松江市登録歴史的建造物 『出雲ビル』 1.名 称 2.所 在 地 3.建 築 年 4.設 計 者 5.構造・規模 6.延 床 面 積 出雲ビル 松江市白潟本町33番地 大正14年(1925年) 大森 茂 鉄筋コンクリート造地上4階地下1階 498.4㎡ 7.建造物の概要 出雲益良氏が、イギリス遊学の際にロンドンで見たデパートを松江にも建てたいとの想いか ら、大正14年に、 「出雲ストア」として建築したものである。 設計者は、 「興風会館(千葉県) 」や「旧細川侯爵邸(東京都) 」などの設計に携わり、全国 的にも活躍した建築家の大森茂氏である。 外観は、建築当時のものが多く残っており、外壁はコンクリート研ぎ出しで石材風に加工が 施されている。また、壁面のレリーフや縦長の窓、逆読みの表記になっている「出雲ビル」の 看板などが相まって、建物の個性を際立たせている。 内部は、階段など改修されている箇所もあるが、丸形の柱や天井の意匠など当初の様子を色 濃く残しており、モザイクタイルや石材等を使用し、外観に見合った細工となっている。 本建物は、松江で最初期の鉄筋コンクリート造建築と考えられ、地域の歴史的景観の核とな るとともに、商業のまちとして発展してきた白潟地区の歴史を語る上でも貴重な建物である。 位置図 外観写真 松江市登録歴史的建造物 『旧紳士服トラヤ(元山陰道産業株式会社) 』 1.名 称 2.所 在 地 3.建 築 年 4.設 計 者 5.構造・規模 6.延 床 面 積 旧紳士服トラヤ(元山陰道産業株式会社) 松江市東本町2丁目8番地 昭和7年(1932年) 成田光次郎 鉄骨造一部木造2階建 460.9㎡ 7.建造物の概要 大陸貿易を促進するために設立された商社「山陰道産業株式会社」の社屋として、昭和7年 に建築されたもので、 設計者は、 明治から戦前にかけて活躍した建築家の成田光次郎氏である。 外観は、外壁に来待石やタイルが使用され、ブドウ・ヤギ・サル・子どもなど葡萄酒造りを 連想させる来待石製のレリーフが全部で8枚、縦に並んでいる。 内部は、建築当時の照明や装飾も残っており、窓はスチールを曲げた飾り窓で、2階角部屋 にはスチール製の頬杖が見られるなど洋風建築の意匠が垣間見える。 本建物は、昭和初期の商業建築として、外観をほぼ当初のままの姿で保持し、外壁に刻み込 まれた来待石製の8枚のレリーフなど、訪れる人を惹きつける独特の魅力があり、まちのラン ドマークとなる貴重な建物である。 位置図 外観写真 松江市登録歴史的建造物 『かげやま呉服店(旧第三国立銀行松江支店) 』 1.名 称 2.所 在 地 3.建 築 年 4.設 計 者 5.構造・規模 6.延 床 面 積 かげやま呉服店(旧第三国立銀行松江支店) 松江市末次本町6番地 明治37年(1904年) 岡田時太郎 土蔵造り木造2階建 305.1㎡ 7.建造物の概要 明治37年に、第三国立銀行松江支店として建築されたものである。 設計者は、 「旧三笠ホテル(長野県) 」や「シャトーカミヤ(茨城県) 」の設計に携わるなど 明治から大正にかけて全国的に活躍した岡田時太郎氏である。 外観は、建物正面1階の開口部以外は当時の状態を良好に残しており、正面の屋根に見える 鬼瓦には、第三国立銀行であったことを示す「三」のマークが入っている。また、和瓦を寄棟 風にのせ、足元は来待石を使用するなど重厚感のある外観になっている。 内部は、現在、1階と2階の間に天井が張られているが、当初はホールとして吹き抜けとな っており、2階天井裏には当時の照明飾りや柱頭の飾りが見られ、建築当時の様子を確認する ことができる。 本建物は、 本市の銀行建築としては最も古いものであり、 白い漆喰壁や来待石製の基壇、 「三」 のマークが付く鬼瓦など往時の様子が窺える外観が良好に残っており、明治期からの本市の歴 史を語る上で貴重な建物である。 位置図 外観写真
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