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春の小花
森野かずみ
クロッカス
春うららを感じる日が多くなり、3日には上巳の節句(ひなまつ
り)を迎えます。最近ではおひなさまの段飾りも少なくなりました
が、桃の花やひし餅を飾ったり、ハマグリの潮汁を作ったりなど
は続けてほしいものです。
※
で、クロッカス属内での園芸品にも使われています。秋
の終わり頃に開花するサフランと同じ仲間ですが、早春
に開花するクロッカスは春サフランや花サフランと呼
ばれることもあります。まだまだ土色の花壇ですが、可
憐な花を見つけて春を楽しんでください。
もう一つ、マンションの玄関先やビルの植込みなど、
比較的日陰に植えられている植物の開花を見てみま
しょう。ツゲ科フッキソウ属のフッキソウ
(富貴草)
は、
一見すると草のようにも思えますが、樹木です。茎の下
部は地を這い、上部が斜上しますが、上部の茎は緑色で
草質
(くさだち)
、葉は先端に集まって付き、葉先には大
きなのこぎり歯があります。
のホームページでカラー写真をご覧いただけます。
Kacce
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公園などの花壇では、黄色や紫色のクロッカスが目を楽しませ
てくれます。クロッカスの呼び名はアヤメ科クロッカス属の総称
所を探して散歩をお続けください。
の影響によって開花時期が異なりますので、花がない時は別の場
茂る様子を繁栄に例えて付けられたようです。日当たりやビル風
褐色の葯(やく)が付いています。フッキソウの名は、常緑の葉が
雌花はめしべの花柱が2個、雄花はおしべが4個あり、先端に茶
雌花、
上部に雄花の白い花を付けますが、
花弁はありません。通常、
一年中同じように見えますが、3月から4月の初め頃
に花序(かじょ)を伸ばして花を付けます。伸ばした花序の下部に
フッキソウ