宇和島市下水道事業経営戦略

別添2-2
宇和島市下水道事業経営戦略
団
体
名
:
宇和島市
事
業
名
:
宇和島市公共下水道事業
策
定
日
:
平成
:
平成
計
画
期
間
29
29
年
3
年度
~
月
平成
38
年度
1.事業概要
(1) 事業の現況
① 施 設
供 用 開 始 年 度
( 供 用 開 始 後 年 数 )
平成9年度
(18年)
法適(全部適用・一部適用)
非 適 の 区 分
法非適
(平成32年度~ 一部適用予定)
処理区域内人口密度
48.44(人/ha)
流 域 下 水 道 等 へ の
接 続 の 有 無
無
処
理
区
数
1
処
理
場
数
1
広域化・共同化・最適化
実施状況*1
該当なし
*1 「広域化」とは、一部事務組合による事業実施等の他の自治体との事業統合、流域下水道への接続を指す。
「共同化」とは、複数の自治体で共同して使用する施設の建設(定住自立圏構想や連携中枢都市圏に基づくものを含む)、広域化・共同化を推進するための計画に基づき実
施する施設の整備(総務副大臣通知)、事務の一部を共同して管理・執行する場合(料金徴収等の事務の一部を一部事務組合によって実施する場合等)を指す。
「最適化」とは、①他の事業との統廃合、②公共下水・集排、浄化槽等の各種処理施設の中から、地理的・社会的条件に応じて最適なものを選択すること(処理区の統廃合を
含む。)、③施設の統廃合(処理区の統廃合を伴わない。)を指す。
② 使 用 料
使用量8㎥までは、使用量にかかわらず定額の基本使用料とし、9㎥以上については、基本料金に使用量が多くなるほど1㎥
一 般 家 庭 用 使 用 料 体 系 の 当たりの料金が段階的に高くなる逓増従量料金を加算する。
概 要 ・ 考 え 方 累進区分 6区分 累進度 175/100=1.75
使用料の対象経費=維持管理費100%+資本費の一部への算入
業務用使用料体系の
下水道使用料については家庭用と業務用の区別はしていないため、同上。
概 要 ・ 考 え 方
その他の使用料体系の
湯屋汚水は基本使用料を設けず、使用量1㎥につき32.4円(消費税等8%込)としている。
概 要 ・ 考 え 方
条 例 上 の 使 用 料 *2
( 2 0 ㎥ あ た り )
※ 過 去 3 年 度 分 を 記 載
平成25年度
2,541 円
平成26年度
2,613 円
平成27年度
2,613 円
実 質 的 な 使 用 料 *3
( 2 0 ㎥ あ た り )
※ 過 去 3 年 度 分 を 記 載
平成25年度
3,050
円
平成26年度
3,110
円
平成27年度
3,144
円
*2 条例上の使用料とは、一般家庭における20㎥あたりの使用料をいう。
*3 実質的な使用料とは、料金収入の合計を有収水量の合計で除した値に20㎥を乗じたもの(家庭用のみでなく業務用を含む)をいう。
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③ 組 織
職
員
数
9名(課長1名、課長補佐兼管理係長1名、下水道業務係長1名、管理係2名、
下水道業務係2名、下水道建設係2名)
平成4年4月~平成20年3月 下水道課
平成20年4月~ 都市整備課(都市計画、公園管理等)と統合。
課長補佐兼
管理係長
事 業 運 営 組 織
管理係
下水道業務係長
下水道業務係
都市整備課長
課長補佐兼
下水道建設係長
下水道建設係
都市計画公園係長
都市計画公園係
(2) 民 間 活 力 の 活 用 等
ア 民間委託
(包括的民間委託を含む)
民 間 活 用 の 状 況
処理場の運転管理、管路施設の調査・維持管理など、民間でできることは民間に
委託し、業務の効率化を図っている。
イ 指定管理者制度
該当なし
ウ PPP・PFI
該当なし
ア エネルギー利用
(下水熱・下水汚泥・発電等) *4
下水汚泥はたい肥化しているが、処分費が発生しており、収入にはなっていな
い。
資 産 活 用 の 状 況
イ 土地・施設等利用
(未利用土地・施設の活用等) *5
該当なし
*4 「エネルギー利用」とは、下水汚泥・下水熱等、下水道事業の実施に伴い生じる資源(資産を含む)を用いた収入増につながる取組を指す。
*5 「土地・施設等利用」とは、土地・建物等、下水道事業の実施に不可欠な資産を用いた、収入増につながる取組を指す(単純な売却は除く)。
(3) 経営比較分析表を活用した現状分析
※直近の経営比較分析表(「公営企業に係る「経営比較分析表」の策定及び公表について)(公営企業三課室長通知)」による経営比較分析表)を添付すること。
※添付した「経営比較分析表」に補足事項等がある場合は記載すること。
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2.経営の基本方針
【下水道の普及】
本市の下水道人口普及率は、平成27年度末現在で22.02%となっており、これは全国平均や県内平均に比べて低い状態であるが、一方で、本市は総じて低密
度な市街地が分散しており、その中でも高密度な中心地域については概ね整備がなされた状況である。
よって、今後の下水道の普及については、合併浄化槽等の各地域の地理的、社会的特性に応じた整備手法を組み合わせた形で、総合的な見地から検討を進
めていく。また、各地域住民の下水道接続に対する意識の高さなども調査した上で、より効率的な整備を進める。
【持続的な下水道サービスの提供】
本市は供用開始からの年数がまだ浅く、管渠については計画期間内に老朽化するものではないが、浄化センターの施設、設備については耐用年数を過ぎるも
のもある。
下水道サービスを持続的、安定的に提供するため、長寿命化計画に基づき、これらの施設・設備の改築・更新を行う。またこの際、高効率機器の導入などによる
汚水処理原価の抑制についても検討する。
【経営基盤の強化】
安定した事業経営を実現するため、経営戦略を策定し、また平成 32年4月を目標に公共下水道事業に地方公営企業法を適用して、中長期的視点に立った計
画的な経営基盤の強化と、財政マネジメントの向上を図る。
3.投資・財政計画(収支計画)
(1)
投資・財政計画(収支計画) : 別 紙 の と お り
※ 赤字がある場合には(3)において、その解消方法が示されていることが必要
(2)投資・財政計画(収支計画)の策定に当たっての説明
① 収支計画のうち投資についての説明
処理場の長寿命化が平成36年度まで計画されており、その影響で平成33年度までは事業費が膨らんでいるが、以降は大きな投資は予定していない。
管渠の延伸については認可区域内の未普及地域解消に努めることとし、毎年度6,000万円の投資を予定している。
事業開始が昭和58年度で、管渠の経過年数は30年ほどであり耐用年数は50年であるため、本計画期間中における大規模な更新工事等は発生しない見込みで
ある。
処理場については老朽化による処理機能の低下も見られるようになってきていることから長寿命化を実施し、ライフサイクルコストの低減を図る。また、計画期間
を10年とし、投資の平準化をはかることとしている。実施期間平成27年~平成36年
② 収支計画のうち財源についての説明
本計画期間中の投資に対する主な財源は、使用料収入、国庫補助金、起債及び受益者負担金(分担金)である。
処理場の長寿命化に伴い一時的に起債発行額が増加するが、過去の起債に対する償還のピークは過ぎており、企業債残高も減少する。
なお、新規発行の企業債については償還年数12年(元金据え置き1年)金利0.5%でシミュレートしている。これは負担を後年に先送りせず、極力早期に残債を償
還したいという財政当局の考えもあり、同様の理由で資本費平準化債の利用も予定していない。
使用料収入は人口の大幅な減少により、水洗化率の上昇を見込んでも現在の料金体系では減少していく予想となっている。
国庫補助金については、処理場の長寿命化費用については全額を、管渠の整備費については半分を対象経費としてその1/2の額を国庫補助金として見込んで
いる。
収支計画全体を見てみると、収益的収支については現状及び計画期間内においても黒字を維持できるが、資本的収支についてはこれまでの起債元金の償還も
あり当面赤字が発生する見込みである。赤字分については現状において一般会計からの基準外繰入金にて賄うほか手段が無く、やむを得ないものとして財政当
局とも協議済みである。今後の見込みとしては、平成33年度までは処理場の長寿命化もあり基準外繰入金が増加するが、平成34年度以降減少に転じ、平成38年
度にはピークである平成33年度の約55%まで減少する見込みである。
③ 収支計画のうち投資以外の経費についての説明
組織改革により、職員数は大幅に減っており、それに伴い職員給与も減少してきた。これ以上の職員削減は今後の事業展開に支障をきたす可能性があり、現
状維持を見込んでいる。
営業費用中平成29年度から平成31年度までの間は企業会計への移行費を、平成31年度からは消費税増税の影響も見込んでいる。また、物価上昇率を年2%
として経費の増加を見込んでいる。
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(3)投資・財政計画(収支計画)に未反映の取組や今後検討予定の取組の概要
(1)において、純損益(法適用)又は実質収支(法非適用)が計画期間の最終年度で黒字とならず、赤字が発生している場合には、赤字
の解消に向けた取組の方向性、検討体制・スケジュールや必要に応じて経費回収率等の指標に係る目標値を記載すること。
* (1)において黒字の場合においても、投資・財政計画(収支計画)に反映することができなかった検討中の取組や今後検討予定の取組について、その
内容等を記載すること。
① 今後の投資についての考え方・検討状況
* 処理区ごとに考え方が異なる場合は、処理区ごとに記載すること
広域化・共同化・最適化に関する事項
共同化として、漁業集落排水との統合も考えられるが、料金体系や財政状態の格差など障壁も多く、
検討には至っていない。
広域化にあっては、現在の処理区域に隣接する他市町の処理区域は存在しないが、IT化の促進等に
よる管理運営の広域化についてその可能性を検討する。
最適化として、将来人口や地域の実情に応じた効率的かつ適正な整備手法により、未水洗化の解消を
図ることを目的として、集合処理から個別処理(浄化槽)への変更も踏まえた全体計画の見直しを検討
する。
投資の平準化に関する事項
管渠については18年後から順次耐用年数を迎えるが、更新時期が集中しないよう早い時期から改築・
更新の計画を策定し、効率的な更新に努める。また、管渠の劣化状況に応じた手法を検討する。
民間活力の活用に関する事項
(PPP/PFIなど)
PPP/PFIを実施している他市の情報(課題や効果)を収集、研究し、下水道施設の更新時期に合わせ
たPPP/PFIの導入を検討するなど、民間の資金やノウハウの活用について研究を行う。
その他の取組
管路の整備にあたっては、地域住民に下水道接続に関するアンケート調査を実施し、下水道接続への
意識の高い地域から優先的に管路整備を行う。
② 今後の財源についての考え方・検討状況
使用料の見直しに関する事項
公営企業会計を適用することにより使用料対象原価が明確になるため、公営企業会計適用時点で適
正な原価を算定し、必要があれば使用料の見直しを検討する。
資産活用による収入増加
の取組について
下水道施設用地は、国庫補助金などにより取得した用地であるため、無秩序な売却や目的外使用は
認められていないため、本来の取得目的を十分勘案した上で、より有効的な活用方法について検討を
重ねる。
その他の取組
下水熱の利用や下水汚泥を活用した再生可能エネルギー利用の研究開発を検討していく。
③ 投資以外の経費についての考え方・検討状況
民間活力の活用に関する事項
終末処理場については、維持管理のよりいっそうの効率化を図るため、民間業者へ委託範囲を拡大す
(包括的民間委託等の民間委託、指定管理者制 ると共に、民間業者の持つ技術力に着目した性能発注方式による包括的民間委託の導入を検討す
る。
度、PPP/PFIなど)
職員給与費に関する事項
職員の給与水準は、地方公務員法の給与の決定原則に基づき、人事院勧告等国及び県の動向を踏
まえるとともに、他地方公共団体の均衡を考慮し、条例で定め決定し、給与の適正化に努めていく。
動力費に関する事項
耐用年数を経過する設備を更新するにあたり、電気代等の高効率性や導入時の投資額等を検討し、
より動力費が抑えられる方式をとる。
薬品費に関する事項
耐用年数を経過する設備を更新するにあたり、より薬品を効率的に使用できるものを検討する。
修繕費に関する事項
予防修繕を計画的に行い、突発的に発生する事故や故障を未然に防ぎ、施設の延命化を図ることによ
り、維持管理費の低減に努める。
委託費に関する事項
委託費の削減につながるよう、契約の複数年化等の可能性を検討する。
その他の取組
将来的に水道部局との統合により更なる人件費の削減を図る予定である。
4. 経営戦略の事後検証、更新等に関する事項
経 営 戦 略 の 事 後 検 証 、 平成32年4月より法適化することを踏まえて、公営企業会計移行初年度の予算編成を行った時点(平成31年度中)
更 新 等 に 関 す る 事 項 で収支計画を見直し、必要な更新を行う。
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