利益はどこへ消えたのか？ ｢利益は出ていると言うけれど、お金が増えてないよ｣とよく質問を受けます。 利益はどこへ消えたのか？その答えは前期末と今期末の残高を比較した貸借対照表で 知ることができます。 例）Ａ社は当期５００万円の利益を計上しました。（下図表 1 参照） 貸借対照表の繰越利益が５００万円増加しましたが、現預金は増加していません。 これは、利益の増加分に見合う資金が他の何かに使われてしまったことを意味 します。 ◆増減を確認しましょう 資産の部 ・売掛金２００万円増加（回収するまでは資金は増加しません。 ） ・在庫２００万円増加（在庫を売上げるまでは資金になりません。） ・固定資産２００万円減少 減価償却計上による 資金流出を伴わない。 資金を２００万円増加させることと同じ効果があります。 資産の増加合計 ２００万円 負債・資本の部 ・借入金３００万円減少（借入金の返済は経費にならず、利益は減りませんが預金は減少します。 ） ・繰越利益５００万円増加 負債・資本の増加合計 ２００万円 ◆利益（資金）はどう使われたのか？ 比較貸借対照表から見えたことは、Ａ社の当期利益５００万円は、借入金の返済 （３００万円）と売掛金の増加（２００万円）と在庫の増加（２００万円）に使われ、 減価償却費の計上（２００万円）を加味しても現金預金残高を増加させる事が出来な かったという事が見て取れます。 図表１ Ａ社の当期利益５００万円はどこへ消えたのか？ （1）売掛金残高の増加 売上原価 経費 減価償却費 当期利益 利益は５００万円増加したが、 現金預金は増加してない 前期末 1,300 800 300 1,500 3,900 （2）在庫の増加 当期末 1,300 1,000 500 1,300 4,100 増減 0 200 200 -200 200 買掛金 借入金 資本金 繰越利益 負債・資本計 (貸方) 前期末 900 1,000 1,000 1,000 3,900 当期末 900 700 1,000 1,500 4,100 増減 0 -300 0 500 200 （4）借入金残高の減少 損益計算書 7,000 2,300 200 500 10,000 収益 収入 10,000 収入計 10,000 一致する 比較貸借対照表 (借方) 現金預金 売掛金 在庫 固定資産 資産計 費用 （3）減価償却費の計上 ※単位:万円 〒440-0083 愛知県豊橋市下地町字横山 45 番地の１ TEL：（0532）53-5333(代) FAX：（0532）53-5118 （平成 29 年３月ﾚﾀｰｹｰｽ）
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