板橋区立中央図書館基本計画 (素案) 板橋区教育委員会

板橋区立中央図書館基本計画
(素案)
板橋区教育委員会
目次
I. 基本計画の役割とこれまでの検討の経緯
1.本計画の役割と位置付け
2.これまでの検討の経緯
3.基本計画及び区の他の計画との整合性
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II. 基本理念と新しい中央図書館像
1.基本理念
1)板橋区民の未来をはぐくむ、生涯学習の新たな拠点として
2)まちづくりの新たな拠点として
3)“板橋らしさ”を象徴する新たな拠点として
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2.新しい中央図書館像
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1)板橋区立図書館の中央館として、区内 10 館の地域図書館の核となり、区民の求め
る適切な情報を提供する図書館
12
2)ボローニャ子ども絵本館を併設し、“絵本のまち板橋”として、世界の絵本の魅力
を発信する図書館
12
3)子ども向け図書、サービスを充実させ、親子で本に親しむ場を提供する図書館 13
4)あらゆる世代の区民が集い、学び合い、交流、活動する場となる図書館
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5)公園内の緑に囲まれた環境の中で豊かで快適に過ごすことができる図書館
13
III. 重点テーマ別事業方針
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1.5つの重点テーマと主な取組
2.重点テーマ別事業一覧
3.重点テーマ別事業の解説
1)生涯を通じこころの豊かさを支える図書館
2)課題解決型図書館
3)学校・家庭と連携する図書館
4)地域のコミュニティ形成を支援する図書館
5)板橋の魅力“緑と文化”を象徴する図書館
IV. 新しい中央図書館のエリア(場所)イメージ
1.いたばしギャラリー
1)基本条件
2)関係図
3)ソフトへの展開例
4)空間イメージ
2.いたばしラウンジ
1)基本条件
2)関係図
3)ソフトへの展開例
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4)空間イメージ
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3.ボローニャ子ども絵本館
1)基本条件
2)関係図
3)ソフトへの展開例
4)空間イメージ
4.板橋区コーナー
1)基本条件
2)ソフトへの展開例
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40
40
41
41
42
42
42
V. 施設整備計画
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1.規模算定の根拠
1)新中央図書館開館時の蔵書冊数の設定
2)新中央図書館の蔵書収蔵能力の設定
2. 規模検討
43
43
44
46
1)蔵書規模と閉架書庫・開架閲覧エリアの検討
2)各エリアの構成と面積(例)
3.各部門の考え方
1)図書館の基本機能の構成図
2)サービスカウンター
3)開架閲覧エリア
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4)児童エリア
5)ヤングアダルト(青少年)コーナー
6)学習室
7)ハンディキャップサービス
8)多目的室(サポーター室)
9)共用エリア
10)駐車場・駐輪場
11)事務部門
12)選書、連絡便スペース
13)外部空間等
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4.法令条件
5.設備計画
6.家具サイン計画
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VI. 平和公園内の建設位置
1.一次評価:配置4案
2.二次評価
1)法令に伴う公園施設の整備方針
2)防災関係施設について
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55
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3
3)平和公園の利用状況調査結果
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4)図書館に付属する機能の検討
5)高さ規制の検討
6)植栽に関する検討
7)工事中の公園利用
3.配置方針
4.平和公園の再整備範囲
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VII. 新しい中央図書館の運営
1.蔵書マネジメント
1)資料収集方針
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2)資料の保存・除籍の考え方
2.組織・管理運営計画
1)組織・管理運営の基本的な考え方
2)運営条件
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3)貸出・返却・資料管理方法
3.ICT 化の方針
1)開架閲覧エリア
2)閉架エリア
3)図書サービス
4)館内 OPAC(蔵書検索機)
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5)図書館ホームページ等
6)統計資料
4.スタッフの配置と育成
1)区職員
2)委託職員
3)司書等専門職員
4)区民との協働
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VIII. 今後の予定
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IX. その他検討事項
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X. 用語集
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XI. 参考資料
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I.
基本計画の役割とこれまでの検討の経緯
1. 本計画の役割と位置付け
板橋区立中央図書館は、昭和 45 年に開設し、施設、設備の老朽化や、エレベーター
が設置されていないなど、ユニバーサルデザイン*1にも対応していない施設となって
いる。
情報化や少子高齢化など社会状況の変化のなかで、図書館は区民の多様なニーズに
対応し、区民の学びを支える生涯学習施設として、区民の課題解決を支援する図書資
料の充実や ICT 化への対応など新たな図書館サービスを提供することが求められてい
る。
とりわけ、板橋区立図書館全館をリードする役割をもつ中央図書館は、中央館とし
ての役割を早急に整備する必要があり、区では、新たな中央図書館を整備することと
し、「板橋区立中央図書館基本構想」(以下「基本構想」という。)を平成 28 年 3 月に
策定した。
本計画は、「基本構想」を踏まえ、具体的な図書館機能・サービス及びこれを実現す
るために最適かつユニバーサルデザインに配慮した図書館の施設、設備及び建設場所
を定めることを目的として策定するものである。
また、今後、本基本計画に基づき、基本設計・実施設計を実施し、建築工事の施工
につなげるうえでの建築上の諸要件を明確にすることを目的としている。
2. これまでの検討の経緯
板橋区では、平成 25 年度に、「中央図書館機能のあり方検討会」を設置し、いたば
し未来創造プランの「経営革新」編にある「中央図書館としての機能のあり方」につ
いて、板橋区の行政における「これからの図書館像」や「経営効率化の道筋」の検討
を行った。
検討の結果、中央図書館にのみ求められる「中央機能」と「地域図書館の役割」を
明確にしたうえで、指定管理者の管理監督、図書館システムの運用、図書館行政を推
進していくといった「中央機能」については、民間には移譲できない、区が主体とな
って責任を負うものとした。そのため、中央図書館については、「中央機能」を果たす
必要性から区職員による運営を維持することとした。さらに、将来にわたり、区が図
書館行政を継続させていくためには、区職員が図書館業務に精通し、地域図書館を指
導していくことが不可欠で、地域図書館の業務に対し日常的に関与できる体制が必要
であることから、「中央機能」は、中央図書館内に置くこととした。
6
「中央図書館機能のあり方検討会」の検討結果を受けて、平成 26 年度に「今後の中
央図書館の施設等検討会」を設置し、中央図書館の改築場所及び施設規模の検討を行
った。
板橋区立中央図書館の改築は、新たな図書館サービスを提供する環境を構築し、地
域図書館を含めた区立図書館全体のサービスをリードしていく絶好の機会であり、中
央図書館を区の中央館として運営していくためには、最低でも 4,200 ㎡の面積は必要
であり、さらなる魅力ある図書館づくりをするためには、5,000 ㎡以上の面積が必要
となる。しかし、現在地での中央図書館の改築は、建築基準法等の関係から、現在の
面積 2,907 ㎡の半分以下の 1,409 ㎡しか面積を確保できず、これからの時代にあった
中央図書館として整備するのは困難である。そのため、中央図書館を移転して改築
し、図書館利用者の多様なニーズに応える図書館づくりを進めていくとの結論に至っ
た。
そして、移転候補地については、板橋区立図書館の各館配置は、概ね半径 1 キロメ
ートルを奉仕圏域としているため、区立図書館全体を俯瞰し、奉仕圏域のバランスが
保たれ、延床面積が 5,000 ㎡以上確保できる、板橋区立平和公園に建設することが妥
当であるとした。
これらの検討会の報告を踏まえ、平成 27 年度には、学識経験者、区民・利用者代
表、学校関係者などを委員とした「中央図書館基本構想検討会」を設置し、「基本構
想」の検討を行い、平成 28 年 3 月、「基本構想」を策定した。「基本構想」では、新た
な中央図書館の基本理念、重点テーマや施設の概要を定め、板橋区の魅力を発信する
施設として、平和公園に建設することとした。
なお、「基本構想」は、区民アンケート調査結果、区民説明会、区民懇談会やパブリ
ックコメントに寄せられた区民の意見を参考に他の建設候補地の検討も行ったうえ
で、策定したものである。
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3. 基本計画及び区の他の計画との整合性
板橋区基本構想
(将来像)未来をはぐくむ緑と文化のかがやくまち“板橋”
板橋区基本計画 2025
板橋区教育大綱
(平成 28 年度~平成 37 年度)
(基本目標)
Ⅰ 未来をはぐくむあたたかいまち
Ⅱ いきいきかがやく元気なまち
Ⅲ 安心・安全で快適な緑のまち
板橋区教育ビジョン 2025
(平成 28 年度~平成 37 年度)
いたばし学び支援プラン 2018
いたばしNo.1 実現プラン 2018
(平成 28 年度~平成 30 年度)
(重点施策 8)
生涯学習社会へ向けた取組の充実
(2)図書館機能の充実
①中央図書館の改築
②生涯を通じた読書活動の支援
③子ども読書活動推進計画の推進
(平成 28 年度~平成 30 年度)
「実施計画」編(未来を創る“まちづくり”編)
基本政策Ⅰ-2 「魅力ある学び支援」
施
策
:読書活動の支援
計画事業:
・中央図書館の改築
・いたばしボローニャ
子ども絵本館の充実
絵本館の充実
中央図書館機能
のあり方検討会
報告書
今後の中央図書館
の施設等検討会
報告書
板橋区
子ども読書活動
推進計画 2020
板橋区立中央図書館基本構想
基本理念
「未来をはぐくみ、こころの豊かさと新しい
価値を創造し、緑と文化”を象徴する図書館」
5つの重点テーマ
・生涯を通じこころの豊かさを支える図書館
・課題解決型図書館
・学校・地域と連携する図書館
・地域のコミュニティ形成を支援する図書館
・板橋の魅力“緑と文化”を象徴する図書館
板橋区立中央図書館基本計画
【事業内容の具体化】
重点テーマ別の事業・サービス/施設整備計画/蔵書計画方針/管理運営計画
【参考規模の算出】
公園内の建設地の絞込 /建物規模:5,300 ㎡程度 /建築面積:1,500 ㎡程度
図 I-1 計画の整合性
8
II.
基本理念と新しい中央図書館像
1. 基本理念
未来をはぐくみ、こころの豊かさと新しい価値を創造し、
“緑と文化”を象徴する図書館
子どもや青少年の未来をはぐくむための読書・学習環境の整備、支援をはじめ、幅
広い世代の区民が、読書や様々な活動を通じてこころの豊かさを深め、図書館の資料
やレファレンス*2により様々な課題を解決できる場としての新たな中央図書館とす
る。
また、緑の中で地域の歴史・文化・資源や友好都市との国際交流を通じ、板橋区の
魅力を知ることができる新たな中央図書館とする。
1) 板橋区民の未来をはぐくむ、生涯学習の新たな拠点として
現代に生きる私たちにとって、充実してほしい社会像のひとつが「生涯学習社会」
である。
「生涯学習社会」とは「人々が、生涯のいつでも自由に学習機会を選択して学ぶこ
とができ、その成果が適切に評価される社会」である。
「生涯のいつでも自由な学習機会」の例としては、幼稚園、保育園の時代から始ま
って、学校教育、社会教育、家庭教育、企業内教育訓練、各種研修活動、文化活動、
ボランティア活動、本、新聞、映画、音楽、テレビ、インターネット…など、日常生
活のあらゆる場面に「学ぶ」機会はある。
しかし、自らの意思で自由に「学ぶ」権利があると言っても、手段は多様でその範囲
は無限であるが、時間や費用などの制約があり、きっかけがつかめず、長続きしない
ことも多い。
そのため、個人の「学ぶ」権利を尊重しつつ、「触発し合う、学び合う」ことのでき
る場と機会の充実が重要であり、区民が自由に集まることのできるコミュニティの役
割への期待も大きい。
「学ぶ」権利と機会を支える「図書館」は、生涯学習社会で学習を継続していくた
めに必要な学習情報を収集して学習者に提供する業務を行い、人々の学ぶ権利をあら
ゆる世代に対して支援する機能をもち、なおかつ次の特性を兼ね備えている。
9
・日常的に利用できる
・予約不要で無料である
・身近にある
・ネットワークにより他図書館の蔵書も検索・貸出が可能である
・一人でもグループでも利用できる 等
そして、全国の先進事例をみても、その働きを充実させ、魅力を増せば増すほど、
利用者が集まり、学び合う度合いも高まっていくことがわかる。
例えば、①小さな子どもを連れたお母さんたちが「図書館」で知り合い、情報交換
する輪が広がる、②日曜日に家族連れが長い時間「図書館」で過ごす、③中高年が
「図書館」を日常利用するうちに、得意分野を教え合える仲間ができる、といったこ
とがある。
したがって、新しい図書館は、世代をこえ、人々が「図書館」を舞台として多様に
活動する図書館をめざす。
2) まちづくりの新たな拠点として
祖父母や親と図書館で過ごした記憶をもつ子どもたちが大人になって、今度は自分
の子や孫を連れてこの施設を訪れる‥‥。
そのような世代を越えた利用は、日常的に、誰でも繰り返し利用できる図書館だから
こそ、可能であり、まちづくりにおいては、世代を継いで記憶に残る新たな場にな
る。
したがって、新しい図書館はときわ通りに面する平和公園の一角に建ち、教育科学
館などにも近い立地条件を活かしつつ、長期にわたり区民に親しまれ続ける図書館を
めざす。
3) “板橋らしさ”を象徴する新たな拠点として
板橋区基本構想では、板橋区の 10 年後の将来像を「未来をはぐくむ緑と文化のかが
やくまち“板橋”
」と定め、「東京で一番住みたくなるまち」をめざしている。また、
これを実現するために、板橋区基本計画 2025 では、「未来をはぐくむあたたかいま
ち」、「いきいきかがやく元気なまち」、「安心・安全で快適な緑のまち」の 3 つの基本
目標を掲げている。
したがって、新しい図書館は、板橋区の新たな情報拠点として、板橋区の魅力であ
る“緑”に囲まれた環境の中で、「絵本のまち板橋」「教育の板橋」「ものづくりの板
橋」など、板橋区の良さをより強く引き出し、区内外に発信する拠点づくりをめざ
す。
10
そして、地域の中で、子育てし、生涯にわたり、様々な学習や活動の支援を行う場
の提供を行う。情報が集まり、だれでも自由に活用できること、大勢の人が集まり学
び合う空間があることなど、“図書館だからできること”を追い求める。
11
2. 新しい中央図書館像
基本理念に基づき、板橋区の地域的な特性を踏まえた、新しい中央図書館像を以下
にまとめる。これらは、基本構想を具体化するための方向性を示している。
1) 板橋区立図書館の中央館として、区内 10 館の地域図書館の核となり、区民の
求める適切な情報を提供する図書館
11 館ネットワーク体制強化のために、中央図書館の施設、体制両面において充実
させる。新しい中央図書館は、地域図書館の指導的役割を担い、板橋区立図書館がも
つ数々の特徴ある蔵書、資産の魅力を広く区民に伝える。そのためにレファレンス体
制を強化し、区民活動と連動しながら、板橋らしい中央館のあり方を追求していく。
図 II-1 中央館としての方向性
2) ボローニャ子ども絵本館を併設し、“絵本のまち板橋”として、世界の絵本の
魅力を発信する図書館
今回の図書館の整備では、中央図書館の魅力を高める機能として、ボローニャ子ど
も絵本館を中央図書館に併設する。世界の文化をボローニャ国際児童図書展に出品さ
れた美術的にも優れた絵本で紹介することに加え、児童書と関連づけての紹介や翻訳
大賞などの全国に向けたコンクール等、ボローニャ子ども絵本館の魅力を他の事業と
多角的に結びつけて中央図書館の魅力を高めることを追求する。
そして、地域図書館へも、ボローニャ絵本の魅力を伝えていく。
図 II-2 ボローニャ子ども絵本館の多角的な展開
12
3) 子ども向け図書、サービスを充実させ、親子で本に親しむ場を提供する図書
館
乳幼児のころから、親子で本に親しみ、様々な本に出会う場を提供し、子どもた
ちの豊かな感性や情緒を育み、読書好きの子どもを育てる環境を整備する。おはな
し会など成長過程に応じた子ども向けイベントや参加者同士の交流を通して、読書
への愛着を育み、読書活動を支援する。その後、生涯にわたる読書と学びを支える
図書館をめざしていく。
図 II-3 親子で本に親しむ図書館
4) あらゆる世代の区民が集い、学び合い、交流、活動する場となる図書館
様々な年代や利用目的の人々のニーズに応え、利用しやすいと感じられる多様な居
場所作りが重要である。グループやサポーター(ボランティア)が世代をこえて、
様々な活動を通じ学び合い、交流する場となる図書館をめざしていく。
図 II-4 さまざまな居場所が選べる図書館
5) 公園内の緑に囲まれた環境の中で豊かで快適に過ごすことができる図書館
平和公園の立地の特性を活かして、平和公園と中央図書館、教育科学館や学校等の
連携による相乗効果で地域を活性化し、板橋の魅力を高める。
図 II-5 公園、地域の魅力を活かした図書館づくり
13
III.
重点テーマ別事業方針
1. 5つの重点テーマと主な取組
5つの重点テーマと主な取組は以下のとおりである。
基本構想における5つの重点テーマ
◎生涯を通じこころの豊かさを支える図書館




バランスのとれた蔵書構成、図書等資料の充実
利用者に応じたきめ細やかなサービス・事業による生涯学習機会の提供
図書館利用を促進するためのきっかけづくり
図書館サポーターの活動の場を確保し、社会参画の機会を提供
<キーワード>
中央館としての蔵書構成 / 豊富な図書資料 / きめ細かいサービス・展示
/ 生涯学習の場 / 情報発信の強化 / サポーター(ボランティア) 等
◎課題解決型図書館



課題解決をサポートするためのレファレンス*2サービスの充実
他自治体図書館や関係機関との連携強化
ICT を活用した資料確保とインターネット環境の整備
<キーワード>
参考資料の収蔵 / レファレンス充実 / ネットワーク強化
/ スタッフ育成 / ICT 環境の整備 等
◎学校・家庭と連携する図書館
 子ども向けの資料・サービスの拡充による読書活動の支援
 家庭・地域・学校と連携した読書活動の推進
 学校のニーズに対応する図書館サービス、学校関連事業の充実
<キーワード>
年齢に応じた図書・サービス / 学校図書館への支援
青少年向けサービス / 本の魅せ方 / 親子利用の促進 等
◎地域のコミュニティ形成を支援する図書館
 区民が集い、情報交換を行う場と機会の提供
 利用者同士の多世代交流の場を確保
 災害時の情報発信などの地域防災拠点の形成
<キーワード>
集い話し合う場の提供 / 多世代交流・活動・発表の場の提供
公園利用との連携 / 防災機能 等
◎板橋の魅力“緑と文化”を象徴する図書館




“水や緑”などと調和した心地よく読書できる空間作り
区の特性となる資料の収集・保存・活用
ボローニャ子ども絵本館を活用した事業展開
教育科学館など近隣施設や公園と一体となった新たな連携事業の実施
<キーワード>
緑に囲まれる / 公園利用との連携 / 世界の絵本 / 板橋の魅力創出
教育科学館との連携 / 近隣小中学校との連携 等
14
ソフト面の主な取組
ハード面の主な取組
・中央館として、地域図書館の蔵書を補完す
る図書資料の収集、全館の蔵書の調整
・利用者に応じたきめ細やかなサービス
・SNS*3やデジタルサイネージ*4(電子広報
機)など ICT を活用した情報提供の強化
・図書館ボランティアやグループを組織化し
た図書館サポーター制度の創設 等
・開架閲覧エリアスペースの確保
・蔵書にあわせた複数の書庫
・ICT 化に対応できる施設
・活動や発表の場となるスペース
・サポーター室の設置 等
・中央館としてのレファレンス機能を満たす
参考資料の収蔵
・レファレンスカウンターの増設とレファレ
ンス体制の整備
・オンラインデータベースの拡大
・他図書館や関係機関との連携強化 等
・レファレンスカウンターの設置
・グループ学習席の設置
・ICT 化に対応できる施設
・資料を探しやすいサイン・配架
・利用者の年齢や成長に応じた図書の収集・
提供
・児童エリアとボローニャ子ども絵本館との
連携したサービスの提供
・児童エリアにおける企画展の実施
・学校貸出用図書の充実
・中学校とヤングアダルトコーナーとの連携
等
・児童エリアとボローニャ子ども絵本館の
整備
・防音に配慮した児童エリア
・児童図書・絵本のレファレンスカウンタ
ーの整備
・ヤングアダルト(青少年)コーナーの
充実 等
・区民等へのいたばしギャラリーの貸出
・関係機関との連携講座等の実施
・公園利用者を考慮したいたばしラウンジ
(カフェ)などの設置や公園イベントと
の連携
・帰宅困難者等に対応した災害用物品等の
配備
等
・いたばしギャラリーの整備
・いたばしラウンジ(カフェ)の整備
・耐震性に優れた建物の建築・整備
・公衆無線 LAN の整備
・災害対策用倉庫の整備
等
・板橋区の特色となる図書の集約・公開
・絵本コンシェルジュ*5の配置
・海外絵本の一般貸出(一部)の実施
・科学関係の図書の充実、教育科学館での展
示
・平和公園イベントと図書館企画展示の連携
・緑と文化に関する講演会の開催
等
・いたばしギャラリーの整備
・緑に親しむ空間の整備
・板橋区コーナーの設置(櫻井徳太郎文庫等)
・児童・絵本レファレンスカウンターの整備
・絵本の表紙を見せる書架の整備
等
15
等
2. 重点テーマ別事業一覧
以下に重点テーマ別事業の一覧を示す。
表 III-1 重点テーマ別事業・サービス
16
17
5) 板橋の魅力“緑と文化”を象徴する図書館
施設設備
関連
① “水や緑”などと調和した心地よく読書できる空間づくり
(ア) アメニティの向上
(新規)
○
中央機能
地域図書館
機能
○
(イ) 公園と一体化した空間の整備
(新規)
○
(ウ) 公園の緑を感じる図書館空間の整備
(新規)
○
○
(エ) 多様な読書席の設置
(新規)
○
○
(オ) 緑と文化に関する講演会の開催
(新規)
○
○
施設設備
関連
② 区の特 性となる資料の収集・保存・活用
○
(ア) 板橋区の特色となる図書の集約
中央機能
地域図書館
機能
○
(イ) 櫻井徳太郎文庫の紹介コーナーの設置
(新規)
(ウ) 櫻井徳太郎文庫を活用したワークショップや講座の開催
(新規)
○
○
○
○
○
○
(エ) 友好都市・交流都市コーナーの設置
○
○
(オ) 平和コーナーの設置
○
○
(カ) 貴重資料等のデジタル化
(新規)
○
施設設備
関連
③ ボローニャ子ども絵本館を活用 した事業展開
中央機能
地域図書館
機能
(ア) 児童エリアと連携したコーナーの設置
(新規)
○
○
○
(イ) 表紙の見える展示によるファンタジー空間の創出
(新規)
○
○
○
(ウ) 絵本コンシェルジュの配置
(新規)
○
○
(エ) 一般貸出の実施
(新規)
○
○
(オ) 国際絵本翻訳大賞の実施
○
(カ) 絵本づくりワークショップの実施
○
○
(キ) 新着図書の紹介(ボローニャブックフェア)
○
○
(ク) テーマ展示の実施
(新規)
○
○
(ケ) イタリア・ボローニャ関連企画の実施
(新規)
○
○
施設設備
関連
④ 教育科学館など近隣施設や公園と一体となった新たな連携事業の実施
中央機能
地域図書館
機能
(ア) 科学関係の図書の充実、教育科学館での展示
(新規)
○
○
(イ) 教育科学館のイベントと図書館の企画展示の連携
(新規)
○
○
(ウ) 教育科学館との連携事業の実施
(新規)
○
○
(エ) 調べる学習イベントの共催
(新規)
○
○
(オ) 平和公園イベントへのいたばしギャラリー等の貸出
(新規)
○
○
(カ) 平和公園イベントと図書館の企画展示の連携
(新規)
○
○
(キ) 近隣の小中学校との連携
○
○
18
3. 重点テーマ別事業の解説
1) 生涯を通じこころの豊かさを支える図書館
①. バランスのとれた蔵書構成、図書等資料の充実
板橋区立図書館の中央館として、将来を見据え、幅広い年代や様々な目的の利用者
に対応し、かつバランスのとれた質の高い蔵書構成で豊富な図書等資料を確保し、提
供する。
(ア)
中央館として、地域図書館の蔵書を補完する図書資料の収集、全館の蔵書の調
整(拡充)
地域図書館が収集する身近な課題や調べもののための資料や読書を楽しむ図書に
加え、専門的図書、参考図書*6(各種事典、辞書)、地域資料(行政資料、郷土資
料)等を揃え、学習、調査、研究に役立つ資料の充実を図る。また、区立図書館全
館の蔵書調整を行う。
(イ)
乳幼児から高齢者まで、豊富でタイムリーな蔵書の収集、提供(拡充)
区民が生涯を通じて図書館を活用できるよう、各々の年代のニーズに応じた豊富
な図書を収集し、乳幼児向け、児童向け、中高生向け等、年代別にわかりやすい展
示、配架を行う。また、高度情報化やグローバル化等の社会情勢の変化を踏まえ、
時事、新制度、新技術等、タイムリーな図書資料を収集し、提供する。
(ウ)
地域資料(行政資料、郷土資料)の収集・充実、アーカイブ化*7の検討
(新規)
子どもの頃からわがまち「板橋」を知り、郷土愛を育んでもらうために、板橋に
ついての様々な地域資料(行政資料、郷土資料)の収集、保存を行う。また、貴重
資料のデジタル化と公開についても検討する。
(エ)
視聴覚資料の提供(拡充)
音楽や映像資料を幅広く揃える。また、館内に視聴覚資料を鑑賞できるスペース
を設ける。
(オ)
電子書籍*8の導入検討(新規)
電子書籍は、開館時間を気にせず、来館しなくても利用可能であり、音声読み上
げ機能や拡大機能により活字資料への読書困難者にも対応可能である。先行導入自
治体の事例を研究し、ニーズや内容等を考慮して検討を進める。
19
②. 利用者に応じたきめ細やかなサービス・事業による生涯学習機会の提供
あらゆる方が利用しやすい、きめ細やかなサービスを提供する。また、生涯学習施
設として年代、目的等に応じた多様な講座、イベント、展示などを実施する。
(ア)
障がい者向けサービス(拡充)
対面朗読、録音資料*9の提供、自動読み上げ機、サピエ*10の登録、宅配サービ
ス、車いす用閲覧席の設置等、障がい者のニーズに合ったサービスを検討し、充実
を図る。
また、電子書籍の導入など来館しにくい障がい者向けの非来館型サービスについ
て、拡充に向けて検討を進める。
(イ)
多文化サービス(拡充)
主に区内在住外国人向けの外国語の図書資料の整備や利用案内等のパンフレット
を作成する。また、ピクトグラム*11など、わかりやすい館内案内やサインを整備
する。
(ウ)
高齢者向けサービス(拡充)
読書することに不便を感じている高齢の方々が本を読みやすいように拡大読書器
や大活字本*12などのサービスを実施する。さらに、電子書籍などの非来館型サー
ビスや、文字の拡大等が容易な ICT 機器の活用などによる利用者支援についても検
討する。
また、高齢者向けの行事の開催により、図書館の利用拡大を図り、シニアサポー
ターの活動につなげるなど、高齢者がこれまでに蓄積した知識を区民と共有するた
めの取組を実施する。
(エ)
常設展示、定期的な特集展示の実施(継続)
常設展示として板橋区コーナーや平和コーナー、いたばしギャラリーを設置す
る。板橋区コーナーでは、板橋区の関連書籍や櫻井徳太郎文庫、姉妹都市関係等資
料を展示する。平和コーナーでは、平和都市「板橋」として、平和資料及び平和公
園ゆかりの資料の展示を行う。
開架閲覧エリアにスポット的なテーマ展示コーナーを設置して本や資料の紹介を
行うとともに、いたばしギャラリーでは、特集展示を行う。
(オ)
講座、イベントの実施(拡充)
区内外の知的財産を活用した幅広い分野の講座やイベントなど、生涯学習に役立
つ年代、目的に応じた多様な事業を実施する。いたばしギャラリーなど実施可能な
スペースを確保する。
20
③. 図書館利用を促進するためのきっかけづくり
広報活動の工夫や、区民企画事業の実施、会員制度の創設などにより、現在、図書
館を利用していない区民に対しても、知ること、楽しむことだけでなく、生活を充実
させる図書館の有用性を伝え、図書館利用を促進する。
(ア) 利用者に応じた図書館利用案内・リーフレット等の充実(拡充)
新たな中央図書館の開館に合わせ「一般用」「児童用」「多言語対応用」等の利用
案内・リーフレットの充実を図る。また、総合カウンター等において、スタッフに
よる利用者へのきめ細かい案内を行う。
(イ) SNS やデジタルサイネージ(電子広報機)など ICT を活用した情報提供の強化
(新規)
従来から毎月 1 回発行している「図書館だより」(大人用、児童用)や広報いたば
し等に加え、SNS 等を用いた事業案内等、情報提供を工夫し、図書館利用のきっか
けづくりを行う。また、エントランスホールやいたばしギャラリー等にデジタルサ
イネージを設置し、中央図書館のイベントなどをわかりやすく周知するほか、地域
図書館のイベント等についても情報を掲載し、周知する。
(ウ) 「いたばし図書館会員制度」の創設(新規)
「いたばし図書館会員制度」を創設し、SNS やメールマガジン等を活用して図書
館の新刊情報やイベント等を周知する会員向けサービスを行う。
(エ) 子ども向けイベント、中高生との連携・協働イベント、全館合同イベントなどの
実施(新規)
図書館バックヤードツアー*13などの図書館見学や子ども向けイベント、また、
中高生と連携・協働した事業の企画や区内図書館全館合同イベントを実施し、区立
図書館の紹介と利用促進につなげる。
21
④. 図書館サポーターの活動の場を確保し、社会参画の機会を提供
これまでの図書館ボランティア制度を組織化し、「図書館サポーター制度」と
し、区民と連携・協働した事業運営を行う。また、図書館サポーター向けの研修の
実施など、支援体制を充実し、区民の自己実現を支援する。
(ア) 図書館サポーター制度の創設(新規)
本の読み聞かせ、紙芝居、対面朗読、海外絵本の抄訳などの従来から活動を続け
ている図書館ボランティアやグループ等を組織化した、「図書館サポーター制度」を
創設する。書架整理や図書の修理、児童エリアのディスプレイなどにサポーターの
活動分野を拡充し、区民サービスや学校連携事業の充実を図る。
サポーターの活動の場としても利用できる多目的室(サポーター室)を設ける。
(イ) 図書館サポーター向けの研修の充実(拡充)
図書館サポーター養成と読み聞かせや図書の修理などスキルの向上を目的とした
研修の充実を図る。
(ウ) 図書館サポーター連絡調整会議の開催(拡充)
図書館サポーター活動報告や意見交換等を行う連絡調整会議を開催し、図書館サ
ポーターの支援とグループ活動の充実を図る。
2) 課題解決型図書館
①. 課題解決をサポートするためのレファレンスサービスの充実
区民の日常生活から生じる様々な課題や疑問を解決する手助けとなる適切な資料・
情報を提供する、レファレンスサービスを充実する。
(ア) 中央館としてのレファレンス機能を満たす参考資料の収蔵(拡充)
区立図書館の中央館として、専門的図書、参考図書に加え、地域図書館を補完す
る学習、調査、研究に役立つ資料を整備し、計画的に新たな情報、資料を更新す
る。
(イ) レファレンスカウンターの増設とレファレンス体制の整備(新規)
総合レファレンスカウンターと児童・絵本専門レファレンスカウンターを設置す
る。利用者の疑問や質問に応える専門スタッフである司書等を配置し、利用者が気
軽に相談できる体制を整える。
22
(ウ) レファレンス事例データベースの作成・公開、WEB を通じたレファレンスによる
サービスの充実(新規)
区立図書館で受けたレファレンス事例を集積し、各館で共有するためのデータベ
ースを作成し、選書に反映するほか、図書館内やホームページ等で公開し、利用者
の疑問、調査研究に役立てる。また、国立国会図書館共同レファレンスデータベー
スへ提供するとともに図書館内で検索できるようにする。
さらに利用者からの WEB を通じた相談に応じられるよう、実施に向けて、方法・
内容について検討する。
(エ) ビジネス支援、子育て支援、健康・医療情報支援、地域活動支援などの区民の
個々の課題解決に向けた資料の充実(新規・拡充)
区民の様々な課題の解決を支援するために、ビジネス支援、子育て支援、健康・
医療情報支援、地域活動支援など特定のテーマごとの専用書架を設け、資料を提供
する。
(オ) 調べ方講座、情報検索講座の実施(拡充)
図書館資料やオンラインデータベースの活用等により、情報の検索ができるよう
に、図書等資料の調べ方、情報の検索方法等に関する講座を実施する。
(カ) パスファインダー*14の作成・公開(拡充)
利用者が図書館において、特定のテーマ・情報について調査するための方法や資
料を記載したパスファインダーを作成し、図書館内で配布するとともにホームペー
ジ上に公開する。
(キ) 区民の課題解決を支援するための設備の提供(新規)
パソコン使用に対応した電源を設置した学習席、書架近くの閲覧席、ヤングアダ
ルトコーナーのグループ学習席などを設置し、調査や学習環境を整備する。
23
②. 他自治体図書館や関係機関との連携強化
国立国会図書館、東京都立図書館や他自治体図書館との相互貸借や、区内関連施設
や区内企業との連携を深め、幅広い情報提供を行う。
(ア) 他自治体図書館ネットワークの強化(拡充)
東京都立図書館や都内区市町村立図書館の蔵書を相互に貸し借りできる、相互貸
借制度をさらに活用し、区民のニーズに応えた図書等を提供する。
また、相互貸借制度の利用者周知を進め、活用の促進を図る。
(イ) 区内関連施設や区内企業との連携(継続)
教育科学館、郷土資料館などの区内の関連施設や区内企業についての情報を収集
し、パンフレット等で区民へ情報提供を行う。
(ウ) 国内絵本図書館との情報共有・連携(拡充)
全国の絵本図書館とのネットワークを活用し情報共有を行い、相互貸借や連携事
業を検討する。
③. ICT を活用した資料確保とインターネット環境の整備
オンラインデータベースの充実、公衆無線 LAN(Wi-Fi)の整備、パソコンが利用で
きる学習席の増設を行う。
(ア)
オンラインによるデータベースの拡大(拡充)
データベース閲覧用パソコンについては、現行の商用データベース*15に加え、
国立国会図書館のデータベースの利用を開始する。
データベースの進展、利用者のニーズを把握し、新聞、百科事典や商用データベ
ースの拡大について検討する。
(イ) レファレンスカウンターにおける ICT 機器の設置(拡充)
レファレンスカウンターに専用パソコンを設置するほか、データベースネットワ
ークに加入して相談業務の中で活用する。
(ウ) 公衆無線 LAN(Wi-Fi)の整備、パソコン席・パソコンが利用可能な学習席の増設
による ICT 利用環境整備(拡充)
ICT の利用環境を整えるため、公衆無線 LAN(Wi-Fi)の整備を行う。また、パソ
コン席を増設するほか、一部の学習席にはパソコン使用に対応した電源を設置す
る。
24
(エ) デジタルサイネージによる館内案内等の導入(再掲)(新規)
デジタルサイネージをエントランス等に設置し、図書館のイベントやいたばしギ
ャラリーの利用状況、地域図書館の情報、板橋区の情報等の随時案内を行う。
(オ) 地域資料のデジタル化や電子書籍の導入検討(新規)
貴重な地域資料や広く区民の閲覧が望まれる地域資料をデジタル化して保存・公
開するほか、電子書籍の導入の検討を進める。(P.19 1) ①(オ)にて詳述)
3) 学校・家庭と連携する図書館
①. 子ども向けの資料・サービスの拡充による読書活動の支援
乳幼児から青少年までを対象の図書資料を充実するとともに子どもや保護者が図
書に親しみ、読む楽しみや知ることのできるサービスを展開する。
(ア) 利用者の年齢や成長に応じた図書の収集・提供(拡充)
利用者の年齢や成長過程に応じた図書を収集し、絵本、知識の本、物語など分野
別に提供する。また、子どもや保護者が絵本や本を選びやすく、本に興味を持てる
ような表紙を見せた展示やポップ*16を使った楽しい空間づくりを行う。
(イ) 児童エリアとボローニャ子ども絵本館との連携したサービス提供(新規)
児童エリアとボローニャ子ども絵本館とを隣接した空間とし、機能の連携や相互
利用といった相乗効果の創出を図る。
兼用の児童・絵本レファレンスカウンター、読書席、親子で読み聞かせのできる
読書席、おはなしの部屋を設置し、対象年齢に応じたおはなし会や企画展示等のイ
ベントを協働で実施する。
また、絵本コンシェルジュが双方の利用者の相談に対応する。
(ウ) 「おはなしの部屋」でのおはなし会等子ども向けイベントの充実(拡充)
おはなしの部屋で、「乳幼児対象」「幼児対象」「低学年児童対象」等に分けた定期
的なおはなし会を開催するほか、「親子対象」や「公園の一部を利用した青空おはな
し会」の実施などを検討する。
そのほか、子どもの年齢に応じて本やお話の世界を広げる子ども向けイベントを
実施する。
25
(エ) 児童エリアの利用時間の拡大(拡充)
児童エリアの利用時間を延長し利用者の利便性を高める。
(オ) 青少年向け学習室の設置や近隣中学校等との連携によるヤングアダルトサービス
*17
の充実(新規)
成長過程にある中高生の関心を持つ図書資料や学習に役立つ資料などを揃えたヤ
ングアダルトコーナーを整備し、中高生がグループ等で学習できる学習室を設置す
る。
また、近隣中学校等と連携し、ヤングアダルトコーナーの企画展示の内容につい
て、中学生が企画した案を取り入れるなど、実際に運営の一部を担ってもらう仕組
みを作る。
(カ) 「かるがもタイム」の充実、書架配置の工夫、「赤ちゃんの駅」の設置などによ
る親子での気軽な利用の促進(拡充・新規)
親子で図書館を気兼ねなく利用できる時間として「かるがもタイム」を引き続き
実施するとともにイベントの実施など充実を図る。
施設面では、子育て世代が親子ともに利用しやすいように書架の配置の工夫や防
音面に配慮するほか、児童エリアには赤ちゃんの駅(授乳室)、ベビーカー置き場を
設ける。
(キ) 子育て支援サービスの実施(新規)
育児に関する図書等資料を揃え情報提供を行うほか、乳幼児用のおすすめ本を展
示するコーナーを設ける。
(ク) 託児サービスの実施(新規)
子育て世帯の図書館利用を促進し、図書館利用を支援するため、託児サービスを
検討する。
また、託児利用を希望するグループ等に対して、児童エリアの学習室やいたばし
ギャラリーなどのスペースの貸出を検討する。
26
②. 家庭・地域・学校と連携した読書活動の推進
「板橋区子ども読書活動推進計画 2020」に基づき、子どもの言語や読解力の向上や
豊かな心を醸成していくため、家庭、地域、保育園、幼稚園、小中学校と連携して、
計画的に読書活動を支援する事業を実施する。
(ア) 年齢別、テーマ別おすすめ本の紹介(拡充)
リーフレットや図書館内のコーナー展示、デジタルサイネージを活用して、年齢
別やテーマ別のおすすめ本を紹介し、子どもたちや保護者の興味を高めるとともに
本選びを支援する。
(イ) 家読への取組の啓発事業の実施(拡充)
日常的に家庭読書・家読(うちどく)の習慣が広まるよう、家族での読書への取
組事例の紹介や取組方法の案内などを行う。
(ウ) 児童エリアにおける企画展の実施(新規)
子ども向けの企画展が常時可能なスペースを設け、季節や課題等に対応した展示
を行い、いつでも、楽しく、新たな発見がある図書空間を創出する。
(エ) 学習や活動に利用可能な諸室の整備(新規)
児童エリアに近接した場所に 1 クラス程度の子どもたちが学習や活動に利用でき
る防音にも配慮した学習室を設置する。
(オ) 保育園・幼稚園のお散歩時に利用可能な諸室の整備(新規)
上記学習室は保育園や幼稚園のお散歩時にも利用可能とし、子どもたちがのびの
びと本に親しむ環境を整備する。
(カ) あいキッズ等への団体貸出用図書の充実(拡充)
小学生の放課後の読書活動を支援するため、あいキッズへの団体貸出用図書の充
実を図る。
27
③. 学校のニーズに対応する図書館サービス、学校連携事業の充実
学校向け団体貸出や学校図書館支援など学校のニーズに対応し、学校図書館支援用
の閉架書架を設置する。また、学校への図書館サポーターの派遣、読書通帳の配布、
図書を使った調べる学習コンクールの実施など、学校と連携した事業の充実により、
子どもたちの読書活動を支援する。
(ア) 学校団体貸出用図書の充実(拡充)
学校への団体貸出用図書の購入を行う際には、授業や学校行事等に対応した資料
や情報の支援を行うため、定期的に状況を調査し、購入、更新を図る。
(イ) 学校図書館支援用の閉架書架の設置(新規)
学校図書館支援用の閉架書架(学校図書館支援コーナー*18)を整備し、学校へ
の団体貸出を効率的に実施する。
また、図書館から学校への配送方法について検討を行う。
(ウ) 学校への図書館サポーター派遣(拡充)
学校図書館の支援や読書活動推進のために、学校の依頼に応じ読み聞かせやブッ
クトーク*19、学校図書館の本の修理などを行う図書館サポーターを派遣する。
(エ) 小中学生の情報リテラシー*20支援(拡充)
小中学校の ICT 化と連動して、小中学生が ICT 機器、オンラインや図書資料によ
り適切な情報を選択できるような情報検索法、活用方法の学習会等を実施する。
(オ) 小中学生向け読書通帳*21の発行(継続)
小中学生用の読書通帳を作成、学校で配布し、学校や家庭において、読書の記録
とし、読書活動の促進に役立てる。
(カ) 読書感想文コンクールや調べる学習コンクールの実施(継続)
読書感想文コンクール、図書館を使った調べる学習コンクール等、学校と連携し
た読書活動推進事業を引き続き実施する。各コンクール応募に向け、電子情報の検
索法も含めた小中学生向け講座や相談会などを実施する。
(キ) 中学校とヤングアダルトコーナーとの連携(新規)
近隣中学校と連携し、ヤングアダルトコーナーの企画展示の内容を中学生が企画
するなど、運営の一部を担うことで図書館への関心を高め、活用を促進する。
28
4) 地域のコミュニティ形成を支援する図書館
①. 区民が集い、情報交換を行う場と機会の提供
区民の自主的な企画による講座や情報交換等に利用できるよう、多目的に利用でき
るスペース等を整備する。
また、区及び教育委員会関係各課や関係機関と連携して、区民が関心ある講座等を
実施する。
(ア) 区民等へのいたばしギャラリーの貸出(新規)
区民が企画、運営する講演や発表、展示の場として、いたばしギャラリーを貸出
する。
(イ) 区内の大学や関係機関との連携講座などの実施と場の提供(新規)
区内の大学や関係機関等と連携して、大学等が実施する公開講座などを図書館で
実施できるように、いたばしギャラリー等の貸出を行う。
(ウ) デジタルサイネージによる情報提供(新規)(再掲)
デジタルサイネージを用いて、板橋区の文化や歴史、買い物、子育て、学びなど
に関する情報や、区のプロモーション動画などを発信し、区民に地域情報を提供す
る。
②. 利用者同士の多世代交流の場の確保
いたばしラウンジ(カフェ)などを活用し、青少年や子育て世帯、高齢者などが気
軽に集まり、交流することのできる機会やスペースを提供する。
(ア) 公園利用者を考慮したいたばしラウンジ(カフェ)等の設置や公園イベントとの
連携(新規)
公園の利用者も入館しやすいエントランスやいたばしラウンジ(カフェ)を設置
する。また、公園内で実施したイベントと関連した展示や事業を図書館でも同時に
開催するなど利用者の交流を図る。
(イ) いたばしラウンジ(カフェ)を利用した多世代交流イベントの実施(新規)
いたばしラウンジ(カフェ)等を利用した親子を対象としたイベントや多世代交
流イベントを実施する。
29
③. 災害時の情報発信などの地域の防災拠点形成
新たな中央図書館では、公衆無線 LAN 等の導入により、災害時の情報収集を可能と
し、災害に関する情報提供を行う。また、防災関係の図書を充実し、地域の防災活動
を支援する。
(ア) 防災関連図書の巡回展示、講座等の実施(新規)
中央図書館の防災関連の図書を地域図書館で巡回展示するほか、防災をテーマと
したワークショップ、講座を実施する。
(イ) 公衆無線 LAN(Wi-Fi)の導入(新規)
災害時に情報収集が可能となるよう、公衆無線 LAN(Wi-Fi)を導入する。
(ウ) 帰宅困難者等に対応した災害用物品等の配備(継続)
帰宅困難者用の非常食や備品等を備える。
(エ) 耐震性に優れた建物の建築、設備への配慮(新規)
耐震性に優れた建物を建築するとともに、地震等災害発生時に配慮した設備と
し、利用者への安全面を踏まえた書架等の設置を行う。
5)
板橋の魅力“緑と文化”を象徴する図書館
①. “水や緑”などと調和した心地よく読書できる空間づくり
いたばしラウンジ(カフェ)や屋外テラスを設置し、公園と一体化した空間として
図書館を整備するほか、公園内の緑を感じてゆったりと読書を楽しめる読書席を整備
する。
(ア) アメニティ*22の向上(新規)
動線や空間に配慮した書架や共用スペースの配置など、滞在型の図書館をめざし
た快適な読書環境づくりを行う。
(イ) 公園と一体化した空間の整備(新規)(再掲)
いたばしラウンジ(カフェ)や屋外テラスについては、公園の利用者が気軽に立
ち寄れる公園と一体化した空間として整備する。
(ウ) 公園の緑を感じる図書館空間の整備(新規)
図書館内から、公園内の緑や花、季節の移ろいを感じられる読書席や空間を整備
する。
30
(エ) 多様な読書席の設置(新規)
静かな落ち着いた環境の席やグループ学習、公園の緑を眺められる席など、利用
者の目的、状況、選択に応じた読書席を設置する。
(オ) 緑と文化に関する講演会の開催(新規)
いたばしギャラリーや公園を活用した講演会やイベントを企画する。
②.
区の特性となる資料の収集・保存・活用
板橋区の郷土史、文化財、産業など地域資料の体系的な収集、保存に努め、わかり
やすく展示する。板橋区史編さんにゆかりのある民俗学者、櫻井徳太郎文庫及び櫻井
徳太郎氏の業績を紹介するコーナーを設ける。
また、平和に関する資料や、友好・交流都市の紹介など板橋区の特性となる資料の
収集・保存・活用を行う。
(ア) 板橋区の特色となる図書の集約(拡充)
板橋区にゆかりの深い人物や著名人、地場産業、イベントなどに関する資料を板
橋区コーナーに集約し、板橋区の魅力を内外にアピールする。
(イ) 櫻井徳太郎文庫の紹介コーナーの設置(新規)
民俗学者、櫻井徳太郎氏の櫻井徳太郎文庫と櫻井徳太郎氏の業績を紹介するコー
ナーを設置する。
(ウ) 櫻井徳太郎文庫を活用したワークショップや講座の開催(新規)
子どもたちを対象に民俗学や板橋について学習する講座等を開催し、櫻井徳太郎
賞の応募促進をめざす。
(エ) 友好都市・交流都市コーナーの設置(拡充)
友好都市・交流都市コーナーを設置し、板橋区と他都市との交流により収集して
いる図書資料や交流都市を紹介する資料を展示し、紹介する。
(オ) 平和コーナーの設置(拡充)
板橋区平和都市宣言や平和に関する資料、平和公園ゆかりの資料の展示を行う平
和コーナーを設置する。
(カ) 貴重資料等のデジタル化(新規)
板橋区コーナーに集約した資料のうち、貴重な資料やより多くの区民の閲覧が望
まれる資料については、デジタル化を進める。
31
③.
ボローニャ子ども絵本館を活用した事業展開
「絵本のまち板橋」として、ボローニャ子ども絵本館が所蔵する「ボローニャ国際
児童図書展*25」から板橋区に寄贈された世界各国の絵本を展示、公開し、世界の
様々な国々の文化・言語・芸術と出会う場を提供する。
絵本コンシェルジュが、利用者の相談に応じ、絵本の紹介を行う。
(ア) 児童エリアと連携したコーナーの設置(新規)(再掲)
ボローニャ子ども絵本館は、児童エリアとつながる空間として整備し、兼用の読
書席やおはなしの部屋を設置する。
(イ) 表紙の見える展示によるファンタジー空間の創出(新規)
絵本は、表紙自体が一枚の美術品的なものが多いので、表紙が見えるように展示
し、絵本の持つファンタジーな空間を創出する。
(ウ) 絵本コンシェルジュの配置(新規)
児童エリアと兼用のレファレンスカウンターに、児童文学や外国語の絵本全般に
通じた「絵本コンシェルジュ」を配置する。
子どもの年齢、興味、成長過程に応じた絵本の紹介や説明、相談に応じ、子ども
と絵本をつなぐほか、読み聞かせなどに対応する。
(エ) 一般貸出の実施(新規)
所蔵する海外絵本の一部について、これまで実施していなかった一般貸出を行
う。ただし、美術的、学術的価値の高い貴重な資料については、一般貸出は行わ
ず、公開書庫への配架を基本とし、公開できるようにする。
(オ) 国際絵本翻訳大賞の実施(継続)
海外絵本の翻訳作品を全国から募集し、優れた作品を表彰するコンクールを実施
する。
(カ) 絵本づくりワークショップの実施(継続)
子どもたち自身が絵本の作成に携わることにより、絵本への興味を高め、表現力
の向上をめざして、小学校の授業のなかで「児童向け絵本づくりワークショップ」
を実施する。
(キ) 新着図書の紹介(ボローニャブックフェア)(継続)
北イタリアのボローニャ市で毎年行われる「ボローニャ国際児童図書展」の事務
局から届いた新着絵本などを紹介するボローニャブックフェアを開催する。
32
(ク) テーマ展示の実施(新規)
世界の国や地域、季節や時節に応じたテーマを設定し、海外絵本を通じて子ども
のころからのグローバル教育に資するともに、絵本の世界に親しめるような展示を
実施する。
(ケ) イタリア・ボローニャ関連企画の実施(新規)
区と交流のあるイタリア・ボローニャの文化・芸術・産業の紹介など関連企画を
実施する。
④. 教育科学館など近隣施設や公園と一体となった新たな連携事業の実施
教育科学館と連携し、教育科学館で体験したことを図書館で調べるというような相
互交流や科学関係の図書を充実させ、子どもたちの科学についての関心を高める。
また、平和公園や近隣小中学校と連携して事業を展開する。
(ア) 科学関係の図書の充実、教育科学館での展示(新規)
科学関係の図書の充実を図り、教育科学館での企画展示に合わせて関連図書の展
示を行う。また、区の地場産業である光学関係の図書の充実など、板橋区に関連し
た図書を収集・公開する。
(イ) 教育科学館のイベントと図書館の企画展示の連携(新規)
教育科学館のプラネタリウムや企画展等のイベントと図書館の企画展示を連動さ
せ、教育科学館で体験したことを図書館で調べられるようにするなど連携した事業
展開を行う。
(ウ) 教育科学館との連携事業の実施(新規)
教育科学館主催の平和公園で実施している星空観測会の図書館での実施や教育科
学館のプラネタリウムで読み聞かせを実施する等、相互の連携事業を実施する。
(エ) 調べる学習イベントの共催(新規)
「図書館を使った調べる学習コンクール」と連携したワークショップを開催す
る。図書館でテーマを探し、教育科学館で実際に体験、図書館でさらに調べるとい
う経験を通して、子どもたちの科学への関心を高め、図書館利用を促進する。
(オ) 平和公園イベントへのいたばしギャラリー等の貸出(新規)
地域団体等に対していたばしギャラリー等の図書館施設の貸出を行う。
33
(カ) 平和公園イベントと図書館の企画展示の連携(新規)
平和公園で行われるイベントの内容にあわせた企画展示を実施する。
(キ) 近隣の小中学校との連携(拡充)
児童・生徒が必要とする資料、図書を揃え、近隣の小中学校が授業や放課後に利
用しやすい環境を整える。また、ブックトーク、ビブリオバトル*23など出張や図
書館内での読書活動推進事業を実施する。
いたばしボローニャ子ども絵本館の紹介
毎年春、北イタリアのボローニャ市では、「ボローニャ国際児童図書展」が開催されてい
ます。ボローニャ国際児童図書展事務局から、平成 5 年以降、海外の出版社から集められ
た絵本の一部が、板橋区に寄贈されています。同事務局から毎年寄贈を受けているところ
は、板橋区以外では、国立国会図書館国際子ども図書館があります。「いたばしボローニャ
子ども絵本館」は、「絵本のまち板橋」の象徴する施設として、旧板橋第三小学校の建物の
一部で開館しています。
●世界 86 か国、約 26,000 冊の絵本
現在、世界 86 か国約 26,000 冊の絵本を収蔵し
ています。海外の絵本は、表紙も国特有の個性が
あり、一つひとつの表紙自体が美術作品的なもの
が多いことも特徴です。新たな中央図書館では、
表紙が見える展示を行うほか、一部の絵本につい
ては一般貸出を実施する予定です。
●いたばし国際絵本翻訳大賞
イタリア語と英語の外国語の絵本を翻訳する作品を募集するコンテストを平成 6 年より
毎年実施しています。全国から応募があります。また、板橋区内の中学生を対象に中学生
部門(英語のみ)を設けています。
●ボローニャ国際児童図書展
昭和 39 年、ボローニャ市で開始され、今年 54
回目を迎えた世界最大の児童書の見本市です。世
界の出版社、作家、画家、翻訳家、書店員、図書
館員などが訪れ、版権の売買や児童書に関する情
報交換が行われています。毎年優れた児童書に対
してラガッツィ賞を贈呈しています。
34
35
IV.
新しい中央図書館のエリア(場所)イメージ
新しい中央図書館を特徴づける施設イメージを、機能、設置に適する場所、広さ、設
備等の観点に沿ってまとめる。また、エリア(場所)のつながりをまとめた関係図を作
成した。さらに、それらの場所で実現したい活動イメージを例示した。
1. いたばしギャラリー
1) 基本条件
表 IV-1 いたばしギャラリーの概要
①
機能
“板橋らしさ”を共通テーマとする、行政・図書館からはもとよ
り、区民からの活動も含めた“板橋らしさ”を知ったり、学んだり
する場の運営と提供。
②
設置
適所
周囲からいたばしギャラリーの活動が感じられるエリア(場所)が
望ましい。
図書館のセキュリティ範囲を調整できることが望ましい。
「緑と文化」の出会う場所として、公園の緑を感じられる場所が望
ましい。
図書館で一番大きな集会スペースとして、多くの図書館機能とつな
がりが持てる位置が望ましい。
③
広さ
150 ㎡程度。120 席程度の座席配置が可能な計画。
④
設備
等
展示ができるしつらえ。
(展示壁、可動展示パネル、ピクチャーレール等)
ワークショップ、会議研修が可能な場。
(平土間、可動テーブル、可動椅子およびそれらの収納スペース)
映像が使える、機械等が動かせる、実演できるしつらえ。
(各ブースに給電できるコンセント、調光設備、映写できる白壁
等・遮光カーテン・防音への配慮)
水場。(流し台(給排水設備))
学習室との近接を検討する。
2) 関係図
いたばしギャラリーは様々な用途に
利用される施設をイメージしているた
め、図書館内のなるべく多くの機能と
関連づけるとともに、セキュリティに
も注意する必要がある。
図 IV-1 いたばしギャラリーの関係図(例)
36
3) ソフトへの展開例
表 IV-2 いたばしギャラリーの活用イメージ
活用イメージ
説
明
①
地域活動の場の提供
講演や発表、展示の場として貸出する。
②
多目的に使いやすくすること、利用者が入りやすい
特集展示、イベントの実施 配置を工夫することにより、自由なテーマによる展示
やイベントを掘り起こす。
③
平和資料の展示
④
平和公園のイベントとの
平和公園で実施されているイベントと連動して、図
連動
書の企画展を実施し、イベントを周知する。
⑤
「絵本のまちいたばし」
「絵本のまち板橋」を区内外にPRする場としてい
ボローニャ子ども絵本館 たばしボローニャ子ども絵本館の展示(特設フェア)
特設フェアの開催など
を開催する。
⑥
「絵本の読み聞かせ」「児
大人数を対象とする読み聞かせや読書会の場とす
童書読書会」の開催
る。
⑦
講演会の実施
⑧
学校等の活動の発表・展示
区内の中学校や高校の文化部、大学等の活動や発表
の場
の場とする。
⑨
「ものづくりの板橋」
⑩
「いたばし産業見本市」と
「板橋製品技術大賞」の展示や、その技術や原理に
の連携
関する本の紹介を併設する。
⑪
「ビジネス支援」
⑫
区内の製造業に携わる方々が講師となって製品の
「理科・社会」関係のミニ 内容や自分の仕事を支える技術に関するミニ講演を
講演会の開催
実施する。
⑬
文化や歴史、買い物、子育て、学びなどに関する情
デジタルサイネージによ 報や、区のプロモーション動画、動画広告などを発信
る情報提供
し、区民の地域への愛着を醸成する。
平和都市「板橋」として、平和関連資料や平和公園
ゆかりの資料を展示する。
緑と文化に関する講演会を開催する。公園の緑の中
でのイベント等も企画する。
いたばし産業ビジネス支援、中高生向けミニ講演会
を開催する。
板橋の製造業を牽引する区民に役立つ本や情報を
探せる場所、探し方を紹介するコーナーを併設する。
4) 空間イメージ
展示、講座、講演会の会場として使用すること
ができる空間。帰宅困難者の一時収容施設として
も機能しうることが望ましい。
図 IV-2 いたばしギャラリーの空間イメージ(例)
37
2. いたばしラウンジ
1) 基本条件
表 IV-3 いたばしラウンジの概要
①
機能
図書館利用者、公園利用者が利用する交流・飲食の場。
②
設置
適所
図書館利用者も公園利用者も使えるエリア(場所)が望ましい。
公園利用者が図書館内に入ることなく、気軽に利用できる位置が望
ましい。
いたばしギャラリーに近接し、イベント時等にも使えることが望ま
しい。
図書館内からも飲み物等の購入ができることが望ましい。
③
広さ
90 ㎡程度。いたばしギャラリーとエントランスホールとの関係を調
整することで、200 人程度の催事ができるエリア(場所)を検討。
④
設備
等
簡単な飲食物が提供できる厨房設備。(調理方法等は今後検討を要す
る。)
材料、ゴミ等の廃棄動線に配慮する。
公園の良い環境を活かし、公園利用者の憩いの場ともなるように屋
外テラスを設置するなど、十分に配慮する。
エントランスホールに近接し、図書館の賑わいを表出するような関
係とする。
運営については、今後検討を要する。
2) 関係図
いたばしラウンジは図書館利用
者のためだけではなく、公園を利
用する区民にも利用できることが
望ましい。
また、前述のいたばしギャラリ
ーの使い方の幅を広げられる関連
性をもたせることが望ましい。セ
キュリティに注意する必要があ
る。
図 IV-3 いたばしラウンジの関係図 (例)
38
3) ソフトへの展開例
表 IV-4 いたばしラウンジの活用イメージ
活用イメージ
説
明
①
カフェでのおはなし会の
いたばしラウンジ(カフェ)を利用したおはなし会
や、親子を対象としたイベントを検討する。
開催
②
現在、平和公園を利用している様々な世代と図書館
世代交流が進むカフェの 利用者の交流を図るため、公園利用者が気軽に寄れる
ように図書館の入り口やいたばしラウンジ(カフェ)を
展開
設置する。
③
いたばしラウンジ(カフェ)については、公園の利用
公園利用者も楽しむカフ
者が気軽に立ち寄れる公園と一体化した空間として配
ェの展開
置する。
④
絵本や図書に関連した
絵本や図書にちなんだカフェメニューなどを企画し
絵本や図書により親しめる環境を整える。
メニュー
4) 空間イメージ
公園の緑が身近に感じられる空間とす
る。公園側からはラウンジの様子が窺え、
公園側からもアクセスしやすい場所が望ま
しい。
図 IV-4 いたばしラウンジのイメージ(例)
図 IV-5 公園から見えがくれする、いたばしラウンジ(例)
39
3. ボローニャ子ども絵本館
1) 基本条件
表 IV-5 ボローニャ子ども絵本館の概要
①
機能
世界各国の絵本の蔵書を基盤に、「絵本のまち板橋」を象徴する実
際に、見て、触れて、比べることができるエリア(場所)の創
造。
緑を感じられる空間の中で、自分の住んでいる場所から日本、世
界の文化、児童書文化を通じて、大人も子どもも学ぶことができ
るエリア(場所)づくり。
②
設置
適所
親子、児童が親しみをもって通えるように、公園と近い関係を保
つ。
色彩鮮やかな絵本等、公園を利用する人に対してアピールできる
よう、展示空間と書架、閲覧スペースを配置する。
ボローニャ国際児童図書展に出品された貴重な価値の高い絵本に
ついては、公開の際にも展示、保管に十分配慮する。
外国語の絵本は、大人の学習教材としての利用もあることを踏ま
え、ニーズにも対応できる空間構成とする。
③
広さ
325 ㎡程度。児童エリアとの近接を図り、おはなしの部屋(30
㎡)との共用も検討。
④
設備
等
子どもの発達と読書形態を踏まえた閲覧スペースを用意する。
親子での利用に積極的に配慮する(赤ちゃんの駅の設置等)。
開架閲覧エリアに影響を及ぼさないよう防音に配慮する。
公園の緑を生かすスペースとするが、屋外空間での閲覧等はセキ
ュリティ、本、建物の観点において具体的な配慮を要する。
ボローニャ子ども絵本館、児童図書とも公開書庫を管理カウンタ
ー近くに設ける。
絵本・児童書に関するレファレンススペースを設ける。
ボローニャ子ども絵本館と児童図書スペースで共通のテーマを展
示、配架できるスペースを設ける。
2) 関係図
ボローニャ子ども絵本館やいたば
しギャラリーの活動により、公園に
対して、図書館の視覚的な魅力を創
り出すことができる。
図 IV-6 ボローニャ子ども絵本館の関係図(例)
40
3) ソフトへの展開例
表 IV-6 ボローニャ子ども絵本館の活用イメージ
活用イメージ
説
明
美術館的な展示空間の創出
絵本は、表紙自体が一枚の美術品的なものも多い
ので、表紙が見えるように配架する。
②
絵本コンシェルジュの配置
児童エリアと兼用で設置するレファレンスカウ
ンターに「絵本コンシェルジュ」を配置し、個々の
子どもの年齢、興味、成長過程に応じた絵本の紹介
や説明や相談に応じ、子どもと絵本をつなぐ。
③
研究への対応
ボローニャ子ども絵本館の閉架書庫については、
学生や研究者のために公開書庫として設置する。
④
海外絵本の一部貸出の開始
これまで実施していなかったボローニャ絵本館
所蔵絵本の一部について個人貸し出しを行う。ただ
し、美術的、学術的価値の高い貴重な資料を除く。
⑤
「児童向け絵本づくりワークショップ」を実施
絵本づくりワークショップの し、子どもたち自身が絵本の作成に携わることによ
実施
り、子どもたちの絵本への興味を高め、表現力を向
上させる。
①
豊富な海外絵本と絵本コンシェルジュを活用し、
外国語によるお話し会を開催することで、区民の多
用な利用と、子どもたちの異文化への理解を促す。
⑥
グローバルお話し会の開催
⑦
北イタリアのボローニャ市で毎年行われる「ボロ
新着図書の紹介(ボローニャブ ーニャ国際児童図書展」の事務局から届く新着絵本
ックフェア)
などを紹介するボローニャブックフェアを開催す
る。
⑧
テーマ展示の実施
⑨
ボローニャの関連事業の実施
テーマを設定して親しみやすい展示を行う。
イタリアやボローニャの文化・芸術・産業の紹介
など関連企画を実施する。
4) 空間イメージ
絵本の装丁は見て楽しく美しいものであるため、「面出
し」による配架を主体としたエリアとする。また、児童に
選びやすい書架の高さにする。また、ボローニャ子ども絵
本館の蔵書には貴重な海外の絵本も含まれているため、直
射日光を避け、熱と光からの表紙の保護にも配慮が必要で
ある。
図 IV-7 ボローニャ子ども絵本館と児童エリアのイメージ(例)
41
4. 板橋区コーナー
1) 基本条件
表 IV-7 板橋区コーナーの概要
①
機能
板橋区の魅力を紹介するエリア(場所)。(板橋区と交流
のある都市の紹介コーナー、板橋区にゆかりのある人物
の紹介コーナーなど。)
民俗学者である櫻井徳太郎氏の業績と櫻井徳太郎文庫を
紹介するコーナー。
②
設置適所
地域資料と連続して配置する。
平和コーナーと近接した場所が望ましい。
③
広さ
50〜100 ㎡程度。
④
設備等
表紙が見える配架ができる書架を設置する。
調査や学習ができるスペースを確保する。
データベースの検索ができる PC を設置する。
2) ソフトへの展開例
表 IV-8 板橋区コーナーの活用イメージ
活用イメージ
説
明
①
櫻井徳太郎文庫
櫻井徳太郎文庫を活用し、民俗学や「板橋」について学ぶワ
ワークショップ ークショップなどを実施する。
②
友好・姉妹都市の
区と国内外の交流都市の文化や産業を紹介する図書資料等
紹介
を展示、紹介する。
③
いたばしギャラ
リーとの連携
いたばしギャラリーと連動し板橋区の魅力を発信する。
◎ エリアの規模と
利用イメージ
講座、講演会、イベントなど
実施するイベントの目的、内
容、規模により使用するエリア
(諸室)を例示する。
一時的には大きな規模のイベン
トにも対応できるように、基本
設計時に各室の連携と使用イメ
ージを具体化する必要がある。
図 IV-8
42
エリアの規模と図書館機能の連携検討例