チューブトレース®、サーモチューブ® メートル単位

チューブトレース®、サーモチューブ®
およびカスタムCEMS加熱導管(チューブバンドル)
施工要領書
メートル単位
チューブトレース® 加熱導管(チューブバンドル) 施工要領書
この施工要領書はチューブトレース加熱導管(チューブバン
ドル)を施工する時の一般的な施工方法及び注意事項をまと
めたものです。
チューブトレース®加熱導管(チューブバンド
ル)のレイアウト
1. 引き出し・巻き取りを繰り返すとチューブが硬化した
り、導管が損傷したりすることがあるため、引き出す前
に必要な長さと本数を決めてから作業してください。
受け入れ、保管、取り扱いについて
2. 木製リールに巻いたチューブトレースは、リール設置位
置から、一番離れている施工場所まで引き出して下さ
い。施工順序は一番離れている箇所より始め、木製リー
ル側に向かって施工を行なって下さい。MI 金属シース・
ヒートトレースは工場で加工されており、現場で切断す
ることはできません。
1. チューブトレースが運搬途中に損傷を受けていないかを
目視にて確認します。損傷があった場合には、運送会社
に報告してください。
2. チューブトレースの型番、数量が納品書または注文書で
比較し、正しい品物であることを確認して下さい。ダン
ボール箱と木製リールの外側に、型番、長さ、製品内
容、重量、注文番号が記されています。
3. チューブトレースを真っ直ぐに引き出すには、チューブ
トレース終端部を平らな場所に固定し、木製リールまた
は手持ちコイルを転がして下さい。さらに真直ぐにする
場合は、チューブトレースを引っ張り、力を加えて下さ
い。
3. ヒーターケーブルは、ヒーターケーブル母線とヒーター
ケーブルの金属編組との間で少なくとも500 Vdcメガー
で検査し、電気的整合性を確認してください。IEEE 515
では、ポリマー保温ヒーターケーブルのテスト電圧に
2500 Vdcを推奨しています。最小抵抗値は20MΩに設定
してください。(施工検査記録1)
4. 図Aに示すように、木製リールをケーブルジャッキなどに
固定しても構いません。この場合、チューブトレースは
木製リールの下側より引き出される為、直接地面につか
ないようにリール下には必ず養生を行なって下さい。
5.4項で固定した木製リールの正面にカウンターリール(
空リールなど)を置き、チューブトレースを真っ直ぐ
にします(図A参照)。木製リールとカウンターリール
の間隔は、木製リールの直径2.5倍程度を開けて置きま
す。また、木製リールとカウンターリールの中心は、200
~250mmずらして下さい。
メガーの陽極リードを母線に、負極リードを金属編組に接続します。
4. チューブトレースの終端部は、汚れ、湿気などの侵入を
防ぐために工場でテープ巻処理がされています。保護対
策として、使用直前まで終端部のテープは外さないで下
さい。切断された終端部は、プラスチックフィルムとテ
ープで一時的に封止することができます。
図A:チューブの繰り引き出し出し
2.5 x 直径D
5. 製品の段ボール箱および木製リールは、屋内に保管し、
高温多湿な場所は避けて下さい。屋内に保管場所がな
く、やむを得ず屋外に保管する場合は、必ず雨風を避け
られるように養生して下さい。製品はパレットなどに載
せ、直接地面に触れることがないようして下さい。
直径D
6. 木製リールで納品の場合、終端部は木製リール側面に留
めて出荷をしています。リールから外す際に巻き戻りを
起こす場合があります。充分注意して下さい。
200~250mm
施工チェックリスト
• チューブバンドル上のマーキングを使用し、施工前にプ
ローブと分析機器の付いた終端部を確認しておきます。
• MI 金属シース・ヒートトレースは工場で加工されており、
現場で切断することはできません。
• 真っ直ぐに引き出すには、カウンターリールを使用します。
• 曲げ半径を大きく取り、一定の曲げ半径を保ってください。
• 必要に応じて復水用の勾配を設けてください。
• 推奨される中心を保ってください。
• 導管は別々に固定してください。
• 支持材のクランプを締めすぎないようにしてください。
• 指定された最小許容曲げ半径を守ってください。
• ヒートトレースとセンサーの間隔を保ってください。
• 指定のキットで接合部をシール処理してください。
• すべての接続がしっかりと密閉されていることを確認し
てください。
•RTVシーラントを使用し、露出しているすべての終端部
にシール処理をしてください。
ケーブル
ジャッキ
チューブトレース
木製リール
1
カウンターリール
チューブトレース® 加熱導管(チューブバンドル) 施工要領書
取り付けについて
水平配管
1.チューブトレース加熱導管(チューブバンドル)は、ケ
ーブルトレイで施工するか、別々のチャンネル支持材を
使用して施工してください。
垂直配管
1.チューブトレース加熱導管(チューブバンドル)は、ケ
ーブルトレイで施工するか、別々のチャンネル支持材を
使用して施工してください。
2.水平部分は、1.5~1.8mごとにクランプやケーブルタイを
使ってチューブバンドルを固定してください。チューブ
バンドルを固定する際、導管の外装が変形しないように
してください。
2.垂直部分は、3~4.5mごとにクランプやケーブルタイを使
ってチューブバンドルを固定してください。チューブバ
ンドルを固定する際、導管の外装が変形しないようにし
てください。
3.チューブバンドルの膨張や縮小に備え、配管ではトレイ
にスネーキング効果を含むようにしてください。チュー
ブバンドル30mごとに300mmのたるみを持たせてくださ
い。
3.チューブバンドルの膨張や縮小に備え、30mごとにトレ
イに膨張ループを含むようにしてください。チューブバ
ンドル30mごとに300mmのたるみを持たせてください。
4.垂直配管をスタック周辺でオフセットする場合、十分なチ
ューブバンドルをスタックまで引き上げてオフセットを確
保し、導管をスタック周辺に配管する前に垂直部分に固定
します。導管の内部部品を損傷しないよう十分に注意して
ください。垂直配管での導管の引っ張り張力を低減するに
は、Kellemsグリップをいくつか設置してください。
4.ケーブルトレイでチューブバンドルを重ねないでくださ
い。導管が踏まれないよう、人が通る場所ではケーブル
トレイカバーを使用してください。
5.チューブトレース加熱導管(チューブバンドル)は、分
析機器に向かって6メートルあたり最小25mmの傾斜を維
持する必要があります。
* KellemsはHubbell Killarkの商標です。
図B:一般的なチューブバンドルの施工
プラスチック製
ケーブルタイ(標準)
ケーブルトレイ
(標準)
チャンネル支柱
(標準)
固定用クランプ
鉄製
アングル支持材
プラスチック製
ケーブルタイまたは
ステンレスバンド
図C:標準施工
最小13mm
標準
ケーブルトレイ
2
チューブトレース® 加熱導管(チューブバンドル) 施工要領書
曲げ加工について
チューブトレース曲げ加工の際は、施工後に接続金具が歪ま
ないように、また、チューブトレース断面が、平板化、よじ
れ、皺が寄らないようにして下さい。各種サーモンチューブ
バンドルの最小許容曲げ半径については、表1を参照してく
ださい。可能ならば、適切なサイズの導管曲げ具や機械式チ
ュービング曲げ具を使用して一定の曲げ半径となるようにし
て下さい。254mmを超える曲げ半径については、下図のと
おり、木製リールまたはスプールを使用してください。
チューブトレース加熱導管の断面は、平板化、
よじれや皺が発生しないようにしてください。
OK
加熱導管
(チューブバンドル)
機械式チューブ
ベンダー
木製リール
またはスプール
表1:曲げ半径
チューブ
外径
mm
33
最小
曲げ半径
mm
電気加熱チューブトレース
重量
kg/m
152
.476
36
178
.744
38
178
.893
43
203
1.04
46
228
1.19
48
254
1.34
53
279
1.41
56
305
1.49
58
305
1.64
76
406
2.60
89
508
2.75
79
406
3.13
38
スチームトレース導管
178
.744
41
178
.893
43
178
.893
46
203
1.04
48
228
1.19
51
279
1.34
53
279
1.19
勾配
CEMSの標準施工
3
チューブトレース® 加熱導管(チューブバンドル) 施工要領書
図D:引き出しの詳細
引き出しについて
1.引き出し線は、用途に合ったサイズのKellemsケーブルグ
リップを使ってチューブバンドルに接続してください。導
管を引き出すときに、破損したケーブルグリップを使用し
ないでください。引っ張り張力が22.7kgを超えないように
してください。引っ張り線は最小15mmです。
Uボルト
標準Kellemsダブルアイグリップ
カタログ
直径
破壊強度
プリング
メッシュ
アイ強度
グリップ長
番号
mm
kg
mm
mm
02201005
25.4-31.5
730.28
(11,877)
127
355.6
02201006
31.75-37.85
730.28
(19,972)
127
381
02201007
38.1-44.2
730.28
(19,972)
127
431.8
02201008
44.45-50.55
975.22
152.4
482.6
プルロープ
(22,241)
02201009
50.8-63.25
1478.71
(39,767)
152.4
533.4
022010010
63.5-75.95
1478.71
(39,767)
152.4
584.2
022010011
76.2-88.65
2222.60
(53,379)
203.2
635
02201012
88.9-101.35
2222.60
(53,379)
203.2
685.8
10.67m
Uボルト
2.引き出し作業時の全体的な摩擦を低減するため、チューブ
リールは、ケーブルトレイに合わせてスタックの上部また
は底部に配置します。引っ張り力が止まったときに、終端
部の誰かがリールの回転を止められるようにしてくださ
い。
3.極端な引っ張り張力により、角を曲がったりする際にチュ
ーブが平らになってしまい、ヒートトレースが損傷してし
まう恐れがあります。引き出し作業中もチューブバンドル
の最小許容曲げ半径を守るようにしてください。(表1の
「曲げ半径」参照)
Kellems
グリップ
4.導管を損傷する可能性のある鋭い角を通過させるには、プ
ーリーやローラーを使って角を丸くします。プーリーやロ
ーラーは、多くの電気業者でレンタルできます。
5.Kellemsケーブルグリップは、10.67mごとに導管をスタッ
クに恒久的に固定するために必要です。注:導管の施工に
使用するKellemsケーブルグリップは、導管を支持構造に
恒久的に固定する際にも使用します。
6.恒久的な施工に必要なKellemsグリップの総数を決定した
後、図Dに示すように、必要なグリップを導管にスライド
させます。導管の施工中にKellemsグリップが滑り落ちな
いよう、ダクトテープを使用します。
耐UV
プラスチック製
ケーブルタイ(標準)
7.Kellemsグリップのプリングアイにプルロープを取り付け
ます。グリップの他の部分に、フックやクランプ、その他
固定器具などを取り付けないでください。
8.プルロープをまずKellemsグリップに固定し、追加のグリ
ップのためのラインを残しておきます。詳しくは引き上げ
の詳細図を参照してください。ケーブルグリップ間の間隔
が10.67mを超えないようにしてください。
4
チューブトレース® 加熱導管(チューブバンドル) 施工要領書
図E:一般的な垂直固定
チューブバンドルの固定について
1. 施工とメンテナンスを簡単にするため、なるべくアクセ
スしやすい経路を選んで、複数のチューブトレースの配
管を対称的に走らせます。既存のケーブルトレイ、アン
グル、チャンネル、ストラット、I形鋼をサポートに利用
できるようにルートを決定します。ライン間は76mmの
最小すき間を維持します。導管同士を固定しないでくだ
さい。
アングル支持材、
チャンネルIビーム
(標準)
2. 導管を配置位置まで引いたら、最後の接続を行うために
十分な導管があることを確認します。最上部のKellemsグ
リップを固定して構造をサポートし、また10.67mごとに
Kellemsグリップを設置します。
3. チューブトレースの膨張や縮小に備え、30mごとにトレ
イに膨張ループを含むようにしてください。チューブバ
ンドル30mごとに300mmのたるみを持たせてください。
Kellems
グリップ
4. 水平配管では1.5~1.8 mごとに、垂直配管では3~4.5 m
ごとにチューブトレースを支持構造に固定します。接
続点またはフィッティングの450mm以内と曲げの150
~250mm以内には、支持材を追加してください。
5. ケーブルトレイやチャンネル支持材は、複数パスのチュ
ーブトレースチューブバンドルに最適なサポートを提供
します。耐UVプラスチック製ケーブルタイか、できれば
ステンレス導管クランプを使って導管をケーブルトレイ
に固定します。チャンネル支持材での固定には、ケーブ
ルクランプや標準コンジットストラップを使用します(
クランプのサイズについては表2を参照)。導管を構造に
固定する際は、保温材や外装材が潰れたり変形したりし
ないよう注意してください。
固定用
クランプ(標準)
6. オプションとして、長距離の垂直・水平配管のチューブ
トレースのサポートに鉄製アングル支持材を使用できま
す。鉄製アングル支持材は、チューブO.D.より約12mm
大きいサイズを使用します。アングルは、湿気の蓄積を
避けるため導管の上に取り付けます。耐UVケーブルタイ
またはステンレスバンドを使用して導管をアングルに固
定します。
チャンネル支持材
またはケーブル
トレイ(標準)
耐UVプラスチック
製ケーブルタイ
(標準)
表2:固定用クランプの選び方
チューブ外径
固定用クランプ
25mm
32mm
32mm
38mm
41mm
51mm
67mm
64mm
86mm
76mm
92mm
89mm
7. 電源部処理を行う前に、ヒートトレース母線と金属編組
との間で少なくとも500 Vdcメガーで検査し、ヒートト
レースの電気的整合性を確認してください。IEEE 515
では、ポリマー保温ヒートトレースのテスト電圧に2500
Vdcを推奨しています。最小抵抗値は20MΩに設定してく
ださい。(施工検査記録2) 電源部処理が完了したら、
ヒートトレースの電源を一時的にオンにし、電源を入れ
た状態での試験値を記録します。(施工検査記録3)
チューブトレース
加熱導管
(チューブバンドル)
(標準)
上部のKellemsグリップを
固定して構造をサポートし、
また10.67mごとにKellems
グリップを設置します。
(標準)
5
チューブトレース® チューブバンドル実地試験の手順
1. 保温材や外装材が変形しておらず、導管が支持構造物にしっかりと固定されていることを確認します。
2. チューブトレースを十分に検査し、すべての曲げ加工部分によじれやしわ、扁平が発生していないことを確認します。詳
しくは曲げ加工の手順を参照してください。
3. 出荷中に破損がなかったかどうか導管を目視検査します。電源部処理を行う前に、ヒートトレース母線と金属編組との
間で少なくとも500 Vdcメガーで検査し、チューブバンドルの電気ヒートトレースの電気的整合性を確認してくださ
い。IEEE 515では、ポリマー保温ヒートトレースのテスト電圧に2500 Vdcを、MIに1000 Vdcを推奨しています。最小抵抗
値は20MΩに設定してください。(施工検査記録1)
A. メガーの陽極リードを母線に接続します。
B. メガーの負極リードを金属編組に接続します。
C.メガーに電源を入れ、測定値を記録します。値の許容範囲は
20 MΩ~無限です。測定値が20 MΩ未満の場合、ポリマー
保温ヒートトレースの電気絶縁体が損傷している可能性があ
ります。ヒートトレースの編組と発熱体の間に物理的な損傷
がないか再度確認します。外装材上の小さな切れ目やかすり
傷は、編組と絶縁被覆を貫通しないかぎり、メガーの測定値
に影響しません。
4. 接続前にチューブをきれいにします。接続がすべて完了した
ら、システムで使用する圧力と同等またはそれ以上の圧力をかけるか、できれば適切な静水圧試験を行うことで、回路の
漏洩テストを実施します。蒸気やプロセスの漏洩があれば修復し、再度システムをテストします。
5. 適切なヒートトレース端末部処理キットを使用して、すべてのヒートトレーサーの端末部を適切に処理します。
6. 施工が完了したら、上で概説したとおり、ヒートトレース母線と金属編組との間で少なくとも500 Vdcメガーで検査し、ヒ
ートトレースの電気的整合性を確認してください。IEEE 515では、ポリマー保温ヒートトレースのテスト電圧に2500 Vdc
を、MIに1000 Vdcを推奨しています。最小抵抗値は20MΩに設定してください。(施工検査記録2)
7. 適切なFAK導管アクセサリーキットを使い、導管のすべての開放端に適切な端末部処理を行い、シーリングします。
8. 電源部処理が完了したら、パネルの位置とブレーカー情報を記録します。接続ボックス、温度コントローラー、ケーブル
グランドなどがすべて正しく固定されていることを確認してください。温度コントローラー(該当する場合)を手動設定
にし、ヒートトレース回路に定格電圧を5分間印加します。外気温を記録し、ヒートトレース接続および電流における回路
電圧を測定・記録します。(施工検査記録3)
6
チューブトレース® 加熱導管(チューブバンドル)施工検査記録
(回路ごとに必要な追加コピーを作成してください。)
顧客:
請負業者:
住所:
住所:
電話番号:
プロジェクト参照番号:
電話番号
記録1:施工前
導管モデル番号:
リールの長さ(mで記入):
リール番号:
絶縁抵抗値(m-Ohms):
検査員:
日付:
照査:
日付:
記録2:施工完了後
絶縁抵抗値(m-Ohms):
加熱時の長さ(mで記入):
ヒーター回路番号:
検査員:
日付:
照査:
日付:
* 注:チューブは、チューブバンドルの長さ以上に延長することができます。
記録3:試運転/通電試験値
電気コントロールパネル番号:
ブレーカー番号:
接続時の電圧(Vac):
外気温(°C):
電流値(5分後):
検査員:
日付:
照査:
日付:
サーモン. . .The Heat Tracing Specialists®
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株式会社 サ-モンファ-イ-スト
横浜市神奈川区金港町6-3 TEL 045-461-0373 FAX 045-461-037722
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仕様および情報は予告なしに変更されることがあります。
PN50053J-0114
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