クールジャパン人材の育成に関する意見募集 平成29年2月24日 内閣府

クールジャパン人材の育成に関する意見募集
平成29年2月24日
内閣府知的財産戦略推進事務局
平成 29 年2月 24 日、内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略)のもと、関係省庁及び民
間有識者を構成員とする「クールジャパン人材育成検討会」を立ち上げた。コンテンツやファ
ッション、デザイン、食、観光等、クールジャパン産業の各分野、あるいは分野横断的にどの
ような人材が必要なのかを議論し、そのような人材を育成・集積していくために必要な取組を
検討し、もってクールジャパン戦略の推進に生かしていくこととしている。
本意見募集は、当該検討会の議論に資するため、今後求められるクールジャパン人材像や人
材育成のために必要な政府や民間における取組、さらには、求められるクールジャパン人材を
育成するために必要な高等教育や、世界からのクールジャパン人材集積に関する在り方につい
て意見を募るとともに、産業界や学界等から必要な情報の提供をお願いするものである。
1.本意見募集・情報提供依頼の背景
(クールジャパン戦略について)
クールジャパンとは、外国人にとって「クール(良い)
」と捉える日本の魅力であり、アニ
メ、マンガ、ゲーム等のコンテンツ、ファッション、デザイン、食、観光などを広く含む。
クールジャパン戦略とは、こうした日本の魅力の、①情報発信、②海外への商品・サービス
展開、③インバウンドの国内消費、の各段階をより効果的に展開し、世界の成長を取り込むこ
とで日本の経済成長に寄与することを目的とするブランド戦略である。
(クールジャパン戦略における人材育成に関するこれまでの検討・取組状況)
平成 27 年6月に「クールジャパン戦略推進会議」で取りまとめられた「クールジャパン戦
略官民協働イニシアティブ」において、クールジャパン戦略の深化に向けた視点の一つとして
「人材ハブ」の構築が掲げられ、
「クールジャパン関連分野の人材を世界中から日本に引きつ
けて、これらの人材が持つ創造性を集積させ、更に高度化し、世界に向けて発信するためのハ
ブを構築することが重要である」旨が確認されるとともに、関連する施策が盛り込まれ、これ
を踏まえた取組が関係省庁等において進められているところである。
さらに、当該イニシアティブを受け、クールジャパン拠点の構築に向けた議論を具体化させ
るために立ち上げた「クールジャパン拠点構築検討会」においても、
「中間とりまとめ」
(平成
28 年6月とりまとめ)の中で、クールジャパン拠点に求められる機能として、日本の魅力を
国内外に発信する「情報発信機能」と併せ、専門家を育て、関連する産業を創出する「人材育
成・産業創出機能」が必要である旨が確認された。現在、クールジャパン拠点の連携方策につ
いて調査するため、拠点連携のもとクールジャパン人材を育成する取組を含めた7つの実証プ
ロジェクトが進められている。
(クールジャパン人材育成検討会の立上げについて)
1
クールジャパン人材の育成は、クールジャパン戦略推進にあたっての基盤であるにも関わら
ず、クールジャパン産業に求められる人材像を明らかにするとともに、高等教育において求め
られる人材育成、産業内で行われる人材育成や、政府が取り組むべき人材育成支援等を横断的・
整合的に整理するには至っていない。
このため、世界からの注目が日本に集まる 2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技
大会に向け、また、2020 年代を見据えて、
① クールジャパン産業において、あるいはクールジャパン戦略推進のため、どのような
人材がどれくらいのボリュームで求められるか、
② ①のような人材を育成するため、高等教育、産業界、政府施策等についてどのような
取組が求められるか
を明らかにするため、平成 29 年3月より、内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略)のも
と、関係省庁及び民間有識者を構成員とする「クールジャパン人材育成検討会」を立上げ、必
要な議論を行うこととしている。
(本意見募集について)
本意見募集は、当該検討会における議論に資するため、特に、各種クールジャパン産業を代
表あるいはけん引する組織や個人の方々、クールジャパン産業に関係する学識者や有識者の
方々、クールジャパン推進に関する取組を様々な形で後押しする各種機関や地方公共団体等の
方々に対し、
➣ 上記①について、ご自身が関係するクールジャパン産業に関する知見や情報(定性的情報・
定量的データ)
➣ 上記②について、新たな取組、あるいはこれまでの取組を改善・進化させるためのご提案、
あるいは参考となる先進事例等
の提供・提案をお願いするものである(具体的な提出依頼事項は下記3.のとおり)
。
2.クールジャパン人材の育成・確保に関連する各省庁等の動き
(各府省庁における人材育成・確保に関する検討状況について)
現在、各府省庁においても、今後の産業構造の変化等も見据えた人材育成・確保に関する検
討が進められている。
例えば、
・ 構造改革徹底推進会合の下に平成 28 年 12 月9日に設置された「第4次産業革命 人材
育成推進会議」では、第4次産業革命による産業構造や社会構造の転換を踏まえた各産業で
求められるスキルや能力、そうした能力を持つ人材の育成等に関する検討が行われている。
・ クールジャパン分野の外国人材の受入れについて、国家戦略特別区域諮問会議等の場で有
識者(堺屋太一内閣官房参与等)から具体的提案が行われるとともに、今国会に提出する改
正国家戦略特区法案に新たに盛り込む規制改革事項(平成 29 年2月 21 日取りまとめ)と
して、議論がなされている。
・ 文部科学省では、中央教育審議会答申(平成 28 年5月 30 日取りまとめ)を踏まえ、変化
2
への対応が求められる現代において、基礎・教養や理論にも裏付けられた優れた技能等を強
みに、事業の現場の中核を担い、現場レベルの改善・革新をけん引していくことのできる人
材を育成するため、実践的な職業教育を行う新たな高等教育の制度化に向けた検討が行われ
ている。
・ 観光庁では、インバウンド客の増大等に対応するため、通訳案内士以外の者による有償ガ
イド行為を全国で可能にすること等に向けた検討が行われている。
(
「クールジャパン戦略官民協働イニシアティブ」に盛り込まれた人材育成施策)
クールジャパン戦略官民協働イニシアティブ(平成 27 年6月)に盛り込まれ、関係省庁に
より行われている施策としては以下のものがある。
・ 海外教育機関(フィルムスクール)への留学、インターンシップ等の機会を提供すること
により、共同制作等の担い手として国際的に通用するプロデューサー人材の育成支援(経済
産業省)
・ 実演家やアーティストについて、国際的に通用する人材として育成するために、海外に派
遣し、研修する機会を提供する取組(文部科学省)
・ 株式会社海外需要開拓支援機構(以下「クールジャパン機構」という。
)が出資する事業
等を通じて、現地における日本コンテンツの海外展開を支える人材育成プラットフォームの
構築(経済産業省)
上記のような政府における検討や施策も踏まえ、こうした検討をクールジャパン人材の育
成・集積に活かし、あるいは既存の施策を発展させていくような観点からのご意見も期待する
(具体的な提出依頼事項は下記3.のとおり)
。
3.意見募集・情報提出依頼の項目
(1)クールジャパン産業の職種について
【質問①】(あなたが関わる)クールジャパン産業※1を担う人材を、職種ごとに
(ア)分野等の専門性を踏まえて、ビジネス展開を担う「高度マネジメント人材」
(イ)現場で中核を担う「専門・管理人材」
(ウ)現場スタッフ等、直接実務に携わる「実務人材」
の3つのカテゴリーに分類する場合、
(ア)-(ウ)に当てはまる職種※2をお答えください。
(※1)コンテンツ(アニメ、ゲーム、映画、マンガ、音楽等を含む)やファッション、デザイン、食(外
食、加工食品輸出、生鮮食料品輸出等を含む)
、観光、美容等を想定していますが、クールジャパン
(外国人が魅力的と捉える日本の商品やサービス)に該当すると考えられるものについて広く募集
対象とします。
(※2)人材育成に関し、産業に携わる人材を上記(ア)-(ウ)と同様の区分で検討を進めている委員会
として「検証・評価・企画委員会(コンテンツ分野会合)
」があり、第3回会議(2017 年2月8日開
催)で内閣府より提示された資料(論点ペーパー)
(別添1参照)では、コンテンツビジネスを担う
人材(職種)を、
3
① 「プロデュース人材」(高度マネジメント人材に該当)
:プロデューサー、
コンテンツエージェント、
編集長
② 「ディレクション人材」(専門・管理人材の該当)
:ディレクター、監督、編集者、ゲームデザイ
ナー
③ 「クリエイション人材」(実務人材に該当)
:アニメーター、グラフィックデザイナー、脚本家
の3つに分類した上で、各人材を育成する上での課題や方策等について問題提起を行っています。フ
ァッション、デザイン、食、観光等についても同様に(ア)高度マネジメント人材、
(イ)専門・管
理人材、
(ウ)実務人材、に該当する職種をお答えください(コンテンツについても、別添1とは異
なる職種の分類や、別添1に記載のない職種があればお答えください)
。
【質問②】
(あなたが関わる)クールジャパン産業において、上記(ア)-(ウ)のカテゴリー
の中で、今後新たに必要になると考えられる職種があれば、その理由と併せてお答えくだ
さい。
(2)各職種において求められる能力・スキルについて
上記3(1)で挙げた各職種において、今後の社会・産業構造の変化等も見据えつつ必要
となる能力・スキルの中には、その習得を
(ア)長期間の専門訓練や学術的教養等、主に教育機関が担うべきもの※と
(イ)業界での実務経験や海外への派遣等、産業界において担うべきもの
に大別できると考えられます。
(※)ある一定以上の人材数を必要とする職種における、一定の方法論で育成可能であったり、形式知化
が可能であったりする能力・スキルについては、教育機関における習得に比較的適すると考えられま
す。
以上を踏まえた上で、
【質問③】各職種において、教育機関がその習得を担うべき能力・スキルをお答えください。
併せて、当該能力・スキルを持つ人材を育成するため、現在検討されている新たな専門
職大学(別添2参照)や、専門職大学院(MBAやMOT、会計大学院等、高度専門職業
人養成を行う大学院)
、既存の大学や専門学校等の高等教育機関に期待する教育カリキュ
ラムなどがあれば具体的に記述してください。
さらに、教育機関においてクールジャパン産業に必要な人材を効果的に育成するため、
政府が行うべきと考えられる取組(既存の取組例:モデルカリキュラムの策定・実施に対
する経済支援等)があれば具体的に挙げてください。
【質問④】各職種において、産業界がその習得を担うべき能力・スキルをお答えください。
併せて、当該能力・スキルを持つ人材を育成するため、産業界において新たに行うべき
取組があれば具体的に記述してください。
さらに、産業界においてクールジャパン産業に必要な人材を効果的に育成するため、政
府が行うべきと考えられる取組(既存の取組例:海外研修の機会の提供)があれば具体的
に挙げてください。
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【質問⑤】各職種において、社会・産業構造や業界事情等の変化により、今後新たに必要にな
ると考えられる能力・スキルがあればお答えください。
また、そのような能力・スキルを持つ人材を育成するため、教育機関や政府、産業界な
どに期待する取組があれば、どのような主体にどのような取組を期待するか、できるだけ
具体的に記述してください。
(3)各職種において求められる人材の「量」について
【質問⑥】上記3(1)で挙げた各職種の現在の人材数はどの程度(と考えられる)かお答え
ください。業界団体の統計やその他の調査結果等、本質問の回答を裏付ける資料などがあ
れば併せて情報提供をお願いします。
【質問⑦】上記3(1)で挙げた各職種で、将来、どれくらいの人材数が必要と見込まれるか
お答えください。業界団体の統計やその他の調査結果等、本質問の回答を裏付ける資料な
どがあれば併せて情報提供をお願いします。
見込まれる人材数等を答えることが難しい場合、今後、より多くの人材数が必要になる
と考えられる職種を、その理由と併せてお答えください。
(4)外国人材の活用について
クールジャパン産業の発展のため、高い能力やスキルを持つ外国人材を積極的に活用するべ
きとの考え方もあります。
以上を踏まえた上で、
【質問⑧】上記3(1)で挙げた各職種の中で、外国人材の活用をこれまでより積極的に進め
るべきと考えられるものがあれば、その理由と併せてお答えください。
【質問⑨】質問⑧に関連して外国人材の活用を積極的に進めるため、政府が行うべきと考えら
れる取組があれば挙げてください。
(5)教育機関、企業等の連携や外国教育機関の誘致等について
クールジャパン人材の育成を効果的に行うため、①日本の教育機関と海外の先進的教育機
関の連携、②海外の先進的教育機関の分校等誘致、③大学と企業等との連携(例:大学発ベ
ンチャーや、大学研究室への企業職員の派遣)
、④大学生等のインターンシップ、などが効
果的であるとの考え方もあります。
以上を踏まえた上で、
【質問⑩】上記3(1)で挙げた各職種の中で、必要な人材を育成するにあたり、上記①~④
のような手法が効果的と考えられるものがあれば、その理由と併せて挙げてください。
【質問⑪】上記①~④のような取組で、
(ⅰ)実際に成功している事例、
(ⅱ)今後進めようと
いう取組があれば、できるだけ具体的に(成功事例については、他の類似の取組との違い
や成功の要因も含めて)情報提供をお願いします。
また、
(ⅱ)を進める上で制度上、あるいは社会・経済環境上等の課題や課題解決のた
5
めに政府が行うべきと考える取組等があれば挙げてください。
(6)海外におけるクールジャパン人材の育成について
例えば、アニメの制作過程の一部をアジア諸国の現地人材が請け負ったり、海外における
日本酒流通のために海外の卸売業者が日本酒の扱い方を習得したりするなど、海外におい
てもクールジャパン人材の育成が必要な場合があります。
また、クールジャパン機構が、東南アジア等においてコンテンツ産業を担う人材の育成を
行う教育機関に出資するなど、政府が海外におけるクールジャパン人材育成に対する支援
に乗り出している例があります。
以上を踏まえた上で、
【質問⑫】上記3(1)で挙げた各職種の中で、クールジャパン推進にあたり、海外において
クールジャパン人材の育成に取り組むことが効果的と考えられるものがあれば、その理由
と合わせて挙げてください。
【質問⑬】上記のような海外におけるクールジャパン人材の育成について、(ⅰ)実際に成功
している事例、
(ⅱ)今後進めようとしている取組があれば、できるだけ具体的に情報提
供をお願いします。
また、
(ⅱ)を進める上で制度上、あるいは社会・経済環境上等の課題や課題解決のた
め政府が行うべきと考える取組等があれば挙げてください。
(7)地域のクールジャパンを担う人材の育成について
日本酒や農産品、伝統的工芸品等の地域産品の輸出、インバウンドの促進のためには、地
域の魅力を発掘し、外国人に受け入れられるようにプロデュースして発信、展開する人材が
必要です。このような、地域のクールジャパンを担う人材は、地場の企業経営者や地方自治
体等の公的機関職員である場合もあれば、都市部に在住し、地域振興に関するノウハウや外
国人に対して地域の魅力を紹介する能力等を有する人材である場合もあります。
以上を踏まえた上で、
【質問⑭】地域のクールジャパンを担う人材の育成について、
(ⅰ)実際に成功している事例、
(ⅱ)今後進めようとしている取組があれば、できるだけ具体的に情報提供をお願いしま
す。
また、
(ⅱ)を進めるため、政府が行うべきと考える取組等があれば挙げてください。
(8)その他
【質問⑮】その他、上記(1)~(7)に該当しないものであっても、クールジャパン人材
育成についての先進的取組や、政府等が行うべきと考えられる取組があれば広く意見を
募ります。
以上
6