ベトナムへの経済ミッションの派遣 平成 29 年 1 月 三重県雇用経済部

ベトナムへの経済ミッションの派遣
平成 29 年 1 月
三重県雇用経済部
三重県では「みえ国際展開に関する基本方針」に基づき、本県の食の販路拡大、観光誘客、産業等
に関するトップセールスを行うとともに、現地企業や政府機関などを訪問し、県内企業のベトナム展開
における現地ネットワークの強化を図るため、平成28年11月に鈴木英敬知事をはじめとする経済交
流ミッション団をベトナムに派遣しました。
(1)ベトナム首相府訪問
昨年(平成 28 年)5 月の伊勢志摩サミットの際に来県され、鈴木知事と面談されたグエン・スアン・
フック首相を、竹上真人松阪市長及び梅田邦夫在ベトナム日本国大使とともに表敬訪問し、改めて
伊勢志摩サミットでの来県への謝意を述べるとともに、貿易、投資、観光、人材研修、環境問題対策
等様々な分野における三重県とベトナム政府との今後の協力に向けた意見交換を行いました。
鈴木知事からは、「県内企業の今後の有望な海外展開先としてベトナムが最も期待が高い状況や、
大気や水質、土壌の汚染など経済活動に伴う公害の問題を克服してきた三重の経験を新興国に普
及している公益財団法人国際環境技術移転センター(ICETT)の取組などを通じてベトナムの今後に
生かせるのではないか。」といった旨の提案を行いました。
これに対して、フック首相は、「(三重県の強みでもある)ものづくりの分野での投資への期待は非
常に大きく、四日市市とハイフォン市で行われているような地方間の連携への後押しを進めていくと
ともに、経済活動しやすい環境整備などに力を入れていきたい。また、技能実習生の受入などの人
材育成への期待している。伊勢志摩サミット時に訪れた伊勢神宮など豊富な観光資源のある三重県
とともに日本とベトナムとの交流人口の増加へ向けた取組に対する協力を惜しまない。」といったこと
などを語られました。
また、竹上市長は、「ホイアン市との観光連携協定を、次第にビジネス交流などにつなげていきた
い。具体的には、ベトナム人観光客が今後、松阪牛を買いやすくなるような取組ができないか。」とい
った提案を行いました。
梅田大使からも松阪牛の知名度の高さや美味しさをフォローいただくとともに、「三重県の環境保
全への取組はベトナムでも十分適用できるものなので、活用を検討いただきたい。」ということなどが
述べられました。
フック首相と意見交換を行う鈴木知事
首相府内での三重県訪問団とベトナム政府との集合写真
(左から2番目)
(鈴木知事(前列左から 2 番目)、フック首相(同 3 番目)、
竹上市長(同 4 番目))
グローカル通信第96号
(2)FPT コーポレーション訪問
ベトナム最大の ICT(情報通信技術)企業である FPT コーポレーションを訪問し、ICT 関係の人材交
流や、レンタルオフィスなどの設置、社員旅行(インセンティブ旅行)や幹部会合の三重県での開催の
依頼と、それに向けた観光資源や食など本県の魅力について PR を行いました。
鈴木知事が、中小企業への ICT 人材の派遣などの交流、三重でのレンタルオフィスなどによる営業
拠点の設置、三重での社員旅行・幹部会合につい
て提案しましたところ、ブイ・クアン・ゴック副会長兼
社長からは、「人材交流については、すぐに名古屋
の担当者を三重県に訪問させる。三重での社員旅
行・幹部会合については、是非候補として考えた
い。」等の回答がありました。
辻製油株式会社(松阪市)の辻保彦会長からは、
ICT を活用したトマト栽培の取組などが紹介され、
ICT の技術者が企業には必要であり、共同ででき
る事業可能性を探ることなどが話されました。
FPT コーポレーションのゴック副会長兼社長(左端)から
説明を受ける鈴木知事(右端)とミッション団
(3)ベトナム旅行業協会(VISTA)訪問
近年増加している訪日ベトナム人のさらなる増加に向けて、200 を超える旅行会社及びツアー会社か
ら成るベトナム旅行業協会を訪問し、サミット開催地・三重の魅力を PR するとともに、本県の観光資源
や食についてトップセールスを行い、新たな旅行商品の造成に向けた関係強化を図りました。
鈴木知事は、「三重にはベトナム人に人気のある桜については忍者でも有名な伊賀、紅葉について
は御在所、買い物には日本一店舗数の多い三井アウトレット長島といった観光資源がある。」ことを説
明し、「観光についてベトナムからの訪日者数を決め、そのために協会に所属する旅行代理店らに三
重の魅力を周知する。」などを提案しました。
ヴー・ター・ビン会長からは、「ぜひ春にも三重を訪問し、魅力を自分でも確かめたい。」との回答があ
るとともに、「近年、訪日観光客数が毎年 1.5 倍のペースで増加しており、旅行代理店からは東京・大阪
のようなゴールデンルート以外にもどこで何が買
えるか、食べられるか、体験できるか、そこにはど
う行くかといった情報が求められている。」というよ
うなアドバイスがありました。
ミッション団からも三重の食や観光の魅力を紹
介し、例えば三重交通グループホールディングス
株式会社(津市)からは、「三重は高速道路網が
発展しており、目的地にバスでスムーズに到着で
きる。近年人気のある体験型観光として忍者の手
裏剣投げ体験や寿司作り体験など、充実してい
る。」ことを説明しました。
ベトナム旅行業協会ビン会長と意見交換する鈴木知事
(左から2番目)
グローカル通信第96号