(様式4) (A4版) 別紙2 論文審査の結果の要旨 学位申請者 VU

( 様 式4 )
(A4 版)
別紙2
論 文 審査 の 結 果 の 要 旨
学 位 申請 者
VU THANH TUNG
微 細加 工 分 野 で は 位 置 決 めセ ン サ と し て レ ー ザ 変位 計 測 干 渉 計 が よ く 利用 さ れ て い る。
将 来 の微 細 加 工 の 進 展 に は 、レ ー ザ 変 位 計 測 干 渉 計の 光 源 周 波 数 安 定 度 10 -10 以 下の 達 成
と 計 測分 解 能 ナ ノ メ ー ト ル 以下 ま で の 向 上 な ど が 望ま れ る 。 本 論 文 は 、 レー ザ ダ イ オ ード
(LD)に正 弦 波 周 波 数 変 調 を加 え ヨ ウ 素 の 吸 収 線 にそ の 中 心 周 波 数 を ロ ック す る 方 法 およ
び こ の変 調 LD を 光 源 と す る変 位 計 測 干 渉 法 に 関 し論 じ て い る 。 論 文 は 5 章 か ら な る 。
第 1 章 で は 、レ ー ザ の 周 波 数安 定 化 の 手 法 と レ ー ザ変 位 計 測 干 渉 法 の 現 状に 関 し 述 べて
い る 。レ ーザ ダ イ オ ー ド(LD)に 対 し 、線形 吸 収 ある い は 飽 和 吸 収 を 用 いる 周 波 数 安 定 化
手 法 がそ の 周 波 数 安 定 性 ゆ えに 、 変 位 計 測 干 渉 法 の光 源 と し て 有 効 ( = メー ト ル 定 義 とト
レ ー サブ ル ) で あ る こ と を 述べ て い る 。
第 2 章 で は 、 通 常 の LD の 中 心周 波 数 を ヨ ウ 素 の 線形 吸 収 (633nm) に 固定 す る 原 理・
装 置 化に 関 し 述 べ て い る 。 フリ ー ラ ン 状 態 の LD(線 幅 435MHz で 周 波 数安 定 度 10 -5 ) を
ヨ ウ 素の 線 形 吸 収 に ロ ッ ク し、 積 分 時 間 3600s で 2×10 -7 の 周波 数 安 定 度 をも つ ま で に 装
置 の 最適 化 を 行 っ た 。
第 3 章 で は 、 外 部 共振 器 型 LD(ECLD:線 幅 300kHz) の 中 心 周 波 数 を ヨ ウ素 の 飽 和 吸
収 線(633nm)に ロ ッ ク す る原 理・装 置 化 に 関 し 述べ て い る 。装 置 の 最 適化 を 行 い 、さら
に 商 用ヨ ウ 素 周 波 数 安 定 化 HeNe レ ー ザ ( 周 波 数 安定 度 2.5×10 -11 ) と ビー ト 信 号 検 出 で
の 周 波数 安 定 度 を 比 較 し た。こ の 結 果 、積 分 時 間 300s で 6.5×10 -11 の 周 波 数安 定 度 を 達 成
し た。こ れ は 商 用 ヨウ 素 周 波数 安 定 化 HeNe レ ー ザと ほ ぼ 同 等 の 周 波 数 安定 度 で あ り レ ー
ザ 変 位計 測 干 渉 法 の 光 源 と して は 十 分 で あ る こ と を述 べ て い る 。
第 4 章 で は 、 ヨ ウ 素の 線 形 吸収 線 に ロ ッ ク し た LD と ヨ ウ 素の 飽 和 吸 収 線に ロ ッ ク し た
ECLD をそ れ ぞ れ 光 源 と す る 、レ ーザ 変 位 計 測 干 渉計 の 評 価 に 関 し 述 べ てい る 。干 渉 計 の
光 源 とし て こ れ ら の LD を 用 いた 場 合 、 正 弦 波 周 波数 変 調 に よ り 、 干 渉 信号 の 高 調 波 成 分
に 干 渉計 可 動 鏡 の 変 位 情 報 が含 ま れ る こ と を 論 じ てい る 。 ま た 隣 り 合 っ た奇 数 倍 と 偶 数倍
高 調 波と 干 渉 信 号 を 同 期 検 波す る こ と で 変 位 情 報 をリ サ ー ジ ュ ダ イ ア グ ラム で 得 ら れ るこ
と を 示し て い る 。 い ず れ の LD を 光 源と し た 場 合 にも 、 実 験 で 干 渉 計 可 動鏡 の 変 位 が 得 ら
れ る こと を 述 べ て い る 。 線 形吸 収 線 に ロ ッ ク し た LD と フ リー ラ ン の LD を 光 源 とし た 場
合 の 変位 計 測 結 果 を 比 較 し 、周 波 数 安 定 を 行 わ な いと 周 波 数 変 動 に よ り 変位 計 測 に 大 きな
誤 差 が生 ず る こ と を 示 し て いる 。飽 和 吸 収 線 に ロ ック し た ECLD を 光 源 とす る 場 合 、サ ブ
ナ ノ メー ト ル オ ー ダ の 変 位 計測 が 可 能 で あ る こ と を示 し て い る 。
第 5 章で は 、 こ の 研 究 で 得 られ た 結 論 に 関 し 述 べ てい る 。 ま た 今 後 改 良 を加 え る べ き点
に 関 し考 察 し て い る 。
よ っ て、 本 論 文 は 工 学 上 及 び工 業 上 貢 献 す る と こ ろが 大 き く 、 博 士 ( 工 学) の 学 位 論文
と し て十 分 な 価 値 を 有 す る もの と 認 め る 。
審 査 委員 主 査
明田川
正人
印