▼ 日本の国民一人ひとりが、自 らの「からだ」の「しくみ」 を生かすことで、日本を再生 する この「しくみ」が、生きものの「はたらき」 の基本です。この「取り入れ・排泄」の「は たらき」をよりスムーズにするために進化し た結果がわれわれの「からだ」です。 【Ⅲ「からだ」 の「しくみ」がス ムーズに 「はたらく」 時には、「上 腹部の柔軟度」がやわらかい】 し て く れ て い る の で す。 うんちの処理も非常 のち」をつなぐシステムをどう生かすかが、 とって便所に流し、大きなよごれを手洗いし、 そのため、「からだの」 「しくみ」がめざす「い 再度洗濯機で洗い、干す。天気の悪い日がつ 近代医学は素晴らしい成果をあげてきまし た。 ここでもうひとつ提案させていただきま す。 【Ⅶ「生きもの」としてのヒト に楽になってきています。 濡れたテイッシュペイパーで拭いてあげる =「 生 ま れ・ 生 き ぬ き・ 老 化 とお尻も痛まずきれいにとれます。それをお し・死にゆく」ことで「いのち」 しめの中に入れて、くるみ、おしめについて をつなぐ存在としての人間と いるテープで止めてやると、臭いもなくきれ 創意工夫(知恵・哲学・宗教・ いにごみばこにポイです。なんとありがたい。 思想・技術・科学・医学など) との関係について】 わたしたちの頃には、約 年以上前では 紙おしめはあっても皮膚にはなじまないもの 年草の草花も人間も同じです。起源を同じく 現在の日本人のみならず人類に問われている でした。そのため、わたしたち夫婦は綿のお する1年草の草花も人間も、多細胞生物とし し め を 使 っ て い ま し た。 ウ ン チ を き れ い に ての定めである「生まれ・生きぬき・老化し・ 落としていました。しかし、現在では、詰ま それは間違いのない事実です。 づけば家の中はおむつだらけでした。 例えば、今までは、冠状動脈がつまり心筋 6年間で4人の子宝に恵まれましたので、 3人がおしめをしていたときもあったから余 梗塞状態になれば、多くの方は「いのち」を 計です。 創意工夫(知恵・哲学・宗教・思想・技術・ だっただろうなと考えてしまいます。先人の に 先 人 は ど う 生 活 し て い た の だ ろ う、 大 変 そんな時代の寒い季節に雨の日が続いたとき くてすむようになりました。 うにする技術が開発され、心筋梗塞にならな しかし、もののない戦前・戦後は、江戸時 りそうになった冠状動脈にカテーテルやステ 代は、平安時代以前はどうだったんだろう、 ントを挿入し、血管を広げ、血液が流れるよ 人類の創意工夫(知恵・哲学・宗教・思想・ 技術・科学・医学など)によってなんと現代 一人ひとりの人間は、すべての生きものと 同じく、ヒトという「種」の「いのち」をつ 「健康体の特徴」(表1)の大事な要素が「上 【Ⅴわたしたち一人ひとりがヒ 腹部の柔軟度」がやわらかいことなのです。 トの「いのち」をつなぐ鎖の そして「健康体」と慢性疾患には、明確な相 環であると感受するところに、 関関係 (図4) のあることが分かってきました。 安心とやすらぎが生まれる】 また、「上腹部の柔軟度」がやわらかい時 に は、「 呼 吸・ 循 環・ 人 体 力 学・ 自 律 神 経・ た。最初は体裁をかまっていましたが、そん な贅沢はいっておれません。見えること自体 味)では限度があります。 番外回りの病気を各科で部分的に対応する意 特に高齢者に対しては、結果としての病気 に部分的に関与してゆくことのみ(図4の一 てくることもよくあります。 わけではありませんので再度救急車で運ばれ なったとしても「からだ」全体を作り変える すばらしいことです。 しかし、このようなこともよくよく考えて みると、そのような劇的な効果があってもい 内臓全般の動き」がととのっていること(表 なぐ一つひとつの鎖の環(わ)という部分で 我が家では4番目の孫が生まれました。 また、わたしも例にもれず老眼となり、近 赤ちゃんのときからの「取り入れ・排泄」 くのものが見えなくなりました。しかし、老 の現象をより注意深く観ていこうとおもって 眼 鏡 を か け る と よ く 見 え る よ う に な り ま し つまでも続くことではありません。一時よく ワン」です。チームの力を結集するには、 あり、その鎖の環の一部分であるわたしたち います。 科学・医学など)のおかげに感謝する以外言 「一人ひとりがみんなのために、みんなが一 2)も明らかになってきました。 が、大きな「いのち」のつながりに通じてい 葉もありません。ありがたい。 人ひとりのために」という心構えが必要だと その状態がオギャーと生まれてからお迎えが るのです。そこにわたしたちは大きな安心と 兆 とでしょうか。 いう意味です。 来るまで保たれていれば、人生を全うできる 細胞からなる「からだ」全体のために、 がありがたい。 どんなに創意工夫(知恵・哲学・宗教・思想・ 技術・科学・医学など)が発展してもその「か おもしろいことにいろいろな現象があらわ れています。 らだ」に備わっているシステム自体を、人間 兆の細胞 である「上腹部の柔軟度」を生み・保持する の細胞からなる「からだ」全体が 生活をおくることが基本になります。 そうであれば、大内尉義 日本老人医学会 理事長が提案される「フレイル」という概念 のです。 つまり、「いのち」をつなぐシステムとし て「からだ」にすでに備わっている「老化し・ ます。ありがたい。 のもと「介護予防」にあたること、井上裕夫 かげでなんでも噛めるようになりました。お iPS細胞の発見から創薬・臓器の移植へ と進みつつあります。iPS細胞による応用 公益財団法人 先端医療振興財団名誉理事長 が提唱される「先制医療」によって高齢者の 死にゆく」ことへの大きな矛盾が生じている していることを述べました。 で、老化などによる不都合な部分・穴の開い づくと、眉間にしわがよるのです。ところが、 も お む つ や 老 眼 鏡 や 歯 科 治 療 の よ う に 進 ん ところが、まさにこの孫にも同じようなこ とが観察されました。便秘が2日から3日つ たところをできるだけ安全に補修できるよう 病の発症予防・遅延に重きを置くことが必要 それから、排便が1日2~3回と出るよう になると穏やかな顔になり、泣き声も耳をつ ると眉間のしわがなくなるのです。 ROB治療で内臓全般の動きをととのえてや 発展することを願っています。 とより、予防がもっと必要です。 と思うのです。ごくわずかな例しか出してい んだくような大きな声になってきました。手 その二つの大事な動きを「健康体の特徴」 である「上腹部の柔軟度」をやわらかい状態 足もよく動かすのです。 ませんが、おしめ・老眼鏡・歯科治療などたし かに、ありがたい。感謝以外言葉がありません。 につくることによってさらに飛躍的に高める ただ、ここで大事なことは、非常にありが ことができます。 表2にあるように病気の予防、介護の予防 たいことであっても永遠に「いのち」をつな ぐ も の で は な い と い う こ と で す。「 か ら だ 」 ができます。そのことが、これからのさらな 下に移動する幅が広まり、呼吸・循環が深く なるのです。 お金はいりません。資本は不要です。わた もし、そのようなことをおこなえば「生き もの」としてのヒトという「種」の破滅です。 したちの先祖が 億年にわたり、つちかい生 と、わたしは思います。 る高齢化社会を乗り切る方法になってくる うものです。 きぬくために必要な「呼吸・循環・人体力学・ 自律神経・内臓全般の動き」をととのえる必 なぜならば、多細胞生物としてのヒトは「老 を日ごろの生活から生み・保持し・深く長く まれた「からだ」の「しくみ」を生かすだけ です。「上腹部の柔軟度」がやわらかい状態 ヒトとして進化した「からだ」の「しくみ」 化し・死にゆく」ことで、種としての「いの に感嘆するばかりです。よりよく生きぬくた ち」をつなぐ存在であるからです。 要がなくなるのです。 全体をそっくり入れ替えるものではないとい そのため、眉間にしわを寄せることによっ て「上腹部の柔軟度」をやわらかくして、生 部の柔軟度」がやわらかくなり、横隔膜の上 「取り入れ・排泄」の大きな一つの現象と しての腸管の動きがよくなるにつれ、「上腹 となってきます。高齢者にとっても治療はも しかし、わたしたちはここでより深く「生 きもの」としての自分を振り返る必要がある いしくいただけます。生きている実感があり 例えば、去年 月号で発表したことですが、 歯も抜け一時は噛むことも食べることもが 眉間のしわをつくることによって「上腹部の できませんでしたが、進歩した歯科治療のお 一ひとつのために』活動して、「からだ」全 医学など)は従なのです。 夫(知恵・哲学・宗教・思想・技術・科学・ 体の「はたらき」が一つに結集して日々の生 この「からだ」の「しくみ」を生かす習慣 が、0歳児の保育園児の時からできていれば 活が快適に生活できるようになっています。 たちが気持ちよく生きていけることが分かっ 部分と全体、全体と部分が互いに織りなし 「からだ」がスムーズに「はたらき」、わたし また、その「しくみ」をさらに生かすため が変えられるものではありません。「からだ」 柔 軟 度 」 を や わ ら か く し、「 呼 吸・ 循 環・ 人 には、深く・長く・ここちよい呼気が大切です。 の「しくみ」が主であり、人間による創意工 体力学・自律神経・内臓全般の動き」を調整 ですから、「生きる」とは、この「からだ」 やすらぎを得られるのです。 の「しくみ」がスムーズに「はたらく」状態 ことも分かってきました(表2)。 人は楽な、気持ちよい生活をおくれているこ 年草の草花と同じく、あなたが自覚しようと 【Ⅵ、創意工夫(知恵・哲学・ しまいと、生きものである人間が「生きる」 宗 教・ 思 想・ 技 術・ 科 学・ 医 学など)と「からだ」に備わっ 目的となっています。 ている「いのち」をつなぐシ ステムとのかかわりについて】 そして「いのち」をつなぐこと自体が、一 のです。 (3) 立位での姿勢 「健康体」の場合、正面からみると 脊柱は正中線上でまっすぐであり、 側面からみると生理的に適切なS字 状の 湾曲を保ち、人体の各部位に余 分な緊張と力の過剰な 負担がない 死にゆく」ことでは同じなのです。 (2) 頭部と足先の温度差 「健康体」の場合、頭部が足先より 約1度から3度高い範囲である。 図3 人生の荒波を乗り切るのに鬼に金棒です。 【Ⅳ人の一生を通じて「からだ」 の「しくみ」がスムーズに「は たらく」状態=「上腹部の柔 軟度」がやわらかい状態があ ると、 「生きる・死にゆく」こ とがとどこおりなく運ばれる】 わたしたち人間は生きものです。だから他 の 生 き も の と 同 じ く、「 生 ま れ・ 生 き ぬ き・ 老化し・死にゆく」という「いのち」をつな ぐ大切な役割があります。その役割はわたし たち人類一人ひとりに、あなたがた一人ひと 12/31 12時 てきました。 もちろん家庭における夫婦・親子関係にお いても、社会的な人間関係においても、他の生 きものとの関係においても、生きものと地球環 境の関係においても、地球と太陽系の惑星・各 銀河・全宇宙との関係においてもまさにそうだ と感じ取れます。互いに影響し合ってスムーズ に「はたらく」ようになっているのです。 そのような全宇宙・各銀河・太陽系の惑星・ 地球の関係と、特に地球と生きものが織りな して共進した結果(図1)、 わたしたちの「か らだ」 (図2)があります。 【Ⅱ「からだ」の「しくみ」の 基本について】 りに、すでにシステムとして「からだ」に備 その「からだ」の「しくみ」の「はたらき」 わっているのです。 の基本は体液の移動による「取り入れ・排泄」 「取り入れ・排泄」(図3)をスムーズにする つなぎ、多様性のある子を産み育てることに (図3)です。つまり、膜を通して取り入れ、 ことによって、自らの「いのち」をよりよく よって、ヒトという「種」がより地球環境に 長寿への挑戦」について、新たな提 その取り入れた物を膜内の体液の移動によっ メインテーマである「人類の健康・ ここちよい呼気をおこなうことです。 そのことそのものが、大阪万博の めに眉間という「からだ」の一部分が「呼吸・ その 億年間にわたってつちかわれた「か 循環・人体力学・自律神経・内臓全般の動き」 らだ」の「しくみ」を変えることはできませ んし、あってはならないことです。 の応用とその発展も、今使われているメガネ その意味では、先端医療としてのiPS細胞 しろい。ありがたい。 ことを期待しています。 という全体的な「はたらき」に微妙な調整を そのような孫の観察をしているうちに気づ いたことがありました。 しかし、この発展も「いのち」をつなぐヒ トのシステムを変えるものではないことを認 していることに驚くばかりです。非常におも 排便に対する処置のことです。このごろの おしめはすばらしい。創意工夫(知恵・哲学・ 識しておく必要があります。 やおしめのように簡単で害のないものになる 宗教・思想・技術・科学・医学など)の結果 います。 そして、その「からだ」全体がスムーズに「は たらく」状態では、「上腹部の柔軟度」がや ■人間の体の自然な「しくみ」が生かされ ROB 治療で人生が統合される!! そのため、iPS細胞を含む先端医療はあ くまですでに「からだ」に備わっている「し い概念の実際を述べてゆきたいと思 わらかいことが分かってきました。わたしは、 ●自然の治癒力がつく ⇒ 治療が的確に ●自然なバランス力がつく ⇒ 自然なケアー ●自然な死への流れができる ⇒穏やかな死 です。吸収力があり不快感があまりありませ 「納得がいく」 ・ 「違和感のない」新し その状態を「健康体」と名付けました。その ・呼吸が深くなり ・循環が良くなり ・人体力学が安定し ・自律神経がととのい ・内臓全般の動きが活発になる ん。さらにびっくりしたのはおしっこの量に 学」の関係を核にすえ、 「腑に落ちる」 ・ 40 60 60 て消化・吸収し、不要なものを膜を通して細 40 軟度」がやわらかい状態と「人体力 適応できるよう、次の世代に「いのち」をつ 人類の誕生 1/1 生命の誕生 な ぎ、「 老 化 」 し「 死 にゆく」ことによっ 性があり適応力の あ っ た 自 ら の「 か ら 地球45億年 生命40億年 人類500万年 文明1万年 11 くみ」を生かす補佐役であることを肝に銘じ くみ」がスムーズにはたらく状態= 石 垣 邦彦 ROB 治療で「上腹部の柔軟度」が正常化されると・・・ 「入り出」がととのい、深く長くここちよい呼気ができる よっておしめの色が変わることです。この色 案となってきます。 人 代 現 だ」の役割を終えま す。 そ の 意 味 で は、 人 間は春に芽生え秋に 枯れゆく一年草の草 花と同じことです。 人体に宿る歴史 60 たまごビル 院長 ~人間の生死は「上腹部の柔軟度」が指標となる~ ておく必要があるのです。 「健康体の特徴」である「上腹部の柔 【Ⅰ部分と全体、全体と部分の かかわりについて】 表 2人は楽しむために生まれてきた! になるとおしめを変えましょうとサインを出 25 日号にひきつづき、 「からだ」の「し ラグビーをプレイするにつけての基本的な 心構えは、 「ワンフォーオール、オールフォー 30 ⇒ 生き方が身につく ⇒ 予防ができる ●生きる力がつく ●総合的免疫力がつく ㉔ たまご理論で病気 のしくみを考える 「からだ」の「はたらき」もまさにそうなっ ています。 『 兆の細胞一つひとつが 兆の に提案する 大阪万博の 「人類の健康・長寿への挑戦」 メインテーマ Our Health Our Future ① 表1 表 健康体の三大特徴 (1「 )上腹部の柔軟度」=腹部の柔軟度 と形態と温度分布 「健康体」 の場合、 立位で上腹部が 下腹部より少し低く手で上腹部を圧 迫しても圧痛は無く、 しこりもなく、 その圧迫をとくとすぐに元に復する 柔軟度があり適度な緊張がある。 また、 腹部全体は温かくほぼ同一 温度である。 図4 図2 宇宙150億年 て、 そ れ ま で は 多 様 『生命と地球の歴史』 丸山茂徳・磯崎行雄著 岩波新書より引用 「いのち」をつなぐ と い う 意 味 で は、 1 次回3月 15 日号からは去年 11 月 〒581-0061 大阪府八尾市春日町1-4-4 電話072(991)3398 FAX072(991)4498 ホームページアドレス http://www.tamagobl.com/ 60 胞外に排泄することです。 図1 平成29年2月15日(水曜日) 聞 新 内 河 第 1 2 7 6 号 (昭和56年10月19日・第 3 種郵便物認可) (3)
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