第7章 - 久慈市

第7章
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重点施策
重点施策の考え方
本計画において体系化された緑の保全及び緑化の推進施策において、施策の必要性、効果、実現性、
市民参加などを考慮した上で、特に積極的に取り組むべき施策を重点施策(プロジェクト)として定
め具体的な検討を行います。
〔必要性〕
〔効果〕
〔実現性〕
〔市民参加〕
重点施策(プロジェクト)
図
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重点施策の考え方
重点施策の検討
本市を構成している市街地、山林、河川、湾岸をそれぞれ念頭に置きつつ、以下のような3つの重
点施策(プロジェクト)について検討を行います。
※(
)内は対応する基本施策と具体的な個別施策
① 自然を活かしたスポーツ・レクリエーション空間整備
(山林の保全:林業へのサポート、レクリエーション空間の充実)
(水と緑のネットワークの形成:久慈港周辺の魅力づくり)
② 地域特性を活かした老朽都市公園の再整備と多様なニーズをふまえた公園整備
(都市公園の再整備:老朽都市公園の改善、新規ニーズへ対応した公園整備)
③ 河川及び河川周辺の魅力づくり
(水と緑の軸の形成:身近な水辺の整備)
(河川の保全:河川緑地の保全)
(民地の緑地保全:農地の保全)
(山林の保全:林業へのサポート)
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プロジェクト①:自然を活かしたスポーツ・レクリエーション空間整備
【プロジェクト検討の背景】
・総合運動公園整備への要望など一定のスポーツ需要がある
(近隣市町村からも参加するトライアスロン団体がある)
・近年パークゴルフ場が公認コースとなり話題となっている
・久慈湾岸の復興事業が進展している(堤防、公園、みちのくトレイル、もぐらんぴあ)
・現在も大きな集客力を発揮している「あまちゃん効果」の継続が求められている
【取り組み方針】
山林保全の一環として、自然を活かしたスポーツ・レクリエーション施設の充実により市
民と自然の良好な関係を築くとともに、各種競技大会の開催による来訪者の拡大を目指しま
す。
→湾岸部においては、久慈港・舟渡海水浴場・小袖海岸を利用した「あまちゃんマラソン
大会」を継続的に開催する
【具体的な施策展開】
○久慈あまちゃんマラソン大会の開催
小袖海岸沿いの「みちのく潮風トレイル」をコースとし、玉の
脇港や赤浜展望台、五丈の滝などを経由する「久慈あまちゃんマ
ラソン大会」を開催しており、今後も継続的な開催を行います。
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プロジェクト②:地域特性を活かした老朽都市公園の再整備と多様なニーズをふまえた公園整備
【プロジェクト検討の背景】
・本市においても人口減少と少子高齢化が進行している
・公園に対する市民ニーズが多様化している
・地域コミュニティ活動の活性化が求められている
・既存の都市公園(街区公園)の老朽化が進んでいる
・遊具の状態などを調査した「都市公園施設長寿命化計画」が策定されている
・財政を圧迫しない効率的な再整備が求められている
・局地的集中豪雨による被害など、自然災害が多発している
【取り組み方針】
市民参加による地域ニーズをふまえた特色ある公園再整備計画の策定と、効率的な公園再
整備の実現を目指します。
→地域ニーズをふまえた特色ある公園づくり(子供の遊び場重視、高齢者の憩いの場重視、
植栽重視、眺望重視など)に取り組む
→市民参加による公園管理の実現を目指す
日常的なレクリエーション機能と災害時の避難・防災機能を備えた拠点となる公園整備を
目指します。
→久慈市総合防災公園、久慈市総合運動公園の早期整備を目指す
【具体的な施策展開】
○市民参加の公園再整備システムの検討
老朽化した街区公園において、以下のような市民参加による公園再整備システムづくりを検討し
ます。
「都市公園施設長寿命化計画」より再整備公園候補の選定(2~3箇所)
公園の立地特性や周辺住民・利用者特性の整理(市民検討組織に提供)
町内会、市民組織、学校、有志などによる再整備検討組織の設立
市民組織による公園再整備計画の検討(ワークショップなどの実施)
市民検討をふまえた公園再整備計画の作成(ゾーニング、施設配置計画)
効率的かつ地域ニーズをふまえた公園再整備の実施
図
公園再整備システムの例
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○地域活動の一環としての街区公園の市民管理
身近な街区公園については、それぞれ「公園サポーター」などの市民組織を設け、日常の清掃・
草取り・花壇整備などの公園管理の一部について市民管理の実現を目指します。そのため、市民組
織に対して管理に必要な道具箱の設置や苗の配布などの支援に努めます。
また「公園サポーター」は公園を利用した地域活動の一つとなるため、地域コミュニティ活動の
活性化に寄与することが期待されます。
地域コミュニティ活動
公園サポーター
公園の行政管理
清掃
施設管理
草取りなど
樹木管理など
図
市民組織による公園管理の例
○久慈市総合防災公園、久慈市総合運動公園の整備
久慈市総合防災公園は、近年頻発している自然災害への対応を考慮し、大規模な防災活動や非難
拠点としての機能をふまえた整備を進めます。
また、現在基本構想が策定されている久慈市総合運動公園は、市民のレクリエーション需要のニ
ーズをふまえたスポーツ拠点とするとともに、防災拠点としての活用を見込んだ整備を行います。
図
久慈市総合運動公園位置図(久慈市総合運動公園基本構想概要書)
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プロジェクト③:河川及び河川周辺の魅力づくり
【プロジェクト検討の背景】
・複数の河川による河川景観が本市の市街地を特徴づけている
・自然環境に恵まれ水辺の生物が豊富に見られる
・河川敷の河川公園整備は一部にとどまり、親水性は高くない
・河川敷・護岸の魅力に欠けており、河川敷の管理も十分ではない
・農業の衰退をふまえて河川沿いの農地を含めた一体的な保全が求められている
【取り組み方針】
本市の市街地特性となっている河川をより際立たせ、様々なかたちで多くの市民と結びつ
くような、魅力ある河川の実現を目指します。
→自然環境の保全だけでなく、親水空間や並木、遊歩道などの整備により市民が気軽に集
い楽しむことができる空間づくりを行う
→「水と緑の軸」として、河川の周辺地域を含めた一体的な魅力づくりを行う
【具体的な施策展開】
○親水公園、自然観察エリア、遊歩道の整備
空間的に余裕のある河川敷については、市民ニーズをふまえたうえで河川公園の整備・拡大を目
指します。また、河川公園の整備が困難な場合には、河川敷の自然環境の保全とともに親水公園や
自然観察エリアの整備を図り、将来を担う子供たちや市民に身近な河川づくりを目指します。
○河川に沿った遊歩道の整備
河川公園内だけでなく、河川敷の一部や堰堤上に安心して散策できる遊歩道の整備を図ります。
また河川沿いの道路については、歩行者・自転車優先道路としての整備を図り、快適な歩行者・自
転車ネットワークの形成を目指します。
また、市民と河川の関係を深めるため、遊歩道や護岸に沿って春の訪れを知らせてくれる桜並木
など新たな名所となる並木づくりに取り組みます。
○地場産材・間伐材・チップを活用した施設づくり
河川周辺に市民が快適に留まることができるように、間伐材などを活用したエコトイレやベンチ
などの配置に努めます。
また、河川公園などではチップ舗装を検討するとともに、護岸の階段や車止めなどの一部の施設
整備についても地場木材や間伐材の利用促進に努めます。
○周辺農地における体験農場・市民農園整備
久慈川や長内川に沿って残されている農地は、生産の場として維持することを基本とし、それが
難しい場合には体験農場や市民農園などへの転用を検討し、市街地内の貴重な緑の空間としての確
保を図ります。
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