郷土史編さん室 36‐6503 田原・赤羽根史現代編編集委員会 藤 と 七原

田原・赤羽根史現代編編集委員会
とうしちばら
郷土史編さん室 36‐6503
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もちろん、現在でも何とか生き残っ
てい る 種 類 も あ り ま
▪現在も見られる植物
チソウも既に絶滅しています。
板に書かれているサワギキョウやウメバ
ました。 しかし、その当 時から案 内
して田原 町 天 然 記 念 物の指 定を受け
そして1991年、シデコブシ群落
を中心に 「藤七原湿地植物群落」 と
までに次々と姿を消しました。
陰や、 乾 燥 化が原 因で1990年 代
のです。 (執筆委員・八木将勝)
の種類と植生)を見守っていきたいも
華やかさはなくても、その場所で力
強 く、 現 在を生 きている植 物( 個々
だければ幸いです。
これらの植物の名前を思い出していた
藤 七原湿 地を訪れた際、 誰にも気
付かれずに生えたり消えたりしている
つかっています。
ど、注意しなければならない種類も見
す。春に咲くショウジョ
ウバカマ(激減)、6月
ウブ、 8~9月のミズ
のカキラン・ノハナショ
主なものは、1980年には既に絶滅
▪絶滅した湿原の植物
ゲ・ハルリンドウ・モウセンゴケ・ミミ
ザミなどです。
す。 中でもオオミズトンボは愛知県全
くようになった 植 物に
カキグサ類などの湿原に生える植物で
体でも絶滅種とされています。もとも
トラノハナヒゲ・キシュ
このほか、1991
年 以 降になって目に付
と冷 温 帯の湿 原に生える本 種が渥 美
記録(小柳津弘氏/1970年/
種)を調べてみました。 すると、今の
ウナキリスゲなどの絶
そのほか、 タカサゴユ
半 島にあったことに驚かされますが、
えられます。
サなどの外来種や人為
藤 七 原 湿 地では見られなくなった 植
これらの湿 原 植 物
は、スギの 植 林、 ウ
的に植え込まれたサギ
リ・コシロノセンダング
ラジロな どの 周 辺 の
ソウ(2013年 )な
滅 危 惧 種もあります。
▲県全体でも絶滅種
とされるオオミズトン
ボの図1981.9.13
(執筆者作)
約2万 年 前の寒 冷 期の生き残りと考
衣 笠 山の東、 小 衣 笠の北のふもと
にある藤七原湿地の植物について昔の
藤七原湿地の植物
ギク、
月のキセルア
していたトキソウのほか、イヌノハナヒ
●田原町天然記念物の指定を受けた当時
(1991)
のシデコブシ
植 物の成 長による日
広報たはら 平成29年2月
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10
其の
種もあることが分かりました。
物が
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81
藤七原湿地の主な植物分布図
(1981年調査図を基に絶滅と赤字の植物を追加)