報道機関 各位 国指定史跡「真福寺貝塚」で発掘調査を実施

記者発表資料
報道機関 各位
平成29年1月23日(月)
問い合わせ先:文化財保護課:青木・吉岡
電話:829-1724(内線4137)
国指定史跡「真福寺貝塚」で発掘調査を実施しました
さいたま市教育委員会では、
「真福寺貝塚」において発掘調査を実施しました。今年
度の発掘調査が終了し、
「真福寺貝塚」の成り立ちを解き明かす重要な成果を得ました
ので、その内容をお知らせします。
記
1
「真福寺貝塚」とは
「真福寺貝塚」(岩槻区城南三丁目所在)は、縄文時代後期から晩期、
今からおよそ 3,800 年前から 2,500 年前の遺跡です。重要文化財の
「ミミズク土偶」
(右写真)が出土した遺跡として広く知られ、昭和
50年に国史跡に指定されました。
さいたま市教育委員会では、この「真福寺貝塚」の将来への継承と、
史跡の活用のための方針として、「史跡真福寺貝塚保存活用計画」を平成27年度
に策定し、その達成に向けた取組を実施しているところです。この計画に基づき、
平成28年度から発掘調査を開始し、真福寺貝塚の具体的な様子の解明に取り組ん
でいます。
2
平成28年度の発掘調査
発掘調査の期間
平成28年10月3日~12月21日
発掘調査の位置
史跡範囲の東部、半円状の高まり部分、全長45m
発掘調査の成果
縄文時代の後期から晩期の中ほど、今からおよそ 3,800 年前か
ら 2,500 年前にかけての 1,300 年間に亘る生活の継続と累積に
よって、半円状の高まりが形成されたことを確認しました。
調査成果の意義
近年、縄文時代後期から晩期の中核的な集落は環状の高まりを
伴うことが明らかになってきました。しかし、高まり部分を横
断して調査した例はたいへん少なく、縄文時代集落研究の上で、
貴重な成果です。今回の調査は幅1mの範囲で断面構造を大局
的に確認しましたが、今後範囲を広げて調査を行うことで、高
まり形成やこの時期の集落の核心に迫る成果が期待されます。
3
今後の取組予定
来年度以降も発掘調査を継続して実施し、真福寺貝塚の実像をより詳しく解き明
かしていく予定です。