Page 1 564 新潟医学会雑誌 第126巻 【方法】 進行・再発胃がんと診断

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第1
2
6巻
新潟 医学会雑 誌
第 1
0号
平成 2
4年 (
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01
2)l
o員
E
方法】進行 ・再発 胃がん と診断 された 2
6例 に
楽聖 の濃癌性大 腸炎 に強 い腎病 変 を伴 って いた
対 して,2
0
1
1年 4月か ら 2
0
1
2年 1月の間に HER2
ため,精査加療 目的に当院 に転院 され た.入 院時
について組織学的陽性率 を確認 し,治療内容 と経
には軟便が 五日 1-2回程度で下血,噛畦 は認め
なか った.両下腿 に著 明 な浮腫 を認 めた∴ F部内
過 を検討 した.
【
結果 】2
6例 中 HER2免疫染色陽性 は 6例であり
1
.
4%で あった.HER営
全例男性,HER2陽性率 は 2
視鏡所 見で は軽度活動性 の潰癌性 大腸炎の像 で
あったが,上 部内視鏡所 見で は,前庭部か ら体下
S餌及ma
b併用
部を中心 に膿性粘液の付着 を認め,酒場性大腸炎
0代,男性.胃全摘術 多
療法 を行 った.患 者 1;7
の腎病変の可能性が高 い と判断 した.内視鏡像お
発肺転移 再発に対 して ,Sl治療 を行 なって いた.
よび低蛋 白血症 はプ レ ドニ ゾ ロ ンな内服 に よ り
PD とな った後 ⅩP ・t
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b併用療法 を導 入
次第 に改 善 した.潰癌性 大腸炎の上部消化管病変
した.開始 6ケ月後で CR を継続 中で ある.患者
は殆 どが全大腸型や大腸摘 出後の症例 に合併 し,
3 ;60代 ,男性,横隔 膜 浸潤,大動脈周囲 リンパ
病変 の頻度 は全太陽型 の 8- 1
2% と報告 されて
節 転移 を有 す る腎がん に対 して施 行 中で あった
い る.上部消化管病変 は十 二指腸病変が主体であ
免疫 染色 3+の 3症例 に対 して,ぬ
SP治療後 に導 入 した分割 DCS療法 に t
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るが,本症例 は腎病変 が重症の症例 で,胃 か らの
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bを併 用 した.do
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も
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ngと判定 され治癒 切
蛋 白漏 出 も伴 ってお り,柿 なケ- スと考 え られた
除が可能 となった.
ため報告 した.
【
考察】当院の検討において も,HER2陽性症例
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b併用療法は有用であった.Tr
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mabの 併 用 治 療 と して は,現 在 eapeci
CDDP療 法 が推 奨 され て い る.Ⅰ
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ne以降 に
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bを継続 して併川す るか,NA(
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卜
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b有効例 に対 して術 後 に再度使 用す るべ きか
は,今後の検討課題である.
1
4 治療 に難渋 した術後仮性動脈癌破裂の 2例
太田
宏倍 ・岩 永
渡辺
直純 *・林
明入 ・加納
陽 介*
達彦 *・村 山
裕一 *
厚生 連村上総合病 院消 化器内科
同
外科 *
【
結語】 腎がんの初 回化学療法導 入時 には必ず
HER2発現 を検 討 し,治療戦略 を考 えることが重
術後仮 性 動 脈 痛 破 裂 に対す る止血法 の第 一選
択 は経 カテ-テル動脈 塞栓術
要である.
(
TA
R)である.令
回止血に薙渋 した 2例 を経験 した.
1例 日は胃癌症例 で,腎全摘 術 ・氏-Y吻合術
1
:
i 特 異 な上部 消化 管病 変 を合併 した潰癌性 大
施 行後 6日目に ドレ- ンよ り出血 が あ り開腹止
也.術後 52日目消 化管 出血 が あ り再度 開腹.輸
腸 炎の 1例
厩牧
僚 書横 山
純 '
/ 今井
径串
木野
冊 - 山本
軒 ・ 卜付
踊也
河内
裕 介 *・本 田
塩路
和彦 *・小林
穣 *・橋 本
入脚 を内視鏡 で観察 したが出血部位 は不 明で あ
った 翌 日血管造影 を施行 した ところ右 腎動脈断
端 に仮性動脈痛 に冠動 脈 か らの流 入血管 があ り,
哲*
正 明 *・成潤林 太鄭 *
新潟 大学大学院医歯学総合研究 科
消 化器 内科学 分野
新潟 大学 医歯学総合病院
光学医療診療 部 *
症例 は 2
1歳代,男性.唯吐,下痢 ,下血 にて他
院入院 中で あったが,上下部 内視鏡検査で全太陽
塞栓.
止血 され退院 となった.
2例 日は残 胃癌で 胃全摘術 ,氏-Y吻 合術施札
術後 7日目に出血.血管造影で 中結腸動脈仮性動
脈痛 があ り,塞栓 し止血 した.