海外安全対策情報(平成28年10月-12月) (在ニュージーランド大使館

海外安全対策情報(平成28年10月-12月)
(在ニュージーランド大使館管轄地域)
1
ニュージーランド(NZ)国内全体の治安情勢
NZ国内では,これまで大きな治安上の問題は起きていません。
しかし,犯罪統計方法の違いなどにより単純な比較はできないものの,人口1万人
当りの犯罪発生率でみると,NZでは, 強盗が日本の約42倍 , 住居侵入,侵入窃盗
も同約 23倍 と大変高い率で発生しており,決して安全な国とは言えません。そのた
め防犯対策には,十分な注意が必要です。
また,現在のところ,NZではテロリストの目立った活動は確認されていませんが,
国内には30から40名程度のテロ関係の監視対象者がいると言われており,最近で
は,NZの大学で工学を学んだ留学生が,海外で自爆テロ用の爆弾を製造していたな
どという報道もあります。今後とも,十分注意する必要があります。
2 犯罪の傾向(当館管轄地域)
(1)犯罪の発生状況
NZ警察のデータによると,2016年1月から11月までのNZ国内における主
要犯罪の発生状況(概算)は,強盗が,昨年比約20%増,住居侵入や侵入窃盗が,同
約17%増となっており,また,性犯罪等も同4.6%増と,凶悪犯罪等の発生が増
加しています。また,当館管轄の各地域においても,強盗,侵入窃盗や性犯罪につい
ては,総じて増加傾向にあります。
(2)注意すべき犯罪と対策
ア 各地区共通
(ア)窃盗
特に侵入窃盗(空き巣など),置引きや車上狙いに注意してください。
貴重品を置いたまま席や車から離れない,家や職場に防犯用人感センサーや防
犯カメラを設置する等,日頃から自身の防犯意識を高めてください。
(イ)性犯罪
夜間はもちろん,夕暮れの時間帯でも人通りの少ない場所のひとり歩きは避け
ましょう。自分の身は自分で守るという意識を持って行動することが大切です。
(ウ)暴行・傷害
普段温厚 NZ 人ですが,繁華街では酒がらみの暴行・傷害事件が多発していま
す。深夜の繁華街などでは,同種の犯罪に巻き込まれないよう,十分注意してく
ださい。
(エ)薬物犯罪
NZでも覚醒剤(メタンフェタミン)の乱用が社会問題になっています。繁華
街の路上や深夜のバー,ナイトクラブ等で知らない人に声を掛けられても,絶対
に薬物に手を出さないでください。
イ 各地域別の注意すべき犯罪(NZ 警察の管轄(District)別)
(ア)Eastern 地域(Gisborne 及び Hawke’s Bay)
強盗,侵入窃盗,車上狙い,窃盗全般,性犯罪及び暴行・傷害
(イ)Central 地域(Taranaki 及び Manawatu-Whanganui)
侵入窃盗,窃盗全般,性犯罪及び暴行・傷害
(ウ)Wellington 地域(Wellington)
車上狙い,窃盗全般及び暴行・傷害
(エ)Tasman 地域(Nelson、Marlborough,Tasman 及び West Coast)
侵入窃盗,性犯罪及び暴行・傷害
(オ)Southern 地域(Otago,Southland 及び Chatham Island)
暴行・傷害,性犯罪
(3)在ニュージーランド大使館管轄地域における最近の主な犯罪
ア 10月4日未明,ウェリントン中心街の路上にあるゴミ箱などが放火される事
件が6件以上,相次いで発生した。けが人なし。犯人は逃走。
イ 10月26日,ダニーデンの住宅で殺人事件が発生。犯人は逮捕された。
ウ 11月30日早朝,パーマストン・ノースにおいて,車内から発砲する事件が
発生。けが人はなし。犯人は車で逃走。
エ 12月9日未明,ウェリントン郊外(アッパーハット)の住宅において,30
代の女性が殺される殺人事件が発生。犯人は逃走したが,後日数名が逮捕された。
オ 12月9日昼間,ブレナムの飲食店街で,青いラグビーシャツを着ていた男子
学生が,赤色のギャングカラーの服を着た男に,突然,顔面を複数回殴られ,鼻
を骨折し,歯を折るケガをした。犯人は逮捕。
3
テロ・爆弾事件発生状況
12月1日昼間,ウェリントンやマスタートン,ハミルトン,ダニーデン,ピクト
ンなどの様々な学校に対し,電話による爆破予告事件があり,各学校は避難措置等を
執ったが,けが人などはいなかった。海外からの架電の模様。現在まで犯人は未逮捕。
4 誘拐事件発生状況
(1)11月7日午後,ダニーデン近郊の路上で,若い女性の横に車が停車し,男が女
性を車で連れ去ろうとしたが,女性は自転車で逃げ延び無事であったという誘拐未
遂事案が発生。犯人は車で逃走。
(2)11月25日,29日の午後,ウェリントン郊外(アッパーハット市)の学校付近の
路上を歩いている子どもに男が近寄り,ゲームカードを上げるなどと言って誘い出
そうとする誘拐未遂事件が連続で発生した。犯人は逃走。
(3)12月14日深夜,パーマストン・ノースにある病院から,新生児が女性3人組
により連れ出され,翌日,警察に新生児が保護される誘拐事件が発生。犯人は逮捕。
5
日本企業の安全に関する諸問題
特に認知していない。
※上記犯罪発生件数等の数値は,警察庁(日本)及びNZ警察が発表した数を基に当館で手集計したものです。