ビジネスホワイトペーパー

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スマートシティの実現
スマート街路照明についての考察
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街路灯は管理コストがかかり、多くの電力を消費します。
今こそよりスマートな照明システムに移行する好機です。
目次
2 スマート街路灯への移行
3 スマートなユニットの組み込み
3 照明だけにとどまらないメリット
4 詳細情報について
エネルギーコストが上昇を続け、環境保護や法規制の観点から省エネの必要性が高まるなかで、
多くの地方自治体や政府機関が街路灯の運用および設備の改善に取り組んでいます。街路灯は地
方自治体にとって重要なサービスであり、市民の安全と安心に欠かせませんが、運営主体におけ
るエネルギー消費量の 40% を占め、多大な管理コストも必要です。
従来の高圧ナトリウム (HPS: High Pressure Sodium) ランプおよび関連設備は効率的とは言えず、
その多くが最大輝度で 1 日最大 12 時間点灯しています。周辺光センサーを使用して個々の街路灯
のオン / オフを切り替えている場合であっても、このサービスの提供には多額の電力コストがか
かります。さらに個々の街路灯に消費電力を監視 / 記録する機能が搭載されていないため、多く
の運営主体が実際の電力消費量ではなく、少数のメーター付き街路灯の消費電力をベースに街路
灯の総数を乗算する方法で電力料金を支払っています。
街路灯の故障は、公共サービスにとって重大な過失であり、市民の安全に影響を及ぼします。一
般的に HPS を使用する街路灯は寿命が約 5 年と短く、HPS ランプ全体の約 20% を毎年交換して
いる運営主体も少なくありません。こうした状況下では維持管理コストの予測も困難です。
スマート街路灯への移行
多くの運営主体がこうした課題の解決に向けて、「スマート街路灯」と呼ばれるインテリジェント
な屋外照明システムへの移行を進めています。スマート街路灯のインフラストラクチャには、ゲー
トウェイを介したインターネットプロトコル (IP) 接続が含まれており、個々の街路灯と対話して
リモートで管理できます。この照明システムは、周囲の明るさや交通量などの環境条件を監視す
ることにより、個々の街路灯レベルで消費電力を最適化でき、たとえば早朝の時間帯で車や人の
往来がない場合には照明を落とすといったことも可能です。監視機能は予防保全と修理にも役立
ち、故障の減少や運営費(保守コストなど)の削減につながります。実際にロサンゼルス 1 やオ
スロ 2 などの都市では、よりスマートな照明システムへの移行により電力コストを 60% 以上削減
することに成功しています。
Street lighting
plant
Street lighting
application(s)
HPE Universal
IoT Platform
Street lighting
plant
Power line
Street lighting
gateway
Wireless
(LTE, LORA...)
Street lighting
gateway
IP connectivity
図 1. スマート街路灯システムの例
c40.org/blog_posts/london-and-losangeles-share-knowledge-on-outdoorlighting-retrofit
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kemptechnologies.com/white-papers/
designing-application-centric-network19-trillion-internet-things-economy/
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スマートなユニットの組み込み
スマート街路灯は、新しいスマートな(接続された)照明機器と電源装置(安定器)を必要とし
ますが、実際のランプは HPS ベースか LED ベースかで大きく異なります。
管理された新たな環境下で従来の HPS ランプを使用する場合は、既存のランプの大多数を再利用
できるため、新たな設備の実装に必要な投資が抑制されます。より効率的な新しい電源装置を使
用し、ランプを管理し、使用を最適化することで、運営主体は大きなコスト節減効果を得られます。
また新しい照明機器やランプは、従来の設備よりも効果的な照明を提供できます。なお HPS ラン
プが消灯までに約 1 分を要するのに対して、LED ランプはリアルタイムで消灯します。既存のイン
フラストラクチャを再利用するアップグレードの場合、得られるメリットと比較的低い導入コス
トを考えると、通常 2 ∼ 3 年での投資回収が可能です。
エネルギー効率に優れた新しい LED ベースの街路灯は、消費電力の大幅な削減を可能にします。
製品寿命も最大 20 年と長く、運用コストを削減できるため、多くの運営主体が LED ランプを積
極的に導入しています。その一方で LED ランプを導入するためには、新しい電源装置、照明機器、
ポール、ランプなどに多額の投資が必要です。たとえば現在販売されている LED ランプの多くは、
HPS ランプよりも照射範囲が狭いため、街路灯をより短い間隔で設置しなければなりません。そ
のため長期的に捉えると、前述の HPS ランプを使用する方法と同等あるいはそれ以上のコスト削
減効果が期待される一方で、投資回収には(状況に応じて)4 ∼ 7 年と比較的長期間を要します。
ただし LED ランプ市場が成熟するにつれて、この投資回収期間は短縮されていくと思われます。
HPE Universal IoT Platform 上で既存のスマート照明アプリケーションを使用すると、HPS ラン
プと LED ランプの両方を管理することが可能です。そのためお客様は HPS ランプと LED ランプ
を組み合わせて実装し、必要な箇所でのみ高速消灯を実現できます。
照明だけにとどまらないメリット
街路灯に搭載した IP 接続機能を活用すると、運営主体によるさまざまな新しいスマートサービス
の提供も可能になります。以下にその例を紹介します。
• 街路灯を Wi-Fi またはスモールセルネットワークのアクセスポイントとして使用することで、一般市民
や職員にインターネットアクセスを提供する
• センサーを利用して交通や駐車を管理する(信号機の制御、スマートパーキングサービスの提供など)
• ホームオートメーションサービスやスマートメーター接続のためのアクセスポイントやコン
セントレーターを提供する
• SEP GW
• WMBUS GW
• PLC (grid)
Connected
home/building
appliances
Home energy
management
Metering aaS
HPE Universal IoT Platform
スマートシティサービスへの接続性の提供
図2. 街路灯の管理、
Street lamp
Street lighting
management
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詳細情報について
使用するランプの種類にかかわらず、インテリジェントな屋外照明システム(スマート街路灯)は、
消費電力やコストの削減だけにとどまらず、一般市民や職員への多様なサービスの提供を可能に
します。今こそ新たな照明システムに移行する好機です。
詳細はこちら
www.hpe.com/jp/IoTPF
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り、省略に対しては責任を負いかねますのでご了承ください。
4AA5-8654JPN、2016年4月、Rev. 2