GJP China News第6号, 2017年2月

GJP China News
第6号
2017 年 2 月
第6号 ご挨拶
中国におけるライフサイエンスの市場が、他業種からの参入なども含めて、急速に大きく立ち上がろうとしています。高齢化の問
題は、日本だけでなく中国においても同様で、この分野においても日本企業の強みを大きく発揮できると考えています。第 4 号、
第 5 号に続き 3 回シリーズでご紹介する「中国のライフサイエンス」レポートにおいて、「デジタル・ヘルスケア」が取り上げられて
います。オンライン予約に始まり、オンライン診断、処方薬販売、さらには医師向けのモバイルアプリの普及など、多くの不便をテ
クノロジーで克服する取組みが進行しています。中国企業とのアライアンスや合弁(JV)により、日本の高品質のライフサイエンス
関連の製品やサービスが中国市場にさらに広まるようになれば、人々の生活の質はさらに高まります。
KPMG 中国 GJP 中国総代表
高部 一郎
1. 中国のライフサイエンス: CEO の視点(3)
コストの上昇と利益の減少を受け、中国国内企業は、製品水準の向上と先進的なプロセスの導入を推進しています。ここに至るま
で、中国ライフサイエンス産業の人材不足や国の煩雑な新薬認可手続きなど、さまざまな障害を乗り越えなければなりませんでし
たが、状況には変化の兆しが見え始めています。
近年、海外で教育を受け、中国に帰国する研究者の数が飛躍的に増大しました。これらの研究者たちは、中国をライフサイエンス
の R&D センターにすることを目指しています。海外のライフサイエンスを学んだ卒業生たちが、中国で数千もの新興企業を立ち上
げたことを多くのデータが示しています。
企業が競争力を維持するためには、新しい地域、さまざまなマーケットセグメントへの進出を開始する必要があります。その結果、
多くの企業がフレキシブルな経営構造を取り入れなければならなくなることは間違いありません。
> 全文はこちら (日本語訳: みずほチャイナマンスリー2016 年 12 月号 P.21~25 に掲載)
> 全文はこちら (英語)
2. 既存ジョイント・ベンチャー(JV)見直しのポイント
ジョイント・ベンチャー(JV)は以前からある事業戦略形態の一つですが、昨今その意義が急速に見直されています。経営者は、限
りある経営資源を有効に活用して企業価値の最大化を図ることをステークホールダーから求められています。JV の現状分析(チェ
ック)におけるポイントとして、アライアンス戦略、ビジネスプラン、オペレーティングモデル、ガバナンス、企業文化・評価体系の 5 つ
の視点が考えられます。
© 2017 KPMG, a Hong Kong partnership and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a
Swiss entity. © 2017 KPMG Advisory (China) Limited, a wholly foreign owned enterprise in China and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with
KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.
1
アライアンス戦略では、お互いの企業戦略が JV にも反映されているか。ビジネスプランでは実行性のモニタリングが行われている
か。オペレーティングモデルでは、機能毎にお互いの役割が果たされているか。ガバナンスでは、お互いに必要な情報が報告・共
有される体制になっているか。企業文化・評価体系では、お互いの企業文化が充分に理解されているか、そして出向社員の人事
評価が出向元で適切に反映されているか。これらのポイントを確実に押さえていくことが肝要です。
トップの強いコミットメント、現場の円滑なコミュニケーション、そして JV における問題点を JV パートナーと共有することが、その後
の JV 戦略の見直しに向けた協議・交渉を円滑に進めることの一助となります。
> 全文はこちら (日本語)
3. 顧客との共創のためのデジタルデータ活用
顧客の価値観が多様化し、顧客属性と消費行動とがステレオタイプに対応しなくなった現代にあっては、「マーケットイン」型のマー
ケティングでは顧客ニーズに対応しきれなくなりました。今後は顧客を企業のバリューチェーン自体に巻き込み、商品・サービスを
一緒に創り上げていく「顧客との共創」が求められます。




顧客価値観が多様化するなか「マーケットイン」型では顧客ニーズに応えきれない。企業のバリューチェーンに顧客を巻
き込む「顧客との共創」が必要である。
顧客が特定されていない「ビッグデータ」より、企業内にあり顧客が特定されている「スモールデータ」の分析・活用を徹底
的に行い、足元を固めるべきである。
企業内の「スモールデータ」の定量分析結果をカスタマージャーニーやペルソナに加えることで、従来の定性的叙述的な
アプローチにとどまることなく、顧客理解をより深めることができるようになる。
デジタル化時代のマーケティング推進に際しては、デジタルマーケティングやウェブの動向・技術を熟知し、社内外の適切
なリソースを発掘し、適時組み入れ・入替えを行いながら、小さな PDCA を高速回転できるマネジメント人材が求められ
る。)
> 全文はこちら (日本語)
Contact us お問合せ先
GJP China Markets: [email protected]
Tel: +86 (21) 2212 2247(日本語可)
© 2017 KPMG, a Hong Kong partnership and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a
Swiss entity. © 2017 KPMG Advisory (China) Limited, a wholly foreign owned enterprise in China and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with
KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.
2