の 安来 清水寺 通信 厄ばらいの寺 2017 年 2 月号 2 月 行事予定 稲荷社ご縁日 15 日 涅槃会 17 日 19 日 28 日 観音様ご縁日 心経講座 懺悔護摩供養 3 月 行事予定 5日 心経講座 11 日 稲荷社ご縁日 17 日 観音様ご縁日 20 日 春の彼岸会 26 日 第一回 神仏霊場巡拝 28 日 懺悔護摩供養 与える者には功徳が増す 11 日 心身を制する者には 節分会 星祭り 怨み積もらず 3日 善き人は悪事を捨てる 2月15日は涅槃会、お釈迦様が煩悩を引き起こ す肉体を棄て、完全な悟りにお入りになった日です。 この日は、当清水寺では涅槃図を掲げ、 お釈迦様 の鼻くそをお供えして、遺教経を読誦し、お釈迦様 の御教えを守ることをお誓いし、 お徳を讃えます。 さて、今月の言葉はお釈迦様が涅槃に入られる 直前に、 ブッダが涅槃にお入りになると聞き、悲しみ ながら最後のお別れにやってきた弟子達に対して お説きになった言葉です。 1、如何に些細で少量でも慈しみの心を持って、他 に財(知的財産を含む) を与える者には功徳を増す のだ、例えば食あたりの原因になる様な食事を施与 したと言えどもその功徳は増すのだ。鍛冶屋の子チ ェンダは私(お釈迦様) に最後の食事を与えた功徳 で必ず悟りを開くであろう。 2、心と体を制する者には怨みも積もることがない。 何故なら、心身を統一すれば一切の病で苦しむ事 もなく、落雷の様な騒音でさえ心を煩わせることがな いからである。 3、 そして善人は様々な誘惑に打ち勝ち、悪事を捨て 去る事が出来るのである。私を信じ、私の教えに心 を寄せる者は、私の死後は私が説いた戒めを確りと 守り、私が説いた教えを心の支えとして、悟りに向か って精進しなさい。 と教え示してくださったのです。 涅槃会の15日には是非みなさん、 お釈迦様最後 の御教えを心に刻み付け、悟りに一歩でも近づける 様に精進する、 とお誓い下さい。 二月の言葉 ブッダ最後の旅より 平成 29 年度 巡拝ツアー 参加者募集! 出雲國神仏霊場 3 月 26 日 平成 29 年度 第 1 回大社コース開催!! 西国三十三観音霊場 5 月 22〜24 日(二泊三日) 第 1 回 和歌山コース開催!! 平成 29 年度の巡拝ツアーを上記日程より新たに 開催いたします。 初めての方にも清水寺貫主と霊場を巡る旅は楽し いひと時となるでしょう。 これまで興味があっても始められなかった方ぜひ この機会に、ご家族、ご友人をお誘い合わせの上ご 参加下さい。 詳しくはお電話または本堂受付でご確認下さい。 仏教入門 No.29 今月 15 日は「涅槃会」(ねはんえ)です。 以前にも紹介したことがありますが、釈尊が 亡くなることによって、完全な覚りの境涯を 獲得したことを涅槃会と称してお祝いしま す。この涅槃会にちなんで、今月は釈尊の臨 終の際のことばを紹介してみようと思いま す。 釈尊の臨終までを詳細に記した経典として 「大般涅槃経」(だいはつねはんぎょう)があ ります。一般的に「涅槃経」と省略されます ので、ここでも略称を用います。この経典は、 中村元先生によって翻訳され、岩波文庫から 『ブッダ最後の旅』の書名で出版されていま す。この本が一番手頃で入手しやすいと思わ れるので、この本を参照しながら話を進めて いきます。 釈尊は高齢となり自らの死期をさとりまし た。釈尊は数人の従者を連れて、彼の故郷で あるカピラヴァットゥへ向かいます。「涅槃 経」は、この道程を中心に描かれています。 道中、釈尊は病に罹ったり、鍛冶工チュン ダからの供養を受けたことにより、体調がひ どくなっていきます。それでも釈尊は旅を続 け、クシナーラー(Kusinārā)の地まで辿り 着きました。 そこで、釈尊は自らの死後の弟子たちを案 じて語りかけます。 「お前たちのために私が説いた法と私の制し た戒律とが、私の死後にお前たちの師となる のである」 釈尊は教主である自らを頼りとするのではな く、自らが説いた法(教え)と戒律を拠り所 としていくべきことを伝えます。 そして、弟子たちへ次のような最後の言葉 を残して、釈尊は亡くなりました。 「もろもろの事象は過ぎ去るものである。怠 ることなく修行を完成させなさい」 ここでも、釈尊は弟子たちへ怠ることなく修 行に励むことを説いています。先ほど引用し た箇所も含めると、以前に紹介した「自灯明、 法灯明」の趣旨と同じく、釈尊は法(教え) の実践を最重要なものとして考えていたこと が見て取れます。 現代の仏教徒にあっても、釈尊の教えを学 び、その教えをできる範囲で実践していくこ とが求められているように思えます。涅槃会 は、この教えの実践を始める、あるいは実践 の重要性を思い出させる、良い機会なのかも しれません。 清水寺でも涅槃図を掲げて涅槃会を営みま す。また、釈尊の「はなくそ」(あられ)を 頂戴することができますので、是非ともご参 拝いただき、釈尊の遺徳を偲んでいただきた いと思います。
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