年度長崎県内温室効果ガス排出量(速報値)について[PDF/47MB]

平成29年2月3日
長崎県環境政策課
平成 26(2014)年度長崎県内温室効果ガス排出量(速報値)について
長崎県内における平成 26(2014)年度の温室効果ガス排出量(速報値)をとりまとめたので、
地球温暖化対策の推進に関する法律第 21 条に基づき公表する。
1.温室効果ガスの総排出量(表 1 参照)
(1)平成 26 年度の本県の温室効果ガス総排出量は、986.5 万トン(二酸化炭素換算。以下、
同じ。
)であった。
(2)平成 2 年度の排出量の 892.3 万トンと比較すると 94.2 万トン増加(10.6%)した。
(3)前年度の排出量の 1041.6 万トンと比較すると 55.1 万トン減少(△5.3%)した。
① 二酸化炭素については、電力消費量の減少(△15.3 万トン)や電力排出係数の改善(△
21.6 万トン)
、燃料油消費量が減少(△15.4 万トン)したことなどから、排出量が減
少した。
② 二酸化炭素を除く 6 ガスのうち、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)については、代
替フロンとして冷媒での利用が進んだことから、排出量が増加した。
表 1 長崎県内の温室効果ガス総排出量
種 類
増減
増減
速報値 ( 構成比 ) (H2年度比) (H25年度比)
H2年度
H25年度
804.7
951.0
87.5
90.6
92.7 (
メタン(CH4)
28.7
23.9
一酸化二窒素(N2O)
30.9
代替フロン等4ガス
二酸化炭素(CO2)
(単位:万t-CO2換算)
H26年度
89.0
△ 57.2
9.4% )
5.2
2.1
23.1 (
2.3% )
△ 5.5
△ 0.7
25.7
24.6 (
2.5% )
△ 6.3
△ 1.2
27.9
41.0
45.0 (
4.6% )
17.1
4.0
20.1
34.9
39.0 (
4.0% )
18.9
4.1
パーフルオロカーボン類(PFCs)
2.6
3.6
3.6 (
0.4% )
0.9
△ 0.0
六ふっ化硫黄(SF6)
5.2
2.4
2.2 (
0.2% )
△ 3.0
△ 0.2
三ふっ化窒素(NF3)
0.0
0.1
0.2 (
0.0% )
0.2
0.1
合 計
892.3
1041.6
986.5 ( 100.0% )
94.2
10.6%
△ 55.1
△5.3%
二酸化炭素(CO2)を除く6ガス
ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)
893.8 ( 90.6% )
※ハイドロフルオロカーボン類(HFCs):カーエアコン(冷媒)の使用・廃棄時に排出されるもの。
※パーフルオロカーボン類(PFCs):半導体の製造、溶剤等の使用・廃棄時等に排出されるもの。
※六ふっ化硫黄(SF6):電気設備、半導体の製造・使用・廃棄時等に排出されるもの。
※三ふっ化窒素(NF3):NF3ガス、半導体の製造時に排出されるもの。
※端数処理の関係上、合計値が合計と一致しない項目がある。
※増減に係る合計欄の下段の値は、増減率を示す。
※H25年度値は一部の統計値が未公表であることから、確認できる最新の年報値で算定している。
1
2.二酸化炭素の排出量
(1)二酸化炭素排出量の推移(表 2、図 1 参照)
○本県の平成 26 年度の二酸化炭素排出量は 893.8 万トンで、平成 2 年度の排出量の 804.7
万トンと比較すると 89.1 万トン増加(11.1%)
、前年度の排出量の 951.0 万トンと比較す
ると 57.2 万トン減少(△6.0%)している。
表2
部門
H2年度
産 業
部 門
業務その他
部 門
家 庭
部 門
運 輸
部 門
エネルギー
転換部門
廃棄物
部 門
水 道
部 門
合 計
長崎県内の二酸化炭素排出量
H25年度
H26年度
(単位:万t-CO2)
増減
(H2年度比)
速報値 ( 構成比 )
増減
(H25年度比)
121.1
133.7
126.0 (
14.1% )
4.9
△ 7.7
177.9
256.9
235.9 (
26.4% )
58.0
△ 20.9
126.7
166.9
153.4 (
17.2% )
26.7
△ 13.5
223.2
226.1
222.2 (
24.9% )
△ 0.9
△ 3.8
131.8
129.8
120.3 (
13.5% )
△ 11.5
△ 9.5
18.8
30.3
29.0 (
3.2% )
10.2
△ 1.3
5.3
7.3
6.9 (
0.8% )
1.6
△ 0.4
804.7
951.0
89.0
△ 57.2
11.1%
△6.0%
893.8
( 100.0% )
※端数処理の関係上、合計値が合計と一致しない項目がある。
※増減に係る合計欄の下段の値は、増減率を示す。
※H25年度値は一部の統計値が未公表であることから、確認できる最新の年報値で算定している。
(万t-CO 2)
(kg-CO2/kWh)
0.8
1200
1000
800
864.9
804.7 859.4 846.7
805.3 776.5 809.7
0.365
600
0.436
0.375
0.387
917.9 959.8 951.0 893.8
0.612
0.374
0.369
0.385
0.525
0.613
0.584
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
400
0.2
200
0.1
0
0
H2 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26
年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度
(速報)
図1 長崎県内の二酸化炭素排出量及び電力排出係数の推移
2
産 業
部 門
業務その他
部 門
家 庭
部 門
運 輸
部 門
エネルギー
転換部門
廃棄物
部 門
水 道
部 門
電力排出係数
(2)二酸化炭素排出量の部門別割合(図 2 参照)
○平成 26 年度の本県における二酸化炭素排出量の部門別割合を全国平均値と比較すると、
産業部門の占める割合が小さく、業務その他部門、家庭部門、運輸部門及びエネルギー転
換部門が大きくなっている。
水道
0.8%
廃棄物
3.2%
エネルギー
転換
14.9%
産業
14.1%
廃棄物
2.3%
工業
プロセス
エネルギー
3.6%
転換
7.4%
産業
33.7%
運輸
17.1%
業務
その他
26.4%
運輸
24.9%
その他
0.1%
家庭
15.2%
家庭
17.2%
長崎県
業務
その他
20.6%
全国
図 2 長崎県と全国の二酸化炭素排出量の部門別割合
(3)一人あたりの二酸化炭素排出量(表 3 参照)
○平成 26 年度の本県における一人あたりの二酸化炭素排出量は、6.45 トンで、全国平均の
9.95 トンに対して約 35%少ない。
○これを部門別に見ると、産業部門の排出量が大幅に少なく(長崎県 0.91 トン、全国平均
3.35 トン)
、大規模火力発電所が佐世保市、松浦市、西海市に立地していることからエネ
ルギー転換部門は全国平均よりも排出量が多い(長崎県 0.87 トン、全国平均 0.74 トン)
。
表 3 長崎県と全国の一人あたり二酸化炭素排出量
(単位:t-CO2/人)
部 門
長崎県
産業部門
業務その他部門
水道部門
家庭部門
運輸部門
エネルギー転換部門
工業プロセス部門
廃棄物部門
その他
合 計
全 国
0.91
1.70
0.05
1.11
1.60
0.87
0
0.21
6.45
3
3.35
2.05
1.51
1.71
0.74
0.36
0.23
0.01
9.95
【参考1】温室効果ガスの排出量算定対象物質
本県では、地球温暖化対策の推進に関する法律第 2 条第 3 項に規定のある温室効果ガスと
して、二酸化炭素(CO2)
、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン類
(HFCs)、パーフルオロカーボン類(PFCs)、六ふっ化硫黄(SF6)、三ふっ化窒素(NF3)の排出
量の算定を行っている。
【参考2】温室効果ガス排出量の算定方法
(1)CO2、CH4、N2O について
CO2、CH4、N2O については、環境省が定めた「地球温暖化対策地方公共団体実行計画(区
域施策編)策定マニュアル(第 1 版)」(平成 21 年 6 月)を参考に、県内のエネルギー
使用量を用いるなど実態に即した算定方法を採用し、以下の部門別に排出量を算定した。
(各部門の内容)
産業部門・・・・・・・鉱業、製造業、建設業、農林水産業
業務その他部門・・・・オフィスビル、商業施設、病院、学校など
家庭部門・・・・・・・一般家庭
運輸部門・・・・・・・乗用車、トラック、鉄道、船舶、航空など
エネルギー転換部門・・電気事業、ガス事業、熱供給事業
工業プロセス部門・・・セメント製造など
廃棄物部門・・・・・・一般廃棄物、産業廃棄物(廃プラスチック、廃油)
水道部門・・・・・・・上水道、簡易水道など
(2)HFCs、 PFCs、 SF6、NF3 について
HFCs、 PFCs、 SF6、NF3 については、それぞれの全国排出量を、人口、製造品等出荷額に
よる係数を用いて按分し、算出した。
(3)速報値の算定について
温室効果ガス排出量の確定値は各種統計の年報値に基づいて算定されるが、現段階では
平成 26(2014)年度の年報値が公表されていないものがある。平成 26(2014)年度の年
報値が公表されていないものについては、平成 25(2013)年度の年報値等を代用し算定
している。
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