「インフラメンテナンス国民会議」地方版フォーラム

平成29年2月8日
総合政策局公共事業企画調整課
大臣官房公共事業調査室
大臣官房技術調査課
中部地方整備局同時発表
「インフラメンテナンス国民会議」地方版フォーラム(中部)を
試行的に開催し、2技術 3自治体のマッチングが成立!
12 月 20 日に試行的に開催された「インフラメンテナンス国民会議」地方版フォ
ーラム(中部)での討議などを経て、民間企業等からの提案技術の現場試行につい
て、2技術 3自治体のマッチングが成立しました。
本フォーラムでは、豊橋市・岡崎市・桑名市などの8市町にご参加いただき、各市町
が抱えるメンテナンスに係わる具体的な4つの課題をテーマ(別添1)に、その課題解
決を目的として、民間企業等とともに班別討議を行いました。その結果として、各自治
体は、課題解決のための民間企業等の提案技術の現場試行や新技術導入のための調達方
法等の検討を行うこととなりました(討議結果の詳細については別添2参照)。
今回、フォーラムでの班別討議と後日の市町への意向確認などを経て、民間企業等か
らの提案技術の現場試行について、2技術 3自治体のマッチングが成立しました。なお、
その他、調整中の案件もあり、これについては後日「インフラメンテナンス国民会議」
のホームページ(URL: http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/im/index.html)で報告致
します。
表:マッチングの概要
企業名
市町村名
現場試行
試行技術(詳細は別添3参照)
予定日*
①下水道本管内部からの
株式会社カンツール 豊橋市(愛知県) 2月15日
取付け管調査
岡崎市(愛知県) 2月16日
②幹の腐朽診断、根系の分布把握
応用地質株式会社
桑名市(三重県) 2月9日
*現場試行の見学・取材をご希望の場合は以下の問合せ先までご連絡下さい。ただし、現場の都合上、見学・取材可能
な現場が限られます。現場試行の結果は、後日「インフラメンテナンス国民会議」のホームページで報告致します。
※「インフラメンテナンス国民会議」とは、社会全体でインフラメンテナンスに取り組む機運を高め、未来世代により
よいインフラを引き継ぐべく、産学官民が有する技術や知恵を総動員するために設立されたプラットフォームです。
(国民会議についての詳細は http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/im/index.html を参照)
○問合せ先
国土交通省 総合政策局 公共事業企画調整課 徳尾、鎭西、古賀
TEL:03-5253-8111(内線 24543、24544、24535)、03-5253-8912(直通)
FAX:03-5253-1551
(別添1)
「インフラメンテナンス国民会議」地方版フォーラム(中部)のテーマ
(以下、開催案内時の資料抜粋)
討議テーマ1
テーマ名
管理水準に応じた効率的な道路舗装の点検診断技術と情報活用
参加自治体
浜松市(静岡)
、川辺町(岐阜)
討議の狙い
自治体が管理する生活道路において、道路舗装の点検診断やそのデータ管
理を交通量等に応じた区分により効率化することが求められています。フォ
ーラムでは、これに資する民間企業等の技術紹介を募り、その後のディスカ
ッション等を通じ、双方の条件が整う場合には現場実証のマッチングを行い
ます。
討議テーマ2
テーマ名
橋梁点検・診断に関する技術的アドバイスの仕組みづくり
参加自治体
中津川市(岐阜)、富加町(岐阜)
討議の狙い
自治体では、職員の技術向上に向け、知識や経験に応じた研修プログラム
の確立や技術提供サービスの活用が必要となります。フォーラムでは、橋梁
点検を事例に、他の自治体の取り組みや民間の研修、コンサルティングサー
ビスの紹介を行い、研修プログラムの方向性やそれを支援する民間のソリュ
ーションに対するニーズを明確化します。
討議テーマ3
テーマ名
地域と連携した街路樹の剪定・植栽管理の効率化技術
参加自治体
桑名市(三重)
、名古屋市(愛知)
討議の狙い
自治体では、街路樹の維持管理コストの高騰が課題となっており、植栽管
理における景観、新技術の導入、地域協働といった様々なアプローチからの
最適かつ効率的な植栽管理手法が求められています。フォーラムでは、植栽
管理の具体的な提案を募り、最適な植栽管理の方向性と植栽管理に関する課
題や技術開発ニーズを明確化します。
討議テーマ4
テーマ名
下水管渠の点検診断の効率化技術
参加自治体
岡崎市(愛知)
、豊橋市(愛知)
討議の狙い
下水管渠の管理では、地下にある管渠、特に管内からの点検が困難な中小
管渠の損傷の把握が課題となっており、確実かつ効率的な点検手法の確立が
求められています。フォーラムでは、民間企業の技術紹介を募り、自治体に
おける実用化に向け、費用面や運用面での課題や技術開発ニーズを明確化し
ます。
(別添2)
インフラメンテナンス国民会議
地方版フォーラム(中部) 試行結果報告
開催概要
・日時:平成28年12月20日(火)14~18時
・出席者:86名(参加者:45名、傍聴者:41名)
内訳
・自治体:浜松市、中津川市、川辺町、富加町、名古屋市、桑名市、岡崎市、豊橋市、愛知県
(小計9名)
・民間企業等:メーカー等5名、建設会社等4名、協会等団体2名、コンサルタント等10名
その他のフォーラム事務局等5名、ファシリテータ(日本工営(株))4名(小計30名)
・メンター:岐阜大学
大谷具幸准教授、(株)経営共創基盤
・国土交通省:総合政策局、大臣官房、中部地方整備局
池田直隆氏 (小計2名)
(小計4名)
結果概要
・自治体側からのプレゼンと班別討議を行い、自治体の抱える課題とその背景、課題解決
の方向性について理解を深めた。
・さらに班別に、企業側から解決策となるアイデアや技術についてピッチ(ショートプレ
ゼン)を行い、各自治体の課題解決の観点から意見交換を行った。
・討議結果を踏まえ、各自治体は課題解決に向けて提案技術の現場試行や新技術導入のた
めの調達方法等の検討を行い、企業側も更なる技術・サービス開発を進めることとなった。
・メンターの岐阜大学の大谷准教授からは、「非常に有意義なフォーラムであった。」と
のコメントとともに、「この議論の到達点をどこに置くのか、進め方を工夫する必要があ
る。」との問題提起があり、各自治体の課題解決に向けてフォローアップを行っていくこ
ととしてとりまとめた。
試行技術①
(別添3)
本管内部から付属の取付管を調査する技術
本管側から取付管に挿入できる高機能なTVカメラシステム
外形図
ゲーターカム(ケーブルドラム)
システム構成 (CCV-2CR 自走車装着時)
制御器
ケーブルドラム
特徴
下水道本管からカメラヘッドを取付管に挿入して、取付管内および不明ます
を調査するためのシステムです。地上でコントローラーの液晶画面を見なが
ら、自走車の前進・後退およびカメラヘッドの傾き・送り出し・戻しを操作する
ことができます。
オプションの発信機・受信機を使用することで、取付管内に挿入したカメラヘ
ッドの位置を特定できるので、不明ます等の調査にも有効です。
ゲーターカム
(制御器)
自走車
ゲーターロボ本体
ゲーターカム(カメラヘッド)
〒271-0065 千葉県松戸市南花島向町315-5
TEL 047-308-3636 FAX 047-308-3635
E-Mail [email protected]
試行技術①
本体
ゲーターロボ
GATOR ROBO
■本体仕様
項
目
名称・型番/範囲
備 考
適用管径
φ200~φ500mm
適用管径は装着する自走車により異なる
適用自走車
CCV-2030R
本管 φ200~φ300mm用
CCV-2CR
本管 φ250~φ500mm用
適用取付管カメラ
ゲーターカム
押込み式 多機能管内調査カメラ
ヘッド回転範囲
左120°,右120°
ヘッド角度範囲
0°~ 約80°
制御器
■費用
名
称
数量
価格(円)
備
考
ゲーターロボ
1式
3,700,000
本体,制御器,ケーブルドラム
発電機
1台
134,400
CCV-2030R自走車
1台
1,100,000
適用管径 φ200~φ300mm用(本管)
CCV-2CR自走車
1台
1,325,000
適用管径 φ250~φ500mm用(本管)
ゲーターカムⅣ
1式
2,000,000
ゲーターロボ本体へ装着(ケーブル長120m)
フレキシソンデ(発信機)
1台
200,000
不明ます調査に有効
ナビトラック (受信機)
1台
430,000
不明ます調査に有効
ケーブルガイドシュー
1台
180,000
ケーブル
ドラム
どちらか選択
■評価内容
・錆やモルタルによる開閉不可、ふたの上の障害物による開閉不可、ますが民地内で所有者不在の場合でも調査可能である。
試行技術②
地中レーダを用いた低コストな腐朽率の把握(精密診断)
1)概要
・使用機器:地中レーダ
・幹内部に電波を放射し、腐朽部からの反
射を捉えることで腐朽部の位置を把握。
腐朽率:32.7%
2)特長
cm
① 非破壊 ☛保存樹にも対応可能
【実際の断面(左)と精密診断結果(右)の例】
② 精密診断としては測定時間がとても短い
【測定方法】
・1断面の測定時間は5~10分
1.電波を送信
健全部
・1日で40~50本の測定が可能
レーダの
アンテナ
③幹の断面を図化し、腐朽率を算出できる(室内解析)
3)適用条件
・幹直径20~200cmの樹木に対応
・心材が形成される樹種は、腐朽部と心材部の
区別が困難な場合あり
腐朽部
2.腐朽部からの
反射波を受信
3.送受信しながら、幹の周りを一周
試行技術②
高精度ポジショニング地中レーダによる根系分布調査
1)概要
・使用機器:地中レーダ + 自動追尾トータルステーション
・位置情報を自動取得しながら樹木の周囲で地中レーダを走査することにより、
樹木の根系分布状況を把握する。
2)特長
・土を掘削せずに、根系のつなが
りや分布状況を視覚的に把握で
きる画像を作成可能。
・一日で5本程度の測定が可能
10m
10m
【探査航跡(左) と 探査結果(右)】
3)適用条件
・検出可能な根系の太さは2~3cm以上
・検出可能な深度は約1m