育ててくれた 海への恩返し

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(昭和24年9月30日 第三種郵便物承認)
平成29年3月1日(毎月1日発行)
赤 十字 NEWS
平成29年3月1日(毎月1日発行)
赤 十字 NEWS
第 922 号
(昭和24年9月30日 第三種郵便物承認)
3
March 2017 Vol.922
第 922 号
http://www.jrc.or.jp
赤 十字 NEWS
平成
SPECIAL
3赤十字新聞 編集・発行/日本赤十字社
29年3月1日(毎月
1日発行)
-1- 3 TEL : 03 -3438 -1311 一部20円 赤十字新聞の購読料は、
広報室 〒105-8521
東京都港区芝大門1
社費に含まれています。
第 922 号
SPECIAL 2
(昭和24年9月30日 第三種郵便物承認)
赤 十字 NEWS
「私たちは、忘れない。」特集
(昭
育ててくれた
海への恩返し
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7 AREA NEWS
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赤 十字 NEWS
第 922 号
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赤 十字 NEWS
第 922 号
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第 922 号
AREA NEWS 6
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WORLD 8
「若い人が魅力を感じるような漁業をやっていきたい」と語るのは宮城県女川町
の鈴木公義(きみよし)さん。女川湾の桐ケ崎漁港周辺でカキの養殖やいわし漁
を営んでいます。津波で自宅と漁業資材のほとんどを失い、再開までにはカキで1
年、いわしはさらに3年がかかりました。「いろんな支援にも支えられたし、使命感
もありました。海に育てられた人間として、簡単には投げ出せないという気持ちかな。
6年はあっという間でしたね」と震災後の日々を振り返ります。今、水揚げ量は震
災前の水準に戻り、昨年は自宅も再建しました。しかし、10年後、20年後の展望
は決して明るくないといいます。「町に残っている多くは高齢者。いま俺たちが漁業
を通じて豊かになり、かっこいい姿を示すことが、若い連中を女川に戻すことにつ
ながるはず」。船の操舵輪を握るこぶしにも力が入ります(撮影:遠藤康夫)。
CONTENTS
SPECI AL
2 3
SPECI AL
「私たちは、
忘れない。
」
阪神・淡路大震災、
東日本大震災、
熊本地震
被災者や支援に携わった人の声
4 5
災害の教訓を未来へ生かす
●私たちが防災教育に取り組む理由
●災害に対応する力を地域ではぐくもう!
「私たちは、忘れない。」
イベント情報
AREA NEWS
6 7
北海道・栃木・神奈川
石川・福井・熊本・大分
血液事業本部 災害対応訓練
日本宝くじ協会 献血バス8台寄贈
平成28年熊本地震災害 義援金情報
健康豆知識 女性に多いドライアイ
常任理事会開催報告
Voice&プレゼント
今年も走ります。
「忘れない。
」
ステッカー付営業車
WORLD
8
「海外たすけあい」
に全国から6.3億円
寄付総額使用計画
中東紛争地で赤十字スタッフが相次いで殺害
I am #NotATarget
連載 人道支援の現場から⑧
国際赤十字・赤新月社連盟
アジア・大洋州事務所 組織強化担当
赤松 直美
ご紹介するところから始めましたが、仕事以上に説明に熱が入ってしまっ
たかな…」と苦笑します。昨年と今年で12社の協力を取り付けました。
「社会貢献活動に昔から関心がありました。数ある支援団体の中でも、
日赤さんの活動には日頃から注目していました。特に災害時の活動で
昨年3月から始まった日本赤十字社の「私たちは、忘れない。」プロジェ
は頼りになる存在だと思っています。弊社は今年もステッカーを貼った
クトに賛同し、営業トラックに「忘れない。」ステッカーを貼った伊藤園。
トラックを全国で走らせ、本社職員がバッジを着用しますが、より多く
2580台のトラックが全国津々浦々を走りました。走行距離の合計は1カ
の企業がプロジェクトに賛同し、防災で手を結ぶようになるとうれしい
月に地球50周分超に。取引先企業などから多くの問い合わせや反響が
ですね」
「被災地を応援したくても、何をしたらいいのか分からない企業は多
PROFILE
寄せられたといいます。髙見さんはこの取り組みの中心を担いました。
株式会社 伊藤園 広域法人営業一部
第四課 グループリーダー
髙見 啓さん
いんです。日赤さんのプロジェクトは、私たちがその一歩を踏み出した
り、防災対策を再確認したりするきっかけにもなります」
プロジェクトへの賛同は、伊藤園の取引メーカーや関連会社にも広が
りましたが、その先頭に立ったのも実は髙見さん。「営業の合間に少し
昭和54年宮崎県生まれ。平成14年に株式会社伊藤園に入社。九州各地での営業を
9年間経験した後、本社営業部へ。伊藤園は赤十字支援マーク付の自販機を全国に
設置し、売り上げの一部を活動資金として寄せるなど日頃から日赤を支援しており、
髙見さんは全国初のハートラちゃんマークを付けた寄付付き自販機の設置などを
担当した。
おすすめの飲料水ブランドは
「お∼いお茶」
と
「タリーズ」。
「過去の経験にとらわれない
防災意識を」
赤 十字 NEWS
赤 十字 NEWS
に、なかなか外に出ない人も増えて
りました。でも、時間の経過ととも
緒に助 け合 う 気 持 ちがみんなにあ
仮 設 住 宅に入 居 した 当 初は、一
の人も、全てを失い本当にみじめ
カメラは向けられなかったな。ど
頼されたことがあるんです。でも、
記録を撮って欲しいと県外から依
震 災の後、被 災 地や被 災 者の
な思いの中で生きていた。あの時
きましたね。
それでも 仮 設の場 合は、玄 関 が
カメラマンが来て、中には被災者
らは 見 えません。本 当に孤 独 死 な
それすら分からない人たちが撮っ
顔 が 被 災 地にあり ました か? した。だけどあの時、心からの笑
どが心配です。自治会としても、目
ていた。違うと思いましたね。
の笑 顔 を 集 めるよ うな 人 もいま
配り、気 配りを大 切にしています。
で全部失いました。女房には廃業
私も石 巻の店 舗の機 材を津 波
もできます。ところが災害公営住宅
ションのためのイベントを開 催して
仕事。客足は3分の1に落ち込み
もちろん、日本と世界の皆さん
裕がなくなってしまいました。
ているのは高齢者⋮。みんなに余
んです。若い人は都会に出て、残っ
災地の経済がうまく回っていない
変わってないかもしれません。被
える問 題の本 質は6 年 後の今 も
ます。とはいっても、被災者が抱
見ると、再開して良かったと思い
し、喜んでくれるお客さんの顔を
ましたが、撮 影した 写 真を手 渡
も勧められたけど、好きで始めた
いろいろな支援団体がコミュニケー
は鉄筋コンクリートの団地で、外か
のみんなの表情⋮。当時は大勢の
遠藤 康夫さん、智子さんご夫妻
閉じていても、様子がおかしかった
石巻蟹田自治会会長、丸道写真館代表取締役
だと思っています。
在まで継続して自治会長
それぞれの立場で思い起こし、防災や復興へと
字社の取り組む「私たちは、忘れない。」
(3月1∼
クトです。阪神・淡路大震災や東日本大震災、そ
31日)は、そうしたきっかけづくりを目指すプロジェ
人は、自らの経験をどのような一歩へとつなげたの
AREA NEWS 6
第 922 号
でしょうか。5人の方に話を聞きました。
(昭
つなげていくことが求められています。日本赤十
赤 十字 NEWS
ら窓の方に回って中をうかがうこと
「心からの
笑顔を撮りたいね」
くれま すので、そ うした 場 も 大 切
れようと考えています。多賀城は地
また 自 治 会では防 災にも力を入
震 だ けでなく、過 去 水 害にも 襲 わ
れたことがある地域。歩けない高齢
者を避 難 時に運 ぶためのリヤカー
を自治会として購入しましたので、
です。
これからは訓 練にも取り組む予 定
防災で気をつけなければいけない
のは、過去の経験に頼り過ぎないと
た。仮設住宅時代から現
者には少しずつ笑顔が戻っていま
からたくさんの支援を受け、被災
広告
いうことでしょうか。東日本大震災
の災害公営住宅に転居し
す。本当に感謝です。今も機会が
石巻市内で写真館
たから﹂と逃げ遅れた人が大勢いま
入居。昨年4月に同市内
あるごとに、心のポケットにしまっ
設住宅の自治会長
でも﹁チリの時はここまで来なかっ
5年にわたり仮設住宅に
ます。また、昨年の熊本地震のよ
を務めるとともに、
した。私自身、過去に津波を経験し
建設会社を経営。津波で
てある御礼の言葉を取り出してい
にある女川町の仮
ていましたが、今回初めて怖いと感
自宅兼事務所を失い、約
うに、震災は人ごとではありませ
館を失った遠藤さ
じました。経験を越えることがある
宮城県多賀城市内で土木
ん。御礼とともに、そのことも声
ん。現在石巻市内
ことを忘れないことです。これから
を務めている。
だって東 日 本 大 震 災 より 大 きい津
川町の自宅と写真
波がくるかもしれないんです。
震災で宮城県女
を大にして言いたいですね。
を営業している。
平成29年3月1日(毎月1日発行)
WORLD 8
第 922 号
市営鶴ヶ谷住宅自治会会長、柏建設代表取締役
平成29年3月1日(毎月1日発行)
加納 政市さん
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日本は世界でも有数の自然災害多発国。
巨大
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第 922 号
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7 AREA NEWS
して昨年の熊本地震。被災者や支援に携わった
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地震や水害などにいつどこが襲われても不思議
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3 SPECIAL
平成29年3月1日(毎月1日発行)
SPECIAL 2
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ではありません。だからこそ、過去の災害経験を
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「学びこそが防災の力」
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体験が必須ならば、語り継ぎはい
は壁ではないと思っています。もし
ぎを進める上で、震災体験の有無
防災教育や震災体験の語り継
をやっていこうと考えました。支
からこそ、臨機応変にできること
ている奉仕団ではありません。だ
僕 た ちは特 別 なスキルを 持っ
ているように感じました。
が経 過した分、問 題が潜 在 化し
さ れま す。でも、震 災 か ら 時 間
は﹁生活は落ち着きました﹂と話
私 がお 会いしたほとん どの方
いわき 市に新 たに家 を 建てた
歳の女 性は、近 所 付 き 合いも
れていましたが、僕たちの奉仕団
﹁熊本には地震がない﹂と言わ
れましたが﹁テレビを見てても、
ごしています。明るく対応してく
なく、ほとんどの時間を一人で過
原 発 避 難 者であることを知 ら
訓 練は自 分た ちの組 織 内で完 結
出 す 方 もいま す。孤 独 感の裏 返
伺 う とせきを 切った よ うに話 し
避 ける方 も 目 立 ちました。私 が
れるのを 嫌い、近 所 付 き 合いを
しますが、実際の現場では大勢の
浪 江 町の一部 は、今 月 末に避
しだったかもしれません。
た、自分たちから歩み寄ることで、
戻ってこれるのか
この点を本
暮 らせない。隣 や ご 近 所 さ んは
り ませ ん。自 分 だ け が 帰っても
ライフライ ンの問 題 だ け じゃあ
⋮﹂と口をそろえます。買い物や
が、皆さん﹁帰りたいけど難しい
難 指 示が解 除される見 通しです
同 防 災 訓 練 を 行いました。その
九 州 各 県の青 年 奉 仕 団は初の合
震 災 経 験 を 踏 ま えて昨 年 夏、
とも学ばせていただきました。
アドバイスをいただけたりするこ
周囲から情報が集まってきたり、
方とつながっていくことが大切。ま
でも訓練と実際は違いました。
思っています。
こ う した 備 えがあった か ら だと
は東日 本 大 震 災 後、意 識して災
吉田 奈々子さん
涙が出てくるの。眠れないことも
高槻赤十字病院(大阪府)
看護師
⋮﹂とこぼします。
「被災者の声を
将来の救護に生かしたい」
害 学 習や防 災 訓 練を重ねてきま
いわき市内で浪江町民の健康調査を実施
した。震災後すぐに動けたのは、
ちでした。
かの役に立てるはず﹂という気持
部に行ったのも、
﹁雑用でいい。何
身高校では震災体験を聞き取り、
語り継ぐ活動を行うチームがあり
多いのですが、1年生の加藤昌也
ます。体験を話してくれない人も
さんは﹁断る人も含めて、たくさ
んの人と出会うことが大切﹂
と語っ
ています。その通りだと思います。
年経っても話せない人がいるこ
とも、語り継ぐべき大切な事実な
さくらネットが事務局を務める
のです。
災活動を発表し合う場ですが、出
﹁ぼうさい甲子園﹂は、各校の防
場 する多くの生 徒た ちにとって、
活動の出発点は﹁災害﹂だけではあ
人が好き﹂ということが活動の原
りません。
﹁この街が好き、地域の
点になっています。こうした生徒た
ちの存在は﹁学びこそが防災﹂とい
中で新 た なつな がりが 生 まれた
りなどを行ってきた。
うことを私に教えてくれました。
当に心配されていました。
復 興には長い年 数が必 要 だと
で継続。看護師らを派遣
急 法 救 急 員の資 格 を 取るな ど、
し、避難者からの聞き取
と 実 感 していま す。僕 個 人 も 救
の健康調査・支援活動を
る一方で、
﹁防災教育で何をすべき
思います。風化しつつある問題を
私 自 身 が 忘 れないよ うにしてい
きたいし、周囲にも伝えていきた
い。そして今回、被災者の生の声
を 聞いた 経 験 を、看 護 師として
の仕 事、将 来の災 害 発 生 時の救
市へ避難している同町民
より積極的になりました。
−
−
震災翌年から今年3月ま
護 班 活 動につな げていかな け れ
日本赤十字社は、いわき
ばと感じました。
となった 福 島 県 浪 江 町。
こうした活動に取り組むのは、
ボランティア活動に従事
防災に熱心に取り組む学校があ
90
原発事故により全町避難
でお終い〟にしてはならないから
した。
か分からない﹂という声もよく耳
防災教育の普及に取り組
〝 災 害があって、復 興して、それ
や救援物資の搬出などの
にします。地域や学校などで、防
大学卒業後、NPO法人「さ
ぐた めのスター トは 今 だと 思い
救護班の避難所への誘導
災教育の取り組みに格差が生まれ
くらネット」に勤務。現在、
です。未来を見据えて、災害を防
込み、全国から集まった
ているのです。すべての子 どもた
ついて専門教育を受け、
ます。そのために僕は、忘れませ
から熊本県支部に泊まり
ちが自分と周りの大切な人の命を
学校環境防災科で防災に
ん。あの経験を。
のメンバーは、震災当日
守っていける大人に成長できるよ
んでいる。
う、防災教育の機会をもっと広げ
熊本県青年赤十字奉仕団
そうした問題意識の下、私の出
つか消えてしまいます。
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体験。兵庫県立舞子高等
平成
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河田 のどかさ赤
ん 加藤 昌也さん
十字 NEWS
第 922 号
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淡路大震災を神戸市内で
ていくことが私の目標です。
平塚さんをはじめとする
22
小学校1年生の時、阪神・
兵庫県立舞子高等学校
NPO法人さくらネット
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(昭
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阪神・淡路大震災を体験。
防災教育の機会を広げることが目標
熊本でボランティア活動に従事
「今が未来へのスタート」
熊本県青年赤十字奉仕団
平塚 友彬さん(大学3年生)
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これらの事実は、 自分たちの命は自分で守る という意識と
で救える命が少なくなるからです。
ています。
では命を救う担い手は誰だったのでしょうか? 阪神・淡
災害対策基本法に基づく指定公共機関に位置づけられている日本
発災直後に命を守る担い手は、被災者自身と家族や地域
赤十字社は、災害時の救護活動に協力する責務を有しています。しか
し、災害が発生してからでは救える命に限りがあります。防災教育の
路大震災では、兵庫県神戸市の被災者のうち約8割が地元
の力。この「自助」
「共助」の力を高めることが、次の災害への
住民自身によって救助されていました。また東日本大震災で
備えとして不可欠だと私たちは考えています。
は、
「津波てんでんこ」の教えで避難訓練を重ねてきた岩手県
「津波てんでんこ」とは?:「てんでんこ」とは各自の意味であり、海岸で大きな揺れを感じ
普及で地域住民の防災意識を高めていくことは、
「災害からいのちを
赤 十字 NEWS
平成と
年3月1日(毎月1日発行)
29
第 922 号
釜石市の小中学校の児童・生徒の99.8%が津波被害を免れ
守る日本赤十字社」
して重要な取り組みの一つです。
(昭和24年9月30日 第三種郵便物承認)
WORLD 8
たときは、普段からの打ち合わせどおり肉親にもかまわず、各自一刻も早く高台に避難し、
津波から自分の命を守れという意味
ていました。
舞われてもおかしくありません。待ったなしの課題です。
■世界の自然災害リスク
国の総合的な災害対策を推進する役割を担っている中
央防災会議(内閣府に設置)では、首都直下地震や南海ト
ラフ地震が30年以内に発生する確率を「70%程度」と発表
しています。また、これらの地震による被害は、東日本大震
災をしのぐ規模になる可能性も推計されています。
もちろん、その他の地域も油断できません。日本列島とそ
の周辺海域の活断層は分かっているだけで約2000。未確
月の鳥取県中部地震もこの未確認の断層により引き起こさ
れたことが分かっています。
低い
非常に高い
中度
データなし
国連大学の「世界リスク報告書2016年版」によると、日本の自然災害
リスクは171カ国中17位。先進国の中では唯一、最上位の「リスクが
非常に高い」に区分けされている
防災の一番の責任を負うのは自治体であり、災害から住民を守るため、
害が地域の特性により異なるため、地域単位であることが望ましいです
先生のこ
災害から身を守る力をすべての子どもたちに
﹁いいですよ﹂と言うまで、じっとしていてください
んな指示でスタートした防災授業﹁まもるいのち ひろめるぼうさ
い﹂。子どもたちは、いすに座ったまま目を閉じ、時間が過ぎるのを
待ちます。沈黙の時間は190秒。
﹁ちょっと長かったと思う人﹂という問いかけに、ほとんどの子ど
もの手が挙がりました。実はこの190秒は、東日本大震災で揺
青少年赤十字防災教育プログラム
﹁まもるいのち ひろめるぼうさい﹂
が、全国で約30万近い地縁団体(自治会、町内会)がある中で、地域単
被害軽減
被害抑止
位での防災教育まで手を広げている自治体は少数です。
阪神・淡路大震災
その他
…23%
発災
圧死…77%
応急対応
︵医療救護等︶
広範な責任と権限を有しています。防災への取り組みは、災害による被
大規模災害に
おける犠牲者の死因
■災害対応の仕組み
Q3 住民の防災教育は行政の仕事じゃないの?
災害対応能力の向上
これら講習を通じて、災害から命
非常に低い
高い
認の断層もまだ多く存在すると推計されています。昨年10
出典:国土交通省近畿地方整備局HP
東日本大震災
また、各地域には災害対策基本法に基づく災害による被害の予防・軽
減のための活動を行う地域住民組織である自主防災組織がありますが、
住民自身の参加意識は低く、その活性化が課題となっています。
日赤は一昨年、内閣府と防災教育の実施にかかる相互協力を含んだ
その他
…9%
復旧・復興
将来の災害に備える
被災者の苦痛を軽減する
死…91%
防災・減災の取り組みが地域の災害対応能力
を向上させ、将来の災害発生時の被害の軽減
や抑止につながっていきます。
災害対策に関する協定を締結しています。
※内閣府には、国の防災に関する基本的な政策の企画立案などを担う防災担当が設置されている
−
−
日 本 赤 十 字 社の防 災 教 育 事 業
予 想 される被 害 や 救 助 活 動、
日本に暮らす私たちは、いつ、どこで大規模な地震に見
防災・減災
を救う︵守る︶知識・意識・技術
赤十字防災セミナー
避難生活などの課題を具体的にイ
の向上を目指すとともに、災害発
今年4月から全国の
各都道府県支部で順次展開!
メージしながら、命を守るさまざ
生時の応急対応にあたるリーダー
を学ぶ﹁応急手当など﹂の4つ。
まな方法を学ぶのが赤十字防災セ
層の育成を図ります。
あなたの街で災害が発生したら
ミナーです。4 月から各都道府県
●3/10(金)
∼15(水)
●イオンモール鹿児島 3F通路
●パネル展示など
−
−
Q2 大きな災害への備えは本当に必要なの?
SPECIAL 4
出典:平成24年警察白書
期間中、街中で
「忘れない。」
プロジェクトを目にすることも。
全 国 に広 がる「 私 たちは 、 忘 れ ない 。」 その一部をご紹介!
タオルで作ろう
マスコット(岩手県支部)
バッジ着用
街で見かける店員や事務員が
「忘れない。」バッジを着用しています
ステッカー
「忘れない。」ステッカーを付けた
営業車が街中を走ります
パネル展示
災害を体験された方々の思いを
パネルにして展示します
仮設住宅での「こころのケア」
と
して行っているお茶会で好評
のタオルマスコット作りなどが
体験できます。
●3/5
(日)10:00∼16:00
●イオンモール香椎浜
●キッズ撮影会、
パネル・救援物資展示など
●3/5
(日)10:00∼15:00
●第5回リメンバー3.11
(南島原市須川港多目的防災広場)
●パネル展示、救援物資・救護車両の紹介、
キッズ撮影会、AED体験など
れが続いた時間です。それを知らされると、子どもたちの中に驚き
の表情が広がりました。
持っていくものなどについて考え
ました。
山口
●3/11
(土) ●くだまつ防災フェスタ
●パネル展示、防災・減災クイズ、
キッズ撮影会など
鹿児島
●3/4
(土)10:00∼14:00
●豊田スタジアム
(名古屋グランパス)
●グランパスくんと選手がバッジなどを配布、募金活動、
キッズ撮影会、車両・パネル展示など
「炊き出し」のイメージを変える
オリジナル非常食をご紹介。食
べ比べて、気に入ったメニュー
に投票しよう!
●3/11(土)10:00∼15:00
●赤十字のつどい(さぬきこどもの国 芝生広場)
●炊き出しコンテスト、
パネル・救護車両展示、
非常食作り、AED体験、
キッズ撮影会など
●3/5
(日)10:00∼17:00
●BiVi福岡
●パネル展示など
長崎
愛知
千葉
●∼3/5
(日)
●千葉県立美術館/第4展示室
●写真パネル・救援物資の展示、
炊き出し実演
(3/5、
11:30∼12:30)
、
寄せ書きコーナーなど
●3/11
(土)10:30∼14:00
●アピタ浜北店
●炊き出し、
キッズ撮影会、
パネル展示、
ロコモティブシンドローム診断、非常食作りなど
−
−
非常時炊き出し
コンテスト(香川県支部)
●3/25(土)、26
(日)
●第42回生協まつり ●パネル展示など
●3/1
(水)
∼31
(金)9:00∼17:00
●福岡県支部1階
●パネル展示など
福岡
栃木
●3/11
(土)
11:00∼15:00
●イオンモール佐野新都市
●キッズ撮影会、
パネル・救援物資展示、
バッジ配布、
赤十字パズルなど
防災クイズ、
●3/11
(土)11:00∼15:30
●アピタ石和店
●炊き出し、パネル展示、
リーフレット配布、救急法コーナーなど
静岡
秋田
●3/11
(土)
13:30∼15:00
●JR秋田駅東西連絡自由道路
(ぽぽろーど)
●パネル展示、
街頭募金活動など
●3/19
(日)
●足羽川ふれあいマラソン
●炊き出し、
パネル展示、
リーフレット、
グッズ配布、
救急法講習など
山梨
●3/16
(木)
∼24
(金)
●県庁1階ロビー ●全国から寄せられたメッセージを展示など
福井
宮城
●3/11
(土)
13:30∼15:30
●①仙台市青葉区一番街3丁目②仙台市青葉区中央2丁目
●街頭募金活動など
行政、関連機関との連携にも一役
から始めたい﹂ などの感想が出さ
一人一人が考える参加型授業
香川
●3/1
(水)
∼31
(金)
●石巻赤十字病院 2階ギャラリー
●全国から寄せられたメッセージを展示など
支部で順次展開が始まります。
れる一方、
﹁橋が通行止めになった
﹁携 帯 電 話!﹂
﹁薬 だよ﹂
﹁津 波
山口
●3/1
(水)
∼13
(月)
●石川県支部、金沢赤十字病院、献血ルーム
「くらつき」
「ル・キューブ」
、
血液センター
●パネル展示、
リーフレット、
グッズ配布など
一 昨 年 か ら 先 行 的に各 都 府 県
域密着。町内会︵自治会︶から小
ら、指定された避難所に行けない﹂
●3/6
(月)
∼11(土)
●秦野赤十字病院(7階レストラン
「クオーレ」)
●東北郷土料理の提供、
パネル展示ほか
石川
岩手
●3/11
(土)
、
12
(日)
10:00∼16:00
●イオンモール盛岡南
●タオルマスコット作り、
パネル・救援物資・
キッズ撮影会、
AED体験など
非常食の展示、
神奈川
開催日時、
場所、
内容
地域に密着、災害発生時の
リーダー層を育てる
学校区程度を基本区域に、その範
な ど 地 域 ごとの課 題 も 明 らかに。
が 来るん だ か ら、着 替 えも 必 要
かも⋮﹂。いま大地震が起きたら、
避難する時に何を持っていくべき
か? 短い時間内にグループで決
めなければならないとあって、話
し合いにも自然に熱が入ります。
る 分 だ け。ゲーム 機 を 詰 め 込 ん
持ち運べるのはカバンの中に入
だグループもありましたが、
﹁避
難生活の暇つぶしになると思った
からです﹂としっかりと理由が考
解! でも、短い時間で必要な物
全国3万6000の小中高で
を持 ち出 すには、事 前 準 備が大
えられていました。
めている﹁まもるいのち
ひろめ
切。いざというときに慌てないよ
の小・ 中・ 高 校などに普 及を進 ﹁ み ん な の 答 え は、 す べて 正
るぼうさい﹂は、災害から身を守
う、家の人と話し合っておこう﹂。
青少年赤十字︵J RC︶が全国
育 プログラム。東 日 本 大 震 災の
る力を子 どもた ちに育む防 災 教
た 担 任の坂 東 寛 和 さん。授 業の
経験を踏まえてつくられました。 子 どもた ちの議 論 をこう まとめ
日 頃からの備 えや災 害 時の情 報
の生かし方などを学ぶ内容です。 手応えについて、次のように語り
うさい﹄のプログラムにはコミュニ
ます。
ケーション能力を高めたり、人と
校など約3 万6000 校に教材 ﹁
﹃ ま もるいのち ひろ める ぼ
が配 布 されており、各 校・ 地 域
全国のJ RC 加盟小・中・高
の防 災 課 題に合 わせて活 用 され
れぞ れの子 ど もた ちが グルー プ
れています。今回の授業でも、そ
内で自分の意見を出し、話し合い
の協力について考える内容が含ま
丸亀市立城坤小学校4 年2 組で
に参加できた点が良かったと思っ
冒 頭の授 業 風 景は、香 川 県の
昨年行われたときの様子です。こ
ています﹂
ています。
ぼ うさい﹂ を 活 用 し、避 難 時に
の日は﹁まもるいのち
ひろめる
全国各地で開催するイベントを一部紹介!
支部
支 部で 行ってき た セ ミ ナ ーでは、
囲の住 民を対 象に実 施します。プ
赤十字防災セミナーの特色は地 ﹁地 域に住む災 害 弱 者を知ること
ログラムの中 から 自 由にカリキュ
事業所の職員に向けて実施︵広島
またセミナーは、地域の訪問看護
県支部︶したり、社会福祉協議会
ラムを選べ、ニーズに応じた 講 習
主 な カリキュラムは、① 災 害・
と共同で開催︵高知県︶するなど、
が受けられるのも利点です。
防 災についての考 え方や災 害 別の
子職員は﹁今日からでもできる〝何
行政や関連機関との連携強化にも
か〟に気づき、実行へのきっかけづ
想 定 被 害 な ど か ら、日 頃 の備 え
を 追 体 験 し、被 災 の具 体 的 な イ
くりになる講 習です。地 域の皆さ
の重 要 性を学ぶ﹁災 害への備え﹂、 つながっています。
メージを深 める﹁災 害エスノグラ
んが集まる場として、顔が見える
② 被 災 者の経 験 談 を 通 じて 災 害 日赤本社の防災業務課の吉田祐
危険場所などを地図に明記し、被
フィー﹂、③ 地 域 内の防 災 資 源 や
関係づくりに貢献し、自助・共助
を利用した被災者救出方法などを習得
災害・防災について考
え方、災害別の想定さ
れる被害、平時の備え
(自助・共助)を理解
の力を高 めるお 手 伝いをしていき
●一次救命措置(心肺蘇生法とAED)の
使用方法、傷病者の搬送方法等を習得
●地震により倒産した建物から身近なもの
害 軽 減のために行 うことをグルー
【災害への備え】
プワークで検討する
﹁災害図上訓練
【応急手当など】
たい﹂ と事 業 普 及への期 待を語り
地域内の防災上の資源や危険
場所、要配慮者の所在地など
を、地図を用いて把握
︶
﹂、④ 身 近 にある ものを
ます。
【災害図上訓練(DIG)】
過 去 の 災 害 で の 被 災 者 インタ
ビュー記録を通じて、被災の具体
的なイメージを把握・理解
その他︵今後随時導入︶
【災害エスノグラフィー】
︵
用いた手当てや一次救命措置など
■カリキュラムイメージ図
D
I
G
東日本大震災をはじめ、過去に発生した大規模災害における救護活動を通じて分かったこと
の一つが ﹁大規模災害における犠牲者の方々の多くは災害が発生した後、時間を置かずに亡く
災害が大規模になるほど、犠牲者の方々の多くは災害が発
行動こそが、災害から身を守る最善の手段であることを示し
生した直後に亡くなっており、公的機関など外部からの支援
赤 十字 NEWS
(昭和24年9月30日 第三種郵便物承認)
第 922 号
平成29年3月1日(毎月1日発行)
7 AREA NEWS
Q1 何で「自助」
「共助」が大切なの?
なっている﹂という事実でした。私たちは過去の大規模災害から、あらためて真摯に学び、教訓
赤 十字 NEWS
平成29年3月1日(毎月1日発行)
者自身と家族や地域の力。この自助・共助の力を大きくすることが次の災害への備えとして不
私たちが 防 災第教
AREA NEWS 6
号
922育に取り組む理由
災害に対応する力を
地域ではぐくもう!
を得て、具体的な取り組みを行っていかなければなりません。発災直後に命を守る担い手は被災
可欠だと私たちは考えています。
「自助」
「共助」を災害の防波堤に
(昭和24年9月30日 第三種郵便物承認)
第 922 号
(昭和24年9月30日 第三種郵便物承認)
災 害の教 訓 を 未 来へ生 か す
赤 十字 NEWS
平成29年3月1日(毎月1日発行)
5
第 922 号
写真メッセージを熊本に
(福岡県支部)
赤十字職員やボランティアらが被
災地への応援メッセージが書かれ
た写真を集め、旗に印刷。熊本へ送
ります。
病院で東北郷土料理を
(神奈川県支部)
秦野赤十字病院では、入院給食と
7階レストランで東北の郷土料理
を提供。
レストランはどなたでも利
用OK!
平成29年2月21日
(火)
現在
新潟県中越地震
その他
…45%
発災直後の
要因…55%
出典:国土交通省北陸地方整備局HP
赤 十字 NEWS
(昭和24年9月30日 第三種郵便物承認)
平成29年3月1日(毎月1日発行)
初開催! ユースボランティア対象に広報研修会
NEWS
7 AREA
石川県
平成29年3月1日(毎月1日発行)
(昭
赤 十字 NEWS
救え! 小さな命 シエラレオネ看護師集団研修
赤 十字 NEWS
熊本県
第 922 号
石 川 県 支 部 は 1月14日、日赤
熊本赤十字病院は1月17日から
ユースボランティア(青年奉仕団)
27日まで、シエラレオネ共和国の
対象の「RCY(赤十字ユース)リ
看護師ら6人を招き、小児看護技
ポーター研修」を初めて開催。石
術研修を実施しました。
川県青年奉仕団、金沢星稜大学学
平成 年
(昭和24年9月30日 第三種郵便物承認)
同国は、5歳未満児の死亡率が
赤 十字 NEWS
生奉仕団、金沢医療系学生奉仕団
12%を超えるなど、世界で一番寿
から29人が参加しました。
命が短い国。日本赤十字社は2013
29
3月1日(毎月1日発行)
「RCYリポータープロジェクト」を
平成29年1月から立ち上げている
AREA NEWS 6
第 922 号
参加者は、自分たちの言葉で赤十字ボランティア
の魅力をまとめ発表
年からJICA(独立行政法人国際協
力機構)と連携し、同院から看護師
(昭和24年9月30日 第三種郵便物承認)
第 922 号
WORLD 8
小児科医から心肺蘇生指導を受ける研修看護師たち
同支部では、ユースボランティアがFacebook上で、赤十字やボランティアに
を派遣するなど、シエラレオネの小児医療を支援しています。今回の研修はこ
ついてリポートする予定です。今回の研修は同プロジェクトの一環として企画
の支援策の一環として取り組まれたものです。
されたもの。参加者はワークショップや実習で、内容が相手に伝わりやすくな
研修では、日本の看護体制や感染対策の講義、小児病棟での実習に加え、
る記事の書き方や、魅力的な写真の撮り方などを楽しく学びました。
研修内容をシエラレオネでどう役立てるのかの検討会も行われました。
海上保安部の巡視艇で救護訓練を実施
雪まつり支える奉仕団のあったか炊き出し
大分県
北海道
大分地区石油コンビナート等特
北海道内各地で開催されている
別防災区域総合防災訓練が、1
雪まつり。その縁の下の力持ちと
月27日に25機 関・ 約1800人 が 参
してイベントを支えているのが赤
加して行われ、大分県支部は大分
十字奉仕団のメンバーです。札幌
海上保安部と連携して傷病者の救
と旭川の中間に位置する美唄市で
出・救護などの訓練を行いました。
開催された「美唄雪んこまつり」
(2
同支部は、平成26年10月に大分
海上保安部と相互協力に関する協
定を再締結しています。今回の連
月4、 5日)では、メーンとなる大
潮流による揺れ、風、大きなエンジン音など特殊な環
境下の船上活動には、より慎重な対応が求められます
雪像を作る陸上自衛隊美唄駐屯地
の隊員のために、同市赤十字奉仕
豚汁で体も心もホカホカに。作業のラストスパート
に力が入ります
携訓練は、再締結後に行われた初の実働訓練。日向灘沖を震源とした強い地
団が2月1日に豚汁の炊き出しを行いました。
震により、コンビナート沖の海上係留施設に傷病者が孤立したという想定の
この炊き出しは毎年行われていて、今年は団員13人が参加。寒い中で作業
下、日赤救護班は大分海上保安部と共に、巡視艇「せきかぜ」で傷病者を救出
する隊員らに、
「お疲れさま」と湯気の立った温かい豚汁と団員手作りの漬物
し、船内で医療救護にあたりました。
が振る舞われると、隊員からは「おいしい!」と笑顔がこぼれました。
平和な今こそ学びたい 赤十字原則と国際人道法
足羽高校 JRC部が駅周辺の点字地図を作成
神奈川県
福井県
あ す わ
神奈川県支部は2月5日、赤十
福 井 県 立 足 羽 高 等 学 校 のJRC
字7原則と国際人道法を学ぶ研
(青少年赤十字)部は、福井駅西
修会を開催しました。青少年赤十
口広場の点字地図を作成。2月1
字(JRC)高校生メンバーや赤十字
日、福井市おもてなし観光推進課
奉仕団員などが対象で、62人が参
に地 図25セットを寄 贈しました。
加しました。
駅西口にある観光案内所に置か
研修では赤十字の歴史について
れ、視覚障害者に配られます。
学んだ後、7原則(人道・公平・
中立・独立・奉仕・単一・世界性)
赤十字の歴史の学習は「赤十字の父 アンリー・
デュナン」の絵本を朗読
をテーマにした寸劇をグループごとに創作し発表。またケーススタディーを通
地図はJRC部の4人で作成。駅
などの建物や点字ブロックの場所
部員たちは昨年6月、駅西口での視覚障害体験を
きっかけとして、地図の作成に至りました
が立体的に表示されており、点字で書かれた説明文もセットになっています。
じて、国際人道法が実際の国際紛争の現場でどう適用されるのか、理解を深
部長の永田サチエさん(3年生)は、
「視覚障害者の方の街歩きに、この地図
めました。参加者からは「(日本は)平和だからこそ、国際人道法について考え
を活用してほしい。助け合いの気持ちが広がるきっかけになってほしい」と話
る必要があると思いました」などの感想が出ました。
しています。
足利赤十字病院が「ジャパン インターナショナル ホスピタルズ」に推奨
院内で初の防犯講習会 不審者対応を想定
栃木県
北海道
足利赤十字病院が1月31日、海
清水赤十字病院(上川郡清水町)
外 からの 渡 航 者らが 安 心して受
で1月25日、不審者が院内に侵入し
診できる病院としてジャパン イン
たことを想定した初めての防犯講習
ターナショナル ホスピタルズ(JIH)
会が行われました。
に 推 奨 されました。JIHは、政 府
障害者施設での殺傷事件(神奈川
主導の下、一般社団法人Medical
県相模原市)が昨年発生し、医療機
Excellence Japanが審査したもの
関を狙った事件も相次いでいます。
で、今回は全国28病院が推奨され
ました。
海外からの医療視察団なども積極的に受け入れて
います
こうした中、いざというときに患者や
その家族、職員自身の安全確保を図
不審者の動きを封じるさすまたを院内に設置し、
「警察官立ち寄り所」の看板も掲げました
同院の推奨にあたっては、英語や中国語の通訳や、外国人看護師が勤めて
れるようにすることが今回の講習の目的。地元警察署の協力の下、さすまたを使っ
いることなどが評価されました。小松本悟院長は「外国人向けの医療サービス
た不審者の取り押さえなどを訓練しました。参加した女性職員は「相模原での殺傷
は需要が増えている。国際的な視点を持ってより良い医療を提供できるよう今
事件後、十勝でも不審者が病院へ出入りするといった事件がありました。初めての
後も努めていきます」と抱負を語っています。
講習でしたが、護身術なども教えてもらい参考になりました」と話しています。
(昭和24年9月30日 第三種郵便物承認)
7 AREA NEWS
平成29年3月1日(毎月1日発行)
赤 十字 NEWS
第 922 号
平成29年3月1日(毎月1日発行)
赤 十字 NEWS
第 922 号
知ってて良かった!
血液センターと連携し
災害対応訓練
赤 十字 NEWS
平成29年3月1日(毎月1日発行)
女性に多いドライアイ
早めの受診で悪化を予防
さいたま赤十字病院 眼科部長 石井清
まさ
招くので注意してください。
涙は「油層」
「 水層」
「ムチン(粘液)層」
の三層構造からなっています。どの層も
目を守る上で大切ですが、最も内側のム
チン層には涙を目の表面にためておく
役割があります。
ドライアイの患者さん
に対しては目薬でこのムチン層を修復。
眼球に付いた傷を治したり、傷を付きに
くくする治療も行います。なお、まぶしさ
を感じたり、かすんで見えるなどの症状
は、緑内障や白内障でもおこります。
ドラ
イアイだと思ったら別の疾患だったとい
うこともありますので、違和感を感じた
ときは、早めの受診をお勧めします。
目の表面を覆っている涙は、目を守る
大切な役割を果たしています。この涙が
減少することで、目が乾いてしまう状態
がドライアイです。初期段階では、光をま
ぶしく感じる、
ごろごろ感がある、疲れ目
といった症状ですが、悪化に伴って痛み
を感じたり、目がかすんできたり、見えに
くくなったりという人が増えてきます。涙
の減少により、カサカサになった目の表
面に傷がついてしまうのが原因です。
ドライアイになる人の圧倒的多数は
女性です。
というのも、女性は20歳過ぎ
から涙の量が徐々に減少してしまうか
らです。中高年女性の約半数は、
ドライ
アイの自覚症状があるといわれていま
す。一方男性は70歳代くらいまで涙の
量は安定しており、
ドライアイを訴える
人はそれほど多くありません。
予防法ですが、涙の減少を食い止め
る根本的な術は見つかっていません。目
の乾燥を防ぐため、目薬で潤いを与える
などの方法しかないのです。ただし、涙
が少なくなっても、症状が悪化するかど
うかは環境にも左右されます。エアコン
を効かせて湿度が足りないような部屋
では、目も乾燥しがちに。パソコン画面
やテレビの見過ぎも、涙の分泌を促すま
ばたきの減少につながり、症状の悪化を
ドライアイの方は、目に入った花粉が涙で洗い
流されないので、花粉のアレルギー反応が強
く出てしまいがちです。早めの手当てを
さいたま赤十字病院
〒330-8553 埼玉県さいたま市中央区
新都心 1 番地 5
TEL 048-852-1111(代表)
年2 月
29
常任理事会
開催 報告
平成
回の常 任 理 事 会が開 催
日 、本
28 17
年度第
回代
89
社において平 成
されました。
10
記
議員会に付議する事項
年
29
1 理 事 会 及 び第
について
29
︵役員の選出、平成
年度収支予算︶
度事業計画及び平成
回代議員会に付議
89
審 議の結 果 、理 事 会 及
する事 項については、原 案
回代
日開
89 17
び第
催の理事会及び第
のとおり本 年3 月
議 員 会に付 議 することが
了承されました。
月 及 び1 月 分の社 長
また、予算の補正にかか
専 決 事 項 等の決 定 状 況に
る
ついて、報告しました。
12
(昭和24年9月30日 第三種郵便物承認)
血液事業本部が
(昭和24年9月30日 第三種郵便物承認)
33
AREA NEWS 6
第 922 号
WORLD 8
日本赤十字社の血液事業本部は2
月9日、職員の危機意識の醸成や災
害時の対応手順の確認などを目的とし
て、南海トラフ巨大地震発生を想定し 本社の血液事業本部には、全国の各ブロック血
液センターから被災状況などが逐一報告されて
た災害対応訓練を血液センターと連携 きました
し実施しました。
巨大地震発生の状況下においても血液事業を継続していくため、訓練では職員
および家族の安否や被災地域周辺の血液センターの状況確認のほか、交通機関
や通信環境の情報収集、献血された血液の搬送方法や血液製剤の医療機関への
供給方法に関する協議などを行いました。
地域の献血支える献血バス
「宝くじ号」
日本宝くじ協会から8台
一般財団法人日本宝くじ協会から2月15日、愛の献血車「宝くじ号」
(献血バス)
8台が日本赤十字社に寄贈され、贈呈式が日赤本社(東京・港区)で行われました。
宝くじ号の寄贈は、宝くじの収益金を基にした同協会の社会貢献事業です。昭
和42年から続けられており、総寄
贈台数は今年度分を含めて479台
になりました。今回寄贈された8
台は、北海道と7つの県に配備さ
れ、イベント会場や駅前、学校な
どの献血会場で役立てられる予定
です。
贈呈式では同協会の横山洋吉
理事長から、日赤の近衞忠煇社長
に車両のキーが手渡されました。
平成28年熊本地震災害
日本赤十字社ウェブサイト(http://www.jrc.or.jp)
義援金の受付・送金状況
【受付】 278億 3,871万 6,325円(2017年2月14日現在)
【送金】 277億 7,748万 1,173円(2017年2月28日現在)
※日本赤十字社にお寄せいただいた「義援金」は、手数料などはいただくことなく全額が被災県に設置され
た義援金配分委員会を通じて、被災者に届けられております
※関連事務費については、活動資金(日赤を支援くださる方々からの会費や寄付金)により対応しております
Voice
赤十字 NEWS にお寄せいただきました読者の皆さまの声をお届けします。
●いつもの暮らしに感謝しつつ、シリアをはじめ悲惨な状況に陥っている世界
中の人に自分が何をすべきか考えさせられました。 (森川さん・広島県)
●高校生が高齢者を激励の記事は未来を担う若者の有志がみられ、嬉しい気
持ちになりました(K さん・埼玉県)
義援金の受付が2018年3月31日
(土)
までに延長となりました
引き続き、皆さまのご支援を
宜しくお願い申し上げます。
プレゼント
クロスハンドタオルを3名様にプレゼントいたします。以下の
項目を明記のうえ、郵送・FAX・メールでご応募ください。
①お名前(匿名をご希望の方は、その旨もご記入ください)
②郵便番号・ご住所 ③電話番号 ④年齢
⑤赤十字 NEWS3月号を手にされた場所(例/献血ルーム)
⑥3月号で良かった記事、興味深かった記事はどれですか?(いくつでも)
Ⓐ今月の出会い Ⓑ被災者や支援に携わった人の声 Ⓒ災害の教訓を未来へ生かす
Ⓓ「私たちは、
忘れない。
」イベント情報 Ⓔエリアニュース
Ⓕ血液事業本部 災害対応訓練 Ⓖ日本宝くじ協会 献血バス8台寄贈
Ⓗ平成28年熊本地震災害 義援金情報 Ⓘ健康豆知識 Ⓙ常任理事会開催報告
ⓀVoice&プレゼント Ⓛ「海外たすけあい」に全国から6.3億円
Ⓜ I am #NotATarget Ⓝ人道支援の現場から
⑦赤十字 NEWS のご感想、扱ってほしいテーマ、その他 Voice(読者の声)
への投稿もお待ちしています。
応 募 先● 郵 送/〒105-8521 東京都港区芝大門1-1-3
日本赤十字社 広報室 赤十字NEWS3月号プレゼント係
F A X/03-6679-0785
メール/[email protected](件名「赤十字NEWS3月号プレゼント係」)
応募締切● 3月27日
(月)必着
※当選者の発表はプレゼントの発送をもって代えさせていただきます
活動資金ご協力のお願い
大きな災害などが起きると、全国から日本赤十字社に寄せられる義援金。義
援金は被災地の義援金配分委員会を通じてその全額が被災者の方々に届けら
れます。
一方で、被災地での医療救護活動や被災者の皆さんに配布される毛布や日用
品セットといった救援物資には義援金は一切使われていません。日本赤十字社
のこうした災害救護活動や国際救援活動、青少年への防災教育活動、救急法の
講習など、人間のいのちと健康、尊厳を守る人道支援活動はすべて皆さまから
のご寄付である活動資金によって成り立っていま
す。ご協力には以下の方法があります。 ① お住まいのお近くの赤十字窓口から
(全国47都道府県に支部を設置しています)
②口座振替による継続的な支援
③クレジットカードによる継続的な支援
詳しくは、本 社 パートナーシップ 推 進 部(033437-7081)へお問い合わせください。または、日
赤ホームページをご覧ください。
日赤 活動支援
検索
7 AREA NEWS
(昭和24年9月30日 第三種郵便物承認)
平成29年3月1日(毎月1日発行)
赤 十字 NEWS
第 922 号
平成29年3月1日(毎月1日発行)
赤 十字 NEWS
第 922 号
(昭和24年9月30日 第三種郵便物承認)
WORLD 8
WOR
「海外たすけあい」へ全国から6.3億円
LD N
E
WS
∼ご協 力ありがとうございました∼
支援の届きにくいところにも救いの手をさしのべるために
格差や民族、宗教による分断が取りざたされる昨今の情勢のなか、赤
ⓒGerman Red Cross
十字はそれらの壁を越えて、いかなる状況下でも誰もが安心して暮らせる
世界を目指して活動しています。昨年12月1日から25日まで行われた「海
「一人でも
多くの命を守りたい」
外たすけあい」募金キャンペーンには、全国から6億3582万9119円の寄
付が寄せられました。同キャンペーンは、紛争や災害などに苦しむ世界の
人々を支援するため、日本赤十字社とNHKが毎年共催しているもので、今
ネパール赤十字社 アンジャン・アチャルヤさん
回が34回目。皆さまのご支援に深く感謝申し上げます。
もっとも弱い立場の人を支援するという
使命に共感し、赤十字に入ったのが8年前。
2015 年に発生した大地震の救援活動では、
被災者の苦しみを目の当たりにし、人々を
支援する使命感をあらためて感じました。
現在私が関わるコミュニティー防災事業
は、住民の災害対応能力を高めていくも
の。一人でも多くの住民の命を守れるよう、
職員・ボランティア・住民が一丸となって
取り組んでいます。
現在、人道支援を必要とする人は世界
隠れた災害。
緊急アピールへの対応にも活用
に約1億2500万人。また、故郷を追わ
れ難民や避難民として暮らす人は第2次
世 界 大 戦 後 最 多の6530万 人 に 膨 れ 上
災害などへの対応が当該国内だけでは
がっています。その半数が子どもたちだ
困難な場合、その国の赤十字社の求め
といわれています。
に応じて国際赤十字・赤新月社連盟や赤
こうした人道危機に立ち向かうため、
十字国際委員会が世界に発する支援要請
今回寄せられたご寄付は、日赤が取り組
が「緊急アピール」。「海外たすけあい」
む人道支援活動(①紛争で苦しむ人々、
で集まった資金は、こうした緊急支援に
②災 害 で 苦しむ 人々、③病 気 で 苦しむ
も使われています。
人々−−の3分野)に活用されます。
1年間に要請される緊急アピールは約
平成28年度
海外たすけあい寄付総額使用計画
45件。昨年4月∼今年1月には、ハイチ
45%
主な支援
●モザンビークなどアフリ
カ地域での食料危機支援
●ネパールなどアジア地域
での防災事業
●アジア大洋州地域でのサ
イクロン被災者支援
26%
私たちはフィリピンのラワン小学校の生徒
です。私たちの学校は、日本赤十字社から衛
生キットと手洗い設備を支援してもらいまし
た。そのおかげで正しい衛生習慣と病気の予
防について学ぶことができました。(フィリピ
ン保健医療支援事業)
いました。世間の注目を集めないどの国
のどのような災害であっても、助けを求
める声に応えるのが私たちの方針。アフ
リカや中南米など支援が集まりにくい地
日赤の特色を生かした人員派遣にも
YouTube 日赤公式
日本のみなさん、
ありがとう
■
「海外たすけあい」の正式な報告は、特設サイ
トでお知らせします。
■ありがとうメッセージの動画はYouTube日本赤
十字社公式チャンネルからご覧いただけます。
域では、日赤からの支援が欠かせない状
6億
主な支援
●シリア、
イラク、
アフガ
ニスタン、南スーダン
など紛争犠牲者支援
ジェッサ・マエ・P・カブニャスさん(10)
ドゥエニャスさん(10)
え、救援物資の配布や医療支援などを行
況になっています。
3,582万
9,119円
「たすけあい」
をありがとう!
応など26カ国37件 の 緊 急アピー ル に 応
災害
その他
紛争
主な支援
●ケニア、フィリピンな
どアフリア、アジア地
域での保健支援事業
● 南 部 アフリカ で の
HIV/AIDS、
コレラなど
突発的な感染症対策
ユースボランティアが中心となって企画した
I n s t a g r a m にハートマークを投 稿しよう!
「#TasukeaiAction∼あなたの写真で世界を
つなぐ∼」キャンペーンで集まった写真のコ
ラージュ
※日赤は「海外たすけあい」の資金を活用し、ネパール赤
のコミュニティー防災事業を 2012 年から支援しています。
のハリケーン被害やケニアでの干ばつ対
23%
赤十字・赤新月・レッドクリスタル―赤十字は国
境・宗教・人種の隔てなく共に活動しています
現地スタッフの声
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日赤 海外たすけあい
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■国際活動の報告はメールマガジン「赤十字国際ニュース」でも行っています。ウェブページ
(http://archives.mag2.com/0000117537/)でご登録いただけます。
赤十字の人道支援は、各国の赤十字
病気
募集管理費
6%
が政府の補助機関として展開していま
の人材を抱える日赤は、各国へ支援に
やアフリカの紛争犠牲者支援、地震や台
す。しかし、紛争当事国や途上国の中
必要な専門的な訓練を受けた職員を派
風などの災害復興支援、保健医療支援
には赤十字組織が脆弱で、専門分野の
遣し、これらの国の人道支援活動を支え
などに計18人(10カ国)
。
「海 外 た すけ
人材が不足しているところも。全国に92
ています。
あい」募金は、こうした人員派遣費用に
の病院を持ち、医療・保健分野で多く
現在派遣されている日赤職員は、中東
も活用されています。
中東紛争地で赤十字スタッフが相次いで殺害
∼私たち援助者は攻撃対象ではありません。 I am #NotATarget∼
アフガニスタン北部で活動中だった赤
十字国際委員会(ICRC)のスタッフが2
月8日に襲撃され、6人が死亡、2人が
行方不明になりました。また、同日には
シリアでもシリア赤新月社のスタッフの1
人の命が奪われ、7人のスタッフ・ボラ
ンティアが負傷しました。人道支援活動
への攻撃は、支援が必要な紛争犠牲者
を追い込み、より多くの命が奪われる結
果を招きます。
国際赤十字は、国際人道法に反するこ
のような攻撃に抗議。「赤十字をはじめと
する中立の支援団体は攻撃対象ではな
い」と強く訴えています。
ⓒICRC
アリスの謎解き作業
8
『不思議の国のアリス』(ルイス・キャロル作)にこんな場面があり
赤十字の社員※とボランティアがいました。草の根の声を一番良く知っ
けど」とアリスが聞くと、チェシャ猫が答えます。「それは、君がどこ
ている彼らの声なしには、このアリスの謎解き作業は実現不可能です。
へ行きたいかによるね」
3年間二人三脚で仕事をしてきた社から「どこに行きたいのか、
赤十字の組織強化の仕事は、まさにこの問いをひもとく作業です。
赤松 直美
Naomi Akamatsu
国際赤十字・赤新月社連盟
アジア・大洋州事務所 組織強化担当
(マレーシア・クアラルンプール)
組織強化を担当してきましたが、どんなにアクセスが困難な地域にも
ます。「ここからどの道を行けばいいか、教えていただきたいんです
自信を持って道を見いだせるようになった。社員・ボランティアがそ
支援を必要としているのは誰か、何が必要か、そしてその支援を届
の道しるべだった」と言われたときに、あらためて一昼夜では終わら
けるためにどのような戦略と体制を整える必要があるのか…。
ない組織強化の仕事の醍醐味と大切さを実感しました。それと同時
だい
これまで、雪深いアフガニスタン、島が点在するキリバス、隣町ま
で5時間かかるモンゴルの大草原など、さまざまな地域の赤十字社の
ぱく
み
に、「活動の中心であるボランティア」の存在と「社員を持って組織
する」赤十字の神髄に触れたように思います。
※赤十字事業の趣旨を理解され、
社員申し込みを行い、
毎年一定額を拠出して事業を支えている方
カメラ撮影に少し緊張ぎみの子どもたちと
ご