日本看護職副院長連絡協議会 地域包括ケア下での役割を認識共有 必要であることを説明。その上で「看 護職は地域包括ケアの基幹職種」と し、病院の看護職も積極的に地域の 医療・介護体制に関わっていくよう 期待を述べた。 午後は「医療・介護同時改定に向 けた準備と対応策」として ASK 梓診 療報酬研究所の中林梓所長が講演。 機能分化や連携の視点を反映した診 療・介護報酬改定の動向を踏まえ、 地域のニーズを捉え信頼を得る病院 運営が重要だと語った。 第3回JDN シンポジウム開催 女性活躍推進に向け議論 2 月 3 日、JNA ホ ー ル で 日 本 看 護職副院長連絡協議会の 2016 年度 第 3 回講演会・研修会(日本看護協 会後援)が開かれた。病院の副院長 を務める看護職、看護管理者など約 150 人が参加した。開会のあいさつ で、同協議会の桃田寿津代会長(緑 成会横浜総合病院副院長・看護部長) は「看護職が病院の方向性を見据え、 多職種を巻き込んでいくべき。今後 の病院運営にプラスになるよう学ん でほしい」と会場に呼び掛けた。 午前は「2018 年同時改定の背景 を考える」と題し、厚生労働省保険 局の迫井正深医療課長が講演した= 写真。迫井課長は、全国画一でなく、 地域ごとの実情に沿った体制整備が 3 協会の活動・看護関連ニュース Vo l. 594 2017.2.15 一般社団法人ジャパンダイバー シティネットワークによる第 3 回 JDN シンポジウムが 2 月 3 日に如 水会館(東京都千代田区)で開催さ れ、約 300 人が参加した。同ネット ワークは、女性活躍推進に取り組む 各種団体が連携して活動する組織 で、日本看護協会の坂本会長も呼び 掛け人の一人となっている。 今回のテーマは「ダイバーシティ は何を変えたのか」。特別対談では 野田聖子衆議院議員と内永ゆか子代 表理事が登壇した。野田議員は「ダ イバーシティが進むとしなやかで成 熟した国になれる。男も女も障害者 もなく、経営者の管理の問題であ る」などと述べ、内永理事は「時間 と場所で評価するのではなく、アウ 地域で共用できる看護サマリーを作成 三方を海が囲む長崎県。リアス式海岸や数多 くの湾が移動を不便にしたり、医療資源に乏し い島しょ部も少なくない。こうした条件の下、 長崎県看護協会では近年、地域医療介護総合確 保基金を活用して訪問看護の質の向上に取り組 むなど、地域包括ケアシステム構築に向け活動 している。しかし、中には基金の適用にならな かった事業もある。こうした事業の展開に弾み をつけようという副島都志子会長の一声もあ り、県看護協会では 2015・16 年度に日本看護 協会の「看看連携構築モデル事業」を受託した。 15 年度のモデル事業に参加したのは県北支 部(会員数 1,976 人)だ。取り組みでは、支部 区域内で規模が大きい 4 病院の看護部長や地域 連携担当の看護師らが 8 年ほど前から設けてい た「看看連携の会」に、介護施設の看護職や保 健師が加わることで、推進役を担った。 成果の中で最たるものが、地域での共用を目 指した「退院前事前情報提供書」 (看護サマリー) の作成だ。モデル事業以前から着手していたも のだが、推進メンバーが拡大したことでブラッ シュアップされ、汎用性も高まった。本年度は、 運用を始めるとともに、周知にも取り組む。 地区支部と職能委員会が協働 16 年度は、県央支部(会員数 2,356 人)がモ ―チーム医療の視点で実施体制の早期見直しを― 中心静脈穿刺(せんし)後、出血などの合併症で患者が亡くなった事 案が多数報告されています。医療事故調査・支援センターは、「医療事 故調査制度」開始後に報告された事例を分析し、中心静脈穿刺の合併症 に係る予期せぬ死亡について、同様の事故が起きないよう、どのような 対応が必要かを検討しています。 中心静脈穿刺は、多くの医療機関で日々実施されています。このため、 同センターの検討結果を待つのではなく、各施設で事故防止に向け現時 点で見直しを早急に行ってください。時に死亡に至る処置であることを 念頭に、中心静脈カテーテルの挿入など、中心静脈穿刺に係る処置のマ ニュアルや実施体制、実施前の患者への説明内容などをチーム医療の視 点で見直す必要があります。 見直しにあたっては、中心静脈穿刺の合併症が、穿刺時だけでなく、 穿刺後にも発症することを加味し、穿刺時に動脈穿刺など予想外の事項 があった場合の情報共有や、継続的な観察の実施などが含まれているか も確認してください。 中心静脈穿刺の合併症に係る予期せぬ死亡の対策の検討には、今後、 医療事故調査・支援センター(https://www.medsafe.or.jp/)から出さ れる報告書や、本会 HP「看護実践情報」>「医療安全」の情報をぜひ ご活用ください。 トプットで評価するよう働き方改革 をしてほしい」と期待を語った。 訂 正 本 紙 2016 年 12 月 号 付 録「 平 成 訃 報 29 年度教育計画」9面下部の「申 名誉会員の加藤千代子様(90 歳) 込方法 インターネット配信研修 が 1 月 13 日に、齋藤和子様(105 歳) [オンデマンド]」に記載している【1 が2月2日に逝去されました。謹ん 研修/ 180 分】の非会員受講料(2 で哀悼の意を表します。 カ所)を 6,264 円に訂正します。 デル事業に参加した。2 つの 2 次医療圏に当た る 5 市 3 町の支部区域は、県看護協会が本拠を 置く諫早市や大村市など医療施設が多い地域と、 島原市や雲仙市など半島部で過疎化が進む地域 とに二分される。 「地域の人々と共に住みやすい まちづくりをしようという風土がある」と今川 洋子支部長(みさかえの園総合発達医療福祉セ ンターむつみの家看護部長)が話すように、以 前から支部をさらに細分した市町単位の地区活 動が盛んで、地域の祭りで「まちの保健室」を 開くなど、地域密着の活動が根付いている。 県央支部のモデル事業は、地区支部と看護師 職能委員会が協働するのが特徴だ。両者が縦糸 と横糸となり、緊密な連携体制が構築できると 考えた。保健師を含む地区支部役員、看護師職 能委員 4 ∼ 5 人がコアメンバーとなり、昨年 12 月には「切れ目のない緩和ケアの提供」と 題し研修会を開催。緩和ケア医や緩和ケア認定 看護師の実践報告のほか、参加者間で意見交換 を行った。開催案内は、各施設の施設長と看護 管理者宛てに 2 通送るなど、呼び掛けが広く行 き渡るよう工夫した。病院、診療所、行政・保 健所、介護施設など多様な場で働く看護職や介 護職 70 人超が参加し、研修会は大盛況だった。 施設間交流で退院前後の連携を強化 ことし 1 月からは施設間交流の取り組みも始 まっている。病院を退院し介護施設へ移る患者 さんについて、退院前には介護施設の看護職が 病院を、退院後には病院の受け持ち看護師が介 護施設を訪れ、患者さんの情報や個別性に応じ たケアを共有しようという取り組みだ。 参加者からは、円滑な連携に向けた知見がい 施設間交流。患者さんに 対応するとともに、意見 交換にも時間をかける 第 2 回 長崎県看護協会 中心静脈穿刺の合併症に係る 予期せぬ死亡について くつも見いだされた。例えば、看護サマリー上 の「一部介助」という記述。介護施設側からは「一 部」がどういう状態なのかこそ詳述してほしい と指摘があった。また、患者さんの「舌が痛い」 という訴えに対し、病院側はまず潰瘍や亀裂を 疑うが、施設側は義歯の装着具合を確認すると いった視点の違いを認識し合った。 取り組み例はまだわずかだが、福田妙子看護 師職能理事(日本赤十字社長崎原爆諫早病院看 護部長)は「自分たちの看護は本当につながっ ているのか、患者さんのためになっているのか が分かる」と、手応えを感じている。今後は、 数例実施したところで、より多くの看護職で共 有できるよう「語る会」も開く予定だ。得られ た知見を基にした地域での退院調整ガイドライ ンの作成なども視野に、次年度以降も交流を活 発化させていく考えだ。 県看護協会でモデル事業をサポートする森口 洋子専務理事は「看護職は地域包括ケアのキー パーソン。多職種や施設を超えた連携に向け、 まず看護職から変わっていくのも1つの方法」 と成果に期待する。16 年度は県北・県央支部 以外でも同様の事業が行われ、県内全域で看看 連携の体制づくりが進んでいる。
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