す る 代 表 的 な 科 目 で あ る 借 入 金 の 返 済 は こ の 計 算 式には算入されていません。何故なら、借入金は貸借対照表の科目であり、 損益計算書の科目ではないからです。 そ こ で 、分 子 を“ 固 定 費 + 借 入 金 元 金 返 済 額 ”に 変 更 す る と 、借 入 金 返 済 を考慮した時の損益分岐点営業収益に転換することができます。 さ ら に 、利 益 目 標 を 算 入 し た 計 算 式 に す る と 、 借 入 金 返 済 と 目 標 利 益 と を 考慮した時の損益分岐点営業収益、つまり目標営業収益となるのです。 以上を考慮したときの計算式は次のとおりです。 目標営業収益 = 固定費+借入金返済+目標利益 1 - ( 変 動 費 ÷営 業 収 益 ) こ の よ う に 、損 益 分 岐 点 営 業 収 益 の 計 算 式 は 、 過 去 の 決 算 デ ー タ の み な ら ず 、将 来 の 自 社 に お け る 借 入 金 返 済 と 利 益 計 画 を 考 慮 し た 目 標 営 業 収 益 の 計 算にも応用できるのです。 [ 図 表 19 損 益 分 岐 点 営 業 収 益 /安 全 余 裕 率 /営 業 C F マ ー ジ ン ] 損益分岐点営業収益 H25年 H26年 H27年 安全余裕率 業界水準 H25年 H26年 H27年 単位:千円 営業CFマージン 業界水準 H25年 H26年 H27年 業界水準 全体 415,705 393,647 375,762 436,404 -5.4% 3.6% 6.4% 4.8% 1.7% 6.4% 8.1% 7.6% 5~20 100,096 107,762 98,224 71,640 5.5% 4.1% 9.8% 4.6% 8.8% 9.7% 12.0% 8.2% 20~50 398,017 410,055 396,963 342,492 -2.4% 1.5% 4.4% 4.3% 7.0% 5.9% 7.4% 8.2% 50以上 1,042,568 972,189 929,484 664,320 -10.5% 5.4% 7.2% 5.3% -3.7% 6.7% 8.7% 8.2% 注 .「 営 業 C F マ ー ジ ン 」 の 「 業 界 水 準 」 は T K C 経 営 指 標 に 掲 載 さ れ て い な か っ た た め 、 T K C 経営指標の掲載データを元に計算しました。 32 - 32 - 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― [ 図 表 20 損益分岐点営業収益図表] ~ 損 益 分 岐 点 営 業 収 益 を 改 善 さ せ 営業収益曲線 る方法~ 損益分岐点営業収益 上図から、損益分岐点営業収益を 改善しようとする(図では左側に交 総費用曲線 点を移動させる)には大きく 3 つの 変動費 方 法 が あ り ま す 。 1)固 定 費 を 引 き 下 げ る 、2 ) 変 動 費( 端 的 に は 運 送 原 価 ) 固定費 (+借入金+目標利益) を 引 き 下 げ る 、3 ) 1 ) と 2 ) と を 同 時 に 実行する、の 3 つです。 営業収益 [ 図 表 20-2 固定費を下げた時の損益分岐点営業収益図表] ~ 損 益 分 岐 点( 交 点 )の 左 へ の 移 営業収益曲線 (旧)損益分岐点営業収益 動~ (旧)総費用曲線 1 ) 営 業 収 益 と 変 動 費( 変 動 費 比 率)の額に変更なしとします。 (新)総費用曲線 2) 固 定 費 を 企 業 努 力 に よ り 引 き 下 げ た 時( 削 減 し た 時 )の 総 費 変動費 (変更なし) 用曲線は、下方に移動します。 (旧)固定費 3 ) 結 果 と し て 、営 業 収 益 曲 線 と (新 )総 費 用 曲 線 と の 交 点 が 左 下 (新)損益分岐点営業収益 に移動することになります。 対策後の (新)固定費 営業収益 固 定 費 の 削 減 効 果 と し て 、損 益 分 岐 点 収 益 が 低 く な っ た こ と を 意味します。 - 33 - 33 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― (2)営業キャッシュフロー・マージン 営 業 C F( 営 業 キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー )と は 、企 業 活 動 を 一 定 期 間 行 な っ た 結 果 、 その期間中に獲得した現金(キャッシュ)額のことを示しています。 な お 、企 業 が 獲 得 す る 現 金 は こ の 営 業 C F に よ る 方 法 に 限 ら れ て は い ま せ ん 。 現 金 の 獲 得 方 法 は 、次 の よ う に 大 き く 3 つ の カ テ ゴ リ ー か ら 成 り 立 っ て い ま す 。 キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー 計 算 書 は 、前 期 と 当 期 の 2 期 分 の 貸 借 対 照 表 と 当 期 の 損 益 計 算 書 か ら 計 算 さ れ る 財 務 諸 表 で す 。 こ れ か ら の 企 業 経 営 で は 、“ 利 益 ” の 多 少も重要ですが、ますます“現金”獲得額に関する重要度が高まってきます。 念 の 為 に 付 記 し て お き ま す が 、利 益 = 現 金 と は な ら な い こ と は ご 承 知 の 通 り です。 会 員 企 業 で も 、キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー 計 算 書 を 作 成 で き る よ う に 、会 計 実 務 能 力 を高めていく必要があるでしょう。 [ 図 表 21 営業CF キャッシュフロー計算書の概要] 1) 企業活動(貨物運送事業等)を行うことによって、獲得した 現金の出所を表しています。どの営業活動から現金が生み出さ れ 、ど の 営 業 活 動 に よ り 現 金 が 社 外 流 出 し た の か が 分 か り ま す 。 2) ①損益計算書における当期発生高と、②貸借対照表における 流動資産並びに流動負債の前期から当期までの増減額、の 2 つ の実績値から計算していきます。 ㈠ 減 価 償 却 費 は 非 現 金 支 出 で す の で 、運 送 費 や 一 般 管 理 費 か ら控除し計算対象外とします。貸倒引当金も同様です。 ㈡ 短 期 貸 付 金( 流 動 資 産 )は 投 資 C F に て 、短 期 借 入 金( 流 動負債)は財務CFにて計算します。 ㈢ 投資CF 1) 現預金(流動資産)は計算に入れることはありません。 固定資産を取得(購入)したり、又は売却したことによる現 金の増減を表すものです。 2) 固定資産の取得は現金の減少(流出)に、売却は現金の増加 (流入)として計算します。 財務CF 3) 償却資産の減価償却費を減算科目として算入し計算します。 1) 短期及び長期借入金の増減や、資本金の増減資、社債の発行 など、営業活動や投資活動以外の財務活動による現金の増減を 表すものです。 2) 借入金等が増加すると現金が増加(流入)し、借入金等を返 済すると現金が減少(流出)するとして計算します。 3 つのCFの合計額は、貸借対照表科目の[現金及び預貯金]の前期末から 今 期 末 ま で の 増 減 額 と 必 ず 一 致 し ま す 。従 っ て 、資 金 繰 り の ポ イ ン ト を ご く 簡 34 - 34 - 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 単 に 一 言 で 言 う と す れ ば 、「 現 金 及 び 預 貯 金 の 増 減 の 動 き に 注 意 し な さ い 」 と なります。 [ 営 業 C F マ ー ジ ン ]と は 、営 業 C F を 営 業 収 益 で 割 っ た 率 を 示 し て い ま す 。 同 様 な 指 標 に は 、 営 業 収 益 営 業 利 益 率 ( 12~ 13 頁 参 照 ) な ど の 収 益 性 指 標 が あります。両者の違いはどこにあるのでしょうか。 図 表 21 に お い て 、 営 業 C F を 計 算 す る に は 損 益 計 算 書 ( P L ) の み な ら ず 貸 借 対 照 表( B S )も 利 用 す る と 説 明 し ま し た 。よ っ て 、概 ね 貸 借 対 照 表 の 勘 定 科 目 を 考 慮 し た 収 益 性 指 標 が 営 業 C F マ ー ジ ン で 、損 益 計 算 書 の み の 勘 定 科 目を利用したのが営業収益営業利益率、と理解しても良いでしょう。 例 え ば 、 企 業 努 力 で 運 送 収 入 を 大 き く 伸 ば し て も 、[ 売 掛 債 権 ( 未 収 運 賃 ・ 受 取 手 形 等 )] で “ 回 収 ” し た の で あ れ ば 、 本 当 の 意 味 で の 現 金 “ 回 収 ” と な っていません。 何 故 な ら[ 売 掛 債 権 ]は 今 直 ぐ に で も 使 え る[ 現 金 ]で は あ り ま せ ん し 、一 般的に現金化するまでに数十日から数ヶ月を要するからです。 従 っ て 、本 当 の 意 味 で の 現 金“ 回 収・獲 得 ”と 営 業 収 益 と を 交 差 す る 営 業 C F マ ー ジ ン の 方 が 、現 金 の 獲 得 能 力 の 実 態 を よ り 正 確 に 表 し て い る と 言 え る の です。 営業CFマージンは次の計算式で表現することができます。 営業CFマージン = 営業CF 営業収益 × 100 ※本報告書では簡易的に営業CFを計算するため、営業CFを次のような計算をしました。 乗 率 0.6 は “ 法 人 税 等 ” の 税 率 を 考 慮 し た も の で す 。 ※ 経 常 利 益 額 が 黒 字 ・ ・ ・ 営 業 C F = 経 常 利 益 額 ×0.6+ 減 価 償 却 費 ※経常利益額が赤字・・・営業CF=経常利益額+減価償却費 ①分析結果 ど の ク ラ ス で も 、営 業 収 益 営 業 利 益 率 よ り も 営 業 C F マ ー ジ ン の 値 が 上 回 っ て い ま す 。 そ の 事 実 は 図 表 22 の [ 差 異 ( 営 業 C F マ ー ジ ン - 営 業 収 益 経 常利益率)にて確認できます。 3 年 間 の 推 移 を 診 て み ま す 。[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] は 2 5 年 に お け る 営 業 収 益 営 業 利 益 率 と 営 業 C F マ ー ジ ン と の 差 異 が 10.4% も あ り ま し た 。 営 業 C F マ ー ジ ン の 方 が 数 値 が 10.4% も 高 か っ た の で す 。 と こ ろ が 、 27 年 に は 5.0% ま で 縮 小 し て き ま し た 。 [ 5 0 台 以 上 ]の 5 . 6 % よ り も 悪 く な っ て い ま す 。 25 年 に は 10.4% と 2.0% と で 、 両 者 の 開 き は 8.4% も あ っ た の に 、 27 年 に は [ 50 台 以 上 ] に 0.6% の 水 を 開 け ら れ て し ま っ て い ま す 。 [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] 営業CFマージンそのものの数値を確認してみます。 - 35 - 35 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― は 1 2 . 0 % と 高 い 値 を 記 録 し ま し た 。 高 成 績 で す 。[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] は 7 . 4 % 、[ 5 0 台 以 上 ] 8 . 7 % と 決 し て 悪 く な い 数 値 で す 。 な お 、 二 桁 を 目 指 し て欲しいことは言うまでもありません。 [ 2 - 1 . 貸 借 対 照 表 ( 資 産 の 部 )] に よ れ ば 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] の 売 掛 債 権 は 前 期 よ り 4 , 4 0 8 千 円 の 増 加 と な っ て い ま す 。売 掛 債 権 の 増 加 は「 現 金の回収ができなかった」という意味ですので、現金収入の観点からは△ 4,408 千 円 と 理 解 を し ま す 。 [ 3 - ( 2 ) . 一 般 貨 物 自 動 車 運 送 事 業 損 益 明 細 表 ] に よ れ ば 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] の 当 期 営 業 利 益 は 10,002 千 円 で す 。 こ れ を 現 金 収 入 の 観 点 か ら は プ ラ ス 10,002 千 円 と 理 解 を し ま す 。 以 上 の 売 掛 債 権 の 増 加 と 当 期 営 業 利 益 と の 交 差 に よ り 、 27 年 の 営 業 C F は 1 0 , 0 0 2 千 円 か ら 4 , 4 0 7 千 円 を 差 し 引 い た 5 , 5 9 4 千 円 と な る の で す ( 注 )。 こ の よ う に 営 業 C F を 計 算 す る こ と に よ っ て 、「 売 掛 債 権 を き ち ん と 回 収 す る 」「 営 業 は 売 掛 債 権 の 回 収 が で き て 終 わ る 」 と い う 債 権 管 理 の 重 要 性 を 確 認することができるのです。 注 : こ の 計 算 に は 運 送 原 価 や 一 般 管 理 費 の 合 計 額 ( 4 0 5 , 3 8 8 千 円 )、 買 掛 債 務 の 増 減 ( 1 4 2 千 円 )な ど 、営 業 C F を 計 算 す る 際 に 加 減 す る 他 の 費 目 を 計 算 に 入 れ て い な い こ と に 留 意 が必要。 補 足 す る と 、減 価 償 却 費 の 計 算 に つ い て も 留 意 し な け れ ば な り ま せ ん 。営 業 利 益 の 計 算 に は 減 価 償 却 費 を 算 入 し ま す が 、営 業 C F で は 減 価 償 却 費 を 算 入しません。減価償却費は現金の支出と直結しないからです。 よ っ て 別 の 言 い 方 を す れ ば 、営 業 C F マ ー ジ ン は 減 価 償 却 費 分 、か さ 上 げ されていると言えなくもありません。 なお減価償却費は節税効果や将来の設備投資資金の回収などの性格も帯 び て い ま す 。 法 定 分 の 減 価 償 却 費 の 計 上 は 必 ず 実 施 し て 下 さ い 。「 減 価 償 却 費 を 計 上 せ ず 、利 益 を つ く る 」こ と は 、後 年 度 決 算 に 悪 い 影 響 を 与 え か ね ま せん。ご留意下さい。 営業収益営業利益率がマイナスであっても営業CFマージンをプラスに することが可能です。例えば、次のような策を講じると良いでしょう。 36 ㈠ 売掛債権の回収を早める(前期末残高より当期末残高を減らす) ㈡ (商品や貯蔵品等の)棚卸資産を減らす努力を行う ㈢ 他の流動資産の残高を安易に増やさない ㈣ 買掛債務(支払手形や買掛金)の弁済サイクルを少し長くする ㈤ 他の流動負債科目の支払いを極端に早くせずに適正化する - 36 - 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― [ 図 表 22 経常利益率と営業CFマージン比較対照表] 営業収益営業利益率 H25年 H26年 H27年 営業CFマージン 業界水準 H25年 H26年 H27年 差異(営業CFマージン-営業収益営業利益率) 業界水準 H25年 H26年 H27年 業界水準 -4.1% 1.0% 3.1% 2.8% 1.7% 6.4% 8.1% 7.6% 5.8% 5.3% 5.0% 4.8% 2.2% 1.6% 5.5% 2.6% 8.8% 9.7% 12.0% 8.2% 6.6% 8.1% 6.5% 5.6% 20~50 -3.4% 0.4% 2.4% 2.6% 7.0% 5.9% 7.4% 8.2% 10.4% 5.5% 5.0% 5.6% 50以上 -5.7% 1.4% 3.1% 3.1% -3.7% 6.7% 8.7% 8.2% 2.0% 5.3% 5.6% 5.1% 全体 5~20 ②業界水準の比較 業 界 水 準 は 全 て の ク ラ ス で 同 じ 実 績 値 で あ る 8.2% と な っ て お り 、 ク ラ ス による差異はみられません。 会 員 企 業 で は 最 大 が [ 5 台 以 上 20 台 未 満 ] で 12.0% 、 最 小 が [ 20 台 以 上 5 0 台 未 満 ]で 7 . 4 % で す 。両 者 の 差 異 は 4 . 6 % で す 。業 界 平 均 の そ れ が 0 . 0 % で あ る こ と か ら 、会 員 企 業 の 経 営 能 力 等 に 大 き な 格 差 が あ る こ と が 見 て 取 れ る結果となっています。 [ 全 体 ] で は 会 員 企 業 8.1% に 対 し て 、 業 界 平 均 は 7.6% で す 。 3 つ の ク ラ ス の 実 績 値 よ り も 低 く な っ て い ま す 。こ の こ と は 、業 界 水 準 で は 経 営( 売 上 )規 模 等 が 更 に 大 き く な る こ と に よ っ て 、営 業 C F マ ー ジ ン は 低 く な る 傾 向にあることを示しています。 - 37 - 37 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 第4章 その他の経営分析指標 本 章 で は 第 3 章 で 取 り 上 げ た 指 標 以 外 に 、会 員 企 業 が 経 営 改 善 の た め に 使 用 することが望ましい指標を幾つか取り上げて、説明することとします。 な お 本 章 で は 、こ れ ら の 指 標 を 用 い て の デ ー タ 分 析 は 行 っ て お り ま せ ん 。ご 了承下さい。 1.収益性指標 (1)分析指標の概要 分析指標 一般管理費比率 営業収益支払 利息率 労働分配率 表示 % % % その意味 運送原価以外の費用である一般管理費が、営業収益 に占める割合のことです。率が低いほど良好です。 実質支払金利が営業収益に占める割合のことです。 率 が 低 い ほ ど 良 好 で す 。 1% 未 満 が 望 ま し い で す 。 企業が創造し獲得した実質的な価値(付加価値額) に 対 す る 人 件 費 の 割 合 で す 。率 が 低 い ほ ど 良 好 で す 。 (2)計算式 分析指標 分子 分母 一般管理費比率 一般管理費 営業収益 営業収益支払利息率 実質支払金利 営業収益 労働分配率 人件費 付加価値額 《注釈》 実質支払金利 (支払利息+手形売却損+手形割引)-受取利息 役員報酬+給料手当+賞与+退職金+法定福利費+福利厚 人件費 生費+臨時雇賃金 ※運送費(原価)計上分、一般管理費計上分ともに含む (経常損益+金融費用+人件費+減価償却費+施設使用料 付加価値額 +施設賦課税)-金融収益 ※ 付 加 価 値 額 と 営 業 収 益 総 利 益( 売 上 総 利 益 )と は 、必 ず し も 一 致 し ません。考え方が多少異なります。試算の時はご注意下さい。 38 - 38 - 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 2.流動性指標 (1)分析指標の概要 分析指標 固定比率 有形固定資産 回転率 支払債務回転 期間 表示 % 回転 日 その意味 固定資産と純資産(自己資本)との割合です。率が 低 い ほ ど 良 好 で す 。 望 ま し い の は 100% 以 下 で す 。 有 形 固 定 資 産 が 営 業 収 益 を あ げ る の に 、1 年 間 で 何 回 稼 働 し た か を み る 指 標 で 、大 き い 数 値 ほ ど 良 好 で す 。 支払債務の運送費に対する割合を示すものです。支 払い速度が速いと高い数値になります。 (2)計算式 分析指標 分子 分母 固定比率 固定資産 純資産 有形固定資産回転率 年間営業収益 有形固定資産 支払債務回転期間 運送費 支払債務勘定 《注釈》 支払債務勘定 支払手形(車両手形を除く)+買掛金+未払金 3.生産性指標 (1)分析指標の概要 分析指標 表示 労働生産性 千円 労働装備率 千円 設備投資効率 回転 その意味 役員を含む全従業員が、どれだけの付加価値を生み 出したかを示し、数値が大きいほど良好です。 役員を含む全従業員の 1 人当り有形固定資産保有額 で、新鋭設備だと数値が多くなる傾向があります。 車両設備等の新しさ、運搬能力また業務処理能力の 高さを表しています。 従業員 1 人当りの人件費です。年齢が高い、勤務年 1 人当り人件費 千円 数が長い、保有能力・スキルが高い、などの条件が 重なると高くなる傾向があります。 保有する車両の運行可能な総日数に対する、実際の 実働率 % 稼働総日数の割合です。高すぎる場合は新たな車両 の購入を検討することも必要となります。 車両の総走行キロ数に対して、実際に荷物を積んで 実車率 % 走行した走行キロ数の割合です。無駄がない配車の ためのチェックポイントにもなります。 - 39 - 39 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― (2)計算式 分析指標 分子 分母 労働生産性 付加価値額 従業員数 労働装備率 有形固定資産-土地 従業員数 設備投資効率 付加価値額 有形固定資産-土地 1 人当り人件費 人件費 従業員数 実働率 延実働車両数(日車) 延実在車両数(日車) 実車率 実車キロ数 総走行キロ数 《注釈》 従業員数 役員も含む(但し非常勤は除く) 短時間勤務者は所定内労働時間(通常は 8 時間)で置換え 人件費 年間又は月間のいずれの計算でも可 4.総合性指標 (1)分析指標の概要 分析指標 借 入 債 務 償 還 年数 借 入 金 対 月 商 倍率 営業収益成長率 表示 その意味 企業(営業)活動で獲得した現金(営業CF)で、 年 長短借入金と社債を返済するのに何年要するかを診 る指標です。数値が短いほど良好です。 長短借入金と社債が平均月商の何倍あるかを見る指 倍 標 で す 。数 値 が 小 さ い ほ ど 良 好 で す 。6 ヶ 月 を 超 え る と長短借入金等の負担が重くなってきます。 % 時系列推移を見る指標です。過去の実績から来期以 降の営業収益高を予測することも可能です。 (2)計算式 分析指標 分子 分母 借入債務償還年数 長期借入金+短期借入金+社債 営業キャッシュフロー 借入金対月商倍率 長期借入金+短期借入金+社債 平均月商 営業収益成長率 当年度営業収益 基準年度営業収益 《注釈》 40 平均月商 年 間 営 業 収 益 ÷12 ヶ 月 基準年度営業収益 前年だけではなく、3 年前、5 年前と置換えが可能 - 40 - 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 第5章 損益分岐点分析を経営に活かす 1.損益計分岐点分析を再考する 損 益 分 岐 点 分 析 に つ い て は 、第 3 章 の[ 5 .総 合 性 指 標 ]の 項 に て 具 体 的 に 記 述 し て き ま し た 。損 益 分 岐 点 分 析 を 意 識 す る こ と で 経 営 改 善 を 図 ら れ る こ と から、本章でより具体例を上げながら説明をしていきたいと思います。 損 益 分 岐 点 分 析 を 行 な う 前 提 条 件 と し て 、費 用 を 固 定 費 と 変 動 費 と に 区 分 す る こ と が 必 要 で す 。本 報 告 書 で は 、固 定 費 と 変 動 費 を 次 の よ う に 分 類 し ま し た 。 な お 、固 定 費 の 代 表 的 な も の と し て は[ 人 件 費 ]で す 。ま た 代 表 的 な 変 動 費 は [燃料油脂費]です。 [ 図 表 23-1-1 固定費 固定費と変動費の内訳] 営業費用-(燃料油脂費+修繕費+道路使用料+フェリー利用料+ 傭車費等)-(営業外収益-営業外費用) 変動費 営業収益-固定費-経常損益 図 表 2 3 - 1 - 2 で は 、各 ク ラ ス 別 に 固 定 費 と 変 動 費 の 2 7 年 実 績 を リ ス ト ア ッ プ し 、 総 費 用 に 占 め る 固 定 費 と 変 動 費 の 比 率 を 確 認 し て い ま す 。[ 全 体 ] で は 固 定 費 比 率 は 55.0% 、 変 動 費 比 率 は 45.0% と な っ て い ま す 。 主 要 な 科 目 で あ る [ 人 件 費 ] は 4 1 . 5 % 、[ 燃 料 油 脂 費 ] は 1 2 . 1 % で す 。 や は り 、[ 人 件 費 ] は 高 率となっていることが確認できました。 損 益 分 岐 点 を 改 善 し よ う と す れ ば 、[ 5 . 総 合 性 指 標 ] の 項 で 言 及 し た 対 策 を 講 じ れ ば 良 い の で す 。し か し 闇 雲 に「 コ ス ト を 下 げ ろ ! 」で は な く 、タ ー ゲ ットとする費目を定めての費用統制や縮減を行なっていくべきでしょう。 そ の 意 味 で は 、会 員 企 業 に お い て は「 自 社 の 費 用 構 造 を よ り 詳 細 に 分 析 を し 、 必要な対策を立案し実行していく」ことが求められています。 [ 図 表 23-1-2 固定費と変動費の構成比] 固定費 実績 比率 内、人件費 実績 単位:千円 変動費 比率 実績 比率 内、燃料油脂費 実績 比率 総費用 実績 比率 全体 212,817 55.0% 160,545 41.5% 174,035 45.0% 46,621 12.1% 386,852 100.0% 5~20 61,083 59.7% 44,367 43.4% 41,160 40.3% 15,530 15.2% 102,243 100.0% 20~50 247,765 61.3% 185,810 46.0% 156,123 38.7% 57,889 14.3% 403,888 100.0% 50以上 473,061 49.0% 362,577 37.6% 492,031 51.0% 92,318 9.6% 965,092 100.0% - 41 - 41 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 2.燃料油脂費の統制・縮減による損益分岐点の変動 前 節 で は 固 定 費 の 代 表 的 な も の と し て[ 人 件 費 ]を 取 り 上 げ ま し た 。ま た 変 動費の代表的なものとして[燃料油脂費]を取り上げました。 [人件費]の統制・縮減手法については多種多様なアプローチがあります。 そ の 一 方 で 会 員 企 業 の 成 長 戦 略 や 営 業 方 針 と は 必 ず し も 一 致 し ま せ ん 。ま た 政 府 が 中 小 企 業 の 経 営 状 況 が 厳 し い 中 で も 、最 低 賃 金 の 引 上 げ を 半 ば 強 引 に 実 施 しています。 [ 人 件 費 ]の 統 制 ・ 縮 減 策 を 検 討 す る に あ た っ て 、こ の よ う な 諸 々 の環境条件が損益分岐点にどのような影響を与えるかを考察するには慎重に ならざるを得ません。 そ こ で 本 節 で は 、[ 燃 料 油 脂 費 ] の 統 制 ・ 縮 減 に の み 絞 っ て 、 費 用 の 増 減 が 損益分岐点にどのような影響を与えるのかを試算してみたいと思います。 (1)原油の国際価格の動向 代 表 的 な 国 際 価 格 指 標 で あ る W T I( ウ エ ス ト ・ テ キ サ ス ・ イ ン タ ー ミ デ ィ エ ー ト ) の 値 動 き を 図 表 23-2 に 掲 載 し ま し た 。 28 年 は 年 間 を 通 じ た 平 均 は 43.2US ド ル /バ レ ル で 27 年 の 48.8 US ド ル よ り も 低 く な っ て い ま す 。 し か し 、 月 毎 の 価 格 推 移 を み る と 1 月 に 31.7 US ド ル だ っ た の が 、 12 月 に は 52.0 US ド ル へ と 上 昇 し て き て い ま す 。 価 額 で 20.3 US ド ル 、 率 で 64.1% と急上昇しています。 28 年 か ら 29 年 に か け て 、 O P E C 諸 国 と 非 O P E C 諸 国 と の 間 で 、 産 油 量 削 減 の 合 意 が 成 立 し た と い う ニ ュ ー ス が 流 れ ま し た 。 29 年 以 降 は 原 油 価 格 の 上 昇 は 確 実 な も の と し て 、こ れ ま で 安 価 に 調 達 で き た 燃 料 油 脂 の 徹 底 的 な 統 制 と縮減が益々重要となってきたと言わざるを得ません。 [ 図 表 23-2 原油価格相場の時系列推移] 単 位 : US ドル/バレル ※ 参 考 : http://ecodb.net/pcp/imf_usd_poilwti.html (2)為替の動向 28 年 は 国 際 政 治 に お い て 大 き な 節 目 と な る 出 来 事 が あ り ま し た 。 28 年 6 月 42 - 42 - 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― の 英 国 の E C か ら の 離 脱 と 28 年 11 月 の 米 国 大 統 領 選 に よ る ト ラ ン プ 氏 の 当 選 で す 。両 者 と も 円 高 の 基 調 を 促 し た の で す が 、ト ラ ン プ 氏 は 米 国 経 済 界 の 成 功 者 と し て 名 を は せ て お り 、大 統 領 就 任 後 の 経 済 政 策 へ の 期 待 か ら 、世 界 的 に 株 価上昇と円安の進行という副産物を産出しました。 こ の よ う に 、経 済 情 勢 は 各 国 の 政 治 の 動 向 に よ っ て 大 き く 左 右 さ れ る の が 現 実 で す 。大 手 企 業 で も 、ま た 自 動 車 産 業 の よ う な 基 幹 産 業 で あ っ て も 、国 際 政 治 が 為 替 相 場 に ど の よ う な 影 響 を 与 え る の か を 断 定 す る こ と は で き ま せ ん 。大 分 県 の そ し て 運 送 業 界 に 位 置 す る 会 員 企 業 に お い て は 、推 し て 知 る べ し と い う べきでしょうか。 会 社 経 営 は こ の よ う な 不 確 定 で 、か つ 大 き く 変 動 す る か も 知 れ な い と い う 為 替動向においても、堅実経営を貫かねばなりません。 よ っ て 、「 会 社 に と っ て 不 利 益 な 事 実 が 発 生 す る 」 と い う 仮 説 の 元 で 、 事 業 計 画 を 立 案 し 実 行 し て い く べ き で し ょ う 。こ れ を 為 替 相 場 と い う 場 面 に 照 ら し 合 わ せ る と 、「 為 替 は 円 高 に 向 か う と 予 想 さ れ る も の の 、 1 1 0 円 程 度 の 円 安 が 基 調 と な る 」と す べ き で は な い で し ょ う か 。円 安 は 燃 料 油 脂 費 の 上 昇 圧 力 と な ります。 今後も燃料費を決定づける原油の国際価格や為替の動向にも分析の目をや らなければなりません。 [ 図 表 23-3 対ドル円相場の時系列推移] ※ 参 考 : http://ecodb.net/exchange/usd_jpy.html 3.燃料費の上昇が経営に与える影響の試算 前節で原油の国際価格や為替の動向が燃料油脂費の支出額に影響を与える と い う こ と に 言 及 を し ま し た 。 本 節 で は 、 燃 料 油 脂 費 が 27 年 実 績 よ り も 10% 上 昇 ( 試 算 A ) 又 は 10% 下 落 ( 試 算 B ) し た と い う 条 件 で 、 損 益 分 岐 点 が ど のように変化するのかを考察してみました。 な お 、 元 と な る 指 標 は 図 表 19 の 数 値 と 同 じ と な っ て い ま す 。 試 算 結 果 は 図 表 24 の と お り で す 。 試 算 A の 損 益 分 岐 点 営 業 収 益 は 394,591 - 43 - 43 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 千 円 と な り ま し た 。こ の 時 の 安 全 余 裕 率 は 1 . 7 % で 、2 7 年 実 績 に 比 較 し て 4 . 7 % のダウンです。費用増が損益分岐点営業収益を押し下げたのです。 一 方 の 試 算 B の 損 益 分 岐 点 営 業 収 益 は 374,875 千 円 、 安 全 余 裕 率 は 7.9% で 27 年 実 績 比 1.5% の ア ッ プ と な り ま し た 。 試 算 の 前 提 と な る 油 脂 燃 料 費 は 、2 7 年 実 績 値 か ら「 1 0 % 増 え る 」か 又 は「 1 0 % 減 る か 」の 違 い は あ り ま す が 、 [ 全 体 ]の 燃 料 油 脂 費 の 増 減 額 の 絶 対 値 は 4 , 6 6 2 千円となります。 に も 係 ら ず 、 増 加 の 時 は 4.7% の マ イ ナ ス 効 果 を 、 減 少 の 時 は 1.5% の プ ラ ス 効 果 が あ る こ と が 分 か り ま し た 。プ ラ ス 効 果 の 3 . 1 倍 の 負 の 効 果( マ イ ナ ス 効果)を生じさせていました。 参 考 ま で に 、 マ イ ナ ス 効 果 が プ ラ ス 効 果 の 何 倍 あ る か を 計 算 す る と 、[ 5 台 以 上 2 0 台 未 満 ] は 3 . 2 倍 、[ 2 0 台 以 上 5 0 台 未 満 ] は 3 . 3 倍 、[ 5 0 台 以 上 ] は 2.8 倍 で し た 。 変 動 費 は 図 表 20 と 図 表 20-2 に あ る 損 益 分 岐 点 営 業 収 益 図 に あ る 総 費 用 曲 線 の 傾 き に 影 響 を 与 え ま す 。燃 料 油 脂 費 の 増 加 は 総 費 用 曲 線 の 傾 き を 左 上 方 へ と 変更させることがあり、 「 急 速 に 収 益 構 造 を 悪 化 さ せ る 」こ と が 分 か り ま し た 。 人 件 費 な ど の 固 定 費 の 縮 減 努 力 も 大 事 で す が 、燃 料 油 脂 費 な ど の 変 動 費 の 統 制 ・ 縮 減 効 果 も 大 き い の で す 。会 員 企 業 に お い て は 、是 非 と も 自 社 の 費 用 構 造 を 確 認 し 、「 ど の 費 用 を 統 制 ・ 縮 減 す る こ と が 収 益 改 善 の 効 果 が 大 き い の か 」 を考えて戴きたいものです。 [ 図 表 24 燃料油脂費の増減の影響] 車輌保有 台 数 44 損益分岐点分析 損益分岐点 安全余裕率 試算根拠 差異 営業収益 固定費 変動費 うち燃料油脂費 経常損益 375,762 6.4% 401,337 212,817 174,035 46,621 14,485 98,224 9.8% 108,851 61,083 41,160 15,530 6,609 20~50 396,963 4.4% 415,388 247,765 156,123 57,889 11,500 50以上 929,484 7.2% 1,001,999 473,061 492,031 92,318 36,907 全体 全体 現状 単位:千円 5~20 394,591 1.7% -4.7% 401,337 218,898 178,697 51,283 3,742 試 燃料油脂費が 5~20 算 10%上昇 20~50 A 103,403 5.0% -4.8% 108,851 62,828 42,713 17,083 3,310 417,630 -0.5% -5.0% 415,388 254,844 161,912 63,678 -1,368 50以上 973,666 2.8% -4.4% 1,001,999 486,577 501,263 101,550 14,159 全体 374,875 7.9% 1.5% 407,071 218,898 169,373 41,959 18,800 試 燃料油脂費が 5~20 算 10%下落 20~50 B 97,975 11.3% 1.5% 110,406 62,828 39,607 13,977 7,971 396,222 6.0% 1.5% 421,322 254,844 150,334 52,100 16,144 50以上 926,901 8.8% 1.6% 1,016,313 486,577 482,800 83,087 46,937 - 44 - 参考資料 その他 自動車道 鉄軌道業 貨物利用 一般(特別無) -45- 1 30 10 0 0 1 1,162 1,187 978 6 0 2 1 3 7 8 2 20 合計 33.1 33.1 27.7 25年 0.1 13,390 15,214 2.0 523,954 0.1 0.0 1.0 0.0 交通事故 事 故 重大事故 件 死者数 数 負傷者数 507,640 1.1 26.0 営業収入 15,236 25,561 593,441 14,970 14,504 0.1 0.0 0.0 0.7 12,090 140,500 0.0 0.0 0.0 0.0 382,234 1,631,872 33,823 99,326 1,330 993 8,233 0.1 0.1 0.0 0.3 105,938 1,016 9,367 0.0 0.0 0.0 0.1 112,399 1,683 327,282 47,496 8,355 11,959 25年 8,638 12,586 26年 8,413 12,598 27年 33.8 37.6 32.2 27年 142,496 199,493 合計 78.4 72.7 60.9 25年 81.6 77.4 63.6 26年 1社平均 83.4 79.3 63.9 27年 20,213 28,324 25年 20,883 29,379 26年 1社平均 50以上 28,499 27年 単位:台、km、千円、件 0 6 2 0 0 0 584 555 447 0 0 2 1 3 4 1 1 5 合計 292,557 806 9,367 0.0 0.0 0.0 0.0 245,980 162,300 1.0 0.0 0.0 11.0 108,791 5,083,274 1,704 3,485 11,225 0.2 0.1 0.0 2.2 360,687 29,050 19,394 11,562 0.2 0.1 0.0 1.5 386,837 58,823 865,675 18,922 12,485 0.1 0.0 0.0 0.8 265,884 204,840 1.0 1.0 0.0 15.0 391,021 6,663,054 22,504 59,473 26,305 0.3 0.0 0.0 1.1 899,990 90,454 37,983 29,263 0.0 0.0 0.0 1.4 993,946 109,463 37,983 29,263 0.1 0.1 0.0 2.1 951,865 123,668 322,492 21,150,292 1,532,326 1,542,871 1,626,946 17,199,426 3,230,159 2,490,277 2,457,061 39,563 1,348,374 93,741 130,049 103,721 1,534,609 134,098 241,770 219,230 109,372 163,772 合計 32.2 37.5 32.2 26年 1社平均 20~50 31.5 34.3 29.3 25年 20,357 452,772 28,546,215 2,109,985 2,061,148 2,195,863 22,530,347 4,149,548 3,339,242 3,218,621 2,097 3,228 27年 1 12 3 0 0 1 439 489 418 1 0 0 0 0 2 2 1 9 合計 50以上 ― Management Analysis Survey Report ― 14,161 0.1 0.0 0.0 0.9 44,462 390,643 31,205 374,778 1,183,793 13,378,200 利用運送 117,014 476,311 1,960 3,413 26年 9.3 9.5 7.5 27年 1社平均 20~50 単 位 : 件 、台 、人 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― 規 経 資本金 模 営 株式総額(株) 2,236 3,417 338,693 36,529 78,446 31,455 48,413 25年 1社平均 5~20 9.5 9.7 8.2 26年 1社平均 5~20 9.4 9.5 7.5 25年 43,187,097 1,408,845 1,211,385 1,233,917 4,837,379 8,095 11,762 合計 0 12 5 0 0 0 139 143 113 5 0 0 0 0 1 5 0 6 合計 481,702 8,225 12,013 26年 1社平均 33.2 33.9 27.9 27年 57,868,148 1,878,335 1,637,551 1,653,376 6,791,586 3,476,424 8,443 283,323 実働車両数 輸 走行キロ 送 実車キロ 実 績 実輸送 12,039 25年 411,678 合計 実在車両数 保有台数 全体 27年 32.3 33.6 28.2 26年 1社平均 全体 (2)輸送実績、事故件数、経営規模 その他 引越 コンテナ 事 生コン 業 危険物 内 容 冷凍 原木 長大物 ダンプ 事 自動車数 業 従業員数 概 況 運転者数 事 業 種 類 一般(特別有) 保有台数 1.回答企業の概要 (1)事業種類、事業概要、事業内容 経営分析調査報告書 45 46 -46- 544 18,982,404 資産の部合計 10,481,007 繰延資産 91,665 6,921 106,016 251 3,308 3,376 674 187 35 1,651 1,573 1,110 0 11,897 -2,523 226,140 18,771 48,826 5,331 18,811 3,344 8,640 117,764 0 221,487 0 203 658 878 24,454 22,016 1,537 1,947 2,239 0 19,668 0 0 71,863 294,227 17 520,384 95,788 7,973 111,244 259 4,220 3,080 739 194 0 1,502 1,306 1,067 0 14,889 -2,498 239,762 18,619 49,545 5,011 14,567 3,361 8,014 110,599 4,677 214,393 0 315 592 907 26,013 23,623 712 1,566 2,044 0 19,473 0 0 73,430 288,730 2 528,494 2 6年 1社平均 合計 114,375 442,651 5,701 27,545 108,116 157,873 259 80 2,398 0 3,112 1,395 957 2,887 104 189 26 0 2,225 438 1,096 24,257 1,144 851 0 0 5,978 72,862 -2,610 -444 242,882 730,584 16,888 132,203 56,437 48,521 5,634 3,681 14,300 52,228 3,515 1,271 21,662 44,804 107,346 46,983 795 0 226,578 329,693 0 0 252 2,244 761 7,643 1,014 9,887 28,645 4,113 16,212 0 1,085 2,831 1,861 0 2,097 6,538 0 0 21,967 12,438 0 0 0 0 71,866 25,920 299,457 365,502 16 481 542,354 1,096,568 27 年 17,845 869 13,891 5 0 177 134 60 0 328 2,310 70 0 1,433 -23 37,100 9,997 2,147 246 2,190 86 1,912 3,012 0 19,590 0 0 453 453 253 0 185 0 381 0 740 0 0 1,559 21,602 0 58,702 2 5年 23,873 2,945 12,292 5 0 134 181 7 0 117 2,083 144 0 5,325 -34 47,072 9,986 3,343 292 2,146 68 2,315 3,132 0 21,283 0 0 480 480 258 0 187 0 418 0 778 0 0 1,640 23,403 0 70,474 26 年 1社平均 29,510 1,836 10,525 5 0 93 192 13 0 29 1,617 57 0 4,857 -30 48,706 8,814 3,235 245 3,482 85 2,987 3,132 0 21,980 0 150 510 659 274 0 189 0 436 0 829 0 0 1,728 24,367 32 73,105 27 年 1,298,232 102,044 848,219 8,975 4,116 8,713 17,046 1,160 911 5,708 1,185 2,428 0 72,833 -2,123 2,369,447 245,720 270,702 71,476 9,878 4,966 21,129 1,054,742 0 1,678,616 0 954 9,902 10,856 137,087 59,000 23,921 0 30,073 0 74,820 0 0 324,902 2,014,375 63 4,383,885 合計 87,257 9,001 61,248 725 394 809 957 59 0 349 760 429 0 1,586 -107 163,467 26,558 15,306 6,825 1,089 583 5,226 75,258 0 130,844 0 0 580 627 8,576 4,917 1,442 1,330 1,869 0 5,188 0 0 23,324 154,796 39 318,301 25 年 91,812 8,697 59,993 690 282 603 1,119 63 0 73 557 204 0 5,870 -86 169,877 23,192 21,956 6,125 881 358 2,951 80,946 0 136,408 0 38 422 461 10,442 4,538 839 0 1,936 0 5,640 0 0 23,396 160,264 6 330,148 26 年 1社平均 20~50 99,864 7,850 65,248 690 317 670 1,311 89 70 439 91 187 0 5,603 -163 182,265 18,902 20,823 5,498 760 382 1,625 81,134 0 129,124 0 73 762 835 10,545 4,538 1,840 0 2,313 0 5,755 0 0 24,992 154,952 5 337,222 2 7年 25 年 2 6年 1社平均 2 7年 単位:千円 2,262,256 236,689 257,275 323,179 69,931 15,147 17,400 9,990 2,777,952 345,904 418,465 396,850 0 0 0 0 79,831 13,880 20,579 11,404 98,814 13,225 13,994 14,116 13,578 1,260 1,229 1,940 2,305 617 841 329 0 151 0 0 71,737 6,086 7,124 10,248 12,921 1,413 1,031 1,846 36,754 4,080 4,646 5,251 0 0 0 0 63,529 46,983 52,132 9,076 -88,786 -10,835 -12,260 -12,684 5,400,822 674,601 782,454 771,546 213,168 23,542 28,627 30,453 1,656,076 186,629 199,785 236,582 122,038 12,623 13,052 17,434 438,381 76,558 66,601 62,626 116,774 13,594 15,993 16,682 692,247 26,379 29,626 98,892 2,655,399 396,682 395,957 379,343 27,827 0 23,387 3,975 5,921,911 736,007 773,030 845,987 0 0 0 0 5,638 889 1,504 805 9,106 1,160 1,149 1,301 14,744 2,050 2,654 2,106 861,364 93,649 110,118 123,052 508,410 88,945 109,686 72,630 11,210 4,213 1,601 1,601 65,133 6,524 7,829 9,305 36,783 6,280 5,727 5,255 0 0 0 0 681,575 76,879 85,223 97,368 0 0 0 0 0 0 0 0 2,164,474 276,490 320,185 309,211 8,101,130 1,014,547 1,095,868 1,157,304 0 14 0 0 13,501,951 1,689,162 1,878,322 1,928,850 合計 50以上 ― Management Analysis Survey Report ― 固定資産合計 4,003,139 199,520 3,784,044 9,055 83,947 108,922 33,511 3,654 911 77,883 38,363 40,033 0 209,224 -91,353 8,500,853 591,091 1,975,299 197,195 500,487 123,011 758,180 3,757,124 27,827 7,930,220 0 8,836 26,651 35,487 1,002,564 567,410 37,962 65,133 73,394 0 768,833 0 0 2,515,296 2 5年 5 ~ 20 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― 投資その他の資産 貸倒引当金 繰延税金資産 その他 破産厚生債権 長期前払費用 長期貸付金 出資金 関係会社株式 投資有価証券 無形固定資産計 その他 ソフトウエア のれん 有形固定資産計 建設仮勘定 土地 その他 工具器具 機械装置 構築物 建物 車両運搬具 流動資産計 貸倒引当金 その他資産 繰延税金資産 立替金 短期貸付金 未収収益 未収還付消費税 前払金 前払費用 貯蔵品 商品 有価証券 未収運賃 受取手形 現金預金 合計 全体 2-1.貸借対照表(資産の部) 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― 47 48 事業 事業 事業 利用運送業 その他 特別積合 -48-45- 437,542 1,955 591,262 当期純利益 調整額 1,030,761 法人税等 -59,798 1,090,559 41,167 272,968 37,451 45,034 15,549 585,421 997,590 92,969 合計 税引前純利益 特別損益 その他特別損益 補助金に係る損益 前期損益修正損益 固定資産売却 経常損益 営業外損益 その他損益 流動資産等売却益 金融損益 営業損益 そ の 他 事 業 一 般 貨 物 (1)損益計算書 3.損益計算書 -563 -3,911 1,451 9,712 0 0 6,688 4,423 11,110 419 11,529 8,923 -139 2,745 25年 748 -500 1,591 19,329 580 0 21,749 4,076 25,824 -9,395 16,429 9,629 0 6,800 26年 1社平均 全体 1,176 7,799 1,070 1,287 444 16,726 28,503 2,656 31,159 -1,709 29,450 12,501 56 16,893 27年 0 89,591 0 0 0 0 89,591 9,537 99,128 -2,364 96,764 23,320 1,955 71,488 合計 -442 2,989 -11 -219 0 0 2,317 1,060 3,377 6 3,383 1,099 12 2,271 25年 -1,079 2,829 0 0 0 0 1,750 967 2,717 319 3,037 880 0 2,156 26年 1社平均 5~20 0 5,973 0 0 0 0 5,973 636 6,609 -158 6,451 1,555 130 4,766 27年 25年 0 -2,894 61,556 -10,627 24,616 0 20,414 734 15,549 0 8,434 0 130,569 -12,786 21,161 7,077 151,730 -5,709 -28,315 1,618 123,415 -4,091 43,927 775 0 0 79,487 -4,866 合計 643 -4,172 1,381 2,165 1,561 0 1,578 2,250 3,828 728 4,556 1,233 0 3,323 26年 1社平均 20~50 0 4,735 1,894 1,570 1,196 649 10,044 1,628 11,672 -2,178 9,493 3,379 0 6,114 27年 41,167 121,821 12,835 24,620 0 576,987 777,430 62,271 839,701 -29,119 810,582 370,295 0 440,287 合計 26年 27年 2,705 4,860 5,881 -6,777 -816 17,403 6,367 5,392 1,834 41,798 92,626 3,517 0 0 0 0 0 82,427 44,093 102,062 111,061 6,746 14,127 8,896 50,839 116,189 119,957 -604 -49,010 -4,160 50,235 67,179 115,797 35,814 43,969 52,899 -630 0 0 15,050 23,211 62,898 25年 単位:千円 1社平均 50以上 経営分析調査報告書 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― ― Management Analysis Survey Report ― -49- 436,865 5,956 153,051 159,006 44,891 44,007 88,898 70,108 506,973 381,197 19,428 400,624 713 401,337 135,426 95,158 478 45,577 566 46,621 19,283 963 20,246 17,659 1,474 19,133 5,356 2,575 4,353 1,259 568 9,113 5,079 92,977 72,221 342,705 25,119 21,031 46,151 388,856 12,482 170 4,373 4,543 1,283 1,257 2,540 2,003 14,485 1,631,872 896 1,632,768 0 1,632,768 570,718 393,366 843 222,636 9,477 232,956 99,069 2,054 101,123 111,225 2,408 113,633 27,089 2,676 5,800 6,349 1,703 23,608 12,440 247,275 200,934 1,345,371 94,790 103,007 197,807 1,543,178 89,591 234 15,461 15,695 4,728 1,430 6,158 9,537 99,128 合計 105,924 0 105,924 0 105,924 38,098 27,635 79 21,814 918 22,812 6,481 580 7,061 5,771 445 6,216 1,768 218 215 692 142 1,446 927 11,869 7,195 91,464 6,999 5,144 12,106 103,570 2,355 13 1,244 1,568 404 23 521 1,047 3,401 25年 112,399 0 112,399 0 112,399 39,075 20,102 79 20,197 692 20,968 6,466 317 6,783 7,795 227 8,023 1,857 199 225 550 75 1,303 866 16,607 14,361 96,532 6,917 7,200 14,117 110,649 1,750 13 1,360 1,373 361 44 405 967 2,717 26年 1社平均 108,791 60 108,851 0 108,851 38,048 26,224 56 14,842 632 15,530 6,605 137 6,742 7,415 161 7,576 1,806 178 387 423 114 1,574 829 16,485 13,396 89,691 6,319 6,867 13,187 102,879 5,973 16 1,031 1,046 315 95 411 636 6,609 27年 5,213,790 161,305 5,375,095 24,952 5,400,047 2,098,151 1,293,763 14,459 731,466 6,632 752,557 334,747 1,900 336,647 275,505 7,595 283,100 72,114 18,864 109,261 7,664 7,124 140,785 111,336 688,292 257,371 4,625,895 317,375 326,769 644,144 5,270,039 130,023 510 72,170 72,680 18,337 34,868 53,205 19,475 149,498 合計 381,806 5,518 387,324 1,540 388,864 151,377 102,873 6,720 62,851 593 73,806 20,453 289 20,360 22,966 1,037 28,900 4,272 1,237 6,027 605 603 6,941 9,908 47,872 20,139 351,906 26,636 23,719 50,355 402,261 -13,398 49 9,629 9,678 1,393 300 1,694 7,984 -5,413 25年 402,403 12,064 414,467 1,948 416,416 160,692 101,278 7,998 62,820 590 71,408 23,944 453 24,397 18,909 1,501 20,409 5,350 1,312 8,619 868 820 9,161 9,194 54,264 20,015 366,494 25,316 23,068 48,383 414,877 1,538 108 4,089 4,671 1,307 1,115 2,422 2,250 3,788 26年 1社平均 401,061 12,408 413,469 1,919 415,388 161,396 99,520 1,112 56,267 510 57,889 25,750 146 25,896 21,193 584 21,777 5,547 1,451 8,405 590 548 10,830 8,564 52,946 19,798 355,838 24,413 25,136 49,550 405,388 10,002 39 5,552 5,591 1,411 2,682 4,093 1,498 11,500 27年 6,496,223 517,770 7,013,993 0 7,013,993 2,071,028 1,643,384 1,429 641,105 3,696 646,229 241,080 29,759 270,839 231,349 41,576 272,925 88,243 68,598 37,305 30,054 11,037 154,549 53,986 2,318,618 2,069,429 6,023,410 467,014 306,318 773,332 6,796,743 217,251 5,212 65,420 70,631 21,826 7,709 29,535 41,096 258,347 合計 49 (注2)傭車費、下請費等他の事業者に支払った費用を、内数として括弧書きで明記。 (注1)運送費中の「人件費」には、運転者、修理工、運行管理者等の専ら事業用自動車の運行に従事する者の人件費を、内数として括弧書きで明記。 388,409 19,240 407,649 724 408,373 135,787 92,520 3,146 55,943 675 59,764 18,511 585 19,096 16,364 1,056 17,421 5,497 2,269 4,358 1,385 718 8,205 5,508 96,837 78,959 356,844 25,568 21,754 47,323 404,167 4,206 171 5,266 5,613 1,257 666 1,923 3,690 7,895 379,363 14,524 393,887 528 394,415 131,277 78,476 2,432 57,605 802 62,088 17,369 998 18,236 14,591 871 17,141 5,073 2,299 3,265 1,253 625 7,324 4,642 92,761 75,502 362,286 25,769 22,357 48,110 410,396 -15,981 149 6,348 6,630 1,561 349 1,951 4,680 -11,301 27年 20~50 26年 1社平均 2 7年 単位:千円 888,394 953,868 928,032 55,265 73,796 73,967 943,660 1,027,665 1,001,999 0 0 0 943,660 1,027,665 1,001,999 275,836 296,776 295,861 137,207 231,439 234,769 412 705 204 116,845 119,767 91,586 899 799 528 118,157 121,271 92,318 33,156 34,230 34,440 2,847 1,407 4,251 36,003 35,637 38,691 18,567 30,001 33,050 1,422 2,007 5,939 19,989 32,009 38,989 12,469 13,572 12,606 7,793 8,482 9,800 4,839 5,301 5,329 3,277 4,135 4,293 1,564 1,907 1,577 18,919 21,218 22,078 3,709 8,607 7,712 311,768 347,821 331,231 286,621 326,852 295,633 885,646 896,736 860,487 59,660 66,006 66,716 52,591 50,502 43,760 112,250 116,508 110,476 997,896 1,013,244 970,963 -54,237 14,421 31,036 557 626 745 10,995 15,823 9,346 11,552 16,449 10,090 3,983 3,085 3,118 1,033 1,165 1,101 5,017 4,251 4,219 6,535 12,198 5,871 -47,701 26,619 36,907 25年 50以上 ― Management Analysis Survey Report ― 経常損益 26年 1社平均 25 年 5~20 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― 営業外損益 営業外費用 その他 金融費用 営業外収益 その他 金融収益 13,609,960 営業損益 879,179 736,094 1,615,283 11,994,676 4,739,897 3,330,513 16,731 1,595,207 19,805 1,631,742 674,896 33,713 708,609 618,079 51,579 669,658 187,446 90,138 152,366 44,067 19,864 318,942 177,762 3,254,185 2,527,734 14,046,808 24,952 14,021,856 679,971 13,341,885 営業費用 一般管理費 その他 人件費 運送費 (注2) その他 フェリー利用料 道路使用料 事故賠償費 施設賦課税 自動車リース料 施設使用料 保険料 減価償却費 その他 事業用自動車 修繕費 その他 事業用自動車 燃料油脂費 その他 軽油費 ガソリン費 (注1) 人件費 営業収益 運送雑収 運 貨物運賃 送 その他 収 入 計 合計 全体 (2)一般貨物自動車運送事業損益明細表 経営分析調査報告書 50 -50- 合計 その他人件費 臨時雇賃金 厚生福利費 法定福利費 退職金 小計 賞与 給料手当 役員報酬 96,697 7,359 104,056 1,006 17,056 2,271 574 144 125,107 4,110 693 4,803 257 785 81 244 0 6,170 100,808 8,052 108,860 1,263 17,841 2,352 817 144 131,276 12,466 9,280 1,120 22,866 166 2,098 662 0 0 25,793 12,466 2,089 98,510 35,028 1,429 19,939 3,014 817 144 157,069 98,968 8,264 107,231 2,186 16,974 2,647 615 82 129,736 4,302 708 5,010 167 729 98 47 0 6,051 103,270 8,971 112,241 2,354 17,704 2,745 661 82 135,787 12,114 8,547 1,330 21,990 385 2,229 964 0 0 25,568 12,114 20,745 101,005 35,263 2,739 19,933 3,709 661 82 161,356 2 6年 1社平均 99,497 9,091 108,589 350 18,130 2,512 693 292 130,566 4,052 851 4,903 34 736 100 219 29 6,021 103,550 9,942 113,492 383 18,867 2,612 912 321 136,587 12,037 9,006 1,210 22,253 134 2,084 853 0 0 25,324 12,037 27,543 101,559 36,247 517 20,951 3,466 912 321 161,912 27年 396,871 33,735 5,300 0 70,179 15,397 1,617 7,906 525,705 32,280 9,167 41,447 0 6,289 2,078 0 1,002 50,816 429,151 42,902 472,053 0 76,468 17,475 1,617 8,908 576,521 72,148 14,899 2,653 89,700 0 6,272 1,324 0 0 97,296 72,148 146,307 408,691 164,882 0 82,740 18,799 1,617 8,908 673,817 合計 26,685 2,080 0 664 4,422 807 62 3 34,723 2,293 556 2,849 0 431 96 0 0 3,375 28,978 2,636 31,614 664 4,853 902 62 3 38,098 4,847 1,360 115 6,322 0 562 115 0 0 6,999 4,847 7,054 27,357 11,251 664 5,415 1,017 62 3 45,097 25年 5~ 2 0 27,478 2,185 175 367 4,639 1,003 11 55 35,739 2,243 528 2,772 0 422 143 0 0 3,336 29,722 2,714 32,436 367 5,060 1,146 11 55 39,075 4,741 1,363 181 6,285 0 531 102 0 0 6,917 4,741 6,323 28,188 11,242 367 5,591 1,248 11 55 45,992 26年 1社平均 26,458 2,249 353 0 4,679 1,026 108 527 35,047 2,152 611 2,763 0 419 139 0 67 3,388 28,610 2,860 31,470 0 5,098 1,165 108 594 38,435 4,810 993 177 5,980 0 418 88 0 0 6,486 4,810 9,754 27,246 10,992 0 5,516 1,253 108 594 44,921 2 7年 1,584,578 140,626 1,725,204 2,316 279,757 37,986 15,374 0 2,060,637 48,220 9,322 57,542 0 6,514 638 7,673 0 72,367 1,632,798 149,948 1,782,746 2,316 286,271 38,624 23,047 0 2,133,004 164,533 94,699 13,115 272,347 2,900 31,429 15,366 0 0 322,042 164,533 292,417 1,607,015 470,515 5,216 317,700 53,990 23,047 0 2,455,046 合計 112,164 9,673 121,837 193 19,806 2,797 883 66 145,582 3,857 507 4,365 84 677 44 626 0 5,795 116,022 10,180 126,201 277 20,483 2,840 1,509 66 151,377 15,030 7,314 1,011 23,355 321 2,133 827 0 0 26,636 15,030 5,759 113,683 37,392 598 22,616 3,667 1,509 66 178,013 25年 121,657 9,850 131,507 1,252 19,570 3,147 1,105 0 156,581 2,943 464 3,408 73 469 35 126 0 4,111 124,601 10,315 134,915 1,325 20,039 3,183 1,230 0 160,692 12,747 6,975 1,245 20,967 602 2,346 1,400 0 0 25,316 12,747 13,707 123,367 34,225 1,927 22,385 4,582 1,230 0 186,007 26年 1社平均 2 0~ 5 0 121,891 10,817 132,708 178 21,520 2,922 1,183 0 158,511 3,709 717 4,426 0 501 49 590 0 5,567 125,600 11,534 137,134 178 22,021 2,971 1,773 0 164,077 12,656 7,285 1,009 20,950 223 2,418 1,182 0 0 24,772 12,656 22,494 123,617 36,193 401 24,438 4,153 1,773 0 188,850 2 7年 1,500,960 143,831 1,644,791 9,922 284,631 34,553 7,253 2,323 1,983,474 61,334 11,296 72,630 1,181 12,963 780 0 0 87,554 1,562,294 155,127 1,717,421 11,103 297,594 35,333 7,253 2,323 2,071,028 184,598 205,615 26,588 416,801 1,782 35,251 13,180 0 0 467,014 184,598 525,296 1,538,844 633,262 12,885 332,845 48,513 7,253 2,323 2,538,041 合計 204,769 13,787 218,556 2,867 36,619 4,228 1,068 526 263,864 7,898 1,227 9,125 998 1,613 109 126 0 11,971 212,667 15,014 227,681 3,865 38,232 4,337 1,194 526 275,835 22,905 27,081 3,166 53,152 246 4,925 1,442 0 0 59,765 22,905 -12,723 209,163 76,064 4,111 43,157 5,779 1,194 526 335,600 25年 210,021 18,341 228,362 7,822 38,588 5,241 998 292 281,304 11,238 1,543 12,781 701 1,872 118 0 0 15,472 221,259 19,885 241,143 8,523 40,460 5,358 998 292 296,776 26,737 26,861 3,947 57,544 807 5,652 2,002 0 0 66,006 26,737 64,718 215,511 88,667 9,330 46,112 7,361 998 292 362,782 26年 1社平均 50以 上 27年 214,423 20,547 234,970 1,417 40,662 4,936 1,036 332 283,353 8,762 1,614 10,376 169 1,852 111 0 0 12,508 223,185 22,161 245,346 1,586 42,513 5,048 1,036 332 295,861 26,371 29,374 3,798 59,543 255 5,036 1,883 0 0 66,716 26,371 75,042 219,835 90,466 1,841 47,549 6,930 1,036 332 362,577 ― Management Analysis Survey Report ― 合計 3,482,409 318,192 3,800,601 12,238 634,567 87,936 24,244 10,229 4,569,815 141,834 29,785 171,619 1,181 25,766 3,496 7,673 1,002 210,737 3,624,243 347,977 3,972,220 13,419 660,333 91,432 31,917 11,231 4,780,553 421,279 315,213 42,356 778,848 4,682 72,952 29,870 0 0 886,352 421,279 964,020 3,554,550 1,268,659 18,101 733,285 121,302 31,917 11,231 5,666,904 25年 全体 単 位:千 円 経営分析調査報告書 ― Management Analysis Survey Report ― その他人件費 臨時雇賃金 厚生福利費 法定福利費 退職金 小計 賞与 合計 合 役員報酬 計 給料手当 一 般 管 理 費 その他人件費 臨時雇賃金 厚生福利費 法定福利費 退職金 小計 賞与 合計 計 給料手当 その他人件費 臨時雇賃金 厚生福利費 法定福利費 退職金 合計 そ 給料手当 の 賞与 他 小計 その他人件費 臨時雇賃金 厚生福利費 法定福利費 退職金 運 運 給料手当 送 転 賞与 費 者 小計 合計 (3)一般貨物自動車運送事業人件費明細表 経営分析調査報告書
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