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理学研究科
数学専攻
F I E L D O F S T U DY
◆
専 攻 の ポイント
創意ある活発な研究と
レベルの高い教育
Mathematics
PICK UP
欧文専門雑誌の発行
PICK UP
数 理 物 理 学 研 究センター
優秀なスタッフを集め、創意ある活発な研究と、純粋
純粋数学から応用数学にわたる
現代数学を深く学ぶ
育を行っています。
数学の奥深さを味わう
新しい理論の修得を考慮に入れて、未知の課題に取り
組むことで、数学の奥深さ、すばらしさを味わえるよ
う配慮しています。
現代数学の発展は著しく、
整数論や代数幾何のような純粋数学が、
数学専攻で 60 年以上発行し続けている欧
近年の理論物理学、特に弦理論の発展によ
文数学専門雑誌(Commentarii Mathematici
り、現代数学の諸分野との著しい交流が生ま
Universitatis Sancti Pauli)は、そのレベルの
れています。この状況をふまえ、立教大学大
高さが国際的に認められ、世界の多くの著名
学院では、数学専攻は物理学専攻との共同で
数学専門雑誌と等価で交換が行われていま
「数理物理学研究センター」を発足し、月 2 回
す。日本の私立大学の中で、単独で、単なる
の定例セミナーをはじめとする活発な活動を
紀要ではない数学の専門雑誌を編集・発行し
行っています。また数理物理学研究センター
ているところは本専攻以外にはありません。
主催による国際研究集会が毎年開催されてお
り、2016 年 1 月には約 60 名の第一線の研究
現代数学の先端の見識を深める
者が参加し、活発な議論が行われました。
本専攻では、学部までに学んだ基礎知識をもとにして、
現代数学をさらに深く学ぶことができます。
数 学 専 攻 の 神 保 道 夫 教 授 は、2013 年
Dannie Heineman 賞( 数 理 物 理 学 部 門 )を
受賞されました(京都大学大学院理学研究
科の三輪哲二教授との共同受賞)
。Dannie
Heineman 賞(数理物理学部門)は、アメリカ
物理学会とアメリカ物理学協会との共同によ
り運営されており、数理物理学における顕著
な業績に対して毎年授与されます。日本人に
授与されたのは、1970 年の南部陽一郎博士
以来、二度目のことです。
担当教員の個人的指導を通して、研究論文を完成させ
真に役立つ時代に突入しています。
Heineman 賞受賞
数学専攻
暗号理論や符号理論のような応用数学に
神保教授の Dannie
理学研究科
数学から応用数学にわたるレベルの高いきめ細かい教
PICK UP
ることを中心に、学内・学外の教員による講義で、現
代数学の先端についての見識を深めます。
数 学 専 攻 専 任 教 員 / 研 究テーマ
青木昇 教授
筧三郎 教授
杉山健一 教授
西納武男 准教授
代数体や有限体上定義された楕円曲線あるいはその
一般化であるアーベル多様体上の有理点を探す問題
に興味をもっている。楕円曲線のセルマー群や L 関
数、あるいはそれに関連する代数的整数論の問題を
研究している。
主要研究テーマである「可積分系」とは、物理をは
じめとする諸分野に現れる「良い」モデルの背後に
ある数学的構造を研究するものである。また、非線
型現象全般にも興味をもっていて、2 つのテーマの
接点であるソリトン方程式を中心に研究を進めてい
る。
整数論に限らず、数学の様々な分野に現れるゼータ
関数の性質を調べることをテーマとする。主に、①
3次元球面内の双曲結び目の Alexander 多項式と
その補空間に対して定義される Ruelle のゼータ関
数との関係、②有限グラフに対して定義される伊原
ゼータ関数と有限体上定義された代数曲線に伴う
Hasse-Weil の合同ゼータ関数に共通する性質、につ
いて研究している。
数理物理に由来する幾何学的な問題を、シンプレク
ティック幾何や代数幾何からのアプローチで研究し
ている。最近はそれらの研究から得られた考え方を
用いて、古典的な幾何学の問題に対して組み合わせ
論的な新しい視点から考えることによって、これま
でと異なる切り口を見いだすことを模索している。
GEISSER,Thomas 教授
代数多様体(整数係数又は有理数係数の多項式の系
の解集合)を研究する数論幾何学が研究テーマであ
る。例えば、局所的な情報から定義されるゼータ関
数と大域的に定義されるコホモロジー群という二つ
の不変量を比較することによって代数多様体に関す
る情報を得る。特にモチビック・コホモロジーと高
次 K −理論という不変量に対して興味がある。
神保道夫 教授(2017 年 3 月 退職予定)
統計物理学や場の理論に現れる厳密に解ける模型の
数理に興味をもち、代数的なアプローチで研究を進
めている。最近は特に格子模型の相関関数を重点的
に研究しているが、関連して現れるリー代数や量子
群などの代数構造、共形場理論における指標公式の
ような組合せ的側面にも興味がある。
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長島忍 教授
図形科学におけるソフトウェアの利用と、語学学習
におけるインターネットの利用を研究のテーマとす
る。図形科学は 3 次元形状を平面図形で表現する手
法であり、平面図からの 3 次元形状の認識・理解を
容易にするためのソフトウェアを研究している。
野呂正行 教授
計算代数システムの開発および計算代数アルゴリズ
ムの研究をテーマとしている。代数方程式の求解、
多項式イデアルの演算など、コンピュータ上で代数
計算を行うためのアルゴリズムおよびソフトウェア
としての実装について主として計算効率の観点から
研究を行っている。
横山和弘 教授
計算機代数と代数的組合せ論を研究テーマとする。
主たるテーマの計算機代数では、高度な数学の諸概
念・数学的な操作を計算機上でどこまで実現できる
のかについて研究を行っている。同時に計算可能に
なったものを計算を通して数学研究支援や工学など
の実学に応用することも試みている。
小森靖 准教授
研究テーマは可積分系、および関連する数理である。
具体的には、
物理に現れる微分方程式や差分方程式、
特殊関数について、リー群やリー代数、ワイル群な
どの代数構造とその表現論を用いて解析している。
最近は量子ゲージ理論や解析数論などに現れる多重
ゼータ関数について研究を進めている。
佐藤信哉 准教授
専門は、作用素環論における部分因子環(subfactor)
理論。現在の主要な研究テーマは、subfactor から
構成される(2 + 1) 次元位相的場の理論とその
subfactor 理論への応用である。
山田裕二 准教授
2 次元格子上の可解な統計力学的な模型について研
究している。非線形でありながら解くことのできる
『可積分系』は、ソリトン方程式から場の量子論にま
で現れ、Lie 環の表現論などにも寄与しながら発展
を続けている。可解格子模型の構成、およびその相
関関数の求め方を中心に研究をしている。
◆
前期課程授業科目/単位
必修科目
数学研究1・2・3・4 ……………各3単位
数学特論 8 ……………………………………… 2単位
選択科目
解析学特論1∼8 ………………………各2単位
代数学特論1∼8 ………………………各2単位
幾何学特論1∼8 ………………………各2単位
確率論特論1∼4 ………………………各2単位
統計数学特論1∼4 ……………………各2単位
応用数学特論1∼4 ……………………各2単位
数学特論1∼8 ……………………………各2単位
計算機特論1∼8 ………………………各2単位
情報科学特論1∼8 ……………………各2単位
修了に必要な単位
必修科目 ……………………………………… 12 単位
選択科目 ………………………………… 18 単位以上
合計 ………………………………………… 30 単位以上
※大学院数学連絡協議会(
「数連協」
)加盟校の
授業科目において修得した単位は、8単位を上
限として、修了に必要な選択科目の単位にあて
ることができます。
※授業科目の詳細は、シラバス検索をご利用くださ
い。
https://sy.rikkyo.ac.jp/timetable/
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