事例解説編 1 【主な相談事例】 事例① 健康食品の購入契約に関するトラブル 新聞広告を見て健康食品を電話で注文した。数日後、 代引きで届き、代金を支払い受け取った。1カ月後に同じ 商品が届いたが、請求書もなかったので無料だと思い、 飲んでしまった。さらに1カ月後、6千円の振込用紙と ともにまた健康食品が送られてきたため、驚いて業者に 連絡をしたところ「期日までに断りの電話がなかったの で、定期購入になっている」と言われた。定期購入を申 し込んだ覚えはない。 【契約者:60歳代 男性】 2 【主な商品・サービス】 ・健康食品、飲料、化粧品 【特徴と問題点】 ・消費者が自主的に停止手続きをしないと自 動で定期購入へ切り替わっているケースが 多い。 ・定期購入であることや解約はできないこと などの契約条件が小さい文字で表示されて いるため、分かりにくい。 ・解約を申し出たところ、初回価格ではなく 通常価格を請求される。 ・事業者へ電話がつながらず、解約の申し出 が困難。 3 トラブルに遭わないために!! ◆通信販売を利用する際は、広告上における契 約内容や解約条件についての表示の有無を確 認し、契約するかどうか慎重に判断する。 ・契約内容は何か ・定期購入が条件になっていないか ・定期購入期間内に解約が可能か ・解約の申し出先や方法(電話やメール 等)が表示されているか ◆返品に関する特約の有無及びその内容を確認 する。 ◆広告や注文票を取り置く。 4 【主な相談事例】 事例② 住宅修理契約に関するトラブル 業界団体のような名前のところから「自然災害で壊れた 箇所はないか」と電話があり、昨年の台風で屋根が傷んで いることを話すと「火災保険で修理できる。うちの指定業 者が無料で調査し、保険申請も手伝う」と言われ、後日業 者が調査に来た。保険金が出るならと思い、その業者と工 事請負契約を結び、作成してもらった見積書等で保険会社 に申請すると、60万円の保険金が出ることになった。 しかし、やはり工事はなじみの業者に頼んだほうがよいと 思い、解約しようとしたところ、保険金の50%もの解約 料が取られることがわかった。工事もしていないのに高額 すぎないか。 【相談者:70歳代 男性】 5 【主な商品・サービス】 ・住宅修理(屋根・外壁工事等) 【特徴と問題点】 ・電話や訪問で「火災保険で家の修理ができ る。無料で申請等を手伝う」などと勧誘さ れる住宅修理工事契約。 ・自然災害による住宅の損害が、火災保険の 補償対象になる場合があることを知らない 消費者が多い点に着目した勧誘方法で、最 終的に住宅修理工事契約を結ぶことを目的 としている。 6 トラブルに遭わないために!! ◆申請を代行する業者の説明を鵜呑みにせ ず必要のない契約はきっぱり断る。 ◆自然災害で住宅が損害を受けたら、まずは 自分で損害保険会社か代理店に連絡する。 ◆保険金支払いの対象となるか、申請はどの 様にするのか等を、自分で確認する。 ◆住宅修理を依頼する際は、複数の業者から 見積もりを取る。 ◆訪問販売・電話勧誘の場合はクーリング・ オフできる。 7 高齢者を守ろう!! □見守りが肝心。ネットワークを強化する □日ごろからコミュニケーションをとる □家族や周囲の人は、高齢者宅に不審な契約書や 商品がないかを確認する □近所に消費者を集めて商品を販売している場所が ないか常に気にかけておく □高齢者は話を聞いて優しくしてくれる販売業者を信頼 しているケースもあるので、万一不審な契約書を見つ けたり、契約していることを隠していると思われる場合 でも責めたりせず、優しく声をかけ、経緯を聞き取り、 必要な場合は消費生活センターに相談する □認知症などで高齢者が自分の財産を管理できなく なっている場合は、成年後見人制度も検討する 8 高齢者の消費者トラブルを防ぐには ◆ まわりの方々の見守りが大切! ◆ 日常的に接している身近な方が、 まず変化に気づき、 相談機関につなぐ ことが重要。 9 気づきのポイント 家を訪ねたとき・・・ □ 来客がよくある(販売員や宅配業者など) □ 見慣れない商品がある □ 開けていない段ボールがある □ たくさんのダイレクトメールや請求書の郵便物が届いている □ 不自然なリフォーム工事がしてある □ 突然の電話におびえたり、慌てたりしている □ 来訪中、ひんぱんに電話がかかってくる (電話を切れなくて困っている) 10 気づきのポイント 地域で見かけたときに・・ □ 見慣れない人が出入りしている □ 外出が増えたようだ □ 見知らぬ人に話しかけられていた □ 見かけない車が頻繁に止まっている □ 業態のわからない店や会場に、頻繁に出入りしている 11 様子の変化に気付いたら? 認知症の 可能性 本人に事実を確認 本人の意思を 尊重しましょう 消費生活相談を勧める 相談することを望まない 経過の見守り (家族や関係機関などでの 見守り) 地域包括支援センターなど の相談機関に連絡して福祉 体制や見守り体制を検討 連携 相談することを望む ① ② 本人が 相談 家族が 相談 ③ 民生委員 が相談 消費生活センター 12
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