3 花 項 き 目 作 業 内 容 (今月の作業のポイント) ○デルフィニウムの栽培管理 ○シクラメンの育苗管理 ○7~8月出荷用トルコギキョウの育苗 (1)デルフィ 2月の生育ステージは、 ‘さくらひめ’では二番花の花茎伸長 ニ ウ ム の 栽 ~出蕾期(採花予定は4月上旬~)になるため、品種、ステー 培管理 ジ毎に以下の栽培管理に注意する。 ア 水、施肥管理 かん水は、土壌を乾かさないように定期的に行い、花茎の 伸長を促す。 3~4週毎に有機配合肥料(チッ素成分5~6kg/10a) を施用し、肥切れを起こさないように注意する。 イ 温度管理、葉かぎ 花茎伸長期に当た るため、日中の換気温 度は 20~25℃に設定 し、夜温 10℃を確保 する。 適宜下葉を除去し、 ハウス内の通気性を 改善して灰色かび病等 写真1 葉かぎをした株元の状態 の発生を予防する。なお、葉かぎの程度は、最終的に地際部 から 10 ㎝の高さを目安として実施する。 ウ 電照管理 電照方法は日長延長とし、蛍光灯で 17:00~21:00 を目安 とする。電照終了は、2月下旬とする。 (2)シクラメ 12 月にセルトレイに播種した中鉢(5号鉢)生産用のシクラ ン の 育 苗 管 メンは、70 日後の2月には本葉の展開を開始する(写真2)。 施肥管理は、チッ素:リン酸:カリ比で2:1:2に調整し 理 た液肥を、チッ素成分で 50mg/L(50ppm)程度の濃度に薄め、1 週間に1回程度施用する。幼苗期に濃度の高い液肥を施用する と、本葉の展開が速く葉色も濃くなるが、その後の生育が阻害 され奇形葉の発生が多くなるので注意する。 項 目 作 業 内 容 温度管理は、夜温を 15℃程度とし、昼温は 25℃で換気する。 また、ミニシクラメ ンの生産では、2月上 旬が播種適期となるた め、5号鉢生産と同様 の播種・育苗管理を行 う(12 月の作業管理を 参照)。 (3)7~8月 ア 出荷用トル 写真2 本葉の展開を開始したセル苗 播種用土の準備 播種用土は保水性、排水性の良い無病な市販の専用用土を コギキョウ 利用する。育苗専用の緩効性肥料(マイクロロングトータル) の育苗 を用土1L 当たり5g混合しておくと育苗中の液肥管理の省 力化が図られる。 イ 播種及び播種後の管理 播種は、288 穴のセルトレイに市販のコーティング種子を 1~2粒ずつ落とす。トルコギキョウは好光性種子で発芽に は光が必要なため覆土はせず、播種後はできるだけ早く噴霧 器を用いて種子のコーティングが割れるまで吸水させる。吸 水させたコーティング種子を再度乾燥させると割れにくくな り、発芽不良の原因となるので注意する。 発芽適温は 25℃前後と高温で、無加温施設内では温度不足 による発芽遅延や発芽の不ぞろいが問題となるため、ビニル トンネルの被覆や電熱温床線を設置し、発芽まで適温を確保 する。なお、発芽後は 20℃前後で管理する。 かん水方法は、播種後から本葉展開時までは用土の表面を 乾かさないように管理し、この時期までは植物体が小さいの で噴霧かん水とする。その後は通常のかん水方法で、表面が 乾き気味になると行う。また育苗後半には肥料切れを起こす 場合があるので、葉色を見て薄めの液肥を施用する。なお、 降雨日が多く日照量が少なくなると軟弱な生育となり苗立枯 病等の発生を助長するため、ハウスの換気や水管理に注意す る。 (作成 農林水産研究所)
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