更新日:2017/2/20 調査部:野神 隆之 原油市場他

更新日:2017/2/20
調査部:野神 隆之
原油市場他:OPEC 及び一部非 OPEC 産油国による減産の一方で米国での在庫増加等により WTI で 1
バレル当たり 50 ドル台前半で推移する原油価格
(IEA、OPEC、米国 DOE/EIA 他)
① 米国の製油所では春場のメンテナンス作業が実施されつつあることから、稼働が低下するとともに原
油精製処理量が減少した一方、輸入が堅調であった結果、原油在庫は増加を示すとともに 2 月 10
日には週間統計史上最高水準に到達しており、平年幅を超過する水準となっている。他方、製油所
の稼働低下に伴い石油製品生産活動は鈍化したものの、ガソリンは需要が不振であった結果、在庫
が増加するとともに 2 月 10 日には週間統計史上最高値を記録しており、また、平年幅も超過してい
る。留出油も製油所での生産は減少したが、暖房向け需要が必ずしも堅調であったわけではなかっ
たことから、在庫はほぼ同水準で推移、平年幅を超過する状態は維持されている。
② 2017 年 1 月末の OECD 諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、米国で
は増加、欧州でも製油所での原油精製処理量減少とともに在庫が増加した。他方日本では冬場の暖
房需要期到来で製油所の稼働が維持されるとともに原油精製処理が進んだこともあり、在庫は減少
した。ただ、OECD 諸国全体として原油在庫は増加となり、平年幅上限を超過する状態は継続してい
る。製品在庫については、欧州では、米国でのガソリン在庫増加に伴い米国向け輸出が影響を受け
たことなどもあり製品在庫は増加した。ただ、米国ではガソリン在庫増加がプロパン/プロピレン在庫
減少で相殺された結果、製品在庫は若干ながら減少した。日本でも冬場の暖房向け灯油需要が堅
調であったことから当該製品在庫が減少するとともに石油製品全体の在庫水準も低下した。結果とし
て OECD 諸国全体としての石油製品在庫は減少となり平年幅上方付近に位置する量となっている。
③ 2017 年 1 月中旬から 2 月中旬にかけての原油市場は、2016 年 11 月 30 日に開催された OPEC 総
会等で合意された減産につき、関係産油国による遵守状況が比較的良好であったこと等が、原油相
場に上方圧力を加えた。他方、米国石油坑井掘削装置稼働数の増加や原油の在庫水準上昇等が
原油相場に下方圧力を加えた。このため原油相場は WTI で概ね 1 バレル当たり 50 ドル台前半で推
移した。
④ 地政学的リスク要因では、以前に比べイランと米国の対立の高まりが原油相場に影響を与える確率
が上昇していることに注意する必要があろう。他方、米国経済指標類等は株式相場及び米ドルの変
動を通じ原油相場に影響を与えることになろうが、この面では原油相場に上昇及び下落のどちらか
の傾向を形成する可能性はそれほど高くないと考えられる。石油需給面では、製油所でのメンテナ
ンス作業が終了に向かい始めるとともに、夏場のガソリン需要期を視野に入れつつ原油の季節的な
引き締まり感が市場で意識されることに加え、OPEC 産油国等の減産遵守が比較的良好であること
が、原油相場に上方圧力を加える反面、米国での原油生産量増加観測が相場上昇を抑制する方向
で作用すると考えられる。このようなことから、原油価格は上振れもしくは下振れリスクはあるものの、
当面は比較的限られた範囲内での変動となる可能性があるものと考えられる。
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Global Disclaimer(免責事項)
本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま
れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの
投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責
任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
1. 原油市場を巡るファンダメンタルズ等
2016 年 11 月の米国ガソリン需要(確定値)は前年同月比で 1.4%程度増加の日量 924 万バレルとなり
(図 1 参照)、速報値(前年同月比で 0.3%程度減少の日量 908 万バレル)から上方修正された。同月の
同国ガソリン小売価格が 1 ガロン当たり 2.295 ドルと前年同月比で 0.035 ドルの上昇、2014 年 7 月(この
時は同 0.027 ドルの上昇)以来の前年同月比での上昇となったものの、前月に比べれば 2.7%の下落と
なったこともあり、自動車運転距離数が前年同月比で 4.3%の伸びと 10 月(同 1.6%の伸び)から加速し
たことが同月のガソリン需要の増加に繋がったものと考えられる。他方、2017 年 1 月の同国ガソリン需要
(速報値)は日量 832 万バレル、前年同月比で 4.0%程度の減少と速報値ベースではあるが 12 月(速報
値)に続き前年割れとなっている。1月のガソリン小売価格が 1ガロン当たり2.458 ドルと前年同月を 0.401
ドル上回っていることが、ガソリン需要が抑制された一因であるものと考えられる。他方、1 月に入り米国
では一部製油所でガソリン製造装置を含め春場のメンテナンス作業が開始されたり装置の不具合が発
生したりしたことにより稼働が低下するとともに原油精製処理量が減少傾向となった(図 2 参照)。このた
め、ガソリンを含む石油製品の生産活動ペースが減速した(最終製品の生産量は図 3 参照)。しかしなが
ら、他方で米国のガソリン需要も鈍化したことから、ガソリン在庫は増加傾向となり、2 月 10 日には米国全
体では 2.59 億バレルと 1990 年初以降の同国ガソリン在庫統計史上で最高水準に到達した(図4 参照)。
また、米国東海岸でのガソリン在庫も 2 月 10 日には 7,629 万バレルと、1990 年初以降の同国の週間ガソ
リン在庫統計史上最高水準を記録している。
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れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの
投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責
任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
2016 年 11 月の同国留出油需要(確定値)は日量 396 万バレルと前年同月比で 5.9%程度の増加とな
り、速報値である日量 392 万バレル(前年同月比 4.9%程度の増加)からは上方修正されている(図 5 参
照)。11 月の米国の鉱工業生産は前年同月比で 0.7%の減少であった一方、非農業部門の雇用者数は
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れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの
投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責
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前月比で 16 万人増加、個人所得は前年同月比で 3.5%の増加と比較的堅調であり、同国経済指標類は
ややまちまちな状態ではあったが、物流活動は同 2.2%程度の増加であり、このような物流活動の活発
化が留出油需要の増加に寄与した部分はあろう。ただ、11 月は後半を中心として米国北東部の気温が
平年を割り込むようになった(因みに 2015 年 11 月はごく一部の期間を除き気温は平年を上回っていた)
ことから、暖房向け需要が発生したことが留出油全体の需要を増幅した部分もあったものと思われる。他
方、2017 年 1 月の留出油需要(速報値)は日量 375 万バレルと、前年同月比で 1.6%程度の減少となっ
ている。米国の暖房用石油製品需要の中心地である北東部では 1 月は上旬を中心として気温が平年を
割り込む場面が見られたものの、中旬以降は平年を上回る場面も見られるようになった結果、2017 年 1
月は 2016 年 1 月に比べれば温暖であったと見られることから、この面で暖房用石油製品需要が押し下
げされたものと考えられる。他方、製油所の稼働低下とともに留出油の生産も減少傾向となった(図 6 参
照)ものの、需要も必ずしも堅調ではなかったことから、留出油在庫は 1 月上旬から 2 月上旬にかけては
概ね限られた範囲で推移した他、平年幅を超過する状態となっている(図 7 参照)。
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2016 年11 月の米国石油需要(確定値)は、前年同月比で 2.7%程度増加の日量 1,966 万バレルとなり
(図 8 参照)、速報値(日量 1,964 万バレル、前年同月比 2.6%の増加)からは若干ながら上方修正されて
いるものの、ほぼ同水準となっている。ガソリン及び留出油需要等が前年同月比で増加したことが寄与し
ている。他方、2017 年 1 月の米国石油需要(速報値)は、日量1,961 万バレルと前年同月比で 2.9%程度
の増加となっている。これはその他の石油製品の需要増加(日量 381 万バレル、前年同月比 18.8%増
加)が大きく寄与しているが、当該需要(確定値)は過去 1 年間日量 318~367 万バレルで推移しており、
それらと比べて 1 月の需要(速報値)は高水準となっており、また、速報値から確定値に移行する段階で
当該需要はしばしば下方修正されるところからすると、今回もその他の石油製品の需要が確定値に移行
する段階で下方修正されるとともに米国石油需要もその影響を受ける可能性があることが考えられる。他
方、米国では製油所の稼働低下に伴い原油精製処理量が減少した一方で米国外からの原油の流入が
堅調であった(2017 年 1 月の減産実施前は OPEC 産油国等では原油生産が堅調であったため、その影
響が現在に及んでいることが一因であると考えられる)。その結果 2017 年 2 月上旬の米国原油在庫は 1
月上旬から相当程度増加した他、2 月 10 日の当該在庫は 5.18 億バレルと、1982 年後半以降の同国週
間原油在庫統計史上最高水準に到達する(図9 参照)とともに、平年幅も超過している。そして、原油、ガ
ソリン及び留出油の在庫量が平年幅を超過していることから、原油とガソリンを合計した在庫、そして原
油、ガソリン及び留出油を合計した在庫は、いずれも平年幅を超過する状態となっている(図 10 及び 11
参照)。
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2017 年 1 月末の OECD 諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、米国で増
加した一方で、欧州でも各国で製油所メンテナンスや装置の不具合等で稼働が低下するとともに原油精
製処理量が減少したことにより、原油在庫が増加した。他方日本では冬場の暖房需要期到来で製油所
の稼働が維持されるとともに原油精製処理が進んだこともあり、当該在庫は減少した。ただ、欧米諸国で
の原油在庫の増加幅が日本での減少幅を上回ったことから、OECD 諸国全体として原油在庫は増加と
なり、平年幅上限を超過する状態は継続している(図 12 参照)。他方、製品在庫については、欧州では、
米国でのガソリン在庫増加に伴う欧米間での製品価格差の縮小が欧州からのガソリン輸出に影響したう
え、中間留分に関しては生産能力を増強したロシア等からの流入が堅調であったこともあり、当該地域で
の製品在庫は増加した。ただ、米国ではガソリン在庫が増加した一方でプロパン/プロピレン在庫が減少
した(冬場の暖房向け需要が堅調となった一方で一時の天然ガス価格の下落で天然ガス生産が低迷、
それに伴い随伴で生産される天然ガス液(NGL、そしてその主要成分は LPG である)の供給が影響を受
けた可能性が考えられる)ことで相殺された結果、同国の製品在庫は若干ながら減少した。また、日本に
おいても冬場の暖房向け灯油需要が堅調であったことから当該製品在庫が減少するとともに石油製品
全体の在庫水準も低下した。結果として OECD 諸国全体としての石油製品在庫は減少となり平年幅上方
付近に位置する量となっている(図13 参照)。そして、原油在庫が平年幅上限を超過している一方、石油
製品在庫が平年幅上方付近に位置する量となっていることから、原油と石油製品を合計した在庫は平年
幅上限を超過する状態となっている(図 14 参照)。なお、2017 年 1 月末時点での OECD 諸国推定石油
在庫日数は 64.3 日と 2016 年 12 月末の推定在庫日数(63.6 日)から増加している。
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投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責
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2017 年 1 月 11 日に 1,200 万バレル後半の水準であったシンガポールでのガソリン等の軽質留分在
庫量は、1 月 18~25 日に 1,300 万バレル台後半の量になった後、2 月 1 日には 1,300 万バレル台前半
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へと低下した。また、2 月8 日には日量1,400 万バレル台前半にまで増加したものの 2 月15 日には 1,200
万バレル台後半へと減少しており、結果的には 1 月11 日の在庫量とほぼ同水準となっている。背景には、
製油所が秋場のメンテナンス作業を終了するとともに稼働を上昇させ、石油製品の生産を活発化したも
のの、1 月 11 日に UAE でアブダビ国営石油会社 ADNOC の操業する Ruwais 製油所(原油精製処理能
力日量 84 万バレル)のナフサ処理装置(処理能力日量 3.4 万バレル)で火災が発生、1 月 20 日に原油
精製処理装置の操業を再開する旨明らかにされたものの、ガソリン製造装置(RFCC:流動接触分解装
置)等一部装置は停止したままとなっていること(RFCC は操業再開が 5~7 月になる可能性があると見る
向きもある)から、当該製品の供給が影響を受けていることに加え、ADNOC が製油所での生産低下の穴
埋めをするために国外でガソリン調達を行っていることが関係しているものとみられる。このようなことに
加え、この先アジア地域において春場の製油所メンテナンス作業シーズン突入に伴う石油製品供給の
低下観測が発生したこともあり、当該製品価格には上方圧力が加えられた。この結果、1 月中旬から 2 月
中旬にかけガソリンと原油の価格差(この場合軽油価格が原油のそれを上回っている)は上下に変動し
つつも上昇する傾向が見られた。ナフサについては、冬場の暖房シーズン到来による LPG 需要増加と
価格上昇に伴い、石油化学産業において LPG と原料で競合するナフサの需要が強まったことに加え、
UAE の Ruwais 製油所での火災による操業停止によりアジア市場向けナフサ供給が低下するとの懸念が
市場で発生したことから、当該地域市場においては、ナフサの価格が原油のそれを常時上回る状況で
推移するなど、総じて堅調に推移した。
1 月 11 日には 900 万バレル台後半の量であったシンガポールの中間留分在庫は、1 月 18 日には
1,200 万バレル台弱、1 月 25 日には 1,300 万バレル台前半へと増加した。2 月 1 日に 1,300 万バレル弱
の水準へと減少したが、2 月 8 日には 1,400 万バレル台半ばの量へと増加、さらに、2 月 15 日には 1,300
万バレル台後半へと減少しているものの、1 月中旬の水準から見れば上昇している。中国での経済減速
による軽油需要鈍化の反面製油所での軽油の生産が旺盛であったことから輸出が堅調になされたこと
が一因となっているものと見られる(因みに 2016 年 12 月の同国からの軽油輸出量は 178 万トン(日量 43
万バレル)と月間値では史上最高水準となっている他、製油所での生産も 1,527 万トン(同367 万バレル)
と、これも史上最高となっている)。そしてこのような在庫増加がアジア市場での軽油価格の上昇を抑制
したものの、UAE の製油所の操業停止(前述)のためにガソリン程ではないにせよ中間留分についても
供給制限に対する懸念が市場で発生したことやインドネシアや日本等での製油所のメンテナンス作業実
施に伴う中間留分の生産低下等の観測が価格を押し上げる方向で作用したことから、1 月中旬から 2 月
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中旬にかけての軽油と原油の価格差(この場合軽油価格が原油のそれを上回っている)は拡大傾向を
示した。
1 月 11 日には 2,200 万バレル弱の量であったシンガポールの重油在庫は、1 月 18~25 日も 2,100 万
バレル台後半~2,200 万バレル強の水準で推移したが、2 月 1 日には 2,300 万バレル台後半へと増加、
2 月 8 日には 2,500 万バレル台後半の量と 2016 年 8 月 10 日(この時は 2,600 万バレル台前半)以来の
高水準に到達した。その後 2 月 15 日には 2,400 万バレル強の水準へと減少したが、それでも 1 月 11 日
の在庫量を上回っている。秋場の欧州及びアジア地域の製油所のメンテナンス作業実施で重油供給が
低下したことにより相対的に重油需要が旺盛なアジア市場と欧州市場との間で重油の価格差が拡大した
結果、欧州方面からアジア地域に重油が流入しつつあることが背景にあると見られる。このように重油需
給の緩和感が市場で醸成されていることから、アジア市場での重油と原油との価格差(この場合重油の
価格が原油のそれを下回っている)は拡大傾向を示している。
2. 2017 年 1 月中旬から 2 月中旬にかけての原油市場等の状況
2017 年 1 月中旬から 2 月中旬にかけての原油市場は、2016 年 11 月 30 日に開催された OPEC 総会
及び 12 月 10 日に開催された OPEC 及び一部非 OPEC 産油国による閣僚級会合で合意された減産に
つき、関係産油国が減産を遵守すべく努力している旨示唆する発言や減産が比較的遵守されていること
を示す統計等が、原油相場に上方圧力を加えた。また、米国とイランとの対立が激化する兆候や IEA に
よる世界石油需要見通しの上方修正などでも原油相場が上昇した。他方、米国石油坑井掘削装置稼働
数の増加や米国原油在庫水準の上昇が原油相場に下方圧力を加えた。このため原油相場は WTI で概
ね 1 バレル当たり 51~54 ドルの範囲内で推移した。
(図 15 参照)。
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1月16日は、米国キング牧師誕生記念日に伴う休日のため、NYMEXでの通常取引は実施されなかっ
たが、この日サウジアラビアのファリハ エネルギー産業鉱物資源相が、同国は減産を厳密に遵守する
意向である旨改めて表明するとともに世界石油需給は 2017 年前半末迄には均衡するはずである旨発言
したことに加え、トランプ米国次期大統領(当時)がウォール・ストリート・ジャーナル紙の取材時に米ドル
が強すぎる旨 1 月 17 日に示唆したことから、同日の米ドルが下落したことにより、1 月 17 日の原油価格
は前週末終値比で 1 バレル当たり 0.11 ドル上昇し、終値は 52.48 ドルとなった。ただ、1 月 18 日には、
OPEC 産油国等が減産を実施することにより原油価格が上昇すれば米国のシェールオイル生産量が相
当程度増加することになるであろう旨同日国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長が発言したこと
に加え、1 月 18 日に発表された OPEC 月刊オイルマーケットレポートで OPEC が 2017 年の米国石油生
産量見通しを日量 1,370 万バレル(前年比で同 8 万バレル増加)と前月の予測である日量 1,346 万バレ
ル(同 15 万バレルの減少)から上方修正したこと、米国連邦準備制度理事会(FRB)が 1 月 18 日に発表
した地区連銀経済報告(ベージュ・ブック)で、物価圧力が幾分強まっている旨各地区の連邦準備銀行
が指摘したことに加え、同日イエレン FRB 議長が、米国金融当局者が緩やかな金利の引き上げを行うこ
とが合理的である旨明らかにしたことで同国での金利引き上げ期待が市場で増大したことから米ドルが
上昇したことにより、この日の原油価格の終値は 1 バレル当たり 51.08 ドルと前日終値比で 1.40 ドル下落
した。1 月 19 日には、この日 IEA から発表されたオイルマーケットレポートで 11 月の OECD 諸国の石油
在庫が 4 ヶ月連続前月比で減少している旨明らかになったことで、石油需給の引き締まり感を市場が意
識したことに加え、1月19日に米国エネルギー省(EIA)から発表された同国石油統計(1月13日の週分)
で同国オクラホマ州クッシングの原油在庫が減少している旨判明したことで、この日の原油価格は前日
終値比で 1 バレル当たり 0.29 ドル上昇し、終値は 51.37 ドルとなった。また、1 月 20 日も、この日サウジ
アラビアのファリハ エネルギー産業鉱物資源相が、OPEC 及び一部の非OPEC 産油国が日量150 万バ
レルの減産を実施している旨示唆したことで、世界石油需給の引き締まり感を市場が意識したことから、
この日の原油価格の終値は 1 バレル当たり 52.42 ドルと前日終値比で 1.05 ドル上昇した。この結果原油
価格は 1 月 19~20 日の 2 日間で合計 1 バレル当たり 1.34 ドル上昇した。(なお、NYMEX の 2017 年 2
月渡し WTI 原油先物契約取引はこの日を以て終了したが、3 月渡し契約のこの日の終値は 1 バレル当り
53.22 ドル(前日終値比 1.10 ドル上昇)であった)。
1 月 23 日の原油価格の終値は 1 バレル当たり 52.75 ドルと前週末終値比で 0.33 ドル上昇したが、
NYMEX の 2017 年3 月渡し WTI 原油先物契約同士では前日終値比 0.47 ドルの下落であった。これは、
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1 月 20 日に米国石油サービス企業 Baker Hughes から発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が同日
時点で 551 基と前週比で 29 基の増加(同国石油水平坑井掘削装置稼働数は同日時点で 485 基と同 18
基の増加)と 2013 年 4 月 12 日(この時は前週比で 30 基の増加)以来の大幅な増加となっていたことで、
この先米国での原油生産が増加するのではないかとの観測が市場で発生したことによる。ただ、1 月 23
日にイラクのルアイビ石油相が現時点で同国は日量 18 万バレル前後の減産を既に実施しており、1 月
末までにさらに日量 3 万バレル生産量を削減する計画である旨明らかにしたことで、OPEC 産油国等に
よる減産遵守と世界石油需給の引き締まり感を 1 月24 日に市場が意識したことに加え、1 月24 日に発表
された米国住宅建設企業 DR ホートンの 2016 年 10~12 月期業績が市場の事前予想を上回ったことや
同日米国のトランプ大統領がキーストーン XL パイプライン等の建設を推進する旨の大統領令に署名し
たことから関係業界の業績改善に対する期待が市場で増大したことで米国株式相場が上昇したことによ
り、この日の原油価格は前日終値比で 1 バレル当たり 0.43 ドル上昇し、終値は 53.18 ドルとなった。1 月
25 日には、この日 EIA から発表された同国石油統計(1 月 20 日の週分)で原油、ガソリン及び留出油在
庫がそれぞれ 284 万バレル、680 万バレル、8 万バレルの増加と市場の事前予想(原油同 190~280 万
バレル程度の増加、ガソリン同 50~83 万バレル程度の増加、留出油同 100~130 万バレル程度の減少)
を上回って、もしくは市場の事前予想に反して増加している旨判明したことで、この日の原油価格の終値
は 1 バレル当たり 52.75 ドルと前日終値比で 0.43 ドル下落した。ただ、1 月 26 日には、この日アルジェリ
アのブテルファ エネルギー相が、OPEC 及び一部非 OPEC 産油国による減産は 2 月には完全遵守を
達成するであろう旨発言したことから、世界石油需給引き締まり観測が市場で増大したことで、この日の
原油価格は前日終値比で 1 バレル当たり 1.03 ドル上昇し、終値は 53.78 ドルとなった。また、1 月 27 日
には、この日Baker Hughes から発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が同日時点で 566 基と前週比
で 15 基の増加(同国石油水平坑井掘削装置稼働数は同日時点で 501 基と同 16 基の増加)となっている
旨判明したことで、この先米国での原油生産が増加するのではないかとの観測が市場で増大したことに
より、この日の原油価格の終値は 1 バレル当たり 53.17 ドルと前日終値比で 0.61 ドル下落した。
1 月 30 日には、1 月 27 日に Baker Hughes から発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が増加を示
したことによりこの先米国での原油生産が増加するのではないかとの観測が市場で増大した流れを引き
継いだうえ、1 月 27 日に米国のトランプ大統領が中東・北アフリカ等の 7 ヶ国のテロ懸念国からの米国へ
の入国者の制限に関する大統領令に署名したことよる混乱が、同国経済に悪影響を及ぼすのではない
かとの懸念が市場で発生したことにより、米国株式相場が下落したことから、この日の原油価格は前週末
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Global Disclaimer(免責事項)
本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま
れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの
投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責
任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
終値比で 1 バレル当たり 0.54 ドル下落し、終値は 52.63 ドルとなった。ただ、1 月 31 日には、2017 年 1
月の OPEC 産油国の原油生産量が、減産前基準生産量に対し日量96 万バレルの減少と、11 月30 日に
合意した減産目標の 82%の遵守率に到達していた旨 1 月 31 日に ロイター通信が明らかにしたことで、
世界石油需給の引き締まり感を市場が意識したことに加え、1 月 31 日に米国のトランプ大統領が、日本
やドイツの通貨は過小評価されている旨発言したことで、同氏が米ドルの下落を希望している旨示唆し
ていると市場が認識したことから、米ドルが下落したことにより、この日の原油価格の終値は 1バレル当た
り 52.81 ドルと前日終値比で 0.18 ドル上昇した。また、2 月 1 日も、2017 年 1 月のロシアの原油生産量が
前月比で日量 11.7 万バレル程度減少した旨同国のノバク エネルギー相がこの日明らかにしたことで、
世界石油需給の引き締まりに対する期待感が市場で増大したことに加え、2 月 1 日に EIA から発表され
た同国石油統計(1 月 27 日の週分)で同国の原油生産量が前週比で減少している旨判明したことから、
この日の原油価格は前日終値比で 1 バレル当たり 1.07 ドル上昇し、終値は 53.88 ドルとなった。この結
果原油価格は 1 月 31 日~2 月 1 日の 2 日間で合計 1 バレル当たり 1.25 ドル上昇した。2 月 2 日には、
2017 年 1 月に OPEC 加盟 10 産油国が前月比で日量 111 万バレル減産したものの、ナイジェリア、リビ
ア及びイランが日量 27 万バレル増産していたことで、減産の効果が相殺されていた旨 2 月 2 日にブル
ームバーグ通信社が報じたことで、この日の原油価格の終値は 1 バレル当たり 53.54 ドルと前日終値比
で 0.34 ドル下落した。ただ、2 月 3 日には、この日米国財務省がイランの個人 13 人及び 12 団体に対し
て同国金融システムへのアクセス及び米国企業との取引を禁止する旨の追加制裁を発表した一方、イラ
ン外務省も同日報復措置を実施する旨発表したことで、両国の対立の激化が中東地域からの石油供給
に影響を与えるのではないかとの懸念が市場で発生したことに加え、2 月 3 日に米国労働省から発表さ
れた 1 月の同国非農業部門雇用者数が前月比で 22.7 万人の増加と市場の事前予想(同 17.5~18.0 万
人の増加)を上回って増加している旨判明したことで、同国の石油需要増加に対する期待感が市場で増
大したことにより、この日の原油価格は前日終値比で 1 バレル当たり 0.29 ドル上昇し、終値は 53.83 ドル
となった。
ただ、2 月 3 日に Baker Hughes から発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が同日時点で 583 基と
前週比で 17 基の増加(同国石油水平坑井掘削装置稼働数は同日時点で 522 基と同 21 基の増加)とな
っている旨判明したことで、この先米国での原油生産が増加するのではないかとの観測が市場で増大し
た流れが 2 月 6 日の市場に引き継がれたことに加え、2 月 8 日に EIA から発表される予定である同国石
油統計(2 月 3 日の週分)で原油在庫が増加している旨判明するとの観測が市場で発生したこと、また当
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れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの
投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責
任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
該統計においてガソリン在庫が増加すれば 1990 年初以降の同国週間ガソリン在庫統計史上最高水準
近辺に在庫量が到達するのではないかとの観測が市場で発生したことにより米国ガソリン先物相場が下
落したこと、2 月 5 日にフランスの極右政党「国民戦線」(FN)のマリーヌ・ルペン党首が大統領に当選した
場合には反グローバリゼーション政策を実施する旨示唆したことでユーロが下落した反面米ドルが上昇
したことから、この日の原油価格の終値は 1 バレル当たり 53.01 ドルと前週末終値比で 0.82 ドル下落した。
また、2 月 7 日も、2 月 8 日に EIA から発表される予定である同国石油統計で原油在庫が増加している
旨判明するとの観測が市場で発生した流れを引き引き継いだことに加え、当該統計においてガソリン在
庫が増加すれば 1990 年初以降の同国週間ガソリン在庫統計史上最高水準近辺に在庫量が到達するの
ではないかとの観測が市場で発生した流れを引き継いだことから米国ガソリン先物相場が続落したこと、
2 月 5 日にフランス大統領選挙に関連する市場の懸念からユーロが下落した流れを引き継いで米ドルが
続伸したことから、この日の原油価格は前日終値比で 1 バレル当たり 0.84 ドル下落し、終値は 52.17 ドル
となった。この結果原油価格は2月6日~7日で併せて1バレル当たり1.66ドル下落した。しかしながら、
2 月 8 日には、これまでの価格下落に対して値頃感から原油を買い戻す動きが市場で発生したことに加
え、2 月 8 日に EIA から発表された同国石油統計でガソリン在庫が市場の事前予想(前週比 110~150
万バレル程度の増加)に反し同 87 万バレル減少している旨判明したことから米国ガソリン先物相場が上
昇したことで、この日の原油価格の終値は 1 バレル当たり 52.34 ドルと前日終値比で 0.17 ドル上昇した。
また、2 月 9 日も、足元の高水準の石油在庫と米国での原油生産増加で当面石油需給は緩和状態であ
るが徐々にそれは引き締まっていくと予想する旨の見解を米国大手金融機関ゴールドマン・サックスが
明らかにしたと 2 月 9 日に報じられたことに加え、2 月 8 日に EIA から発表された同国石油統計でガソリ
ン在庫が市場の事前予想に反し減少している旨判明した流れを引き継いだことにより米国ガソリン先物
相場が続伸したことから、この日の原油価格は前日終値比で 1 バレル当たり 0.66 ドル上昇し、終値は
53.00 ドルとなった。2 月10 日には、この日中国税関総署から発表された 2017 年1 月の同国原油輸入量
が 3,403 万トン(日量約 804 万バレル)と前年同月(2,668 万トン(日量約 630 万バレル))を約 28%上回っ
ていた旨判明したことに加え、2 月 10 日に IEA から発表されたオイルマーケットレポートで、IEA が 2017
年の世界石油需要を上方修正したうえ、OPEC 産油国の 2017 年 1 月の原油生産量が日量 3,206 万バレ
ルと前月比で日量100 万バレル減少、減産遵守率が 90%に到達している旨指摘したこと、OPEC 関係筋
が、減産目標のある OPEC 加盟 11 産油国の 2017 年 1 月の原油生産量が日量 2,992.1 万バレルとなり、
減産遵守率が 92%に到達している旨明らかにした旨 2 月 10 日に報じられたことにより、この日の原油価
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格の終値は 53.86 ドルと前日終値比で 0.86 ドル上昇した。この結果原油価格は 2 月 8 日~10 日で併せ
て 1 バレル当たり 1.69 ドル上昇した。
ただ、2 月 10 日に Baker Hughes から発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が同日時点で 591 基
と前週比で 8 基の増加(同国石油水平坑井掘削装置稼働数は同日時点で 529 基と同 7 基の増加)となっ
ている旨判明したことで、この先米国での原油生産が増加するのではないかとの観測が市場で増大した
流れが 2 月 13 日の市場に引き継がれたことに加え、2 月 13 日に EIA から発表された掘削生産性報告
(Drilling Productivity Report)で、米国の主要シェール鉱床における原油生産量が 2017 年3 月は前月比
で日量 8 万バレル増加する見通しであるとの見解が示されたこと、2 月 9 日に米国のトランプ大統領が今
後 2~3 週間以内に大規模な法人税減税を実施する意向である旨示唆したことで米国経済が成長すると
ともに金利の引き上げが実施されるとの観測が市場で増大した流れが 2 月 13 日の外国為替市場に引き
継がれたことにより米ドルが上昇したことから、この日の原油価格は前週末終値比で 1 バレル当たり 0.93
ドル下落し、終値は 52.93 ドルとなった。他方、2 月 13 日に OPEC 事務局から発表された月刊オイルマ
ーケットレポートで、OPEC 産油国の減産合意遵守状況が良好である旨判明したことから、この先の世界
石油需給引き締まり期待が市場で発生した流れが 2 月 14 日の市場に引き継がれたことにより、2 月 14
日の原油価格の終値は 1 バレル当たり 53.20 ドルと前日終値比で 0.27 ドル上昇した。2 月 15 日は、この
日 EIA から発表された同国石油統計(2 月 10 日の週分)で原油及びガソリン在庫が前週比でそれぞれ
953 万バレル、285 万バレルの増加と、市場の事前予想(原油同 325~350 万バレル程度の増加、ガソリ
ン同 50~75 万バレル程度の減少)を上回って、もしくは市場の事前予想に反し増加している旨判明した
ものの、2 月 13 日に OPEC 事務局から発表された月刊オイルマーケットレポートで、OPEC 産油国の減
産合意遵守状況が良好であったことから、この先の世界石油需給引き締まり期待が市場で発生した流れ
を引き継いだうえ、これまでの米ドルの上昇に対し利益確定の動きが市場で発生したことにより米ドルが
下落したことが原油相場に上方圧力を加えたことから、この日の原油価格の終値は 1 バレル当たり 53.11
ドルと前日終値比で 0.09 ドルの下落にとどまった。2 月16 日には、世界の原油在庫が十分に減少しない
のであれば、OPEC 及び一部非 OPEC 産油国は原油生産調整方策の延長もしくは拡大を行う可能性が
あると OPEC 関係筋が明らかにした旨この日報じられたことで、この日の原油価格は前日終値比で 1 バ
レル当たり 0.25 ドル上昇し、終値は 53.36 ドルとなった。2 月 17 日には、2 月 20 日のワシントン大統領誕
生記念日(President's Day)の休日、及び 2 月 21 日の NYMEX の 3 月渡し WTI 原油先物取引終了を控
え、持ち高調整が市場で発生したことにより、この日の原油価格の終値は 1 バレル当たり 53.40 ドルと前
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日終値比で 0.04 ドルの上昇にとどまっている。
3. 今後の見通し等
ウクライナでは、1 月 29 日以降政府と親ロシア派勢力との間での戦闘が続いており、この過程で 30 人
超が死亡したと 2 月 7 日に伝えられる。また、ポロシェンコ大統領は北大西洋条約機構(NATO)に加盟
すべきかどうかを問いかける国民投票を実施する意向である旨 2 月 2 日に明らかにしている。2 月 18 日
にはウクライナ、ロシア、ドイツ、フランスの外相が、ドイツのミュンヘンで協議をした結果、2 月20 日よりウ
クライナの前線から武器類を引き上げる旨合意したものの、同日ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ
東部の親ロシア派勢力に対しロシアとの間で査証を伴わない移動を認める旨の大統領令を発出してい
る。このように、ウクライナではむしろ政府と親ロシア派勢力(及びロシア)との対立が再び高まりつつあ
る。
イラクでは、モスル東部は完全に制圧した旨アバディ首相が 1 月24日に明らかにしている。また、モス
ル西部を制圧するための作戦を準備中である旨イラク軍の作戦司令官が明らかにした旨同日報じられ
ている。他方、2 月 16 日にバグダッド南部で自動車爆破テロが発生し、少なくとも 51 名が死亡、2017 年
で最多の犠牲者数となるなど、情勢が必ずしも安定していない側面もある。
イランについては、米国のトランプ大統領は制裁解除の見直しを表明しているものの、マティス国防長
官は就任前の 1 月 12 日の公聴会で制裁解除は破棄しない旨表明するなど、外交政策につき閣僚間で
足並みの乱れも見られる。イラン側は 1 月 17 日にロウハニ大統領が制裁解除は国連安全保障理事会決
議を含め複数の当事者による合意であるとして見直しは不可能である旨表明している。他方、サウジアラ
ビアのジュベイル外相は 1 月 16 日のトランプ政権の対イラン政策等の政策に期待する旨表明した。また、
トランプ氏によるイランを含む中東・アフリカ 7 ヶ国の一般市民に対して 90 日間入国を禁止する旨の内容
の大統領令に対し、1 月 28 日にイラン外務省が非難する意を表明、米国人のイラン入国査証の取得制
限を実施する等の報復措置を実施する方向であると報じられた。そのような中、1 月29 日にはイランが中
距離弾道ミサイルの発射実験を実施したと米国が 1 月 30 日に主張し、2 月 1 日にはイランのデフガン国
防軍需相も実施を認めた。これに対して、2 月1 日に米国のフリン大統領補佐官はイランに対し正式に警
告することに加え対応策を検討する意向を表明。米国財務省はイランのミサイル試験発射に対抗し 2 月
3 日にイランの 13 人の個人と 12 の組織に対し制裁を実施すると発表、米国内での資産が凍結されるとと
もに米国人との取引を禁止した他、2 月7 日にジュネーブで実施された軍縮会議でイランのミサイル実験
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を強く非難した。イラン外務省は 2 月 7 日に報復措置を実施する旨発表した他、イランの最高指導者ハメ
ネイ師は同日米国のトランプ大統領の圧力に抵抗するよう同国国民に呼び掛けた。一方で、イスラエル
のネタニヤフ首相は英国のメイ首相との会談時にイランに対し米国同様強硬な姿勢で臨むべき旨 2 月 6
日に伝えている(英国側はイスラエルに対してウラン濃縮問題を巡る対イラン制裁解除合意に対する考
え方を改めて説明、イランの行動に対してよく監視していく必要性がある旨発言したと伝えられる)。一方
で、イランのロウハニ大統領は 2 月 10 日に開催されたイラン革命 38 周年記念式典でイランを非難するト
ランプ大統領に対する批判を示唆する演説を行った。これに対し同日トランプ大統領はロウハニ大統領
の発言に対して警告する旨の発言を行っている。また、トランプ大統領とイスラエルのネタニヤフ首相は
2 月 15 日に首脳会議を開催し、ウラン濃縮問題に伴うイランと西側諸国等 6 ヶ国との間での対イラン制裁
解除のための合意を批判、イランの核開発防止に向け協力していくことで合意した。これに対し 2 月 16
日にはイラン外務省のカセミ報道官はイランの核開発は平和利用であると反論、核兵器を保有するイス
ラエルを批判している。このようにイラン、米国、そしてイスラエル関係は複雑化する兆候が見られる。し
かしながら、ロシアのペスコフ大統領報道官やラブロフ外相は 2 月6 日に、米国のイランに対する姿勢に
は同意しない旨示唆した他、中国も 2 月6 日に米国の対イラン制裁に関して異議を唱えた。また、2 月10
日に欧州連合のモゲリーニ外交安全保障上級副社長は、米国のティラーソン国務長官等と会談後、米
国はウラン濃縮問題を巡るイランと西側諸国等との合意を遵守する意志があることを確認した旨明らかに
しているなど、必ずしもトランプ政権が一枚岩ではないことが示唆される。一方、ロウハニ大統領は 2 月
15 日にオマーンのカブース国王、クウェートのサバハ首長とそれぞれ会談し、中東のスンニ派の諸国と
の緊張緩和を目指し、対話を発展させていくべきである旨合意した。このようにイランを巡っては石油市
場関係者間での緊張を高める要因と緩和させる要因が混在している。
シリアに関しては、1 月 23~24 日にカザフスタンのアスタナでアサド政権と反体制派による和平協議
が開催されたが、アサド政権と反体制派との間での対立が深かったことから、実際には両者は会議には
同席せず、仲介者を通じての協議となった。また停戦を監視するとともに、挑発行為を防止する共同の
停戦監視機構を設置することで合意したものの、共同声明に署名したのは、ロシア、トルコ、イランの仲
介国であり、当事者(アサド政権及び反体制派)は署名を拒否した。声明では 2 月8 日にジュネーブにお
いて国連主導で和平協議を再開する旨記載されている。ただ、ロシアのラブロフ外相は、1 月 27 日に、
国連が 2 月 8 日に開催を予定していたシリアのアサド大統領派と反体制派との間での和平協議を 2 月末
に延期する旨明らかにした。これについては、国連のデミストゥラ特使が反体制派間での調整が難航し
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ていることから、実施を 2 月 20 日に延期する旨 1 月 31 日に認めている(2 月 14 日には、さらに 23 日に
延期する旨デミストゥラ国連特使の報道官が明らかにしている)。他方、カザフスタンのアスタナで 2 月 15
日に開始される予定であった和平協議(ジュネーブ和平協議を補足するという位置づけ)を 2 月 16 日に
延期する旨カザフスタン外務省は明らかにしたうえ、実際に同日に開催された和平協議はアサド政権と
反体制派との間での直接的に対話を行うことなしに成果なく終了した。このように、シリア情勢も円滑に和
平に向かっているとはいいがたいものの、シリアのアサド大統領は、選挙結果によっては、政権に固執し
ない旨発言したと 2 月 7 日に伝えられる。
このように、地政学的リスク要因面では、ウクライナやイランといった国で、再び市場の懸念を高めるよ
うな要素が見られ始めている。1 月 27 日の米国のイランを含む中東・アフリカ諸国 7 ヶ国からの一般市民
の入国禁止から、イランとの間ではイランのミサイル試験発射、米国の対イラン追加制裁等、米国とイラン
との間での対立は高まる方向に向かいつつある。2012 年に市場関係者により懸念されたような、イラン
によるホルムズ海峡の封鎖と石油供給の途絶に対する可能性は、依然として絶対水準では確率は低い
ものの、以前と比べて相対的には上昇したとの認識が市場で広がっている。そして、世界石油需給はか
つてに比べ引き締まる方向に向かいつつあるように見受けられることもあり、地政学的リスク要因が価格
に織り込まれやすい状況になっている。このため、今後も、トランプ氏の対イラン発言やイランの対トラン
プ発言を含め、イランと米国を巡る情勢によっては、市場での中東からの石油供給途絶懸念が増大する
ことにより、原油価格に上方圧力が加わる場面が見られる可能性がある。
米国では引き続き経済指標類の内容が米国株式相場に影響を与えるとともに、米国金融当局者の発
言等と併せ、金融当局の今後の金利引き上げに対する姿勢に関する観測を市場で生むとともに米ドル
が変動、それにより原油相場に圧力が加わるといった状況が続くと思われる。これまで米国金融当局者
は緩やかな金利の引き上げ方針を支持しており、2017 年は 3 回の金利引き上げが実施される旨2016 年
12 月 13~14 日の連邦公開市場委員会(FOMC)開催の際に金融関係当局者は予想している他、イエレ
ン FRB 議長は 2 月 14 日の上院銀行委員会で証言し、経済が FRB の想定通りに進めば、さらなる金利
引き上げが必要になる旨の見解を明らかにしているため、この面では米ドルに上方圧力が加わりやすい
と考えられる。また、最近欧州における不安定な政治経済情勢に対する懸念が市場では増大しているよ
うに見受けられる面がある。2月6日には国際通貨基金(IMF)がギリシャは財政黒字目標を達成できない
であろうとの見解を示したことや、2017 年は 3 月にオランダ、4~5 月にフランス、9 月にドイツで、それぞ
れ国政選挙が実施される他、イタリアでも選挙が実施される可能性がある。既にフランスでは 2 月 5 日に
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投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責
任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
フランスの極右政党「国民戦線」(FN)のマリーヌ・ルペン党首が、大統領に当選した場合には反グローバ
リゼーション政策を実施する旨示唆したことから、ユーロが下落するとともに米ドルが上昇するなどしてお
り、今後も当該地域では経済指標類とともに、主要政治家によるユーロ経済政策に関連する発言等で、
ユーロとともに米ドルが変動、その影響が原油価格に織り込まれるといったことはありうる。しかしながら、
米国のトランプ大統領は、米ドル下落を望んでいる姿勢を示唆していることから、今後金利及び米ドルが
一貫して上昇傾向となるとは必ずしも言い切れず、むしろ米ドルは上昇及び下落を織り交ぜつつ、原油
価格には攪乱要因的に作用する可能性がある。また、中国の原油輸入量を含む経済指標類等に対して
も同国の石油需要に対する市場の見方が変化するとともに、原油相場にその影響が及ぶことも考えられ
る。
米国では、現在冬場の暖房シーズンが峠を越えつつあり、製油所ではメンテナンス作業を実施すると
ともに稼働が低下、原油精製処理量が減少する一方で、原油の購入が不活発になるとの認識が市場で
広がっている。このような中、足元では米国で 1982 年後半以降の週間原油在庫統計史上最高水準の原
油在庫量となっている他、ガソリン在庫についても 1990 年以降のガソリン在庫統計史上最高水準の在庫
量となっている。これと併せ、OPEC の減産遵守の持続性に関する懐疑的な見方が依然市場にあると見
られること、米国の石油水平坑井掘削装置稼働数が増加傾向になっており、今後の同国のシェールオイ
ル生産増加の観測が市場で出ている。そして、このような季節的な原油需要の低下と需給の緩和感が原
油相場の上昇を抑制する格好となっている。ただ、2 月後半以降は製油所のメンテナンス作業は終息に
向かい始めるとともに、夏場のドライブシーズン(2017 年は 5 月 27 日~9 月 4 日である)到来に備え製油
所の稼働が上昇、原油精製処理量を増加させるとともに、原油の購入を活発化させるなど、季節的な石
油需給の引き締まり感が市場で発生しやすくなる。このため、この面では原油相場には上方圧力を加え
てくると考えられる。
他方、冬場の暖房シーズンは終わりに向かいつつあるものの、なお 1 ヶ月半程度(暖房シーズンと市
場に認識されるのは 3 月 31 日までである)暖房用石油製品需要期は継続する。この期間中特に米国で
の暖房用石油製品需要の中心地である北東部において気温が平年を大幅に下回る水準にまで低下し
たり、低下するとの予報が発表されたりするようであれば、当該石油製品需要の増加観測とともに暖房油
価格、ひいては原油価格が上昇するといった場面が見られることもありうる。
2017 年 1 月の OPEC 産油国の原油生産量は、OPEC 事務局が 2 次情報源をもとに取りまとめたデー
タ(通常 IEA、EIA、Platts、Argus、IHS-CERA、PIW(EIG)の 6 社による原油生産データを平均していると
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本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま
れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの
投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責
任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
される)によれば、2016 年 11 月 30 日の通常総会時に決定した、基準原油生産量(リビア及びナイジェリ
アを除く 11 加盟国)からは日量 108 万バレルの減産、遵守率 93%となっている(表 1 参照)他、IEA のデ
ータをもとにすれば、減産を表明した非 OPEC 産油国 11 ヶ国の減産量(2016 年 10 月を基準とする)は
日量 22 万バレルと、推定遵守率は 40%となっている(表 2 参照)。この水準が 6 月まで維持されれば、
世界の石油需要は供給を超過するため需給は引き締まるものと思われる。このような石油市場の引き締
まり感が当面のところは原油相場を下支えするものと思われる。
表1 O P E C 産油国原油減産状況
(単位:日量1,000バレル)
2016年10月
原油生産量
①
2016年12月
原油生産量
②
増減
(②-①)
基準原油
生産量
(推定)
③
原油生産
目標
(2017年
1月1日以降)
④
減産幅
(④-③)
⑤
2017年1月
原油生産量
⑥
減産幅
(⑥-③)
⑦
減産順守率
(⑦/⑤)
(%)
アルジェリア
1,091
1,087
△4
1,089
1,039
△ 50
1,045
△ 44
88.0
アンゴラ
1,498
1,674
176
1,751
1,673
△ 78
1,651
△ 100
128.2
エクアドル
543
544
1
548
522
△ 26
527
△ 21
80.8
ガボン
203
209
6
202
193
△9
199
△3
33.3
イラン
3,709
3,725
16
3,707
3,797
90
3,775
68
-
イラク
4,571
4,642
71
4,561
4,351
△ 210
4,476
△ 85
40.5
クウェート
2,848
2,859
11
2,838
2,707
△ 131
2,718
△ 120
91.6
645
641
△4
648
618
△ 30
618
△ 30
100.0
カタール
サウジアラビア
10,566
10,443
△ 123
10,544
10,058
△ 486
9,946
△ 598
123.0
UAE
3,068
3,090
22
3,013
2,874
△ 139
2,931
△ 82
59.0
ベネズエラ
2,072
2,034
△ 38
2,067
1,972
△ 95
2,004
△ 63
66.3
30,814
30,948
134
30,968
29,804
△ 1,164
29,890
△ 1,078
92.6
528
610
82
-
-
-
675
-
-
1,615
1,474
△ 141
-
-
-
1,576
-
-
32,957
33,029
72
-
-
-
32,141
-
-
小計
リビア
ナイジェリア
合計
(出所:OPEC他より推定)
表2 非OPEC産油国原油減産状況
減産目標
①
ロシア
メキシコ
オマーン
アゼルバイジャン
カザフスタン
マレーシア
赤道ギニア
バーレーン
南スーダン
スーダン
ブルネイ
合計
300
100
45
35
20
20
12
10
8
4
4
558
(単位:日量1,000バレル)
2016年10月 2017年1月
減産実績
減産遵守率
原油生産量 原油生産量
(③-②)
(④/①)
②
③
④
(%)
11,229
11,111
△ 118
39.3
2,103
2,017
△ 86
86.0
1,012
961
△ 51
113.3
814
808
△6
17.1
1,640
1,670
30
△ 150.0
638
636
△2
10.0
234
230
△4
33.3
197
198
1
△ 10.0
119
120
1
△ 12.5
81
93
12
△ 300.0
91
92
1
△ 25.0
18,158
17,936
△ 222
39.8
(出所:IEA他データをもとに推定)
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投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責
任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
ただ、この先OPECや一部非OPEC産油国の減産遵守が維持できるかどうか、ということにも市場の注
目が集まることになろう。例えば、イラクは日量 21 万バレルの減産を実施していると主張していたが、確
かに 2016 年12 月の原油生産量に比べれば日量17 万バレル近くの減産となっているが、減産前の原油
生産量の基準となった 2016 年 10 月のそれと比較すれば、減産量は日量 8.5 万バレルと遵守率は 41%
にとどまることから、この点においては遵守に関し議論の余地を残すことになろう。そして、たとえ減産を
遵守しなくても制裁等の罰則は存在しないことから、一部の産油国の減産状況が芳しくない場合、他の
産油国も市場シェアの回復を目論んで減産遵守を緩和する、といった展開となることも予想される。そう
なれば、減産体制はなし崩し的に弱体化してしまう、といった事態となることも考えられる。その意味では
2 月末以降各機関から発表される、OPEC 産油国等の原油生産量に関する統計類には引き続き注意し
ておく必要があろう。
他方、OPEC 産油国等による減産合意から事実上除外されているリビア及びナイジェリアについては、
2016 年 10 月の原油生産量から比べると、ナイジェリアは日量 4 万バレル程度の減産となっているものの、
リビアについては、日量 15 万バレルの増産となっており、その分だけ、OPEC 産油国等の減産効果を相
殺する格好となっている。今後もこれらの諸国、そしてイランの原油生産増加が継続するようだと、その
分だけ、石油需給を引き締め効力が低減するので、これら 3 ヶ国の原油生産動向についても注視してい
く必要があろう。
また、原油価格が 1 バレル当たり 50ドルを持続的に超過していることもあり、米国では水平坑井掘削を
含めた掘削装置の稼働数が継続的に増加してきている。このため、今後同国の原油生産量が相当程度
増加するのではないかとの見方も市場には発生しており、前述の通りこの面で原油相場のさらなる上昇
が抑制される格好となっている。そしてこの先当面(少なくとも 1 ヶ月程度)はこのような状態が継続、季節
的な需給の引き締まり感や OPEC 産油国等による減産の遵守に伴う原油相場への上方圧力に対抗して
いくものと考えられる。ただ、さらにその先を展望して見ると、実際の原油生産の増産具合が市場心理、
そして原油相場に影響を及ぼすことになろう。もし、米国の原油増産ペースが非常に堅調である旨判明
すれば、OPEC 産油国等による減産効果が相殺されるとともに、石油需給の緩和感が市場で醸成される
ことから、原油相場に下方圧力が加わる反面、米国の原油増産ペースが緩やかなものである旨判明す
れば、OPEC 産油国等による減産効果を米国の原油増産では十分に相殺しきれなくなるとの認識が市
場で広がることから、石油需給の引き締まり感とともに原油相場に上方圧力を加える、といった展開となる
ことも予想される。
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任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
全体としては、地政学的リスク要因では、以前に比べイランと米国の対立の高まりが原油相場に影響を
与える確率が上昇している(それもリスクとしては上振れ)ことに注意する必要があろう。他方、米国経済
指標類等は米国等の株式相場及び米ドルの変動を通じ原油相場に影響を与えることになろうが、この面
では原油相場に上昇及び下落のどちらかの傾向を形成する可能性はそれほど高くないと考えられる。ま
た、石油需給面では、この先製油所でのメンテナンス作業が終了に向かい始めるとともに夏場のガソリン
需要期を視野に入れつつ季節的な石油需給の引き締まり感が市場で意識されることに加え、足元の
OPEC 産油国等の減産遵守が比較的良好であることが、原油相場を下支えするとともに上方圧力を加え
る反面、米国での石油坑井掘削装置稼働数とともに原油生産が増加するとの市場の観測が原油相場の
上昇を抑制すると考えられる。このようなことから、このままいけば原油相場は範囲内(WTI で 1 バレル当
たり概ね50~55ドル程度)での変動となろうが、イランに絡む地政学的リスク要因を含め石油供給途絶懸
念が市場で高まったり、2 月の OPEC の減産遵守状況が良好ではなかったりすることに伴う市場での石
油需給緩和感の増大等によっては原油相場が影響を受ける場面が見られる可能性も残っている。
4. 世界天然ガス市場動向
米国では、2015 年以降継続した天然ガス価格の下落、そしてそれに伴う天然ガス開発向け水平坑井
掘削装置の稼働数の低下もあり、シェールガス開発活動が低調になった。他方、2016年5月以降同国の
気温がしばしば平年を超過したことにより特に空調用電力供給のための発電向け天然ガス需要が堅調と
なったことから、天然ガス需給の引き締まり感が市場で発生、天然ガス価格を押し上げた。それに伴い同
国の天然ガス開発向け水平坑井掘削装置稼働数は回復する兆候を見せている(図 16 参照)。しかしな
がら、シェールガスの開発開始から生産開始までにはある程度の期間を要することから、天然ガスの生
産は現時点では明確に増加に転じているわけではない(但し今後回復する見通しにはなっている、図
17 参照)。他方、Ros Ramones パイプライン(米国テキサス州エルパソ~ロスラモネス、2014 年 12 月 2 日
の第一段階(Phase I)開通時には日量 10 億立方フィートの輸送能力であったが、その後完成した第二段
階北部部分(Phase II North)(2016 年3 月と言われている)により輸送能力が日量21 万バレルへと増強さ
れた)の整備により、米国からメキシコへとパイプラインを経由しての天然ガス輸出量が増加傾向となっ
た(図 18 参照)が、この分だけ米国国内への供給も伸び悩み気味となった。
他方、米国では 2016 年11 月前半はまだ気温が平年を上回ることもあったが、同月後半以降2017 年1
月前半にかけしばしば気温が平年を下回るようになった(図 19 参照)ことから、暖房向け天然ガス需要が
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れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの
投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責
任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
増加するようになった(図20 参照)。このようなこともあり、同国での天然ガス需給が引き締まった結果、平
年(この場合過去 5 年平均)を上回る量の天然ガス在庫の減少が発生、在庫量自体も 2016 年 12 月 23
日以降は平年水準を下回る状態となった(図21参照)。このようなこともあり、米国の天然ガス価格は上昇、
2016 年 12 月 28 日には 100 万 Btu 当たり 3.930 ドルの終値と 2014 年 12 月 1 日(この時は同 4.007 ドル
の終値)以来の高水準での終値となった(図 22 参照)。しかしながら、1 月中旬頃以降は平年を上回る気
温が出現し始めたことから、暖房向け天然ガス需要が鈍化したこともあり、天然ガス在庫の減少規模も平
年ほど大きなものではない状況が見られるようになった。これに伴い同国の天然ガス在庫量も 1 月 27 日
の週以降は平年を上回る状態に回復するとともに、価格も下落、2 月 17 日現在 100 万 Btu 当たり 2.834
ドルと 2016 年 11 月 17 日(この時は同 2.703 ドル)以来の低水準の終値となっている。
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英国では、2016 年 11 月には一時気温が平年を割り込んだ(図 23 参照)ことから天然ガス需要が増加
したり(また、同月は欧州大陸でもしばしば気温が平年を割り込んだことから暖房向け天然ガス需要が伸
びたものと考えられる、図 24 参照)、また、11 月 30 日に開催された OPEC 総会、及び 12 月 10 日に開
催された OPEC 及び一部非 OPEC 産油国による閣僚級会合を通じ原油生産量を削減することで合意し
たことに伴う、原油価格上昇の欧州大陸天然ガス価格への影響(当該地域の天然ガス価格は石油製品
価格連動の要素が存在する)に対する市場の懸念が増大したりした(そして、欧州大陸と英国とはパイプ
ラインを通じ天然ガスが流通しているので、欧州大陸での天然ガス価格は英国のそれにも影響を及ぼ
す)ものの、12 月にかけては概ね気温が平年を上回り、また、英国沖合やノルウェー等からの天然ガス
供給についても、一部施設での不具合等により低下したこともあったが、総じて順調に行われた。さらに、
地下の天然ガス層に不具合が発生している可能性があるとして状況を調査するため 2017 年3~4月まで
天然ガスの払い出し及び受け入れといった操業を停止するとした英国の Rough 天然ガス貯蔵施設(当該
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施設に関する調査は 2015 年 3 月 12 日より実施されており、これにより貯蔵能力は 234 億立方フィート程
度から 92~102 億立方フィートへと減少したとされる)に関し、11 月29 日遅くには当該施設の操業者であ
る Centrica が 12 月 9 日午前 5 時までに当該施設での天然ガスの払い出しを再開する(部分的なものと
見られる)と発表したこともあり、同国の天然ガス供給の柔軟性に対する市場の懸念が低下したこと、風力
発電による発電が行われたことにより天然ガス需要がその分低減するのではないかとの市場の観測が
発生したこと等から、11 月初めには 100 万 Btu 当たり 6 ドル台後半で推移していた同国の天然ガス価格
は、2017 年 1 月上旬までは 100 万 Btu 当たり 5 ドル台前半~6 ドル台前半程度の範囲で変動していた。
しかしながら、12 月下旬以降しばしば、そして 1 月中旬から下旬にかけては継続的に気温が平年を割り
込む程に低下したことから暖房向け天然ガス需要増加とともに需給の引き締まり感が市場で発生した(英
国のみならず欧州各所で気温が平年を下回ったことから、欧州天然ガス在庫は前年同期を割り込むよう
になった、図25 参照)うえ、操業を再開した Rough 天然ガス貯蔵施設に関し、その後も不具合等からしば
しば天然ガスの払い出しに関して制約が課せられたことにより、当該施設を巡る天然ガス供給体制に対
して市場の不安感が増大したことが、天然ガス価格に上方圧力を加えた結果、当該ガス価格は、1月中
旬以降 2 月半ば頃までは 100 万 Btu 当たり概ね 6 ドル台後半~7 ドル台半ばで推移した。ただ、その後
気温が平年を上回る程度に上昇してきたこともあり、英国の天然ガス価格は下落傾向となり、2 月 17 日に
は 100 万 Btu 当たり 6 ドル程度となっている。
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アジア市場では、11 月の時点では OPEC 総会前で原油生産量調整に対する動向が不透明であった
ことから原油価格が WTI で 1 バレル当たり 45 ドルを中心とする価格帯で推移したこともあり、LNG スポッ
ト価格は 100 万 Btu 当たり 7 ドル台で推移していた。しかしながら、豪州の Gorgon LNG 第 1 液化施設
(Train 1、LNG 生産能力年産 520 万トン)が操業上の不具合により LNG の生産を停止した(操業者であ
る Chevron が 11 月 30 日に発表、2017 年 1 月2 日の週の前半に操業を再開した旨 1 月 4 日に発表)他、
アンゴラ LNG(LNG 生産能力同 520 万トン)も小規模の作業実施により操業を停止した(操業者 Chevron
が 12 月 1 日に発表、1 週間前後の後操業を再開したとされる)こと、中国や日本をはじめとした東アジア
諸国で 11 月下旬頃以降しばしば平年を割り込む程度に気温が低下したこと、そのような中で、韓国で稼
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働を停止していた原子力発電の代替のための天然ガス火力発電向け LNG の調達が行われたこと(同国
では 2016 年 9 月 12 日に南部で 2 回の地震が発生した結果、月城原子力発電所の原子炉 4 基(発電能
力は合計で 280 万 kw と伝えられる)が操業を停止したが、12 月 5 日に同国の原子力当局は操業再開を
承認している)、12 月 22 日にアンゴラ LNG が再び生産を停止したこと(同日 Chevbron が発表、操業再
開が発表されたのは 2017 年 1 月 4 日であった)などにより、12 月中旬に LNG スポット価格は 100 万 Btu
当たり 9 ドル台半ば、1 月初めには同 10 ドル弱にまで上昇した。しかしながら、1 月上旬に Gorgon LNG
及びアンゴラ LNG が操業を再開したことにより LNG 需給逼迫懸念が市場で後退したこと、1 月 25 日に
日本の気象庁から発表された 3 ヶ月予報が平年並みの気温の予想となっていたこと、冬場の暖房向け天
然ガス需要期の終了が市場関係者の視野に入り始めたことから、アジア市場での LNG スポット価格は下
落、2 月中旬現在 100 万 Btu 当たり 7 ドル程度の水準となっている。
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