資生堂、「ヒュウガトウキ」に血糖値低下と血流速度上昇の効果を発見 資 生 堂 は、セリ科 植 物 「ヒュウガトウキ」(※1)の根 に、血 糖 値 を低 下 し、かつ血 流 速 度 を上 昇 する 効 果 (血 流 サラサラ効 果 )があることを発 見 しました。 ヒュウガトウキの粉 砕 した根 を、Ⅱ型 (成 人 型 )糖 尿 病 患 者 及 び血 糖 値 が高 い健 常 者 に 1 ヶ月 間 摂 取 させたところ、空 腹 時 の血 糖 値 が有 意 に低 下 しました。さらに健 常 者 において、マイクロレオロジー測 定 装 置 (※2)による血 流 速 度 (血 液 サラサラ度 )測 定 を実 施 したところ、ヒュウガトウキの摂 取 により 血 流 速 度 が上 昇 することを見 出 しました。 現 在 中 高 年 層 を中 心 に、病 気 ではないが病 気 になる一 歩 手 前 の症 状 (「未 病 」)の時 に、病 気 を防 ごうという意 識 が高 まっています。健 康 関 連 の商 品 も、医 薬 品 だけでなく食 品 にまで多 岐 に広 がって います。今 後 資 生 堂 は、本 技 術 によって、糖 尿 病 、動 脈 硬 化 症 、高 脂 血 症 などの生 活 習 慣 病 の予 防 、 さらには未 病 者 へも対 応 するために、ヒュウガトウキを配 合 した健 康 食 品 等 の開 発 を進 めてい きま す。 ※1)ヒュウガトウキ:セリ科 の多 年 性 植 物 で宮 崎 県 が原 産 。日 本 国 内 の他 の地 域 、海 外 ではその存 在 が確 認 されていない。江 戸 後 期 より九 州 地 方 では民 間 療 法 に用 いられていたが、近 年 、改 めてそ の所 有 する機 能 が注 目 されはじめている。 ※2)マイクロレオロジー測 定 装 置 :幅 7μm、長 さ30μm、のマイクロチャンネルを8736本 並 列 にし たアレイに血 液 を注 入 し、その通 過 時 間 を測 定 して血 液 流 動 性 をみる装 置 。(人 間 の毛 細 血 管 を再 現 したもの) ヒュウガトウキの作 用 と安 全 性 ヒュウガトウキの血 糖 値 低 下 作 用 については、膵 臓 のβ細 胞 からインスリン分 泌 を促 進 するか、イ ンスリン抵 抗 性 を改 善 して血 糖 値 を低 下 させる機 序 が考 えられます。 また既 にヒュウガトウキの根 の抽 出 物 には血 管 拡 張 作 用 を有 することが報 告 されており、今 回 の試 験 からも血 液 流 動 性 の向 上 が見 られたことから、糖 尿 病 が原 因 で循 環 障 害 を起 こしている患 者 では糖 尿 病 性 網 膜 症 や腎 炎 など合 併 症 の発 症 の予 防 効 果 も期 待 されます。 さらにGOTやGPT、γ―GTPなどの肝 機 能 及 び腎 機 能 についても摂 取 前 と摂 取 後 ではほとんど変 化 が認 めらなかったことから、ヒュウガトウキの安 全 性 は高 いものといえます。 以 上 の結 果 から、ヒュウガトウキは、糖 尿 病 疾 患 及 び血 糖 値 の高 い健 常 者 に対 しての有 用 性 の高 い 植 物 であるということが示 唆 されました。 資 生 堂 では、今 後 もヒュウガトウキをはじめとした自 然 由 来 の生 薬 の薬 効 についての研 究 を進 めて いきます。 ヒュウガトウキ 臨床試験結果 1. 実 施 施 設 : 社 団 法 人 北 里 研 究 所 メディカルセンター病 院 医療法人 敬天会 東和病院 2. 対 象 :糖 尿 病 患 者 : 11 名 (医 療 法 人 敬 天 会 東 和 病 院 ) 健 常 者 :27 名 (北 里 研 究 所 メディカルセンター病 院 ) 3. 実 施 内 容 ① 糖 尿 病 患 者 (試 験 期 間 2002 年 3 月 ~6 月 ) ヒュウガトウキ根 粉 砕 物 含 有 カプセル 1 日 1gを1カ月 間 摂 取 。 ② 健 常 者 (試 験 期 間 2002 年 6 月 ~8 月 ) ヒュウガトウキ根 粉 砕 物 含 有 カプセル 1 日 量 1gを 1 ヶ月 摂 取 した群 と プラセボ群 の 2 群 。 4.空 腹 時 血 糖 値 の変 化 (患 者 )及 び血 液 流 動 性 の変 化 (健 常 者 ) 200 150 * (% of control) (mg/dL) 150 100 100 50 50 0 摂取前 0 摂取前 摂取後 糖尿病患者における空腹時血糖値の変化 摂取後 プラセボ 摂取前 摂取後 ヒュウガトウキ 健常人における全血通過時間の変化
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