憲法 審査手法の使い分け 私が受験生のときに整理した合憲性審査手法の使い分けです。 あくまで個人的なものであり,細かな用語の使用法等については不正確な部分があるかも しれませんので,そのあたりは割り引いて参照してください。 なお,それぞれの審査手法において,どのように憲法価値を反映させるのかについては, 別途,確認しておいてください。 1 合憲性審査の方法 (1)法令審査(対国会) ア 違憲審査基準を用いた審査 イ 立法裁量の逸脱・濫用審査 (2)処分審査(対行政) ア 法律要件の憲法適合的解釈(合憲限定解釈) イ 行政裁量の逸脱・濫用審査 ウ 得られる利益と失われる利益の具体的利益衡量 2 合憲性審査方法の使い分け (1)法令審査と処分審査の使い分け ア 詳細な立法事実(当該立法がなされるに至った背景事情)が与えられている場合 ⇒法令審査 イ 詳細な立法事実と併せて詳細な司法事実(行政処分がなされるに至った背景事情) も与えられている場合 ⇒法令審査&処分審査 ウ 立法事実がほとんどなく,詳細な司法事実が与えられている場合 ⇒処分審査 エ 若干の司法事実が与えられているものの,行政行為の違憲性を考えるにあたって, 特に,立法事実と別個の問題点がない場合(法令が想定している典型的場面に適用さ れた事例の場合) ⇒法令審査のみ (2)法令審査の各手法の使い分け ア 自由権の制約,平等権侵害の場合 ⇒違憲審査基準を用いた審査 イ 社会権の保障が問題となる場合 ⇒立法裁量の逸脱・濫用審査 (Ex.生存権を保障した法律の切り下げ) (3)処分審査の各手法の使い分け(←行政法における違法主張の検討手順と同じ!) 当該行政処分の根拠条文を見て, ア 国民側と行政側でその充足の有無が争いになりそうな要件がある場合 ⇒当該法律要件の憲法適合的解釈とそのあてはめ イ 充足が争いになりそうな要件がないが,行政庁の効果裁量を認める立てつけとな っている場合 ⇒行政裁量の逸脱・濫用審査 ウ 要件解釈レベルで争う余地がなく,かつ,行政庁の効果裁量も認められていない 場合 ⇒得られる利益と失われる利益の具体的利益衡量
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