※報道発表資料に関する問い合わせ先 奈良国立博物館 学芸部 Tel 0742-22-4463 情報サービス室 Fax 0742-22-7221 平成 29 年 2 月 22 日 奈良国立博物館 特別展 「快慶 日本人を魅了した仏のかたち」 Special Exhibition The Buddhist Master Sculptor Kaikei: Timeless Beauty from the Kamakura Period 報道発表資料 [1]会 場 奈良国立博物館 東・西新館 [2]会 期 平成 29 年 4 月 8 日(土)~ 6 月 4 日(日) 休 館 日 毎週月曜日 ※ただし 5 月 1 日(月)は開館 開館時間 午前9時 30 分~午後 5 時 ※毎週金・土曜日は午後 7 時まで ※入館は閉館の 30 分前まで [3]主 催 奈良国立博物館、読売新聞社、読売テレビ 後 援 文化庁、NHK 奈良放送局、奈良テレビ放送 協 賛 岩谷産業、清水建設、大和ハウス工業、非破壊検査 協 力 天童木工、日本航空、日本香堂、仏教美術協会 [4]観覧料金 一般 高校・大学生 小・中学生 ペアチケット 当日(個人) 1,500 円 1,000 円 500 円 ― 前売・団体 1,300 円 800 円 300 円 2,400 円(前売) ※前売券とペアチケットの販売は、2 月 8 日(水)から 4 月 7 日(金)までです。 1 ※観覧券は、当館観覧券売場のほか、近鉄の主要駅、近畿日本ツーリスト、JR東海ツアーズ、JTB、 日本旅行、ローソンチケット(Lコード 51325)、セブン―イレブン、チケットぴあ(Pコード 768-078) 、イープラスなどで販売予定です。 ※団体は 20 名以上です。 ※ペアチケットは 2 名、または 1 名で 2 回ご利用可能。プレイガイドで、前売期間のみ販売します。 ※障害者手帳をお持ちの方(介護者 1 名を含む)は無料です。 ※本展の観覧券で、名品展(なら仏像館・青銅器館)も観覧できます。 [5]展観趣旨 かいけい 快慶は、わが国を代表する仏師のひとりであり、鎌倉彫刻様式の完成に重要な役割を果たし うんけい た人物として運慶と並び称されてきました。快慶には確証ある遺品が際立って多く、鎌倉時代 初頭の造像界の動向を具体的に知るうえで不可欠な存在である一方、出自や工房など、その人 物像には不明な点が少なくありません。 ご しらかわいん こうけい 建久 3 年(1192)に無位でありながら後白河院追善の造像に抜擢されるなど、康慶の弟子のな かでも特殊な立場にあったようですが、こののち運慶と肩を並べて活躍の舞台を得る画期とな ちょうげん ったのは、後白河院主導のもと 重 源により進められた東大寺再興造像でした。 「巧匠アン(梵字)阿弥陀仏」と称したことからもわかるように、快慶は単に仏師として重源 にしたがっていたのではなく、熱心な阿弥陀信仰者として造仏に臨んでいたことも見逃せませ ん。彼が生涯をかけて追求した実在感と格調の高さを兼ねそなえた阿弥陀如来立像の姿は、後 あん な み よう らいごう 世「安阿弥様」と称され、来迎形阿弥陀の一典型としてながく受け継がれてゆきます。平安時 じょうちょう ほん よう うた 代には、仏師 定 朝 が「仏の本様」と謳われる理想的な仏の姿をつくり出しましたが、快慶は この定朝にも匹敵する役割を果たしたといえるでしょう。 本展は、快慶の代表的な作品を一堂に集めて、わが国の仏教美術史上に残した偉大な足跡を たどる試みです。さらに、快慶作品の成立と密接に関わる絵画や、高僧たちとの交渉を伝える 史料をあわせて展示することにより、いまだ多くの謎に包まれた快慶の実像に迫ります。本展 を通じて、多彩な快慶作品の魅力を堪能していただくとともに、現代を生きる我々の共感をい まもなお呼び起こし、仏の規範とされつづける快慶芸術の本質について考える機会となれば幸 いです。 [6]出陳件数 88 件(うち国宝 7 件、重要文化財 50 件) 2 [7] 展覧会の構成 ご しらかわいん 第1章 後白河院との出会い 第2章 飛躍の舞台へ ―東大寺再興― 第3章 東国への進出 かんじん けちえんごうりき ご がん もんぜき 第4章 勧進のかたち ―結縁合力による造像― 第5章 御願を担う ―朝廷・門跡寺院の造像― れいぞう 第6章 霊像の再生 ―長谷寺本尊再興― あん な み よう 第7章 安阿弥様の追求 [8] 主な出陳品 ※写真・解説は後掲 み ろく ぼ さつ ざ ぞう 1. 重要文化財 弥勒菩薩坐像 京都・醍醐寺 み ろく ぼ さつりゅうぞう 2. 弥勒菩薩 立 像 ※4/25~6/4 展示 アメリカ・ボストン美術館 み ろくじょうしょうきょう ほうきょういん だ ら に 像内納入品 弥勒 上 生 経 及び宝 篋 印陀羅尼 し てんのうりゅうぞう 3. こうもくてん た もんてん 重要文化財 四天王 立 像のうち広目天・多聞天 あ 4. み だ にょらいりゅうぞう 重要文化財 阿弥陀如来 立 像 5. 国宝 奈良・東大寺 そうぎょうはちまんしん ざ ぞう 僧 形 八幡神坐像 あ み だ にょらい ざ ぞう あ み だ にょらいりゅうぞう 奈良・東大寺 6. (A)重要文化財 阿弥陀如来坐像 広島・耕三寺 ぼ さつ ざ ぞう (B)菩薩坐像 7. 和歌山・金剛峯寺 静岡・伊豆山浜生協会 重要文化財 阿弥陀如来 立 像 京都・遣迎院 がんもん 像内納入品 願文 ※阿弥陀如来立像の展示は 4/11~6/4 いんぶつ けちえんきょうみょう 印仏・結縁 交 名 8. 9. 10. 11. 12. 13. ふ どうみょうおう ざ ぞう 重要文化財 不動 明 王 坐像 京都・醍醐寺 と ばつ び しゃもんてんりゅうぞう 重要文化財 兜跋毘沙門天 立 像 重要文化財 京都・青蓮院 じゅういちめんかんのん ぼ さつりゅうぞう 十 一面観音菩薩 立 像 三重・パラミタミュージアム しゃ か にょらいりゅうぞう 釈迦如来 立 像 アメリカ・キンベル美術館 あ み だ にょらいりゅうぞう あ み だ にょらいりゅうぞう 重要文化財 阿弥陀如来 立 像 奈良・西方寺 重要文化財 阿弥陀如来 立 像 げんざい か 京都・極楽寺 こ ちょう 像内納入品 現在過去 帳 か ろく さんねんほっ け さんじゅっこうきょうみょうちょう 嘉禄三年法花 三 十 講 経 名 帳 か こ ほうめいちょう あ み 過去訪名 帳 だ にょらいいんぶつ 阿弥陀如来印仏 3 [9]奈良国立博物館 公開講座 ◇ 4 月 22 日(土) 「快慶を生んだ社会と宗教」 京都府立大学准教授 横内 裕人 氏 ◇ 5 月 13 日(土) 「快慶の生涯と「如法」の仏像」 当館学芸部研究員 山口 隆介 ◇ 5 月 27 日(土) 「快慶作品に関する二、三の問題」 当館学芸部上席研究員 岩田 茂樹 時間:午後 1 時 30 分~3 時(開場午後1時) 会場:当館講堂 定員:194 名 聴講無料 ※12 時から講堂前にて、入場整理券(お 1 人様につき 1 枚)を配布します。 ※配布は講座開始 30 分後で終了します。 ※入場整理券の受取の際には、展覧会の観覧券もしくはその半券、国立博物館パスポート等をご提示ください。 [10]関連イベント 以下のイベント・関連行事を準備しています。 ◎ 親と子のワークショップ「着て楽しむ! ほとけさまのファッション」 ほとけさまのファッションについて、親子で楽しく学ぶワークショップです。 日時:4 月 29 日(土・祝)①午前 10 時 30 分~12 時 ②午後 1 時 30 分~3 時 会場:当館地下回廊 講師:岩井共二(当館学芸部情報サービス室長) 定員:各回 10 組(小学生とその保護者) 参加費:無料 応募方法:3 月 15 日(水)より受付開始。本展公式サイトにある専用の申し込みフォーム から応募してください。定員に達し次第、募集は締め切ります。 問い合わせ:総務課企画推進係 TEL:0742-22-4450(平日の午前 10 時~午後 5 時) ◎ きり かね ワークショップ「截金技法の体験をしてみよう!」 快慶の仏像の多くは、表面が金箔の文様で美しく飾られています。彫刻家の指導のもと、 木の小物に細く切った金箔を貼る截金技法の体験をしていただきます。 日時:5 月 3 日(水・祝) ①午前 11 時~12 時 ②午後 1 時 30 分~2 時 30 分 会場:当館地下回廊 講師:吉水快聞氏(彫刻家) 4 定員:各回 20 人(小学校低学年までの児童については、保護者の付き添いが必要です。 ) 参加費:1,000 円(材料代) 応募方法:3 月 15 日(水)より受付開始。本展公式サイトにある専用の申し込みフォーム から応募してください。定員に達し次第、募集は締め切ります。 問い合わせ:読売テレビ事業局 TEL:06-6947-2098 ◎ 快慶展を 100 倍楽しめる 快慶仏講座 快慶が造った仏像の特徴や鑑賞ポイントについてわかりやすく解説する動画を本展公式サ イトにアップします。その動画や快慶展の鑑賞によって得た知識を試せるミニ検定を、本 展の会期中に 2 回実施します。当館内で検定の受付をし、問題用紙・解答用紙をお渡しし ます。解答用紙は後日、検定事務局へ郵送いただきます。採点の結果は後日、事務局から 通知します。第 1 弾と第 2 弾とで異なる記念品もプレゼント! 申し込み受付期間/解答用紙提出締め切り: 〈第 1 弾〉4 月 11 日(火)~23 日(日)/5 月 2 日(火)必着 〈第 2 弾〉5 月 9 日(火)~21 日(日)/6 月 4 日(日)必着 ※第 1 弾と第 2 弾で問題は異なります。 料金:700 円(1 回の検定につき。当館内の検定受付で徴収します。 ) 問い合わせ:読売テレビ事業局 TEL:06-6947-2098 ◎ 仏像展巡りスタンプラリー 次の 3 会場を巡り、すべてのスタンプを集めた方に抽選でプレゼントをします。 ●興福寺 国宝特別公開 2017「阿修羅 ―天平乾漆群像展―」 (3 月 15 日─6 月 18 日、9 月 15 日─11 月 19 日)※スタンプラリーの実施は 4 月 8 日から ●奈良国立博物館 特別展「快慶」 (4 月 8 日─6 月 4 日) ●東京国立博物館 興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」 (9 月 26 日─11 月 26 日) [11]問い合わせ先 奈良国立博物館 〒630-8213 奈良市登大路町 50(奈良公園内) 電話 ハローダイヤル 050-5542-8600 ホームページ http://www.narahaku.go.jp/ ☆展覧会公式サイト(読売テレビのページ) http://www.ytv.co.jp/kaikei/ 〈交通案内〉近鉄奈良駅下車徒歩約 15 分 またはJR奈良駅・近鉄奈良駅から 市内循環バス外回り「氷室神社・国立博物館」下車すぐ 5 【主な出陳品】 1. み ろく ぼ さつ ざ ぞう 重要文化財 弥勒菩薩坐像 1軀 木造 金泥塗・截金 像高 111.0 cm 鎌倉時代 建久 3 年(1192) 快慶作 京都・醍醐寺 ※4/25~6/4 展示 [出陳番号 1] ご しらかわいん ついぜん ざ す しょうけん ほつがん 後白河院追善のために醍醐寺の座主 勝 賢が発願した。快慶の名を こうしょう きんでいぬり 「巧 匠 アン(梵字)阿弥陀仏」と記す初例であり、金泥塗仕上げ の現存最初期の遺品でもある。洗練された造形感覚を示す、快慶 初期にして随一の傑作。 2. み ろく ぼ さつりゅうぞう 弥勒菩薩 立 像 1軀 木造 漆箔 像高 106.6 cm み ろくじょうしょうきょう ほうきょういん だ ら に 像内納入品 弥勒 上 生 経 及び宝 篋 印陀羅尼 1巻 紙本墨書 縦 25.2 cm 長 462.0 cm 鎌倉時代 文治 5 年(1189) 快慶作 アメリカ・ボストン美術館 [出陳番号 2] 像内納入品により、文治 5 年に快慶が造立した弥勒菩薩立像である ことが判明する。今日知られる快慶作品のうち最も制作年代が早い。 もと奈良・興福寺に伝来した。平安時代後期の作風も残るが、みず あふ みずしい肉取りには作者の若さが溢れ出るかのようである。 し てんのうりゅうぞう こうもくてん た もんてん 3. 重要文化財 四天王 立 像のうち広目天・多聞天 2軀 木造 彩色・截金 像高[広目天]135.2 cm [多聞天]138.2 cm Photograph©2017 Museum of Fine Arts, Boston 鎌倉時代(12 世紀) [広目天]快慶作 和歌山・金剛峯寺 [出陳番号 27] はっ さい こう 髪際高(髪ぎわまでの高さ)で約 4 尺の あしほぞ 四天王像のうちの 2 軀。広目天像の左足枘 外側に「巧匠快慶/アン(梵字)阿弥陀仏」 (/は改行)の刻銘がある。鎌倉再建期の 東大寺大仏殿内に安置された巨大な四天王 像と同図像の作品で、そのひな型として 造られた可能性がある。 6 広目天 多聞天 4. あ み だ にょらいりゅうぞう 重要文化財 阿弥陀如来 立 像 1軀 木造 金泥塗・截金 像高 98.7 cm 鎌倉時代 建仁3年(1203) 快慶作 奈良・東大寺 [出陳番号 32] きんでいぬり きり かね もんよう はっ さい こう あしほぞ 金泥塗に截金文様を表した髪際高3 尺の立像。文献および足枘の はりがき 刻銘と針書により、快慶を作者として建仁 3 年に完成した後、承元 2 年(1208)に截金を施したと見られる。頭部内に金属製の五輪塔が、 かん す 像内右脚部に 2 巻の巻子が納められている。 5. 国宝 そうぎょうはちまんしん ざ ぞう 僧 形 八幡神坐像 1軀 木造 彩色 像高 85.7 cm 鎌倉時代 建仁元年(1201) 快慶作 奈良・東大寺 [出陳番号 34] た むけやま ほう し かつて東大寺鎮守八幡宮(今の手向山八幡宮)に奉祀されていた。 かいげん 像内に長文の墨書があり、建仁元年 12 月 27 日の開眼や、仏師 快慶が造立したことが知られるほか、後鳥羽天皇や後白河院を けちえんしゃ はじめ、物故者を含む僧俗多数の結縁者や小仏師らの名が認め だいかんじんちょうげん られる。造像背景には東大寺大勧進 重 源の存在が想定される。 あ み だ にょらい ざ ぞう 6. (A)重要文化財 阿弥陀如来坐像 1軀 木造 漆箔 像高 74.0 cm 鎌倉時代 建仁元年(1201) 快慶作 広島・耕三寺 [出陳番号 48] ぼ さつ ざ ぞう (B)菩薩坐像 2軀 木造 漆箔 像高[その1]25.4 cm [その2]26.0 cm 鎌倉時代 建仁元年(1201) 快慶作 静岡・伊豆山浜生協会 [出陳番号 49] い ず さん かつて伊豆山(現在の静岡・伊豆山神社)に伝来した阿弥陀如来像。建仁元年に京都で造立さ しもじょうぎょうどう げん えん れ、5年後に下 常 行 堂本尊に迎えられた。快慶と伊豆山の接点として、源延ら天台僧の存在 が想定される。菩薩坐像は、これに随侍した四菩薩中の2軀。 7 重要文化財 7. あ 阿弥陀如来坐像 み だ にょらいりゅうぞう 重要文化財 阿弥陀如来 立 像 菩薩坐像 その 1 菩薩坐像 その 2 1軀 木造 金泥塗・截金 像高 98.9 cm がんもん 像内納入品 願文 いんぶつ 1 通 紙本墨書 縦 31.2 cm 横 15.4 cm けちえんきょうみょう 印仏・結縁 交 名 2 綴 紙本墨摺・墨書 鎌倉時代 建久5年(1194)頃 快慶作 京都・遣迎院 ※阿弥陀如来立像の展示は 4/11~6/4 [出陳番号 57] けん ごういん 遣迎院の本尊で、作風の異なる釈迦如来立像(未出陳)と一具をなす。無位時代特有の充実し きり かね もんよう ぶっ こ しゃ た作風を示し、着衣の優美な截金文様も目をひく。像内文書から物故者をふくむ約1万 2000 けちえん 名もの人びとが結縁したとわかる。 印仏・結縁交名 阿弥陀如来立像 8 8. ふ どうみょうおう ざ ぞう 重要文化財 不動 明 王 坐像 1軀 木造 彩色・截金 像高 53.3 cm 鎌倉時代 建仁 3 年(1203) 快慶作 京都・醍醐寺 [出陳番号 65] きょうおう ご こく じ とう じ ご だいみょうおう 京都・ 教 王護国寺(東寺)講堂の五 大 明 王 像中の不動明王 だい し よう 像に端を発する(弘法)大師様の像容。像内に建仁 3 年 5 月 の年紀や「巧匠アン(梵字)ア(梵字)弥陀仏」の墨書があり、 無位時代の快慶作と判明する。脚部の特徴ある衣文形式は、 快慶工房における明王坐像の定型的な表現形式。 9. と ばつ び しゃもんてんりゅうぞう 重要文化財 兜跋毘沙門天 立 像 1軀 木造 彩色・漆箔 像高 102.5 cm 鎌倉時代(13 世紀) 京都・青蓮院 [出陳番号 68] きょうおう ご こく じ とう じ と ばつ び しゃもんてんぞう 京都・ 教 王護国寺(東寺)像を原像とする兜跋毘沙門天像の模像。 ねりもの ようらく 鎌倉時代の遺品はめずらしい。東寺像で練物を用いる耳飾や瓔珞が、 と きん 本像では銅製鍍金で表される。面部の充実した肉取りや入念な作風 は快慶の特色を示す。 10. 重要文化財 じゅういちめんかんのん ぼ さつりゅうぞう 十 一面観音菩薩 立 像 1軀 木造 漆箔 像高 122.4 cm 鎌倉時代(13 世紀) 長快作 三重・パラミタミュージアム [出陳番号 73] ちょうかい こうふく じ ぜんじょういん 快慶の弟子 長 快の作で、かつて興福寺内の禅 定 院にあった。快慶 は せ でら み そ ぎ が建保7年(1219)に再興した長谷寺本尊像のための御衣木の余材 を用いて造ったと推定される。 9 しゃ か にょらいりゅうぞう 11. 釈迦如来 立 像 1軀 木造 金泥塗・截金 像高 81.8 cm 鎌倉時代(13 世紀) 快慶作 アメリカ・キンベル美術館 [出陳番号 78] きんでいぬり きり かね もんよう 表面の美しい金泥塗や截金文様をよく残す保存状態の良い作品。 あしほぞ 足枘に「巧匠/法眼快慶」(/は改行)の墨書があり、快慶の比較的 か すが 晩年に近い時期の作と見られる。光背は当初のもので、周縁部に春日 し し ょ みょうじん しゅ じ 四所 明 神 の種子を表すことから、春日大社ないし興福寺周辺に伝来 したと推測される。 Kimbell Art Museum, Fort Worth, Texas あ み だ にょらいりゅうぞう 12. 重要文化財 阿弥陀如来 立 像 1軀 木造 金泥塗・截金 像高 98.5 cm 鎌倉時代(12~13 世紀) 快慶作 奈良・西方寺 [出陳番号 81] あしほぞ 足枘に「巧匠(梵字アン)阿弥陀仏」の墨書があり、無位時代の快慶 たい く の作とわかる。明快な表情や衣文の表現、体軀の肉取りなどに、若々 け さ しい感覚が充溢する。袈裟を左肩から紐で吊り、末端を左腕に懸ける さんじゃく 表現は、快慶の三 尺 如来立像では本像のみ。 10 あ み だ にょらいりゅうぞう 13. 重要文化財 阿弥陀如来 立 像 1軀 木造 漆箔 像高 79.5 cm げんざい か こ ちょう 像内納入品 現在過去 帳 1 通 紙本墨書 縦 26.8 cm 横 44.7 cm か ろく さんねんほっ け さんじゅっこうきょうみょうちょう 嘉禄三年法花 三 十 講 経 名 帳 か こ ほうめいちょう あ み 過去訪名 帳 だ にょらいいんぶつ 阿弥陀如来印仏 1巻 1巻 紙本墨書 縦 30.5 cm 長 293.2 cm 紙本墨書 縦 31.4 cm 長 151.8 cm 1 枚 紙本墨摺 縦 24.4~24.8 cm 横 38.0~38.5 cm 鎌倉時代 嘉禄3年(1227)頃 行快作 京都・極楽寺 [出陳番号 88] 快慶の没年にまつわる新情報をもたらし、一躍脚光を浴びた像。 納入文書に「過去法眼快慶」の文言が見出され、嘉禄3年(1227) ぎょうかい の時点ですでに没していたと判明した。作者は筆頭格の弟子 行 快と みられる。 11
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