案内 - 三重県臨床検査技師会

第 39 回
三重県医学検査学会
日 時 :平成 28 年 11月 27日(日)
10:00 〜 16:30
(会員証を提出して下さい)
会
場:伊勢市ハートプラザみその
一般社団法人
会
長
実行委員長
三重県臨床検査技師会
山本 幸治
宇城 研悟
ご
案
内
会員の皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
第 39 回三重県医学検査学会を平成 28 年 11 月 27 日(日)伊勢市ハートプラザみそのにおいて
開催します。一般演題 17 題と、学生演題 2 題の発表、最新の話題を提供する『ランチョンセミ
ナー』、気軽にトピックスを聴ける『カフェスイーツ・セミナー』を企画しました。
教育講演として三重県臨床検査技師会、山本幸治会長より「日臨技情勢報告
~次世代への架
け橋~」の講演を行います。
会員の皆様、ご多忙とは存じますが多数ご参加下さいますようお願い致します。
【一般演題の演者の方へ】
1.
発表時間は、口演7分、討論3分です。
液晶プロジェクターは1台で、使用パソコンソフトは Windows 7 です(Macintosh は使用不可)。
ソフトウエアーは Windows 版 Power Point 2003、2007、2010 を使用して下さい。作成したファ
イルは USB メモリで保存し当日持参して下さい。
(*前日までにスライド受付や学会会場での試写はできません。)
午前の演者は必ず午前 9:40 までにスライドのインストール、動作確認を行って下さい。
午後の演者は必ず午前 11:30 までにスライド受付を行って下さい。
自身の PC を使用される方は事前に連絡して下さい。
2. 次演者は、前者が登壇後に次演者席で待機して下さい。
3. 発表内容は、三重県臨床検査技師会誌に掲載します。当日受付にて CD-R を受け取り、
平成 29 年 2 月 28 日までに学術部 宇城まで提出して下さい。
【座長の方へ】
1.
次座長は、前座長が登壇後に次座長席にて待機して下さい。
2.
担当のセッションは時間内に終了するように配慮して下さい。
住所:伊勢市御薗町長屋 2767
電話番号:0596-22-6602
駐車場は会場裏手の北側スペースへ
お願いします。
スペースに限りがありますので
乗り合わせにご協力ください。
問い合わせ/連絡先: [email protected] 宇城研悟
1
<
9:30~
プログラム
受
10:00~10:10
概要
>
付
開会の辞
会長挨拶
10:10~11:20
11:30~13:00
一般演題
午前の部
7題
ランチョンセミナー
(1 社 30 分の 3 部制です)
*学会受付時に一つ選択していただきます。
*講演会場は飲食禁止のため会場のエントランスで食事をしていただきます。
*選択した講演を聴講し、その他の講演の時に食事を済ませて下さい。
(選択した講演以外も聴講していただいてかまいません)
1部. アボットジャパン株式会社
2部. シスメックス株式会社
3部. 富士レビオ株式会社
13:05~13:30
学生部門
演題発表
2題
13:30~15:20
一般演題
午後の部
10題
15:20~15:30
三重県臨床検査技師会
15:30~16:00
カフェスイーツ・セミナー
16:00~16:25
教育講演「日臨技情勢報告
三重県臨床検査技師会
16:25
閉会の辞
2
学術奨励賞表彰式
会長
~次世代への架け橋~」
山本 幸治
<
Ⅰ,
学会内容一覧
教育講演
エントランス会場
>
16:00~16:25
「日臨技情勢報告 ~次世代への架け橋~ 」
Ⅱ,
一般演題(午前の部)
メイン会場
三重県臨床検査技師会 会長 山本幸治
10:10~11:30
1.当院で認められた赤痢アメーバ症の1症例
JCHO 四日市羽津医療センター 井上 佳
2.尿一般検査室における精度管理について
三重大学医学部附属病院 阿部久美子
3.尿中にヘモジデリン顆粒を認めた骨髄異形成症候群の一例
市立伊勢総合病院
4.当院で経験した男性乳癌の 3 例
済生会松阪総合病院 世古利奈
5.心電図胸部誘導の電極装着部位による影響
三ツ橋 健
済生会松阪総合病院 沖 采香
6.当院における COPD 早期発見に向けた活動と呼吸機能検査の役割
松阪市民病院 天野友紀
7.呼気 NO 濃度測定における検査手技の検討 ~食事摂取の影響について~
松阪市民病院 山本麻瑚
Ⅲ,
一般演題(午後の部)
メイン会場 13:30~15:20
8.検体前処理搬送システムおよび検査機器更新による改善とその効果
三重大学医学部附属病院
9.血液ガス分析検査における保存状況と時間経過による測定結果への影響について
10.生体内鉄指標としての網赤血球ヘモグロビン等量(RET-He)の有用性
11.排卵後 12 日目における血中 hCG 値を用いた妊娠予後についての検討
松阪市民病院
黒宮聖也
済生会松阪総合病院
青木健人
済生会松阪総合病院
12.当院における過去 5 年間の血液培養検査状況
日口絵里加
岡波総合病院
13.血液培養より Campylobacter upsaliensis が分離された 1 症例
水野 光
永田恵一
三重県立総合医療センター
秦 由佳
鈴鹿回生病院
作野 綾
14.喀血を契機に発覚した非免疫抑制成人における肺真菌症の一例
15.Enterococcus faecalis による感染性心内膜炎の一例
16.当院で経験した肺静脈閉塞症の一例
鈴鹿中央総合病院
森川智仁
三重大学医学部附属病院
山川朋世
伊勢赤十字病院
新谷麻乃
17. Cryobaloon による右上肺静脈隔離中に一過性の横隔神経麻痺を生じたが、
上大静脈からの刺激で複合筋膜電位(CMAP)が観察できた症例
Ⅳ,
学生発表
メイン会場 13:05~13:30
①三重県全域のスマートフォンを利用した遠隔診断の有用性について
鈴鹿医療科学大学 栁沢健太
②末梢血単球に及ぼすトロンビンの影響
鈴鹿医療科学大学 播永千紗
Ⅴ,
学術奨励賞表彰式
受賞者:
Ⅵ,
メイン会場 15:20~
①三重大学医学部附属病院
ランチョンセミナー
白本祐平
②松阪市民病院
メイン会場(講演)エントランス会場(食事)
山本麻瑚
11:30~13:00
1 部 「先天性 CMV 感染症の現状と対策~母子感染症で悲しむ母子をなくす為に~」 アボットジャパン(株)
2 部 「線溶系の基礎と最近の話題」
シスメックス(株)
3 部 「免疫検査における心筋マーカー ~トロポニンを中心に!~」
Ⅶ,
カフェ・スイーツセミナー
エントランス会場
①Siemens QC のご案内 ②血液ガス検査の留意事項
富士レビオ(株)
15:30~16:00
シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス(株)
3
<
プログラム
教育講演
16:00~16:25
司会:森本
誠
詳細
>
エントランス会場
(三重大学医学部附属病院)
テーマ
「日臨技情勢報告
~次世代への架け橋~」
三重県臨床検査技師会
会長
山本
幸治
現在我々は、日常診療において医師・看護師やその他の医療職と連携し、患者により
近いところで専門的能力を発揮することが求められています。病棟において臨床検査技
師が業務を行う上で必要な知識や技能、また課題について理解しなければなりません。
今後、我々がチーム医療にて病棟で活躍する日も決して遠くはないと考えます。病棟業
務推進施設情報連絡協議会での情報を提供させていただきます。
また、検体採取、検査説明におきましてまだまだ実施されている施設は少ないと思わ
れます。現状と今後の期待を報告いたします。
最後に、熊本震災における DVT 検診もご報告させて頂きます。
4
一般演題(午前の部)
10:10
演題1
座長
前田
るみ子
(伊勢赤十字病院)
「当院で検出された赤痢アメーバ症の1症例」
JCHO 四日市羽津医療センター
検査部¹⁾
内科²⁾
○井上佳¹⁾、木枝秀人¹⁾、高橋明彦¹⁾、松本広明¹⁾、馬場弘次¹⁾、大原和人²⁾
アメーバ性腸炎では、E.histolytica による感染の 10%で発症する。主な臨床所見とし
て、下痢、テネスムス、腹痛などが挙げられる。肝膿瘍などの合併症が伴わない限り、
発熱は見られないことが多い。また、便の性状は粘血便であることが多く、典型的な例
では苺ゼリー状と言われる。アメーバ性腸炎の発症は一般的に緩徐であり、症状は数週
程度の周期で増悪と寛解を繰り返す。今回、他院からの紹介で大腸内視鏡を実施した際
にアメーバ性腸炎を疑い、直接塗抹虫卵検査で栄養型赤痢アメーバを検出したので報告
する。
演題2
「尿一般検査室における精度管理について」
三重大学医学部附属病院
中央検査部
○阿部久美子、坂崎由佳、尾崎洋平、森本
誠、杉本和史、中谷
中
当院では、2013 年 ISO15189 の認定を取得した。ISO15189 では様々な事項において厳
しい品質管理が求められている。一般検査では生化学検査とは異なり、定性検査など数
値で管理できない項目や尿沈渣、髄液細胞分類の鏡検などがある。
これらの項目について、当院の精度管理方法を報告する。
5
演題3
「尿中にヘモジデリン顆粒を認めた骨髄異形成症候群の一例」
市立伊勢総合病院
医療技術部 臨床検査室
○三ツ橋 健、八木政子、若林広美、山田里子、奥村真子
中村和人
血管内溶血などにより生じたヘモグロビンは、ハプトグロビンの結合能力を超えると
糸球体から濾過され尿中に排泄される。また、濾過された一部のヘモグロビンは尿細管
上皮細胞に取り込まれてヘモジデリンとなり、尿中に黄褐色の顆粒成分として出現する。
このヘモジデリン顆粒は、発作性夜間血色素尿症(PNH)、大量輸血後、人工弁置換術後
などでしばしば認められるとされるが、骨髄異形成症候群(MDS)での出現状況につい
ての報告は少ない。今回、MDS 患者の尿中にヘモジデリン顆粒を認めた症例を経験した
ので報告する。
10:40
演題4
座長
上阪
浩矛
(松阪中央総合病院)
「当院で経験した男性乳癌の 3 例」
済生会松阪総合病院
超音波検査室 1)
同外科 2)
○世古利奈 1)、蟹井 藍 1)、中川真理子 1)、村林加奈子 1)、脇田絵理香 1)
福本義輝 1)、山本幸治 1)、近藤昭信 2)、田中 穣 2)、長沼達史 2)
男性乳癌は、比較的稀な疾患で、全乳癌に占める割合は 0.5~1.0%と報告されている。
診断については女性乳癌と同様であるが、認知度が低いために診断時に進行した例も多
く早期発見が難しいとされている。乳房腫瘤を主訴に発見されることが最も多く、腫瘤
として疑いやすい女性化乳房や、良性の皮下腫瘤との鑑別には超音波検査が有用である。
今回我々は、超音波検査で男性乳癌の 3 例を経験したので、若干の文献的考察を加えて
報告する。
6
演題5
「心電図胸部誘導の電極装着部位による影響」
済生会松阪総合病院
医療技術部 検査課
○沖 采香、岸江知哉、山中優香、村林加奈子、大谷友哉、福本義輝
山本幸治
標準十二誘導心電図は、生理機能検査の基本的な項目として日常診療の場で幅広く利
用されている。特に循環器疾患の診断には必須の検査である。しかし、胸部誘導の電極
装着の際に助間の区別が困難で誤った装着部位で測定されることがある。
今回我々は、規定の位置で記録した標準十二誘導心電図に加えて一肋間上げたもの、
下げたものを記録し、胸部誘導の測定位置によるに心電図変化ついて検討を行ったので
報告する。
11:00
演題6
座長
坂下
文康
(県立総合医療センター)
「当院における COPD 早期発見に向けた活動と呼吸機能検査の役割」
松阪市民病院
中央検査室1)、
同
呼吸器センター2)
○天野友紀1)、山本麻瑚1)、岩本真矢1)、前田奈津江1)、小阪絵美1)
中島佳那子1)、豊崎光代1)、西村はるか1)、宇城研悟1)、長島光治1)
畑地 治2)
慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease :以下,COPD)は主に
喫煙が原因で慢性的に肺内に炎症が起こり肺の空気の流れが悪くなり息が吐き出しに
くくなる疾患で、自覚症状に気付いた時にはすでに病気が進行していることも多く、
早期発見には肺機能検査が役立つ。当院では呼吸器センターが中心となり早期発見を
目的とした市民公開講座や出張講座を行っており、そこで COPD の疑いのある対象者に
呼吸機能検査を実施している。当院における COPD 早期発見に向けた活動について報告
する。
7
演題7
「呼気 NO 濃度測定における検査手技の検討 ~食事摂取の影響について~」
松阪市民病院
中央検査室1)、
同
呼吸器センター2)
○山本麻瑚1)、天野友紀1)、岩本真矢1)、前田奈津江1)、小阪絵美1)
中島佳那子 1) 、豊﨑光代 1 ) 、西村はるか 1 ) 、宇城研悟 1 ) 、長島光治 1 ) 、
畑地 治2)
当院検査室では平成 27 年 11 月より呼気 NO 濃度測定検査を行っている。呼気 NO 濃度
は気道炎症により上昇し、再現性に優れた簡便かつ非侵襲的な検査法であるため、喘息
補助診断のマーカーとして利用されている。一方、硝酸塩を多く含む食事摂取が測定値
に影響を及ぼすと言われているが報告は少なく、手技に関してはまだ確立されていない
検査でもある。今回、健常者を対象に食事摂取による呼気 NO 濃度の変動をみることで、
適切な検査のタイミングを検討した。
8
一般演題(午後の部)
13:30
演題8
座長
加藤
真也
(伊勢赤十字病院)
「検体前処理搬送システムおよび検査機器更新による改善とその効果」
三重大学医学部附属病院
中央検査部 1)、同
オーダーメイド医療部 2)
○水野 光 1)、坂口 茜 1)、牧野達也 1)、野間 桂 1)、森本 誠 1)、杉本和史
1,2)
、
中谷 中 1,2)
検査搬送システム、検査機器を適正に選択し、配置することは検査の作業効率や精度
管理において重要な要素である。今回、我々は新外来・診療棟移転に伴い、検体前処理
搬送システム CLINILOG V4(A&T)、生化学的分析装置 LABOSPECT008 2 台(日立ハイテ
クノロジーズ)および免疫学的分析装置 ARCHITECT i2000SR 2 台(アボット)、LUMIPULSE
G1200(富士レビオ)を新たに導入し、これにより業務の効率が向上したのでその効果
を報告する。
演題9
「血液ガス分析検査における保存状況と時間経過による測定結果への
影響について」
松阪市民病院
中央検査室 1)
松阪地区医師会臨床検査センター2)
○黒宮聖也 1)、田畑隆江 1)、辻佐江子 1)、大山幸江 1)、宇城研悟 1)
長島光治 1)、脇谷清香 2)
当院での血液ガス分析検査は、救急や病棟などといった院内の検体のみならず、併設
する検査センターに運ばれてくる開業医からの検体も測定している。その為、一部の検
体では採血直後速やかに測定する事が出来ない場合があり、検体を採取してからの保存
状況や時間経過を確認した上で、測定結果がどの様に変化するのかを把握しておく事が
重要だと考える。
今回、検体を採取してから測定までの時間や保存状況でどの位測定結果に影響がある
かを検討した。
9
13:50
座長
長谷川
圭
(三重大学医学部附属病院)
演題10 「生体内鉄指標としての網赤血球ヘモグロビン等量(RET-He)の有用性」
済生会松阪総合病院
医療技術部 検査課
○青木健人、牛塲博子、木本梓、林豊、笠井久豊、山本幸治
血清鉄(Fe)や血清フェリチン(FER)は、日常診療で鉄欠乏の診断の指標として用いら
れている。しかし、Fe は日内変動や炎症等で低値となり、FER は感染・炎症・慢性疾患
等で高値になるといった問題点がある。最近になり、短期間における鉄の推移を正確に
把握できる指標として、自動血球分析装置(シスメックス XN)に搭載されている網赤血球
ヘモグロビン等量(RET-He)が注目を浴びている。今回、われわれは生体内鉄指標として
の RET-He の有用性について検討を行ったので報告する。
演題 11 「排卵後 12 日目における血中 hCG 値を用いた妊娠予後についての検討」
済生会松阪総合病院
検査課
○日口絵里加、髙橋未帆、蟹井 藍、村田紋香、鈴木孝明、山本幸治
ヒト絨毛性ゴナドトロピン(human chorionic gonadotropin:hCG)は、着床後に絨毛
から分泌されるホルモンであり、妊娠を判定するために測定されている。当院では、排
卵後 16 日目に妊娠判定を行っているが、ART 治療において、より早い時期に判定するこ
とで治療方針の早期決定を行う事が出来る。
今回我々は、凍結融解胚盤胞移植を行った症例を対象とし、排卵後 12 日目における
血中 hCG 値と妊娠予後について検討した。
10
14:10
座長
中村
明子
(三重大学医学部附属病院)
演題 12 「当院における過去 5 年間の血液培養検査状況」
畿内会
岡波総合病院
中央検査部
○永田恵一、松島志保、上ノ本千智、林 卓司
血液培養検査は敗血症の診断上重要な検査の一つである。今回我々は、当院過去 5 年
間の血液培養検査について、日本におけるパイロットスタディに基づいて各種指標を算
出し、比較・検討を行った。その結果、当院の血液培養検査は、採取数が少ない等の問
題点が明らかになり、今後改善する必要があると思われた。
演題 13 「血液培養より Campylobacter upsaliensis が分離された 1 症例」
三重県立総合医療センター中央検査部 1)
三重大学医学部附属病院中央検査部 2)
○秦 由佳 1)、海住博之 1)、高羽 桂 1)、東 薫 1)、高橋あけみ 1)
中村明子 2)
症例は 68 歳男性。貧血、慢性心不全、胃がん術後、慢性腎不全などの既往歴があり、
今回貧血が進行し輸血目的で入院となった。輸血後に発熱を認めたため血液培養が提出
され、培養 4 日目に好気ボトルかららせん状のグラム陰性桿菌の発育を認めた。当院で
は同定できなかったため三重大学医学部附属病院に依頼し、Vitek-MS にて
Campylobacter upsaliensis と同定された。
11
14:30
座長
海住
博之
(県立総合医療センター)
演題 14 「喀血を契機に発覚した非免疫抑制成人における肺真菌症の一例」
鈴鹿回生病院
臨床検査課 1)、病理 2)、胸部外科 3)
○作野 綾 1)、広瀬逸子 1)、岡本智裕 1)、草野五男 2)、松島 康 3)
肺真菌症とは、カビである真菌が肺に感染することにより発症する病気の総称のこと
をいう。なかでも、肺ムコール症は重症糖尿病や腎不全、血液疾患などの免疫能が低下
した状態に合併する肺真菌症の数%と稀な疾患であり、一般的に予後不良であり早期な
外科的治療が望まれる。今回、喀血を主訴に来院した非免疫抑制成人において肺ムコー
ル症と思われる症例を経験したので報告する。
演題 15 「Enterococcus faecalis による感染性心内膜炎の一例」
鈴鹿中央総合病院
中央検査科
○森川智仁、別所裕二、齋藤麻菜美、武野 潔
80 歳代女性、39 年前に弁置換術実施。不定期に 38.0 度前後の発熱を認め、当院循環
器内科へ紹介受診となった。感染性心内膜炎(以下 IE)が疑われ、心臓超音波検査を実施
したが、明らかな疣贅は認めなかった。しかし、初診時の血液培養 2 セット、4 本から
Enterococcus 属を疑うグラム陽性球菌が検出され、直ちに主治医に報告。VCM と GM の
併用療法が開始された。後日、Enterococcus faecalis と同定され、ABPC と GM の併用
療法へと変更され継続治療となった。
今回、検査結果より IE の治療が適切に行われた一症例を報告する。
12
14:50
座長
浅沼
里依子
(伊勢赤十字病院)
演題 16 「当院で経験した肺静脈閉塞症の一症例」
三重大学医学部附属病院 中央検査部 1)、循環器内科 2)
○山川朋世 1)、大沼秀知 1)、大本清香 1)、白本裕平 1)、藤田直美 1)
樋口惠一 1)、増田千秋 1)、藤井 忍 1)、森本 誠 1)、藤本直紀 2)、
杉本和史 1)、中谷 中 1)、松田明正 2)、山田典一 2)
肺静脈閉塞症(pulmonary veno₋occlusive disease:PVOD)は主な病変が肺静脈にあ
り、肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension:PAH)を呈する疾患の中
の 10%以下と極めて稀な疾患である。近年有効な治療薬や治療法により PAH の生命予後
は著しく改善しているが、本症例は現在においても肺移植のみが唯一の根本的治療法で
あり、極めて予後不良の進行性病変で、死亡まで 2~3 年との報告もある。今回我々は
気管支喘息疑いで当院を受診し、PVOD と診断された一例を経験したので文献的考察を交
えて報告する。
演題 17 「Cryobaloon による右上肺静脈隔離中に一過性の横隔神経麻痺を生じたが、
上大静脈からの刺激で複合筋膜電位(CMAP)が観察できた症例」
伊勢赤十字病院 医療技術部 臨床検査課 1)、医療技術部 臨床工学課 2)
循環器内科 3)
〇新谷麻乃 1)、市川真嗣 1)、浅沼里依子 1)、別當勝紀 1)、奥山浩幸 2)
八木健太 2)、坂部茂俊 3)、前野健一 3)、笠井篤信 3)
近年、カテーテルアブレーションによる心房細動の治療は cryobaloon を用いた肺静脈隔離
術(PVI)が普及している。クライオバルーンアブレーションは、従来の高周波アブレーションと
は異なり、組織を冷凍することで肺静脈隔離を行う。cryobaloon による PVI は横隔神経障害の
リスクが高く、CMAP(複合筋膜電位)のモニタリングをすることが推奨されている。今回、右上
肺静治療中に、CMAP の波高値低下を認め、横隔神経麻痺を生じたが、刺激部位の工夫に
より右下肺静脈治療中に CMAP を観察できた一例を報告する。
13
学生部門発表
13:05
演題名
座長
別所
裕二
(鈴鹿中央総合病院)
「三重県全域のスマートフォンを利用した遠隔診断の有用性について」
鈴鹿医療科学大学 保健衛生学部 医療栄養学科 臨床検査コース
○栁沢健太、松林里美、石黒弘祥、磯部穂波、齊藤瑞季、林 夢矢、
森田那奈架、米田 操
顕微鏡の静止画像をネットワーク上で転送させ組織診断、細胞診断するいわゆるテレパソロ
ジーは形態学分野で必要不可欠な分野となり注目されている。しかし、導入においてはきわめ
て高額であり、テレパソロジー導入に消極的にならざるを得ない状況がある。そこで今回我々
は、顕微鏡の接眼レンズにスマートフォンをあてて撮影した画像、および超音波画像を三重県
全域である北勢地区、中勢地区、南勢地区、伊賀地区の病院内から鈴鹿医療科学大学まで
の転送時間と返信時間、画像解析、診断率(特異性、感受性)などを検討し、いつでもどこでも
できるスマートフォン簡易テレパソロジーシステムを考案したので報告する。
演題名
「末梢血単球に及ぼすトロンビンの影響」
鈴鹿医療科学大学
保健衛生学部 医療栄養学科
臨床検査コース
○播永千紗、青山美博、冨田麻莉、西岡淳二
我々は、LPS やβ(1,3)‐グルカンで刺激された末梢血単球は、マクロファージに分化
するとともに、組織因子ならびに第 VII 因子を高発現し、炎症・凝固反応を著しく高め
ることを明らかにしてきた。今回、炎症部位に生成されたトロンビンの機能を明らかに
する目的で、末梢血単球に及ぼすトロンビンの影響を検討した。その結果、培養末梢血
単球をトロンビンならびに TRAP で刺激すると、MSP-1、IL-8 などの炎症性サイトカイン
の発現亢進が認められ炎症反応の亢進が示唆された。
14
ランチョンセミナー
1部
11:30~12:00
講演1
「先天性 CMV 感染症の現状と対策
~母子感染症で悲しむ母子をなくす為に~」
アボットジャパン株式会社
診断薬・機器事業部
テクニカルスペシャリスト
島田敦史
CMV 感染症は TORCH 症候群の中で最多で、また出生時には無症状でも、学童期に難聴
が出現することがある。母体がサイトメガロウイルス(CMV)に罹患した場合、発熱、
肝機能異常、頚部リンパ節腫脹などを呈することもあるが、無症状である場合も多い。
胎児 CMV 感染症は TORCH 症候群の一つであり、低出生体重、小頭症、脳室周囲石灰化、
肝・脾腫、聴力障害、視力障害、血小板減少、黄疸、精神・運動発達障害など多彩な症
状を呈する。全妊婦における以前の CMV 抗体陰性妊婦は、10%程度であったが、最近で
は 30%を越えてきており、妊娠中の CMV 初感染のリスクが高まっている。抗体陰性者は
年間に 30 万人出産しており、1~2%が妊娠中に初感染し、感染例の 40%が胎児感染す
るため年間 1,200~2,400 人が胎児感染していると推定される。このうち 20%が症候性
を持つ児として出産し、その後のフォローアップで 90%に障害が認められるので推定患
者数が 216~432 人となる。一方、無症候であった出生児の 10~15%に後に障害が生じ
てくるので推定患者数は 96~288 人となる。また頻度は低いが、CMV 抗体を有する妊婦
が再感染するのが 0.2~2%で、そのうち 0.5%~1%の児に障害が出るので 7~140 名の
患者が存在すると推定される。合計すると 319~860 人の障害を有する児が毎年存在し
ていることになる。 厚生労働研究藤井班では CMV 感染予防のための妊婦教育・啓発と
している。すでに米国や英国では妊婦に対する CMV 感染予防の教育を推奨している。妊
娠 12 週以降の抗体陰性者の初感染率は 1~2%であるが、感染予防の教育・啓発により
0.19%に減少したとの報告がある。この予防措置を全例の妊婦に実施したと仮定すると、
初感染の障害例を 312~720 人から 59~68 人まで減少させることが出来でき、大きなメ
リットがある。現在のところ、全妊婦に対して CMV 抗体価をスクリーニングすることは
世界的に推奨されていないが、この報告により CMV 抗体価をスクリーニング妊婦に実施
するメリットが出てきたことになる。
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ランチョンセミナー
2部
12:00:~12:30
講演 2
「線溶系の基礎と最近の話題」
シスメックス株式会社
名古屋支店学術サポート課
相原孝至
近年、血栓止血系疾患の増加に伴い、FDP や D ダイマーをはじめ線溶系項目の測定は
ますます重要になってきています。今回、線溶系項目の測定意義など基礎的な事項から、
関連する分子マーカーと最近の話題についてご紹介します。夜間当直の方から、血液検
査ご担当の方まで聴講頂ける幅広い話題をご提供させて頂きます。
まず、凝固項目と線溶項目の代表的な項目の振り返り、特に代表的な線溶項目である
FDP と D ダイマーについてお話し致します。次に、FDP と D ダイマーに関わる代表的な
疾患として、DIC の病態、DIC 診断基準などについて解説致します。また、血栓は形成
から分解に至るまで、その状態を示す指標となる分子マーカーを測定することでより多
くの情報が得られます。その分子マーカーについてもご紹介させていただき、最後に弊
社の取組み・製品ラインナップについて紹介させて頂きます。
本セミナーが、日常的に測定されている線溶系項目について、どのような有用性があ
るのかの認識向上の一助になれば幸いです。
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ランチョンセミナー
3部
12:30~13:00
講演 3 「免疫検査における心筋マーカー
~トロポニンを中心に!~
」
富士レビオ株式会社
学術サービス部
福田雅之助
心筋マーカーのトロポニン・ミオグロビン・CK-近々発売が決まっておりますが、
コンプラインス上発売前に製品上の説明はできない為、心筋マーカーの基礎的な話をさ
せていただきます。
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カフェスイーツ・セミナー
15:30~16:00
司会:森本
誠
(三重大学医学部附属病院)
シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社
①Siemens QC のご案内
講師:京野 真
この度、弊社は免疫抑制剤、血液ガス、尿定性、血液検査の 4 分野において WEB 方式
での社内サーベイサービスを開始しております。
Siemens QC はお客様施設内、および施設間の精度管理をタイムリーに提供いたします。
②血液ガス検査の留意事項
講師:中畠聖巳
検査室に限らず ICU、OPE、救急センター、透析室などで血液ガスは測定されています。
そこで測定までの間に皆様に留意していただきたい事、していただきたい事など情報提
供させていただけたらと存じます。
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企業参加一覧
<ランチョンセミナー>
・アボットジャパン(株)
・シスメックス(株)
・富士レビオ(株)
<カフェスイーツ・セミナー>
・シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス(株)
<企業展示>
・シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス(株)
・シスメックス(株)
・東芝メディカルシステムズ(株)
・(株) 日立ハイテクノロジーズ
・ロシュ・ダイアグノスティックス(株)
・和光純薬工業(株)
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【委員の方へ】
学会当日は、午前 8 時 50 分に学会会場に集合して下さい。(○印は責任者)
スーツもしくはそれに準じる服装でお願いします。
当日の交通費・日当は規約に基づき支給されませんのでご了承ください。
実行委員長
:
宇城研悟
副実行委員長(司会)
:
別所裕二 坂下文康
受付・接待
:
○森本 誠 小原千津世
(企業対応、学生対応含む)
スライド・進行・マイク
会場設営・誘導・弁当
:
:
(カフェスイーツ
:
中島佳那子
小阪絵美 岩本真矢
○笠井久豊 井上 佳 広瀬逸子 中村小織 永田恵一
加藤真也
前田るみ子 浅沼里依子 山田里子
荒木宏哉
増田千秋 長谷川 圭 柿本将秀 坂崎由佳
森滝章代
木枝秀人 服部由香
○林 豊 海住博之 小倉昌弘
山中優香 木本 梓
ドリンクコーナー含む)
PC 受付
中井那実 石黒千晶
西村はるか
池尻 誠 渡邊孝康
藏城寛子 辻 佐江子
加藤淳也 中村麻姫 金山和樹
○上阪浩矛
(エントランスプロジェクター)
20
辻井正人 小林千明
今野和治