核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制

資料2
「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律
第67条第1項の規定に基づく報告の徴収について(日本原
燃株式会社濃縮・埋設事業所(加工施設))」(原規規発第
1612142号)に基づく報告について
【第182回核燃料施設等の新規制基準適合性に係る審査
会合(平成29年2月3日)を踏まえた補足説明】
平成29年2月15日
目 次
1.今回の事案を発生させた問題と是正措置等
1-1.今回の事案の問題と直接的な原因
1-2.直接的な原因に対する是正措置
1-3.新旧体制について
1-4.今回の事案の原因と是正措置等の関係
1-5.今回の事案の背景にある要因に対する取組み
1-6.是正措置等の実施状況の確認(安全・品質保証改革委員会)
1-7.品質方針、行動基準等の遵守と今回の事案の関係
2.直接的な原因に対する是正措置【安全・品質本部】
3.今回の事案の背景にある要因に対する取組み【安全・品質本部】
4.直接的な原因に対する是正措置【監査室】
5.今回の事案の背景にある要因に対する取組み【監査室】
6.会社全体で実施する継続的な改善活動
7.まとめ
1
1.今回の事案を発生させた問題と是正措置等
2
1-1.今回の事案の問題と直接的な原因
×
安全・品質本部
×
×
d
担当取締役の強い関与
a
×
繰り返しの指導
強いプレッシャー
安全・品質
本部長
a
質せない
×
本人のパフォー
マンスが要因
c
適切な指示・指導がなかった
(部長としての役割を果たせて
いない)
・本部長の間違った意向を解釈
・評価書を作成
×
e
事務局が安全・品質本
部であることも要因
(仕組みの問題)
必要な事項が付議されなかった
コメントがフォローされていない
×
g
全社対応委員会
×
f
マネジメントレビュー
社長へのインプットが正しくない
×
i
監査室長
リソース・期限が厳しく、「監査」
でなくやっていることを見に行く
「検証」とした(監査室の機能を
正しい活動に使えなかった)
部長
監査
↓
検証
×
k
本部員
監査室
×
他の特命業務により本件への関
与・関心が薄かった(副本部長と
しての役割を果たせていない)
部長
・誤った認識・理解
・強い意志
・副社長という立場
×
独立性
に影響
b
安全・品質
副本部長
h
j
適切な指示・指導がなかった
(部長としての役割を果たせて
いない)
室員
一部の室員の評価書に
対する意見も声が届かず
【今回の事案を発生させた問題】
1)人の問題(本人のパフォーマンスも影響し結果と
して誤った方向に導いた、役職に求められる役割
を果たせていない、マネジメントレビューへのイン
プットが不適切)
2)組織の問題(安全・品質本部の役割が不明確、監
査室の独立性の欠如、人材の不足(→検証の実
施)
3)仕組みの問題(全社対応委員会の仕組みの悪さ)
3
1-2.直接的な原因に対する是正措置
安全・品質本部
(直接的な原因a.~g.に対する是正措置)
問題に対する直接的な原因
1)人の
問題
2)組織
の問題
3)仕組
みの問
題
是正措置
すでに実施したこと
本人のパフォーマン
スも影響し、結果とし
て誤った方向に導い
た、役職に求められ
る役割を果たせてい
ない(a.b.c.)
体制の刷新
【品質保証に係る知識を有し、
必要な経験を積んだ人材の
登用】
安全・品質本部長、
副本部長に電力会
社の品質保証部門
の部長を歴任した人
材を配置
安全・品質本部によ
るマネジメントレ
ビューへのインプット
が不適切(g.)
上記に加え、マネジメントレ
ビューに向けた安全・品質本
部による対応の改善【具体的
情報を正確にインプットする】
安全・品質本部の役
割の不明確さ(d.)
全社対応委員会の
仕組みの悪さ(e.f.)
今後実施
章番号
‐
‐
同上
インプットに
対するセルフ
チェックシー
トの策定
(3月予定)
2-2
4事業部の品質マネジメント
システムの運用・改善に係る
指導・助言の遂行に向け、安
全・品質本部の役割・責任・
権限を明確化
4事業部の品質マネ
ジメントシステムの
継続的な改善に係
る指導・助言する役
割・責任・権限を記し
た社達の制定
‐
2-1
全社対応委員会の改革と仕
組みの見直し【コメントをフォ
ローする仕組みを明確にする、
助言期間からの脱却】
社内規程を改正し運
用を明確化(社長か
らの「指示・命令」機
関に変更、課題・進
捗管理表の作成)
改革委員会
に改組
(2月予定)
2-3
4
1-2.直接的な原因に対する是正措置
監査室
(直接的な原因h.~k.に対する是正措置)
問題に対する直接的な原因
1)人の
問題
2)組織
の問題
是正措置
すでに実施したこと
役職に求められる
役割を果たせてい
ない(i.j.)
体制の刷新(監査室長、部長
の交替)
【品質保証に係る知識を有し、
必要な経験を積んだ人材の登
用】
監査室長に電力会
社の品質保証部門
の部長を歴任した
人材を配置
監査室の独立性
の欠如、人材の
不足(⇒検証の実
施)(h.k.)
監査室の独立性確保
【監査室への特定の取締役の
関与をなくす、執務場所の離
隔】
取締役の業務分担
を置かないよう変
更、執務室の離隔
品質保証標準
類の再確認
(2月予定)
‐
臨時の特別監
査に向けた仕
組みの構築、
品質保証標準
類への反映
(2月予定)
監査室の活動を監査に限定
→全社大で人材の確保
今後実施
章番号
‐
‐
4-1
4-2
5
1-3.新旧体制について
新体制では特定の担当取締役による業務分担を置かないこととした。
【改正前】(2016年6月30日時点)
【改正後】(2017年2月1日時点)
社 長
社 長
燃料製造事業部
再処理事業部
埋設事業部
濃縮事業部
監査室
×
安全・
品質本部
燃料製造事業部
再処理事業部
埋設事業部
濃縮事業部
監査室
安全・
品質本部
・・・
・・・
強い関与
A担当取締役
B担当取締役
※特定の担当取締役が特定の部門を監視・
監督、責任者は各部門長
(執行役員として安全・品質本部長を兼務
していたが、監査室の担当取締役として部
門の役割を超えた強い関与があった。)
全取締役
※特定の担当取締役による業務分担を置かず、
取締役全員が部門を特定せず会社全体を監視・
監督(管理責任者(本部長、室長、事業部長)
が執行責任者であることを明確化)
6
1-4.今回の事案の原因と是正措置等の関係
【今回の事案の原因】
① 保安検査に対応する人材が不足
② 安全・品質本部の力量の不足
③ 監査室を目的どおり機能させるための人
材不足および独立性の欠如
④ 4事業部に対する安全・品質本部の位置
づけが不明確
⑤ 業務の目的を達成するための計画の立案
が不十分
⑥ 全社対応委員会の位置づけが不明確
⑦ 安全・品質本部が4事業部を総括するプロ
セスが不明確
⑧ 自ら定めた計画を守る意識の不足
⑨ スケジュール優先の意識
⑩ 保安検査に対する認識が不十分
⑪ コミュニケーション不足
⑫ 業務目的に対する認識が不十分
⑬ 品質マネジメントシステムの理解不足に伴
う思い込み
⑭ 安全・品質本部長と安全・品質本部員間の
コミュニケーション不足
【直接的原因】
③・⑤・⑦の一部、 ④、 ⑥
⇒ 「是正措置」で対応
【背景にある要因】
①、②、③・⑤・⑦の一部、⑧、⑨、⑩、
⑫、⑬(左記下線部)
⇒ 安全・品質本部、監査室に対して、
「今回の事案の背景にある要因に対
する取組み」と位置づけて対応
⑪、⑭
⇒ 組織として業務を実施する上での
基本であり、「会社全体で継続的に
実施する改善活動」として実施
※ なお、⑬については、水平展開とし
て品質保証に係る業務に関係する
要員に対して品質マネジメントに係る
教育を実施。
7
1-5.今回の事案の背景にある要因に対する取組み
【安全・品質本部】 (1/2)
原因
②,⑧,⑫
①,②,⑧
⑨,⑩,⑬
⑤,⑦,⑩
取組み
安全・品質本部員の心得の策定と徹底
品質保証活
動に係る人
材の充実化
重要度・緊急
性を踏まえた
業務プロセス
の確立
スケジュール
・原案策定済み
・2月に制定予定
要員の強化
・2月に3名異動
・4月に要員強化の完了予定
品質マネジメントシステムの理解促
進/改善力の向上(ISO9000審査員
コースの研修を計画・実践)
・計画策定中
・3月より研修開始(以降、継続)
保安規定要求事項に関する教育の
実施
・計画策定中
・3月より教育開始(以降、継続)
5W2Hを意識した業務管理能力の
向上(実践的研修)
・計画策定中
・4月より研修実施 (以降、OJT
により継続)
重要度・緊急性に応じた分類を考慮
した業務目標・品質目標の策定・変
更
・検討中
・4月からの2017年度業務目標・
品質目標に反映
重要度・緊急性の高い業務目標・品
質目標に係る安全・品質本部長によ
るレビューの実施
・4月策定時にレビュー実施
(以降、四半期毎に実施)
業務目標・品質目標の「見える化」お
よび1回/月での本部内議論(ショー
トスパンでのPDCAの実施)
・検討中
・4月より運用開始(以降、毎月
実施)
章番号
3-1
3-2
3-3
8
1-5.今回の事案の背景にある要因に対する取組み
【安全・品質本部】 (2/2)
原因
取組み
不適合管理手順の見直し
(5W2Hを意識した様式への変更)
⑤
安全・品質本部の不適
合管理ルールの見直し
不適合の重要性に係る確実な識別
スケジュール
章番号
・不適合管理要領の改定案
を検討中
・3月改定
3-4
不適合WGの設置
全体計画の改正
・3月 安全・品質保証改革
委員会にて審議
品質マネジメントシステムの有効性評
価に向けた監視・測定方法の確立
⑤
全体計画の改正および
個別計画の策定ならび
に実行
品質保証に係る有効な情報の事業部
間共有・水平展開
各事業部によるマネジメントレビュー
へのインプット情報に係るにチェック
シートの策定
・上記委員会での審議に向
け、基本方針を策定中
・3月より順次対策着手
3-5
保安検査指摘事項等のパンチリスト
管理、進捗確認の実施
9
1-5.今回の事案の背景にある要因に対する取組み
【監査室】
原因
⑤,⑨,⑫
③,⑤,⑫
取組み
監査室の役割、
責任および権限
の徹底
監査室員におけ
る力量向上
スケジュール
責任と権限の再確認
・2月 品質保証標準類で
責任と権限を再確認中
監査室員の心得(仮称)の策定と教育
・3月 心得(仮称)の策定
と教育実施
業務目標の再設定
・4月 業務目標の再設定
品質マネジメントシステムの理解促進/
改善力の向上
・品質マネジメントシステムの基礎の再
教育
・「ISO9000審査員コース」の研修
・研修先との実施内容の調
整中
・3月 計画策定/研修開
始(以降、継続)
監査に必要な力量の向上等
・専門家による現地指導の実施
・社内人材の確保
・専門家派遣の調整中
・3月 研修実施
・4月 人材の確保
章番号
5-1
5-2
10
1-6.是正措置等の実施状況の確認(安全・品質保証改革委員会)
•
•
全社対応委員会を安全・品質保証改革委員会(仮称)として改組し、安全・品質保証改革委員会を会議体とし
て保安規定に取り込む。(必要な手続きは今後実施)
社長は品質保証活動に最終的な責任を負うが、経営層も全社の品質保証活動に対する関心・関与を深め、
責任を持ち対応する。
社長
是正措置等の実施状況を確認
指示・命令
(MRにインプット)
監査室
濃縮事業部の保安活動に関
する適正化を引き継ぎ、是
正活動について審議
「是正措置」「全社的取組
み」の実施状況、その他品
質保証活動の実施状況を経
営として観察・評価
濃縮
事業部
安全・品質
本部
品質保証活動の取り組みが
弱い場合、全社の仕組みが
機能しているかを審議
(チェック方法例)
・工程表・チェックシート等による是正措置等のアクションプ
ランの進捗確認
・実施状況報告 等
安全・品質保
証改革委員会
【社長の指示・
命令機関】
(委員案)
・社長
・担当執行役員
(要員・組織・
予算・購買等)
・各事業部長
・各本部長 等
(事務局)
経営本部内に
グループを新設
する。
日本原燃の品質保
証改革の促進に責
任を負う
品質保証
改革の進
展状況を
報告
評価・
助言
安全・品質
保証改革検
証委員会
(委員案)
・社内および
外部有識
者(法曹界、
ISO、安全
文化等)
評価結果を公表
11
1-7.品質方針、行動基準等の遵守と今回の事案の関係
<品質方針、行動基準等の遵守について>
今回、安全・品質本部内において、「品質方針」「私たちの行動基準」に掲げる、
「法令およびルールを遵守する」といった自ら守るべき事項へ立ち返って行動すると
いった意識を欠いていた
⇒ 今回の事案は、法令・ルール等の本旨を安全・品質本部長が正しく理解する
努力が不足したこと、安全・品質本部員が自ら守るべき事項へ立ち返って行動
することよりも、上司の指示に従うことを選んだ結果として発生したもの
・ 安全・品質本部長は、自らの発言の意図を正確に説明すべきであった
・ 安全・品質本部員は、安全・品質本部長の発言の意図を確認し、誤っている場合
はそれを質すべきであった
・ 自ら定めたルールを変えるのであれば、正規の手続を踏んで見直すべきであった
今回の事案を発生させた問題に対する是正措置により対応
12
1-8.今回の事案を受けた社長のコミットメント
 経営の最重要課題として、全社をあげて是正措置等を迅速かつ確実に実
行していく。
 社長自身が、このようなことが起きたことを痛切に反省し、「「安全・品質」
の向上は最大の経営課題」、「たゆまぬPDCA」、「職場風土の改善」のコ
ミットメントを宣言し、社員の先頭に立って安全・品質の向上に邁進し、再
発防止を徹底していく。
 さらに、安全・品質保証改革委員会等を活用し、指示・命令を行うこと等で
適切にチェックする体制を構築する。また、今回の事案を契機に改めて、
品質方針、行動基準等の遵守についても、社員への醸成を図っていく。
13
2.直接的な原因に対する是正措置
【安全・品質本部】
14
2-1.【是正措置】 安全・品質本部の役割・責任・権限の明確化
<目的>
4事業部の品質マネジメントシステムの継続的な改善に係る指導・助言の遂行に向け、安全・品
質本部の役割・責任・権限を明確化する。
<改善内容 : 社達の制定>(下記は記載案。詳細は今後検討)
【2月 制定】
社達 「安全・品質本部長への期待事項について」(仮称)
安全・品質本部長は、管理責任者として各事業部の品質保証活動が適切に実施されることを
支援するとともに、品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善するために社長を補佐す
る。
具体的には、以下のとおり。
•
社長のコミットメントである品質方針に基づき、各事業部が品質目標を策定し実施するこ
とを確認する。
•
各事業部の品質保証活動が適切に改善されていることを監視(オーバーサイト)する。
•
その結果、改善事項・課題を確認した場合には、社長の補佐として、各事業部を指導する
とともに、マネジメントレビュー等の場を通じて、速やかに社長に報告する。
•
各事業部とコミュニケーションを密にし、全社品質マネジメントシステムの改善を図る。
•
安全・品質本部員の品質保証に係る力量を向上させる。
15
2-2.【是正措置】
マネジメントレビューに向けた安全・品質本部による対応の改善
<目的>
マネジメントレビュー(以下、「MR」という。)に対し、安全・品質本部から情報のインプットが不十
分であったとの反省に鑑み、必要な具体的情報をタイムリー、かつ正確にインプットする。
<改善内容>
【3月要領の改定】
 安全・品質本部は下記を実施。
• 安全・品質本部からのインプット情報を確認するためのセルフチェックシートを策定する。
インプット情報に漏れが生じないよう、確認の視点を
明確にした上で、エビデンスに遡って確認する
(イメージ)
•
•
確認の視点
確認者
保安検査メモ
管理項目抽出済み
○○
進捗管理表
処理遅れなし
○○
…
保安検査結果
エビデンス
…
…
外部の受け止
め方
インプット項目
…
分類
その上で、 MR開催前には本セルフチェックシートを活用し、過去の社長指示、保安検
査指摘事項の対応等がインプット情報として網羅されているか等を確認する
MR開催前には、管理責任者から社長への事前説明を確実に実施する。
 MRの有効性・適時性の向上に向け、保安検査終了後速やかにMRを開催する。
<期待される効果>
保安検査結果のタイムリーなMRへのインプットを可能とするとともに、MRへ適切なインプット
情報を提供することにより、正確かつ適切なレビュー結果が期待可能となる。
16
2-3.【是正措置】全社対応委員会の改革と仕組みの見直し
<目的>
 全社対応委員会では、社長コメントがフォローされていなかったことや、必要な事項が付議
されなかったことなどの反省に鑑み、委員会の位置付けを明確化し、必要な事項が管理さ
れる仕組みを構築する。
<改善内容:全社対応委員会規程を改定済み>
内容
従来(見直し前)
【2月(済み)】
見直し後
位置付け
「情報共有」、「助言」機関
社長からの「指示・命令」機関
構成
社長、副社長、安全・品質本部長、 同左
各事業部長他
ただし、社長参加を必須条件として付加
付議内容 全体計画・個別計画の制定・変
更他
・全体計画・個別計画の制定・変更、是正
措置の実施状況他(開催頻度を明確化)
・必要な人材の確保に関する事項(追加)
フォロー
方法
課題・進捗管理表の作成を明確化
-
※ なお、全社対応委員会(事務局:安全・品質本部)は、早期に「安全・品質保証改革委員会(仮称)」(事
務局:経営本部)として改組する。
「安全・品質保証改革委員会」は、全社対応委員会から濃縮事業部の保安活動適正化に関する活動
を引き継ぐ。同委員会は、安全・品質本部および監査室に関する是正活動について審議を行い、社長
が必要な指示・命令を行い、是正を完了させる。
17
3.今回の事案の背景にある要因に対する取組み
【安全・品質本部】
18
3-1.安全・品質本部員の心得の策定と徹底
<目的>
安全・品質本部員が自らの業務遂行にあたっての拠り所として活用を徹底する。
【2月制定】
安全・品質本部員の心得
※記載案。詳細は今後検討
1.役割、責任の認識
安全・品質本部員は、一人ひとりの活動が社長の目、耳、手となって全社の品質マネジメントシステムの改
善(成果の実感できる品質保証活動)に繋げる役割を担っていることを強く認識する。
2.ルールを守る
安全・品質本部員は自ら定めたルール(業務の計画)の遵守が、仕事の基本である事を強く認識する。
3.タイムリーかつ確実な報告
安全・品質本部員は、マネジメントレビュー等の会議において、社長へのインプットがタイムリーかつ確実に
なされるよう細心の注意を払う。
4.自らを高める
安全・品質本部員は、全社の品質マネジメントシステム改善の牽引役になることを目指して、自ら学習し、
実践する。
5.コミュニケーション
安全・品質本部員は、各事業部とコミュニケーションを密にし、各事業部の品質保証活動における課題の共
有と水平展開を図る。
6.健全な懐疑心と発言する勇気
安全・品質本部員は、健全な懐疑心を保ち、組織・役職を問わず、おかしいと感じたことは必ず相談・発言
する勇気を持ち、議論する姿勢を決して失わない。
7.5W2H
安全・品質本部員は、5W1H+1H(How much:この場合はリソース)を意識した業務の計画を策定し、実
践する。
19
3-2.品質保証活動に係る人材の充実化
<目的>
安全・品質本部の期待事項を達成するために、要員の強化を図るとともに、品質マネジメントシ
ステムに係る力量向上を継続的に図っていく。
<改善内容>
 要員の強化
• 安全・品質本部の品質保証活動の強化に必要な人材を確保する。
【4月 完了】
【3月より研修開始(継続)】
 品質マネジメントシステムの理解促進/改善力の向上
• 安全・品質本部の管理職および品質保証部門の関係者など、従来よりも対象範囲を拡
大し、「ISO9000審査員コース」の研修を計画し、継続的に実践していく。
【3月より教育開始(継続)】
 保安規定要求事項に関する教育の実施
• 保安規定の要求事項と自らの業務との関係について理解向上させることを目的に、安
全・品質本部標準類と4事業部保安規定との整理表を活用した教育を実施する。
 5W2Hを意識した業務管理能力の向上
• 5W2Hを念頭に置いた実践的研修を実施する。
【4月より研修実施】
(以降、OJTにより継続)
<期待される効果>
研修に基づく知識、実践に基づくノウハウの両面から本部員の力量向上および体制の充実を
図ることにより、品質マネジメントシステムの改善を円滑、かつ効果的に実行することが可能とな
る。
20
3-3.重要度・緊急性を踏まえた業務プロセスの確立
<目的>
保安検査での指摘事項に対する対応も含め、重要度・緊急性を踏まえた業務管理が十分にで
きていなかったことの反省に鑑み、安全・品質本部で所掌する業務の重要度・緊急性を明確にし、
業務を見える化することにより、計画的・組織的な業務管理を徹底する。
<改善内容>
 本部内の業務目標・品質目標の策定・変更にあたっては、重要度・緊急性に応じた分類を考
慮し実施する。
【4月からの業務目標・品質目標に反映】
 策定した重要度・緊急性の高い業務目標・品質目標は、四半期に1回、本部長によるレ
【4月 策定時にレビュー】
ビューを行い、進捗管理および変更管理を実施する。
(以降、四半期毎に実施)
 業務目標・品質目標は、本部内の壁に貼るなどの「見える化」を行い、月1回の頻度で進捗
状況を本部内幹部と議論し、課題を本部員と共有するとともに、ショートスパンでのPDCAを
回す仕組みを導入する。
【4月より運用開始(毎月実施)】
<期待される効果>
本部大で重要度・緊急性のある業務を共有化するとともに、業務プロセスの品質向上、人的リ
ソースの有効活用が期待できる。
21
3-4.安全・品質本部の不適合管理ルールの見直し
<目的>
今回の事案においては、5W2Hが明確になっていなかったため、是正処置を何をもって完了と
するかも共通認識が形成されていなかった等、不適合管理上の課題が明確となったことを踏ま
え、手順の見直し等を実施する。
<改善内容>
【3月に不適合管理要領の改定】
 不適合管理手順の見直し
• 不適合管理/是正処置/予防処置の各段階において、対応に必要な情報が確実に明記
されるよう5W2Hを意識した様式に変更するなど、不適合管理手順を見直す。
 不適合の重要性に係る確実な識別
• 不適合管理票にグレード分け(保安検査指摘、法令・条例関連、その他)を導入する。
• この際、保安上重要な不適合については、件名毎に保安規定との関連が明確になるよう
な見える化を行う。
 不適合WGの設置
• 不適合WGを設置し、保安上重要な不適合については、本部長を含め是正処置の妥当性、
進捗管理を実施する。
<期待される効果>
不適合管理におけるプロセス・手順が明確になるとともに、WG導入等による不適合管理の品
質向上が期待できる。
22
3-5.全体計画の改正および個別計画の策定ならびに実行
<目的>
本来のRCA報告書における9つの提言の要求事項に対する5W2Hを明確にするため、全体計画
書の改正および個別計画を策定した上で、速やかに実行する。
<改善内容>
【3月に委員会にて審議】
 全体計画の改正
• 全体計画の改正については、安全・品質本部内のみで完結する事項ではないこと、濃縮
事業部における活動の進捗が見られることから、早期に「安全・品質保証改革委員会」を
立ち上げ、本委員会の下で、現状を再整理し改正を実施する。
 個別計画については安全・品質本部が中心となり下記のとおり対応(主な項目)
【3月より順次対策着手】
•
•
•
各事業部の品質マネジメントシステムが有効に機能していることを評価するための監視・
測定に係る方法を検討し、定める。
品質保証に係わる「不適合情報」、「保安検査指摘」、「良好事例」、「各事業部における活
動」等について事業部間で共有し、水平展開を図る。
各事業部にマネジメントレビューへのインプット情報を確認するためのチェックシートを策
定させるとともに、過去の保安検査での指摘事項等のパンチリスト管理を行い、進捗確認
を実施する。
<期待される効果>
安全・品質本部が、社長の補佐として、社内の品質マネジメントシステムのPDCAが適切に廻さ
れていることの監視・測定・評価及びそれらの社長へのインプットをより確実かつ適切に実施する
ことが可能となる。
23
4.直接的な原因に対する是正措置
【監査室】
24
4-1.【是正措置】 監査室の独立性確保
<目的>
取締役業務分担制度としての監査室担当者と執行役員制度としての安全・品質本部長を同一
の副社長が担っており、監査室に対して関与が強かったこと、監査室の執務室が安全・品質本
部の隣接であったなどの反省に鑑み、監査室を目的どおり機能させるために独立性を確保する。
<改善内容>
【1月(済み)】
 特定の取締役の関与をなくす体制
• 監査室は社長の直属として監査対象組織である保安組織(社長を除く)から組織体制上独
立させていたが、監査室担当の取締役であった安全・品質本部長の関与が強かったことか
ら、監査室に特定の取締役の関与をなくす体制とする。 (済み)
【1月(済み)】
 執務室の離隔
• 監査対象組織である保安組織を構成する部署から監査室の執務室を離隔する。 (済み)
【2月】
 品質保証標準類の再確認
• 品質保証標準類について、監査室が組織的(社長を除く)に独立した記載となっていること
を再確認し、必要に応じて改正する。
<期待される効果>
監査の公平性および監査結果の客観性の基礎を得ることができる。
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4-2.【是正措置】 監査室の活動を監査に限定
<目的>
監査室の人材の不足により、監査の代わりに客観性を欠いた検証を実施したことに
ついて是正を図る。
<改善内容>
【2月】
 品質保証標準類への反映
• 関連する品質保証標準類を必要に応じ改正し、監査室の活動を監査に限定する
• 検証要領を廃止する。 (検証結果を取り下げる)
【2月】
 臨時の特別監査に向けた仕組みの構築
• 臨時の特別監査にあたる必要な力量をもつ人材を全社大で確保する仕組みを
構築する。
<期待される効果>
監査室の活動を監査に限定するとともに、監査に必要な人材を確保する仕組みが
構築できる。
26
5.今回の事案の背景にある要因に対する取組み
【監査室】
27
5-1.監査室の役割、責任および権限の徹底
<目的>
監査室の役割、責任および権限を再度自覚し徹底する。
<改善内容>
 責任と権限の再確認
【2月再確認】
• 品質保証標準類で規定されている監査室の責任と権限について、要求事項を整理し確
認する。
 監査室員の心得(仮称)
【3月教育実施】
• 上記の確認結果を踏まえて、監査室の役割を明確にするとともに「監査室員の心得(仮
称)」を策定し、監査室員に再確認させるための教育を行う。
 業務目標の再設定
【4月再設定】
• 業務目標に監査室員一人ひとりの役割および責任を明確に再設定する。
<期待される効果>
監査室の役割、責任および権限、並びに監査室員一人ひとりの役割および責任が明確になり
徹底されることで、適切な業務プロセスの遂行ができる。
28
5-2.監査室員における力量向上
<目的>
品質管理マネジメントシステムの本質を正しく理解し、監査に必要な力量を確保するとともに、力
量向上を継続的に図っていく。
<改善内容>
【3月計画策定/研修開始(継続)】
 品質マネジメントシステムの理解促進/改善力の向上
• 監査は客観的な事実に基づく行為であるという品質マネジメントシステムの基礎を再教
育する。
• 全監査室員に「ISO9000審査員コース」の研修を計画し、継続的に実践していく。
 監査に必要な力量の向上等
• 内部監査に品質マネジメントシステムの専門家が現地指導を行う。
• 監査室の役割を明確化した上で、必要な社内人材を確保する。
【3月研修実施】
【4月】
<期待される効果>
研修に基づく知識、実践に基づくノウハウの両面から監査室員の力量向上を図ることにより、
監査の質の向上を図ることができる。
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6.会社全体で実施する継続的な改善活動
 今回の事象を踏まえ、今一度組織として業務を実施するうえでのコミュニケー
ションの重要性を認識したことから、今回の事案の発端である安全・品質本部
や監査室は元より、会社全体で日頃から良好なコミュニケーションが図られ、風
通しよく、やりがいのある職場風土を醸成していくための取り組みを実施する。
 今回の事案を踏まえ、水平展開として品質保証に係る業務に関係する要員に
対して品質マネジメントに係る教育を実施する。
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6-1.安全・品質本部、監査室における継続的な改善活動
 職場風土改善の理解と実践のための社外講習の受講(本部長・室長)
• 組織トップである本部長および室長が職場風土改善を自ら推進していくために、
職場風土改善の理解と実践に役立つ社外専門家による研修を受講する。
 対話活動の促進
• 社外専門家による本部員、室員を対象としたコミュニケーション研修を実施する。
• 部単位またはグループ単位で品質目標を見える化(共有)し、担当者と幹部との
間で進捗等の確認、議論を行うことで、担当者が感じている問題点等を共有し、
組織としての解決に繋げるとともに、コミュニケーションを活性化させる。
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6-2.会社全体における継続的な改善活動
 職場の業務課題と風土課題を見える化する仕組みの導入
•
•
部下が自らの仕事の意味・目的・価値を理解し、確固たる軸をもって上司に進言できる
よう、個々人の業務目標の取り組み状況を組織内で共有し、話し合う。
全社員を対象とした風土課題に関するアセスメントを実施し、結果を社内に共有するこ
とで、社員が職場風土の現状と課題を認識し、自ら改善しようとする意識を醸成する。
 部下の問題への気づきとそれを伝達する行動を褒める、習慣化させるための研修
•
•
部下の気づきや意見の吸い上げ、それらを慎重に確認するための議論から最終決断
に至るプロセスのあるべき姿を整理するとともに、本件のような管理職のふるまいが大
きな問題につながった社内外の実例を調査する。
これらをもとに研修カリキュラム(ケーススタディ)を作成し、管理職候補者研修、新任
管理職研修のプログラムに加え、教育を行う。
 対話活動の促進
•
役員同士、各部門トップと部下、職場間(事業部・部署混合等)の対話を実施し、職場
における課題等に関して話し合うことで、部署や役職を越えたコミュニケーションを習
慣付ける。
 幹部のコミュニケーション力の多面評価とトレーニング
•
被評価者(幹部)の「明確な指示」、「部下の意見への傾聴姿勢」等のようなコミュニ
ケーション力に係わる日頃の言動等について、上司、部下、同僚が評価を行う。
•
結果を集計・分析し、被評価者の課題を抽出したうえで、フィードバックとトレーニング
を実施する。
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6-3.今回の事案を踏まえた水平展開
<目的>
各事業部の保安活動に関与する組織の管理職(課長以上)および品質保証部門の関係者が
品質マネジメントシステムの本質を正しく理解するため、力量向上を継続的に図っていく。
<改善内容>
 品質マネジメントシステムの理解促進/改善力の向上
• 各事業部の保安活動に関与する組織の管理職(課長以上)および品質保証部門の関係
者など、従来よりも対象範囲を拡大し、「ISO9000審査員コース」の研修を計画し、継続
的に実践していく。
• これに加え、将来の核となる人材を、先進的な電力に派遣し、マネジメントレビュー、監
査、業務計画・管理などを実践的に学ばせる機会を創出する(今後調整) 。
<期待される効果>
研修に基づく知識、実践に基づくノウハウの両面から関係者の力量向上および体制の充実を
図ることにより、品質マネジメントシステムの運用・改善を円滑、かつ効果的に実行することが可
能となる。
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7.まとめ
 本日は、去る2月3日開催の審査会合における規制当局のご意見を踏まえて、主に
今回の事案を発生させた問題と是正措置等との関係、その内容についてご説明させ
て頂きました。
 このたびの報告徴収命令は、当社の品質マネジメントシステムが機能しなかったとい
う重大な問題に対してなされたものであり、経営の最重要課題として、全社をあげて
是正措置等を迅速かつ確実に実行していくとともに、会社全体として実施する継続
的な改善活動も進めていきます。
 まずは、社長自身が、このようなことが起きたことを痛切に反省し、「「安全・品質」の
向上は最大の経営課題」、「たゆまぬPDCA」、「職場風土の改善」のコミットメントを
宣言し、社員の先頭に立って安全・品質の向上に邁進し、再発防止を徹底して行くこ
とを誓います。さらに、安全・品質保証改革委員会等を活用し、指示・命令を行うこと
等で適切にチェックする体制を構築します。また、今回の事案を契機に改めて、品質
方針、行動基準等の遵守についても、社員への醸成を図っていきます。
 本日の説明に対するご意見も踏まえ、去る1月30日に提出した報告書の修正につい
て準備を進めてまいります。
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