実験! 発見! 科学体験! テレビ学習メモ 第 40 回 回転力で電気を起こせ! 今回学ぶこと ~発 電~ 24 時間眠らない国 “ 日本 ”。毎日膨大な電力を消費していま す。この電気は発電所でどうやって起こしているのでしょう か?今回は,発電の仕組みを学んでいきます。 科学監修・講師 川村康文 (ガリレオ先生) 考えてみよう! ・磁石やコイルで電流が流れる仕組みとは?(直線運動と回転運動) ・絶え間なく発電するための知恵とは?(回転運動) 磁石やコイルで電流が流れる仕組みとは?〜直線運動と回転運動〜 コイルに磁石が近づいたり遠ざかったりすると,電磁誘導によって,誘導電流が生じました。 ▼ 磁石が近づく場合(図1)は,同じ磁極を作って,近づく磁石を反発するように,また,遠ざ かる場合(図2)は,異なる磁極を作って,遠ざかる磁石を引き戻すように,磁極を作って電 流を発生させていたわけです。つまり,発電をしていたわけです。ところで,棒磁石を近づけ たり遠ざけたりという直線運動ですが,これまで学習してきた円運動と関連付けて考えてみま しょう。図3, 4のような磁石を回転させて, 磁石の運動を観察してみましょう。すると磁石は, 一直線上を上下動しているようにみえます。つまり,コイルを床において,その上でN極を円 運動させても,コイルにN極を近づけたり遠ざけたりすることが,直線運動と同じようにでき, 電磁誘導により発電ができるわけです。 できる磁界の向き (N 極の向き) N 極を近づける N 極 N 【図1】 磁石の磁界を 打ち消そうとして N 極が生じるように 電流が流れる S 極 N 検流計の −端子へ 検流計の +端子へ 誘導電流 の向き できる磁界の向き (N 極の向き) N 極を遠ざける N 【図2】 S 極 磁石を 引きもどそうとして S 極が生じるように 電流が流れる − 65 − N 極 N 検流計の −端子へ 検流計の +端子へ 誘導電流 の向き 高校講座・学習メモ ベーシックサイエンス 40 回転力で電気を起こせ! 〜 発電 〜 N N N 近づける N 極を 遠ざける 検流計の N N 極を N 検流計の 【図3】 【図4】 - 端子へ + 端子へ 検流計の 検流計の - 端子へ + 端子へ 絶え間なく発電するための知恵とは?~回転運動~ コイルを床に置き,棒磁石のN極を,一直線上で連続して,近づけたり遠ざけたりするため には,ピストン運動をさせるマシンを使うなど複雑になります。一方,コイルに磁石のN極を ▼ 近づけたり遠ざけたりするのに,円運動を利用すれば,回転円盤にN極を固定し,水車やター ビンなどとして回転させると,自動的に連続的にコイルにN極が近づいたり遠ざかったりして くれ,より簡単に発電を続けることができます。人類は,このようにして,連続的にうまく発 電ができるように工夫してきたんですね。 − 66 − 高校講座・学習メモ
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