荒川の水位予測について

※国土交通省提供資料
資料5
荒川の水位予測について
平成29年2月13日
国土交通省 関東地方整備局
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
洪水予報に用いる予測水位
■洪水予報では、基準観測所における観測水位と3時間先までの予測水位を用いてい
る。
■予測水位は、気象庁が発表する短時間の降雨予測を基に河川への流出量を算出し、
河道の断面形状や流下速度等による解析から算定している。
降雨 降雨
(実績)
水位
くまがや
熊谷
(予測)
水位
(予測)
(実績)
82.4k
基準観測地点での水位予測
流出量
予測降雨(短時間予報)
降雨 降雨
(実績)
流出量
(予測)
すがま
菅間
ぢすいばし
治水橋
水位
水位
(予測)
(実績)
基準観測所
基準観測地点での水位予測
いわぶちすいもん・かみ
岩淵水門(上)
0.0k
水位予測のイメージ
1
長時間先の水位予測を実施する際の課題①
■長時間先の水位を予測するためには、長時間先の降雨予測が必要。
■流域内の総雨量が同一であっても、雨の降る地域や時間毎の降雨強度(降雨パター
ン)により流出量は大きく異なる。
<流域内の総雨量が同一であっても、降雨パターンにより流出量は大きく異なる(例)>
<計算条件>
昭和7年から平成23年の期間において、岩淵地点上流域で流域平均雨量が130mm/3日となった90洪水を対象に、流域平均雨量が100mmから1000mmとなる様に雨量引き伸ばしを行い、流出量を算出。
2
長時間先の水位予測を実施する際の課題①
■降雨パターンの違いによる各水位流量観測所の流出量の試算事例
(比較的規模の大きな実績洪水の降雨パターンを同じ総雨量に引き延ばして比較)
H11.8洪水の降雨パターンによる流出状況
● その他流域
熊荒川
谷
寄居
●
寄居上流域
(荒川上流域)
H19.9洪水の降雨パターンによる流出状況
● その他流域
熊荒川
谷
寄居
●
寄居上流域
(荒川上流域)
都幾川
都幾川
越辺川
越辺川
●
菅
間
小畔川
高麗川
● 治水橋
入間川
笹目橋 ●
笹目橋 ●
■
岩
淵
菅間上流域
(入間川流域)
降雨量(空間分布)
0
10
200
20
300
40
400
50
500
累加雨量:約630mm
降雨量(時間分布)
70
雨量(mm/hr)
30
100
0
寄居上流域(荒川上流域)平均
菅間上流域(入間川流域)平均
流域平均累加雨量
30
40
60
700
70
200
300
400
50
600
100
500
累加雨量:約630mm
降雨量(時間分布)
累加雨量(㎜)
20
0
累加雨量(㎜)
寄居上流域(荒川上流域)平均
菅間上流域(入間川流域)平均
流域平均累加雨量
10
雨量(mm/hr)
■
岩
淵
降雨量(空間分布)
0
600
700
16,000
16,000
熊谷
14,000
岩淵地点 約10,000m3/s
10,000
14,000
菅間
治水橋
8,000
岩淵
6,000
熊谷
岩淵地点 約11,600m3/s
12,000
流量(m3 /sec)
12,000
流量(m3 /sec)
● 治水橋
入間川
菅間上流域
(入間川流域)
60
●
菅
間
小畔川
高麗川
菅間
10,000
8,000
治水橋
6,000
岩淵
4,000
4,000
主要地点の流量ハイドログラフ
2,000
主要地点の流量ハイドログラフ
2,000
0
0
0
6
12
18
24
30
36
42
48
54
60
時間(hr)
66
72
計算条件
【外力】 想定最大規模降雨(年超過確率1/1,000雨量(流域平均631.8mm/3日))
【解析方法】 貯留関数法による流出解析、および直轄管理区間を一次元不定流計算
により解析
【河道・施設】 現況の河道および洪水調節施設により解析
78
84
90
96
102
108
114
0
6
12
18
24
30
36
42
48
54
60
時間(hr)
66
72
78
84
90
96
102
108
114
流域平均雨量は同じでも岩淵地点の流量が大きく異なる
3
長時間先の水位予測を実施する際の課題②
 荒川では、洪水予報の水位予測として、過去の実績洪水における上下流の水位関係
と洪水到達時間を基に、上流地点の水位から岩淵水門(上)地点の水位を予測する
手法(水位相関)も併用している。
 上流地点からの洪水到達時間より、岩淵水門(上)地点では、概ね11時間先まで
の予測となる。
 荒川では昭和22年以降大規模な洪水が発生していないため、高い水位での水位相
関は分からない。
実績洪水の水位関係からの予測
熊谷 ▲
上流側水位観測所
ハイドログラフ
8~15時間程度で到達
9時間遅れ
菅間
下流側水位観測所
ハイドログラフ
▲
▲
5~8時間程度で到達
水位
7時間遅れ
治水橋
3~4時間程度で到達
4時間遅れ
上流側の水位の実績から、
下流側の水位変動を予測
岩淵水門(上)
▲
※洪水到達時間は、近年の主な洪水の実績をもとに記載。
※洪水の規模や降雨形態等により大きく異なる。
洪水到達時間
時刻
水位の相関イメージ
4
長時間先の洪水予測手法(案)
災害発生
24時間前
3時間前
高
予測精度
低
予測雨量から危険度を推測
水位予測
<流出計算>
降雨 降雨
(実績)
3日雨量既往最大 約490mm
(明治43年洪水)
<水位相関>
水位
(予測)
水位
(予測)
(実績)
(例)
過去最大の降雨を超える
降雨に達する予測
情報提供
※
※情報提供のタイミングについては、今後検討が必要
5