【熊本市立小・中学校施設の更新・長寿命化計画等の策定 その他に係る

【熊本市立小・中学校施設の更新・長寿命化計画等の策定
その他に係る検討・調査・試算等業務委託】
参考仕様書
S01.業務の目的・概要等
近年における政府の『インフラ長寿命化基本計画』策定、総務省からの各地方自治体等
への『公共施設等総合管理計画』の策定要請等の流れを受け、全国各地において各種イン
フラ・施設等の老朽化対策等への機運が高まりつつある。
学校施設については、先の総務省および文部科学省等から各地方自治体等へ『個別施設
計画(≒長寿命化計画)』の策定要請がなされたところであり、熊本市においても 2018 年
度中(⇒2019 年 2 月~3 月頃を目処)に策定完了を予定している。
本市においては小学校・中学校が 140 近く設置されているが、建築年数が数十年を経過
したもの多く、施設の老朽化が進行している状況である。本業務においては、これに対応
するため学校施設の更新(改築・建て替え)
・長寿命化、ライフサイクルコスト縮減を図り、
かつ将来的な財政支出の平準化等を実現させるための計画を策定することを主たる目的と
している。具体的には、そのために必要となる検討・調査・試算等の業務を実施する。
なお、併せてインフラ基本情報に関する基礎調査・資料作成等も実施予定である。
S02.履行期間
・全体:契約締結日から 2019 年(平成 31 年)3 月 25 日までとする。
・ただし、後述の S04‐1.と S04‐2:2018 年(平成 30 年)10 月 1 日までとする。
S03.対象施設等:熊本市内一円
熊本市立学校のうち、以下の校舎や屋内運動場(体育館等)の建築物を対象とする。
・小学校 92 校:棟数は約 620 棟(校舎と体育館等の合計:面積 50 万㎡前後)
・中学校 42 校:棟数は約 380 棟(校舎と体育館・武道場等の合計:面積 30 万㎡前後)
※原則として、
「公立学校施設台帳に計上している建物のうち、単体で独立して存在するプール付属棟・
倉庫等やごく小規模な物置等を除いたもの」を対象としている。
なお、いわゆる新耐震以前の基準で設計され、床面積が 200 ㎡を超える建築物については、すべて
所要の耐震化が完了している(耐震診断や耐震改修・補強設計等の資料有り)。
※上記の棟数は『公立学校施設台帳』に計上されている棟の枝番号ベースでカウントしたものある。
例えば、意匠・形態的に 1 棟となっている建築物でも、枝番号が 3 つで構成されているものは、
上記のカウントに際しては『棟数=3』で計上している。
※上記の棟数および面積とも、あくまでも参考の数量・目安として挙げている。
業務受託後、公立学校施設台帳等の既存資料を基に、表計算ソフト等を活用しデータベース化を行い
検討・試算、各種シミュレーション等を実施するための正式な基礎データを作成すること。
S04.業務の概要
施設の老朽化解消および財政支出の平準化等を目的(前提)とした、中長期的な更新・
長寿命化計画の策定、および事業費算出等の具体的成果物の調製を実施する。
なお、当方作成の別紙資料『熊本市立小・中学校施設の整備基本方針、基本体系(案)』
を念頭に置き、これをベース・参考としながら業務を進行させる。
S04‐1.具体的な内容その 1【計画策定のためのメイン作業】
・既存資料の整理:委託者から提供(貸与)する資料の確認・整理等
⇒公立学校施設台帳(文部科学省)
、各種図面データ(CAD データ、紙ベース)、
多目的トイレ・エレベーター等(各学校毎)整備状況一覧資料、
各年度の工事台帳・保証書台帳、外壁劣化対策優先度関係の調査報告書(2012 年調製分)、
毎年度実施中の『定期点検(建築基準法)』、『消防設備点検(消防法)』
、
『自家用工作物保守・点検』
、
『給水施設保守・点検』、その他に係る報告書等
◎【施設の老朽化解消および財政支出の平準化等を目的(前提)】とした中長期的な
更新・長寿命化計画の策定
・事業計画の作成(更新・長寿命化の方針、優先順位の設定、財政支出の平準化の実現)
⇒築年数や躯体強度などの条件から、保全・更新の方針や優先順位等を設定し、
財政支出の平準化も考慮した事業計画の作成を行う。
⇒作業に際しては、文部科学省が公開している手引きや解説書・マニュアル類、
先進自治体等の事例等を参考とすること。
なお当方からも、厳選したグッドプラクティス事例を紹介する。
・事業費の算出・シミュレーション
⇒長期の期間(50 年スパンを目安)の事業費等の傾向を把握するシミュレーションと、
計画期間内(=5~10 ヶ年程度のスパン)に整備等を行う具体的な施設(棟)を
想定したシミュレーションを行う
S04‐2.具体的な内容その 2【バリアフリー関係の現況把握、一覧表の調製等】
・対象:今回の業務では、多目的トイレとエレベーターの整備状況の把握・一覧化を行う
⇒「多目的トイレ」の定義・範囲については、協議のうえ決定
・事前準備:現地調査に際しての調査シート・野帳等の準備
⇒貸与資料については、上述 S04‐1.を参照
・多目的トイレ:整備状況の把握(校舎内部、体育館内部、屋外設置)等、一覧化(たたき台)調製
・多目的トイレ:室やスペースの規模・面積、備えている機能詳細を調査・把握し、
一覧表や分類表としてまとめる
・エレベーター:現状での整備状況の把握、一覧表の調製(今後の書き込みスペースも設ける。)
・共通作業:今後のバリアフリー化推進に要する年数・コスト試算・順位付け等
⇒更新・長寿命化計画と連動させたシミュレーション(例:改築棟に EV 設置など)も併せて実施
S04‐3.具体的な内容その 3【保全台帳(外装系)の調製、観点別一覧表の調製等】
・事前準備:現地調査に際しての調査シート・野帳等の準備
⇒参考資料として、当方作成の『保全台帳(案):外装系』の資料を提供する
⇒貸与資料については、上述 S04‐1.を参照
・現地調査:既存資料からは判別できない内容を主体として、実際に現地調査を実施
⇒対象は、外装系(外壁および屋上・屋根)をメインとする
※実際の調査対象の範囲(部位等)や精度については、必要性・重要度等を勘案・協議のうえ決定
..
・とりまとめ:棟別の台帳の調製、重要部位等に関して(絞った)一覧表の調製を行う
※用語:
「公共建築工事標準仕様書」など、国交省官庁営繕部の公表資料に記載のフレーズを用いる
S04‐4.具体的な内容その 4【設備関係の現況把握、一覧形式でのとりまとめ】
・対象:自動火災報知設備(受信機) と 一般放送メイン設備の 2 種類。
・事前準備:現地調査に際しての調査シート・野帳等の準備
⇒貸与資料については、上述 S04‐1.を参照
・現地調査:既存資料からは判別できない内容を主体として、実際に現地調査を実施
⇒対象設備(機器)のメーカー名・型番等を確認できる範囲でチェック
・とりまとめ:基本的に 1 設備/校の整備体系であるため、一覧形式でとりまとめる
S04‐5.具体的な内容その 5【個別の学校を対象としたケーススタディ:校舎、体育館】
・対象:実際の策定する更新・長寿命化計画に沿って、上述の計画期間内に実際に
改築(建て替え)や長寿命化改良の事業候補となる学校を対象とする
⇒(校舎・体育館:それぞれ 1 校ずつ程度)
・概要:実際の基本設計・実施設計の前段階である、『基本計画』に相当するものを予定。
・内容:事業の実施方針、整備計画概要・与条件整理、整備プラン検討(平面その他)、
事業スケジュール策定、仮設校舎計画、一時引越し計画、養生・安全計画、
工事用動線計画・工事用仮設計画、事業費(トータルコスト)試算
といった内容を検討・整理する
・とりまとめ:具体的に、以下のようなタイトル(例)にて資料を調製する
『○○学校における校舎(体育館)更新・長寿命化改良に係る整備事業の基本計画』
S05.成果品(とりまとめ)
・結果考察、論作文作業等
・提出成果品としての最終とりまとめ
※注意事項:上述の各種シミュレーション、『保全台帳』や一覧表等の調製に際しては、一般的に
流通している表計算ソフト(Microsoft 社・エクセル等の汎用ソフト)を使用すること。
また、複雑な関数等は使用せず、シンプルな形式で作成すること。
・印刷物:カラー印刷を 20 部、モノクロ印刷を 30 部、その他
S06.付随業務等(共通)
・各種検討会議、関係者打ち合わせの実施等に際しての支援
⇒例えば、重点保全部位や設備の検討作業などを実施する予定
・その他:パブリックコメント実施に際してのアドバイス業務などを想定
S07.配置予定者等
■総括責任者(管理技術者):1 名を定める
・実務経験 7 年以上を有する者
・実務経験については、建築物の長寿命化や中長期の保全・更新に係る調査・点検、各種
計画・事業費算出等に関するものとする。具体的には「公益社団法人日本ファシリティ
マネジメント協会(JFMA)」が掲げる「ファシリティマネジメントの 11 業務」に示さ
れる内容に沿うものが望ましい。
■サポート責任者:1 名を定める
・実務経験 3 年以上を有する者
・実務経験については、上述の総括責任者(管理技術者)に記載の内容と同じ
※委託者(本市)からの連絡窓口となる者を選定すること
◆主任技術者(建築系):1 名以上を定める
・一級建築士免許を有し、かつ「公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)」
による認定ファシリティマネージャー資格を有する者
◆主任技術者(設備系):1 名以上を定める
・一級建築士免許または建築設備士資格を有する者
◎担当技術者(建築系):1 名以上を定める
・建築基準法第 12 条第 2 項の規定による定期点検を行うことができる資格を有する者
◎担当技術者(設備系):1 名以上を定める
・建築基準法第 12 条第 4 項の規定による定期点検を行うことができる資格を有する者
※業務の一部を再委託することは妨げない。なお、他の事業者へ業務の一部を再委託する場合は、
事前に『再委託承諾願い書』といった旨の文書を委託者(本市)へ提出のうえ本市(調査職員)の
承諾を得ること。
※総括責任者(管理技術者)およびサポート責任者については、本業務について本市と直接契約を
締結した業務受託者(元請事業者)の従業員から選定する=再委託の事業者からの選定はできない。
※兼務の可否と責任者等の選定人数の条件:具体的には以下のとおり。
・総括責任者およびサポート責任者が、主任技術者や担当技術者を兼務することは可能。
・建築系または設備系に関わらず、主任技術者と担当技術者の兼務は可能。
⇒この場合においても、主任技術者と担当技術者の総数を 2 名以上選定すること。