みささぎ奈良大学図書館報

みささぎ
奈良大学図書館報
第24号
2017. 1
Let’s Enjoy English! -楽しみながら英語を身につける-
教養部 専任講師 山 本 尚 子
世界のグローバル化によって、ますます英語をはじめとする外国語の必要性が高まっていますが、外国
語を習得するには、
「継続性」が重要なカギとなります。しかしながら、あるひとつのことをこつこつと
続けることほど、難しいことはありません。いざ、
「がんばるぞ!」と意気込んで学習を始めても、忙しかっ
たり、モチベーションが低下してしまったりして、学習を続けることができなくなってしまうことが多々
あります。
近年、
継続的な英語学習を促す方法のひとつとして、
「英語多読」が注目を集めています。この「英語多読」
とは、やさしい英語で書かれたものをたくさん読む学習法のことです。この学習法のポイントは、<やさ
しすぎると思えるものから始める>ということです。やさしいものに触れると、自然と英語に親しむこと
ができ、英語に対する抵抗感が和らいでいきます。また、もうひとつのポイントは、<自分のペースで、
好きなものを読める>ということです。例えば、歴史に興味がある人は、史実や偉人に関する本を読むこ
とができますし、現代社会をとりまく問題に興味がある人は、環境問題や食料問題に関する本を読むこと
ができます。このように、どのような分野に興味・関心があろうとも、英語多読を通して、楽しみながら、
継続的に英語に触れることができるのです。
数年前より、本学の図書費から多読用図書を購入し、徐々に増やしてきました。そこで、今年度の授業
(英語 I:2 クラス、英語 II:2 クラス)の中で、英語多読の進め方やその効用について説明した上で、授
業外で、多読用図書を読み、読書記録を書くという課題を課しました。また、任意で、読んだ本の中から
特におすすめのものがあれば、Book Review(書評)を書いてくださいと言ったところ、力作が数多く集
まりました。そこで、これはなにか形にできないかと思い、図書館のご協力を得て、学生が書いた Book
Review とともに多読関連図書を紹介するミニ展示をさせていただくことにしました。
(次頁写真 1)図書
館で自身の Book Review が展示されているのを見た学生は、とてもうれしかったようで、さらに意欲的
に多読に取り組んでいます。また、展示された Book Review を読み、その本を借りる学生の姿も見られ、
多読の本来の姿である、自分のペースで読み進めるということを実践してくれています。
このように多読環境が充実しつつあるのは、図書館スタッフのご尽力によるところが大きいのです。今
年度当初、多読用図書を出版する出版社の所在地により、配架が和書と洋書に分かれており、多読用図書
を探しにくい状況にありました。しかしながら、授業での取り組みをお伝えしたところ、短期間で、検索
に必要な配架情報を修正し、多読用図書をまとめたコーナーを図書館 2 階に新たに設けていただきました。
(次頁写真 2)この場を借りて、心より感謝申し上げます。
今後、本学の学生が、英語多読をきっかけとして、英語を含めた外国語やその文化に興味を持ち、自ら
継続的に学び続ける姿勢を身につけてくれることを切に願っています。
楽しみながら英語を身につけよう
写真 1
写真 2
ミニ展示『Let’s Enjoy English!』の様子
新しい多読コーナー
< 図書館より >
2016 年度にも多くの多読図書を受入しました。多読コーナーは図書館 2 階(入口フロア)
の左手奥側、
低書架の一角にありますので、
興味のある方はぜひ手にとってみてくださいね。
史学科展示 「奈良大学所蔵資料にみる幕末維新」
7月26日(火)~9月24日(土)の会期で、2F 展示室において、
本学史学科村上紀夫准教授を中心とした史学科有志による
資料展示が行われました。
「本物の史料に触れ、生きた歴史を学ぶことができるように」
と、本学史学科や図書館などが所蔵する古文書等の中から、
奈良と関わりの深い天誅組をはじめとした幕末・維新期の
史料18点を選抜して展開しました。
岩倉具視、三条実美、伊藤博文など幕末維新期要
人の書簡や、戦闘を間近で目にしていた者の手にな
る「大和書状」、「天誅組吉野図」といった本物の史
料たちが来場者を歴史と文献の世界へいざないました。
オープンキャンパスやスクーリングの時期に重なっ
たためか熱心な観覧者が多く、パンフレットも準備
した約200部がなくなるなど、好評のうちに幕を下ろ
しました。
ラボ第 2 弾
クル コ
ラブ&サー
図書館×ク
図書館でビブリオバトル
ふぐるま
奈良大学ビブリオバトルサークル「文 車」との共催で、知的書評合戦「ビブリオバトル」を開催
しました。広報と会場設営を図書館が担当し、当日の運営を文車が行う形のコラボイベントです。
?ビブリオバトルとは?
1)発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる
2)順番に一人5分間で本を紹介する
3)それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行う
4)全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者
全員で行い、最多票を集めたものが『チャンプ本』に選ばれる
バトル展開!
当日参戦の学生も含めて5名のバトラー
による熱戦の末、バトラーをして「これ
ほど腹の立った犯人はいない」と言わし
めた、宮部みゆき著『模倣犯』がチャン
➡
プ本に選ばれました。
宮部みゆき…『模倣犯』 5票 ← チャンプ本!
田中芳樹…『創竜伝』
海猫沢めろん…
『頑張って生きるのが嫌な人のための本』
ヘルマン・ヘッセ…『デミアン』 2票
森博嗣…
今回のバトル本(左から模倣犯、創竜伝、の順)
『彼女は一人で歩くのか ? Does She Walk Alone?』 4票
ふぐるま
共催の奈良大学ビブリオバトルサークル「文車」よりコメントが届いています
「奈良大学ビブリオサークル「文車」です。先日は図書館内でビブリオバトルを開催させて頂きま
してありがとうございました。当日には、サークル外からも飛び入りでバトラーとして参加してく
れた方もおり、予想以上の盛況となりました。今後も継続して図書館内でビブリオバトルを開催し
ていけたらと考えております。
当サークルでは主にビブリオバトルの公式大会出場や、学内でのビブリオバトル開催を目的に活
動を行っています。と言っても厳しい練習などがあるわけではなく、日々ゆる〜く活動しております。
少しでもビブリオバトルに興味がある方や、ただ単に読書が好きという方でも大歓迎ですので気軽
に見学に来てください。」 (国文学科3回生 須貝 祐也)
「図書館×クラブ&サークル」コラボ第 3 弾
青垣祭出展物による「日本、再発見」
11月2日~4日開催の奈良大学青垣祭に出展されたクラブ活動の作品が、
関連図書とともに「日本、再発見」として集結しました。
城郭研究会
一年間の活動成果として行った城郭踏査の記録と立体模型
地理学研究会
しまなみ街道踏査の立体地形図と部誌、関連図書
美術部
絵画作品10点、関連図書
ポスターと入り口の図書紹介 POP も美術部の作品
青垣祭の終了後、3つの部活が授業の合間の時間を使ってそれぞれ図書館に集合し、短い時間の中でセッ
ティングとポスター、ポップの作成に取り組み、図書館スタッフが支援しました。
後 記
寄稿いただきました教養部山本尚子先生、奈良大学ビブリオバトルサークル「文車」須貝祐
也様に御礼申し上げます。また、夏の展示にご尽力下さいました史学科村上紀夫准教授、部活
コラボに参画下さったビブリオバトル参加者・観戦者、城郭研究会、地理学研究会、美術部の
皆様へも、感謝いたします。
次号は来年夏頃の発行予定です。
(編集担当)
発行:平成29年1月31日
編集:奈良大学図書館 奈良市山陵町1500