社会福祉法人 日本盲人社会福祉施設協議会 理事長 * * * * 殿 HABIE(ハビー) 阪神大震災 視覚障害被災者支援対策本部 代表 川越利信 阪神大震災に伴う視覚障害者支援のための 人的支援のお願い 阪神大震災による視覚障害被災者を支援するために、人的支援をお願い申し あげます。 1週間または10日間くらいの単位で、3∼4人、対策本部または現地での 援助活動に参加していただきたく存じます。 主な役割は、①ボランティアの管理・指導②被災者の処遇判断などです。 以下、現状をメモ程度ですがご報告します。 2月4日午後3時現在の安否情報は、次の通りです。 無事確認 1422人(1768人の名簿中) 死亡確認 21人(家族 5人 合計26人) ハビーの現状と課題 (1)現在、ボランティア登録者数は900名です。しかし、これらのボランテ ィアをリードする指揮官がいません。つまり、盲人福祉に明るいリーダーがす くないことです。 (2)神戸市は、身障者の名簿公開に踏み切ります。とりあえず、灘区の名簿に ついてハビーにも提供するので、灘区役所に出向くよう電話がありました。 神戸市在住視覚障害者は 6,200人、阪神間の被災者(地域上の)は 8,000人程度と推測されます。ハビーのデータベースに登録されているの は、1,768人(日点、日ラ、JBS等の利用者、卒業生、神戸視覚協の名 簿)です。 神戸市の名簿公開を受けて、今後、更に全視障者(8,000人)の安否確認 の作業を継続するためには、「指揮をとる人」2∼3人を常時配置する必要が あります。 (3)指揮をとる人の件 地震発生1週間後に駆けつけてくれた盲人福祉関係者5∼6人が、職場復帰を - 1 - しなければなりません。指揮をとる人が更に減少します。沢山のボランティア を動かすのに支障をきたします。 (4)現地事務所の件 第1期の緊急支援の段階は終了しました。そこで、現地対策本部は2月5日に 閉鎖します。日本ライトハウスでは、20人の職員がHABIEに参加してい ます。しかし、すでに18日を経過、体力的にも業務上も限界にあり、対策本 部に詰めてくださる交代要員を必要としております。 今後は、本部(日本ライトハウス盲人情報文化センター内)を拠点に相談、生 活支援、安否確認等の支援活動を展開したく存じます。 (5)専門性および専門チームの必要性 仮設住宅が動き出し、被災地においては被災者なりの生活が始まっています。 目下、安否確認を除くと相談・生活支援が中心のように思えます。しかし、住 宅、職業等、電話による相談は、日ごとに一般のボランティアの手におえるも のではなくなりつつあり、専門性を有する人たちによってチームを編成する必 要があります。専門性を有する人たちがリーダーとなって、ボランティアをコ ントロールする必要があります。 ことに、歩行・生活訓練、ケースワーカー、カウンセラー等の専門スタッフに よる専門チームの編成が必要のように思えます。 (6)医療の件 医療については、阪大の卒業生によるチーム編成、また、兵庫県眼科医の組織 等による医療班と連携しております。 ハビーが得たニーズ(情報)をHABIE本部に別紙のように常駐している医 療班に伝達し、その後の処理は医療班に全面的に委ねています。 視覚障害者の関係者による専門チームを編成し、医療班同様の連携が可能にな れば、大変有効です。 (7)損壊住宅の件 ハビー本部に住宅会社から担当者が派遣されており、点検、見積もりを行い要 請があれば修理もできるようになっています。但し、有料です。 2月4日15時現在 全壊 76棟 半壊 44棟 損壊 53棟 (8)義捐金の件 寄せられた義捐金は、2月4日現在 6,700,000円です。2月11日 以降に配布すべく、基準作成、配布マニュアルを只今作成中です。 - 2 -
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