シニア活躍推進 - 月刊人材ビジネス

人材ビジネス業界は何をなすべきか? テーマ「シニア活躍推進」
「シニア活躍推進」
人材ビジネス業界は
何をなすべきか?
テーマ
ビルメンテナンス、物流といった
領域から、コールセンター、事務、
データ入力、専門職まで、幅広い
領域で活躍していただけるアクテ
ィブシニアの活用を提案してお
り、クライアント群も多領域に渡
っています。提案形態は、人材派
遣が中心ですが、人材紹介、業務
請 負 な ど も 手 が け て い ま す。
2016 年 に は、 ク ラ イ ア ン ト
安倍政権が掲げる「一億総活躍社会」。それを実現する上では、中高年・シニア層がいかに活躍できるかが
カギを握る。 そうした領域での人材サービスに特化した企業として東証マザーズ上場も果たしているのが、
株式会社キャリア。 同社のビジネスモデルから、シニア活躍推進において人材ビジネス企業ができること、
なすべきことを探る。
︱
1981 年生。 大学卒業後、大手人材派遣会
社に入社。
20 代前半でシニア層の派遣事業部立ち上げを
企画し、事業部長となる。
その後リーマンショックの影響などによる紆余曲
折を経て、2009 年に株式会社キャリアを立ち
上げ。
シニア層に特化した人材ビジネスで急成長を果た
し、全国に支店を展開中。
2016 年 6 月、東証マザーズに新規上場。
開されていますが、今回は、主に
﹁シニアワーク事業﹂についてお
聞きしたいと考えています。当事
業の構成について教えてくださ
い。
溝部正太代表取締役︵以下、溝部
社 長 ︶ 当 社 の シ ニ ア ワ ー ク 事 業
で は、﹁ 歳 以 上 の 働 く 意 欲 の あ
る方=アクティブシニア﹂に活躍
していただけるよう、雇用の創出
に取り組んでいます。具体的には、
溝部正太さん
アクティブシニアが活躍できる
雇用環境を自ら創る
﹁若い人材が採れないから
シニアを﹂から一歩踏み
込み業務分析
︱
御社は、シニア人材の活用を
提案する﹁シニアワーク事業﹂と
介護施設などに看護師、介護士の
有資格者を派遣する﹁シニアケア
事業﹂という 本の柱で事業を展
︱
プロフィール
︱
︱
い た 大 手 人 材 会 社 が 始 ま り で す。
今後の日本における人口構造推移
を考えると、労働力不足は避けら
れず、シニアの活用が企業成長を
担保するうえで重要な鍵になると
考えたからです。しかし、この提
案は、当初はなかなか受け入れて
いただけませんでした。その最大
の理由は﹁若い人材が採用できな
いなら、その代替策として、希望
する年齢上限を上げてシニアを﹂
というスタンスで提案をしていた
からです。
﹁若い人材が採用できないな
ら、 そ の 代 替 策 と し て シ ニ ア を ﹂
というのではうまくいかないのは
なぜですか?
溝部社長 既に豊富な仕事、人生
経 験 を お 持 ち の シ ニ ア の 方 々 は、
若 い 人 に 比 べ て、﹁ 変 化 率 ﹂ が 小
さくならざるをえません。有体に
い う と、
﹁働く側が仕事にあわせ
る﹂というのが難しくなるという
ことです。つまり、そのままの状
態で仕事に入ってもらうと、なか
なかうまくいきません。働く側も
辛いし、クライアント側では﹁シ
ニアはやっぱり役に立たない﹂と
いうことになってしまいかねない
のです。
労働人口が減少し、シニア活
用にスポットが当たっている現在
でもそうですか?
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先進企業の
取り組み
ことですか?
企業において時間外労働として行
溝 部 社 長 大 き な 特 徴 は、﹁ シ ニ
われていた業務を抽出して請負
アが働きやすい雇用環境を自ら創
い、朝型ライフスタイルのアクテ
っている﹂というところにありま
ィブシニアの方にお任せする﹁ソ
す。 当 社 で は、﹁ シ ニ ア 活 用 コ ン
ーシング・モーニング﹂という新
サルタント﹂が、アクティブシニ
サービスも開始しました。
﹁ ソ ー シ ン グ・ モ ー ニ ン グ ﹂ アの面談からクライアントとのマ
については後ほど詳しく教えてい
ッチング、紹介まで一貫して行う
ただきたいと思いますが、御社の
仕組みを採用しています。
そして、
シニア活用提案の特徴は、どんな ﹁ シ ニ ア 活 用 コ ン サ ル タ ン ト ﹂ の
重要な職務は、クライアントの業
務プロセスを分析し、シニアが活
躍できる業務を抽出することにあ
り ま す。 つ ま り、 例 え ば、
﹁総務
部に人材を派遣する﹂のではなく、
﹁総務の仕事の中でシニアに任せ
られる業務を抽出し、その仕事に
適したシニアを派遣する﹂
のです。
そうすることで、シニアの方々は
イキイキ働ける場を獲得すると共
に、クライアントにとっては、生
産性を向上させることができま
す。こうした取り組みにより、ア
クティブシニアの方々にもクライ
アント様にも評価をいただき、﹁ア
クティブシニア﹂﹁クライアント﹂
﹁ 当 社 ﹂ の﹁ W I N ︱ W I N ︱ W
IN﹂の関係を作り出せているの
ではないかと思います。
そうしたことに注力されてい
る背景は?
溝部社長 私がシニア活用に携わ
ったのは、 年ほど前に在籍して
株式会社キャリア 代表取締役社長
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2017. 2. 1/vol.367
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2
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働き方改革
C lose U p
シニア活躍推進
C lose U p 働 き 方 改 革