医療ICT NEWS FILE 20170125 vol.030

診療報酬・薬価から臨床・創薬まで 高度情報化医療の明日を伝える
医療
NEWS FILE
vol.
2017.1.25
030
株式会社じほう 〒101-8421 東京都千代田区猿楽町1-5-15 猿楽町SSビル TEL 03-3233-6351
2
連載
医療 I CT最前線
禁無断複写
地域医療情報連携の現場から
[ 第7回]長崎県・あじさいネット
県全域に拡大し国内最大級に
機能拡充でコストへの対策必要
7
8
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データヘルス改革
今夏までに取りまとめ
厚労省、推進本部が初会合
医療情報匿名加工機関の創設、略称は「次世代医療基盤法案」に
長崎県薬、かかりつけ薬剤師機能の向上に「有用」
地域医療 NW に団体入会で服薬情報を一元管理
INFRASTRUCTURE
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9
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10
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11
医療・介護の個人情報 GL 見直しへ 個情委事務局「現場運用は変わらない」
データヘルス有識者検討会の報告書を公表 厚労省
保健医療での AI 活用へ議論開始 厚労省懇談会が初会合
AI 懇談会、12 日に初会合 医療分野での利活用目指す
「データヘルス改革推進本部」、週内に設置 塩崎厚労相
「18 年度改定に向け、AI などの活用推進を検討」 堀内厚労政務官
地域医療構想の具体化で重要な年 四病協・賀詞交歓会で塩崎厚労相
SERVICE
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13
14
14
医療提供体制、都道府県別・二次医療圏別データを公表 日医総研
薬剤師向け薬学アプリ「JP Learning Ⅱ」販売開始 日本調剤子会社
中国の電子決済サービス「アリペイ」導入、順次拡大へ 大賀薬局(福岡県)
ビッグデータ活用、OTC 製販の新会社設立へ 医療データ分析の MDV が来月 1 日に
服薬支援機器「e お薬さん」販売開始、見守り支援機能を搭載 エーザイ
連載
第7回
医療 I CT最前線
地域医療情報連携の現場から
長崎県・あじさいネット
県全域に拡大し国内最大級に
機能拡充でコストへの対策必要
あじさいネットは、長崎県の全域から約 300 施設が参加し、6 万人以上の患者を登録する国内最大級
の医療 ICT ネットワークだ。
「地域の医療の質向上」というコンセプトを明確にして、多くの医療機関によ
る活発な病診連携を実現。さらに長崎市内などでは昨年、病病連携もスタートした。当初から継続可能
な運用コストを意識することで、発足以来 12 年にわたり拡大し続けている。システム面では、全国に先
駆けてマルチベンダーネットワークを構築。医療 ICT ネットワークのトップランナーとして、
診療情報の
共有以外にもさまざまな機能拡充を推し進めているが、乗り越えねばならない課題も見えてきた。
「大事なのは参加施設が増え続けること」
所も次々に手を挙げるた
め、参加施設のさらなる
あじさいネットは、情報提供病院(中核病院)の電
増加も「時間の問題」と
子カルテ情報を患者の同意の下、診療所などがイン
みる。
ターネット経由で診療に利用する仕組み。診療所が
利用地域は県全域に広
患者からカルテ共有の承諾を得て情報提供病院に同
がる(図 2)。情報提供病
意書を送ると、15 分以内にその患者のカルテを閲覧
院の空白地域だった壱岐
することができる。提供する患者情報は、画像情報
で昨年、2 施設が加わっ
と検査情報、治療内容、診療記録(医師記録、看護
たほか、対馬でも間もな
記録、指導内容など)。
く運用が開始される予定だ。ただ、情報提供病院は
2004 年 10 月に大村市でスタートした同ネット
県北で広がりが弱く、島原半島には 1 施設もないた
は、長崎地区で運用が始まった 09 年頃から右肩上が
め、県全体をカバーするネットワークとして、引き
りに広がっている。昨年 12 月時点の会員施設数は情
続き参加を呼び掛けている。
長崎大の松本氏
報提供病院 31施設、情報閲覧施設 280 施設(診療所
医療者の「生涯学習支援」も重要な機能
204、薬局 57、訪問看護 13、介護 6)。患者の新規登
録数は毎月約 900 例で、総登録数は 6 万人を超え全
国最大級を誇る(図 1)。これらの数字だけで、ネット
電子カルテの共有や高度医療機器の利用による診
ワーク運営が順調に推移してきたことがうかがえる。
療支援が主な機能だが、松本氏によると「医療従事
現在の診療所の参加率は大村地区で約 7 割、長崎
者の生涯学習の支援」も重要な機能の一つ。紹介患
地区で約 3 割に上る。あじさいネットを育ててきた
者のカルテを閲覧することによって診療所医師が自
一人で、運営主体の理事も務める長崎大の松本武浩
身の見立ての「答え合わせ」ができるため、知識とス
准教授は、「最も大事なのは参加医療機関が増え続
キルの向上という効果を生み出しているという。
けることだ」と指摘。情報提供病院が加われば診療
あじさいネットで入手した情報を診療に役立てて
医療 ICT
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連 載
医療 ICT 最前線 ―地域医療情報連携の現場から―
いるというハシモト耳鼻咽喉科医院の橋本清院長
このほか宮﨑薬局の宮﨑長一郎代表取締役は、あ
は、大学勤務時代は医局にいるだけで最新情報が
じさいネットで得られる情報によって、ハイリスク
入ってきたが、開業医に就いてからは自分から求め
薬使用患者の処方監査の質向上に取り組んでいる。
ないと情報が入ってこないことに気づいたと説明。
在宅医療を行う奥平外科医院の奥平定之院長は、
それだけにこの生涯学習の支援機能を、「抗がん剤
iPad を用いた在宅医療連携システムの利用で、写真
などは進歩し続けており、勉強になる」と歓迎する。
データのやりとりがしやすくなったため、看護師や
薬剤師に対し明確な治療方針をタイム
リーに伝えられるようになったと評価
総患者登録数と利用施設数
図1
2004 年10 月∼ 2015 年 9 月
新規登録数 約 900 例 / 月
総登録数 60,981 名、会員数 956 名
施設数 311 施設 (2016/12/28 現在 )
(情報提供病院 31、薬局 57 を含む)
50000
40000
300
250
利用施設数
200
30000
150
県南
(長崎)
20000 県央
県北
(佐世保)
(大村・諫早)
10000
100
総患者登録数
0
する。
あじさいネットでは地域医療の主体
は「かかりつけ医」であり、かかりつけ
医をサポートすることで「地域全体の
医療の質向上を目指す」というコンセ
プトを発足当初から掲げている(図
3)。地域医療連携ではネットワークの
構築が目的化してしまうケースもある
50
が、あじさいネットでは大きなコンセ
0
プトに沿った情報の活用が行われ、そ
れがネットワークを支えているといえ
そうだ。
図 2 「あじさいネット」の情報提供病院
情報提供病院
県北エリア
壱岐・対馬エリア
H24 佐世保総合病院
H24 佐世保中央病院
H24 佐世保共済病院
H25 長﨑労災病院
H28 壱岐市民病院
H28 光武病院
運用中 31 病院
(H28 稼働 2 病院)
佐賀県エリア
H25 嬉野医療センター
H29 対馬病院
県央・島原エリア
H16 長崎医療センター
H17 大村市民病院
H23 川棚医療センター
H25 諫早総合病院
H26 貞松病院
H26 諫早原爆病院
H26 諫早記念病院
H26 愛野記念病院
H27 南野病院
五島エリア
H23 上五島病院
H25 五島中央病院
H29 宮崎病院
長崎エリア
H21 長崎大学病院
H21 光晴会病院
H21 十善会病院
H21 長崎市民病院
H21 日赤原爆病院
H22 済生会長崎病院
H22 聖フランシスコ病院
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H22 井上病院
H22 長崎記念病院
H23 長崎北病院
H25 虹が丘病院
H26 上戸町病院
H27 国立長崎病院
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連 載
図3
医療 ICT 最前線 ―地域医療情報連携の現場から―
通信、病院提供システムへの直接
あじさいネットのコンセプト
アクセスなどを採用。これらは利
用者の入力負担軽減や、補助金な
A総合病院
しでの運用を考えたものだ。この
B救急病院
ほか事前アンケートで医師会員の
ニーズを顕在化し、当初の閲覧可
能な内容を決めた。松本氏は、00
かかりつけ医
年の経済産業省の「電子カルテの
患者
共有モデル事業」の終了後に完全
休 止 に 追 い 込 ま れ た 地 域 か ら、
C 病院
D 専門病院
地域医療の主体は「かかりつけ医」
かかりつけ医(診療所機能)のサポート
ネットワークの特質や問題点を理
地域全体の医療の質向上
解したことが、
あじさいネットの長
期運用に生きていると振り返る。
09 年 4 月には、人口約 45 万人
の長崎市でも運用をスタートし、n 対 n 型連携へと
失敗モデルから問題点を理解
継続可能な仕組み構築
拡大したが、ここでもアンケートを複数回行うなど
事前準備に注力。
「ライバル同士で調整が難しく、相
当慎重に進めた」
(松本氏)こともあり、05 年の「地
安定的に運用されてきた理由はほかにもある。あ
域医療ネットワーク推進部会」発足から正式運用ま
じさいネットはもともと、人口約 9 万人の大村市で
で 4 年の歳月をかけた。
IT を使って医療連携を活発化しようと、市医師会、
採算面では、補助金がなくても継続運用できるよ
国立病院機構長崎医療センター、大村市民病院が、
うにするため、会費制を導入(表)。大村で運用を始
04 年 10 月に運用を開始したネットワーク。長崎医
める際には設備投資などのために約 800 万円を借
療センターが電子カルテシステムへ移行するのに伴
り入れ、その返済も見据えて情報閲覧施設の会費を
い、電子カルテ情報を地域のかかりつけ医に提供し
月額 2000 円に設定した。長崎地区への展開に伴い、
たいと考えたのがきっかけで、運用の約 1 年半前に
新たなシステムで保守費用が発生したため、4000
3 者で「地域医療連携 IT 化検討委員会」を立ち上げ、
円(システム料含む)へ値上げしたものの、これまで
ネットワークの運用や継続に必要な体制などを話し
退会したのは 9 施設にとどまる。これは利用者が費
合った。
用対効果を認めた結果だとみることもできる。
その結果、病院カルテを診療所が利用する片方向
情報提供病院の費用は、ゲートウェイ(GW)導入
表
あじさいネット会員区分と利用料金
正会員
準会員*
ポータル会員*
システム料
(VPN 機器 1 台)
ウイルス対策ソフ
トライセンス料
(パソコン1台ごと)
年会費
36,000 円
12,000 円
2,400 円
12,000 円
(1 年分一括払い)(月額 3,000 円) (月額 1,000 円) (月額 200 円) (月額 1,000 円)
利用できる
機能
あじさいネット
基本機能全て
あじさいネット
基本機能全て
希望する
1 機能のみ
総会議決権
○
×
×
1施設において、少なくとも1人は正会員。「準会員」または「ポータル
会員」は、2人目以降の入会者について選択可能。
*
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3,000 円
所属団体が
入会金 入会済みなら
無料
50,000 円
※ 病院の場合は病床数
により金額が変わる。
初期設定
費用
30,000 円
連 載
医療 ICT 最前線 ―地域医療情報連携の現場から―
費 800 ~ 1400 万円、会費月 5000 円、中継サーバー
ネットワークシステム「ID-Link」の各中継サーバー
使用料月 5 万円などと定めている。
に、ポータルサイト上で接続するという “ マルチベ
ンダーネットワーク ” の先駆け例でもある(図 5)。
機能追加進め、さらなる参加促す
09 年に長崎地域に拡大するタイミングで、VPN
(仮想プライベートネットワーク)に関する 24 時間
あじさいネットの運営主体は NPO 法人長崎地域
365 日対応の保守を NTT データに委託。その後、同
医療連携ネットワークシステム協議会で、事務局は
社でプライベートクラウド型ポータルサイトを立ち
県医師会に置かれている。協議会は情報提供病院や
上げ、シングルサインオン(SSO)システムを 11 年
県・地区医師会の代表者らで構成する運営委員会を
に導入した。SSO により、会員 ID で一度ログイン
中心に活動しているが、地域医
療再生基金の補助で設置され
た、県医師会の「あじさいネッ
図4
あじさいネットのさまざまな機能追加
ト拡充プロジェクト室」が実働
病診連携の窓口
組織となっている。
ID-Link Gate
発足以降、情報閲覧施設に幅
HumanBridge
Gate
広く有効利用してもらうため
に、地域医療再生基金を活用し
てさまざまな機能追加を図って
いる(図 4)。松本氏は機能追加
各サービス一覧
を進める理由について、ニーズ
セキュアメール
を拾い上げることで「あらゆる
TV 会議システム
医療機関を入れたい」との考え
周産期医療支援
を表明。機能を利用する中で病
検査結果参照
説明同意書欄
診連携の意義などが伝わり、電
糖尿病疾病管理
地域連携パス
子カルテの共有へと発展してい
くことに期待している。
コンセプトに掲げる地域の医
療の質向上を確かめるには、
診療
図5
NEC 版と富士通版の相互乗り入れ
プロセスの評価やアウトカムの
長崎大学病院
測定が不可欠だが、糖尿病疾病
長崎原爆病院
管理システムや地域連携パス
で、それらを実行する見通しも立
てている。さらに来年度は「地域
済生会長崎病院
大村市民病院
包括ケア支援システム」の構築
長崎市民病院
光晴会病院
十善会病院
長崎医療センター
あじさいネットは、富士通の
ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム
「HumanBridge」と、NEC の
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GW
NEC
ID-LINK
Server
全病院が
一画面で
閲覧可能!
GW
連携クリニック等
GW
に向けて動き出す予定だという。
日本一厳しい
セキュリティーを確保
GW
あじさい
ネット
ポータル
(SSO)
GW
NTTdata
GW
GW
HumanBridge
Server
富士通
GW
5
Internet
IP-VPN network
by NTT data
連携クリニック等
連 載
医療 ICT 最前線 ―地域医療情報連携の現場から―
するだけでアクセス権のある全施設の診療情報を容
報閲覧施設に十分に浸透しているとは言い難い状況
易に閲覧できるようになったほか、さまざまな追加
で、利用を促す取り組みも求められる。協議会理事
機能を利用する際にサービスごとに独自 ID でログ
を務める県医師会の牟田幹久常任理事は「県医師会
インする必要がなくなった。ネットワークシステム
とあじさいネットはやりたいことが現時点で一致し
の変更、中継サーバーの切り替え、ポータルサイト
ている」としながらも、追加機能の今後については、
構築などには地域医療再生基金を活用した。
運用費を負担してでも継続することに利用者が賛同
また、情報閲覧施設側にはオンデマンド型のハー
してくれるかが課題とする。新たな機能の構築だけ
ドウエア VPN(IPsec+IKE の暗号化通信)、情報提
でなく、現在の機能を極力費用をかけずに利活用し
供病院側には通信業者専用の閉域網を利用する IP-
ていく方策にも注力していくべきだと指摘する。
VPN を整備し、最高レベルのセキュリティーを確
基盤整備終え、ソフト強化のステージへ
保。参加医療機関より登録された情報は、あじさい
ネットのデータセンター(広島県)で保管する。診療
情報を扱う上で、一定程度の手間やコストがかかっ
長崎県は昨年 11 月に地域医療構想を策定し、構想
たとしてもセキュリティーレベルを重視した。
実現のために必要な施策の中に「あじさいネットを
「日本一厳しいセキュリティーポリシー」
(松本
活用した医療機関等の連携推進」を明記した。県医
氏)も策定し、運営委員会で運用が適切かどうかを
療政策課の中村直輝氏は、県全域に広がり、多くの
検証している。松本氏によると、全国の医療 ICT 連
医療機関が参加するネットワークを民間主導で作り
携の約 65%が、あじさいネットと共通の中継サー
上げたことは「県にとって大きなメリット」と評価。
バーを用いたシステムを構築しているので、他地域
ICT による医療情報連携への支出は基本的にあじさ
と診療情報を共有することも可能。だが、
「セキュリ
いネットに集約し、県の施策としても進めていると
ティーポリシーを、あじさいネットに合わせてもら
説明する。
えなければ情報共有はできない」とセキュリティー
県は現在、在宅医療や介護、周産期から小児医療
の厳格さは譲らない。
までに力を入れており、地域医療再生基金と地域医
療介護総合確保基金により、あじさいネットの取り
機能拡充で新たな課題も
組みを支援。その一環として、在宅医療・周産期医
療の支援に 15 年度は 3200 万円、16 年度は 4100 万
このようなネットワークの基盤上に、TV 会議シス
円を計上。このほか情報提供病院の GW 設置費の半
テム、糖尿病疾病管理システム、検査データ共有サー
額補助などに 15 年度は 5300 万円、16 年度は 4200
ビス、地域連携パスなど、電子カルテ共有以外の機
万円を支出している。
能を追加。機能追加のシステム構築は地元のシステ
中村氏は、今後あじさいネットで実現してほしい
ムベンダーにも発注し、コストを抑えているという。
機能として、診療所間の情報連携を提示。効率的な
ただ、これらの機能拡充には基金が使われていて、
在宅医療につながることを期待する。一方で、セキュ
事業の継続性を踏まえたランニングコストへの対策
リティーレベルの高さから、使い勝手の面で不満を
が必要になる。松本氏はこの点について、各機能の
抱いている利用者も見受けられるため、現場の声の
利用者が増えることで対応できるとの見解を示す。
吸い上げも重視してほしいと要望する。
例えば、がん拠点病院間で始まった TV 会議システム
あじさいネットは基盤整備を終え、
ソフト面の強化
によるカンファレンス中継は他の疾患への発展性が
という次のステージに突入している。利用者のニー
あるほか、検査データ共有サービスは全診療所で使
ズ、使い勝手、必要なコストのバランスを探りながら
えるため、利用者は確保可能だと見込む。一方で「機
機能を強化することで、参加医療機関のさらなる拡
能を維持できないのであればニーズがないというこ
大を達成し、地域の医療の質向上につながっていく
とで、
(そのときは)やめることになる」とも語る。
ことを期待したい。
また追加機能に関しては、活用法やその効果が情
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2017年 1月20日【MEDIFAX】
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医療
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INFRASTRUCTURE
データヘルス改革
今夏までに取りまとめ
厚労省、推進本部が初会合
健康・医療・介護のデータを集積して活用する方
策を部局横断的に検討する「データヘルス改革推進
本部」
(本部長=塩崎恭久厚生労働相)は 12日、初
会合を開いた。本部の下に4 つのワーキンググルー
プ(WG)を設置して検討する。今夏までに一定の成
果を取りまとめ、
「骨太の方針」など政府の基本方針
に反映させたい考えだ。データを活用できるシステ
ムを構築し、2020 年度からの本格稼働を目指す。
厚労省を挙げてデータヘルス改革に臨むことを
確認した初会合=12日、厚労省
健康、医療、介護のデータは集積されつつあ
護データ▽ビッグデータ連携・整備―の 4 つを設
る一方、縦割り構造などを背景に相互につなが
置する。予防・健康、医療、介護の WG で、デー
らない形で分散している。超高齢社会の問題を
タ活用のあるべき姿をそれぞれ議論し、その議
解決するにはこうしたデータを有機的に連結し
論を踏まえてシステム設計などについてビッグ
て活用する必要があることから、ICT のインフ
データ連携・整備 WG で検討する。会合では、本
ラを整え、活用できる仕組みを整備する。本部
格稼働に向けた工程表(イメージ)も示された。
の設立趣旨では、多数のデータを所持している
審査支払機関を「業務集団」から「頭脳集団」に
「有機的に連結した世界初の
ICTシステム」に意欲 塩崎厚労相
改革することや、ビッグデータの分析による保
険者機能の強化、新たな治療法の開発や創薬、
医療経済の適正化などを実現させる方針を打ち
塩崎厚労相は会合の冒頭、
「世界初となる大規
出した。
模な健康・医療・介護のデータを有機的に連結し
たICT のシステムを構築する。そのために技術
革新をフルに活用する次世代型の保健医療シス
本格稼働見据えた「工程表」も確認
テムを 20 年度から本格稼働したい」と述べた。
本部長代行は二川一男事務次官、本部長代理
また、日本が高齢化にどう対応するかは世界
は福田祐典大臣官房技術・国際保健総括審議官、
も注目しているとし、「一人一人の健康寿命を
事務局長は鈴木康裕保険局長が務める。本部員
どう延ばすかという未曾有の課題に直面してい
は各局長や審議官とし、全省を挙げて取り組む
る」と指摘。課題の解決には最先端の科学技術
体制とした。顧問には「データヘルス時代の質
を活用することが必要とし、中でも ICT の活用
の高い医療の実現に向けた有識者検討会」の構
は最重要だと強調した。これまでにない大規模
成員も務めた葛西重雄氏(情報処理推進機構
なシステム環境の整備になるとし、官民の壁を
CIO 補佐官)を据えた。
越えて検討する必要があるとした。
2017年 1月12日【MEDIFAX】 規制・GL
WG は▽予防・健康データ▽医療データ▽介
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INFRASTRUCTURE
医療情報匿名加工機関の創設
略称は「次世代医療基盤法案」に
内閣官房は 19 日、自民党の内閣第 1・第 2 部会合同会議で、患者のカルテ情報や検査結果を
匿名加工して研究機関などに提供する医療情報匿名加工・提供機関(仮称)の創設を柱とした
「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律案」
(略称「次世代医療基
盤法案」)の概要を示した。
2017年 1月19日【MEDIFAX】 規制・GL
3月上旬に閣議決定へ
合同会議に出席した石田昌宏参院議員は、匿名化
診療行為のアウトカムのデータ利活用によって治
約を図ってほしいと法案に賛同する姿勢を示した上
療法・医薬品開発などを進めるのが目的で、3 月上旬
で、医療と情報の両分野に詳しい人材の育成も併せ
の閣議決定を目指している。
て検討していく必要があると指摘した。
とセキュリティーの問題を乗り越えて医療情報の集
医療・介護の個人情報 GL 見直しへ
個情委事務局「現場運用は変わらない」
2017年 1月13日【MEDIFAX】 規制・GL
2017 年 5 月 30 日に施行する改正個人情報保護
報の第三者提供における本人同意の取得など、同法
法を受け、
「医療・介護関係事業者における個人情報
の改正点が新 GL に反映される。
の適切な取扱いのためのガイドライン(GL)」が見
医療関係者からは新 GL について、規制改革推進
直される方向だ。本紙の取材に応じた個人情報保護
会議の規制改革ホットラインに対して、「本人同意
委員会事務局によると、厚生労働省などと新 GL の
取得の原則あるいは患者の個人情報を非個人情報化
策定に向け調整中で、年度内にパブリックコメント
するための匿名化方法が、医療現場を鑑みることな
を募集後、改正法と同時の施行を目指している。た
く求められると、医療現場に混乱を生じる。症例報
だし、新 GL でも医療現場での運用は変わらない見
告および専門医資格等の認定のためのケースレポー
通しだ。
ト提出等の際に、患者の個人情報の取り扱いが実質
現在の GL は▽病院▽診療所▽薬局▽介護事業者
的に不可能になってしまう」などの懸念が上がって
―などを対象に、患者の健康・医療情報などの適正
いた。
な取り扱いに関する順守事項や順守が望ましい事項
同委員会事務局は本紙に対し、
「GL の内容は調整
を示している。例えば「個人データの第三者提供」に
中」とした上で、
「従来からの医療現場での運用は変
ついて、患者本人が意識不明の場合や他の医療機関
わることのないようにしていきたい」と強調。現状
等からの照会に回答する場合など、医療・介護の各
よりも厳格な運用を求める考えはないとの見解を示
場面に応じた個人情報の取り扱い方法を解説してい
した。医療関係者や厚労省などとも協議した上で、
る。GL の根拠は個情法で、要配慮個人情報や個人情
改正法が施行する 17 年 5 月 30 日と同時の施行を目
医療 ICT
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指している。
INFRASTRUCTURE
も現状から変わらない方向だ。
一方、個人情報が 5000 人分以下の事業者は、個
「黙示による同意」の運用は継続へ
人情報取扱事業者に該当しないとする、いわゆる
「5000 件要件」が撤廃されるため、大企業から中小
例えば従来の GL で、第三者への情報提供のうち、
企業まで(大病院から診療所まで)規模を問わず各
患者への医療の提供に必要で、個人情報の利用目的
種の安全管理措置を講じる必要が生じる。ただし、
として院内掲示などにより明示されている場合は、
医療分野では情報の機微性に鑑み、従来から個人情
原則として患者から「黙示による同意」が得られて
報の件数を問わず「本 GL を順守する努力を求める」
いると考えられてきた。こうした運用は、新 GL に
とされてきたため、運用で変更が及ぶ医療機関は限
も引き継がれるとみられる。
「匿名化」に関する運用
られる見通しだ。
データヘルス有識者検討会の報告書を公表
厚労省
2017年 1月12日【MEDIFAX】 規制・GL
厚生労働省は 12 日、
「データヘルス時代の質の高
め、データインフラの抜本的整備を行うことが不可
い医療の実現に向けた有識者検討会」
(座長=西村周
欠と盛り込んだ。
三・医療経済研究機構所長)の報告書を公表した。昨
支払基金支部の審査委員会のガバナンス・審査委
年末の同検討会で出た意見を基に文章を追加、修正
員の利益相反の禁止等の項目では、再審査レセプト
した。厚労省は報告書などを基に法改正も検討する。
の一部を本部で行うことを検討すべきと加えたほ
ビッグデータの活用に関して、医療レセプトへ郵
か、諸外国の審査支払機関では常勤の医師らが審査
便番号を記載するなど有用性を上げていく取り組み
を担っていることを参考にすべきだとの意見を書き
が重要と追記したほか、介護データを充実させるた
加えた。
保健医療での AI 活用へ議論開始
厚労省懇談会が初会合
2017年 1月12日【MEDIFAX】 規制・GL
塩崎恭久厚生労働相は冒頭に挨拶し、「AI によっ
厚生労働省は12日、
て患者、国民それぞれのニーズがきめ細かく満たさ
「保健医療分野におけ
会議冒頭に挨拶する塩崎厚労相
=12日、厚労省内
るAI活用推進懇談会」
れる保健医療サービスが提供され、あるいはまた生
の初会合を開き、診断
産性の向上につながり、これまでにない新しい価値
や治療、予防などでの
を見いだすことができるのではないか」と期待を述
AI(人工知能)の活用に
べた。その上で厚労省として、AI 活用への研究開発
向けて議論を開始した。
とともに、法改正を含めた必要な制度整備に取り組
コンピューター自らが
む考えを示した。国民皆保険制度で蓄積した医療
学 習 す る「 デ ィ ー プ
データを活用することで、日本が世界のディープ
ラー ニング 」
(深層学
ラーニング研究をリードできる可能性にも触れた。
習)の開発基盤整備や、
懇談会は、国立がん研究センター研究所長の間野
AIを用いた診療支援の
博行氏を座長に、創薬や画像診断、ヒトゲノム解析、
質や安全性の確保策などを検討する。今年春に報告書
工学などを専門とする計 10 人で構成。次回は 2 月
をまとめ、
政府の成長戦略や厚労省施策に反映させる。
20 日の予定で、計 3 ~ 4 回の会合を経て報告書をま
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INFRASTRUCTURE
とめる。会議は非公開とする。
タを高精度に読影したり、発症前に疾患を予測して
懇談会は大きく▽ AI の活用領域の特定▽開発基
予防的な治療を可能にすることなどが期待されると
盤等の推進方策▽質・安全性確保策―の 3 つを論点
いう。
とする。初会合終了後に会見した大臣官房厚生科学
初会合では構成員から、AI に用いるデータを系統
課の説明によると、AI はがんゲノム解析やエックス
的に収集するためには医療の ICT 化が必要、ディー
線などの画像診断、鑑査などの薬剤業務など、診断、
プラーニングと人間が解析アルゴリズムを設定する
治療、予防、介護にわたるさまざまな領域での活用
それ以外の AI とは分けて考える必要がある―など
が想定される。健診などで撮影した膨大な画像デー
の意見が出た。
AI 懇談会、12 日に初会合
医療分野での利活用目指す
2017年 1月10日【MEDIFAX】 規制・GL
厚生労働省は 12 日、「保健医療分野における AI
援技術に関して、2020 年度までの実装を目指し、18
活用推進懇談会」
(仮称)の初会合を非公開で開催す
年度診療報酬改定で「インセンティブ付けの検討を
る。保健医療分野での AI(人工知能)活用のメリッ
行う」との方針を示している。そうした方針を受け、
トを整理し、実用化に向けた課題を検討した上で、
医療分野での AI の利活用を促進させる狙い。事務局
活用のための対応策を策定する。会合は今後複数回
の大臣官房厚生科学課によると、AI の専門家や医療
を想定し、いずれも非公開となる見通し。
関係者からの意見聴取を予定している。
厚労省は政府の未来投資会議で、AI による診療支
「データヘルス改革推進本部」、週内に設置
塩崎厚労相
2017年 1月10日【MEDIFAX】 規制・GL
塩崎恭久厚生労働相
目指す。
は 10 日の閣議後会見
塩崎厚労相は「保険者、地方自治体、医療機関を
で、
「データヘルス改
含めると、例を見ない大きさのシステム構築を必要
革推進本部」
(本部長
とすることになる」との見解を示した。
=塩崎厚労相)を週内
アジア健康構想で官民連携の新協議会
に設置する方針を示し
た。健康診断や医療・
介護情報を集め、大規
また塩崎厚労相は、アジア健康構想に向けた取り
模なビッグデータとし
組みとして、民間事業者と政府が連携して介護の課
て分析し、医療・介護
題を検討・対応する「国際・アジア健康構想協議会」
閣議後の会見で質問に応じる塩崎
厚労相=10日、厚労省
の質を向上につなげる
の初会合を近く開催すると発表した。介護を担う人
た め の 議 論 を 行 う。
材の確保を含め、具体的なテーマについては「順次
データ活用のシステムは、2020 年度の本格稼働を
検討していく」とした。
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INFRASTRUCTURE
「18 年度改定に向け、AI などの活用推進を検討」
堀内厚労政務官
2017年 1月19日【MEDIFAX】 事 業
全国厚生労働関係部局長会議が 19 日に開かれ、冒
するなどの検討を進めていく」と述べた。ICT を活
頭で挨拶した堀内詔子政務官は、2018 年度の診療
用した次世代型の保険運用システムの構築や、今夏
報酬と介護報酬の同時改定について「地域包括ケア
をめどにがん対策推進基本計画を策定することなど
システムの構築や AI・IOT・ロボットなどの革新的
にも言及した。
技術について、十分なエビデンスの下に活用を推進
地域医療構想の具体化で重要な年
四病協・賀詞交歓会で塩崎厚労相
2017年 1月13日【MEDIFAX】 事 業
えている」と語った。
四病院団体協議会の
賀詞交歓会が 13 日に
医療提供体制、
「政治でもしっかり」
同時改定にらみ横倉会長
東京都内で開かれ、多
数の医療関係者や国会
議員が集った。塩崎恭
挨拶に立った塩崎厚労相
=13日、帝国ホテル
久厚生労働相は 2017
日本医師会の横倉義
年を「(地域)医療構想
武会長は、多数の国会
がそれぞれの都道府県
議員が来場しているこ
で具体化する大事な
とに触れつつ「18 年度
年」と位置付け、厚生
診療報酬・介護報酬同
労働省の神田裕二医政
時改定の財源確保のた
局長は「地域における
めの予算編成が今年の
真摯な議論」の必要性を訴えた。
年末にある。私たちは
塩崎厚労相は ICT の利活用にも言及。健康、医療、
国民が必要とする医
介護のデータが分散している今の仕組みを改善して
療・介護をしっかりと
活用すると「日本の IT 市場の中でも、最も広範なシ
受けてもらうために全
ステムになるのではないかと専門家から言われてい
力を尽くしている。国
る」と述べた。昨年末に基本方針をまとめた薬価制
民から望まれる医療を
度改革については「一時は、毎年改定を全て(の品
提供できる体制を、しっかりと政治の上でも作り上
目)でやるのかとだいぶ怒られたが、柔軟な対応が
げてもらいたい」と求めた。
できるもの、すべきものであればやっていこうと考
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トランプ大統領の就任にも言及
し、世界情勢が波乱含みであると
いう認識を示した日本医師会の横
倉会長
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SERVICE
地域医療 NW に団体入会で服薬情報を一元管理
長崎県薬、かかりつけ薬剤師機能の向上に「有用」
長崎県薬剤師会(宮崎長一郎会長)は、県内の中核病院を受診した患者の診療情報をイン
ターネット経由で共有する地域医療連携ネットワーク「あじさいネット」に団体入会した。あ
じさいネットを通じて患者の検査値、病名、治療計画などを把握することが可能になり、薬物
療法の質向上が期待できると判断。かかりつけ薬剤師・薬局として、地域の患者の服薬情報の
一元管理を進めたい考えだ。
2017年 1月7日【PHARMACY NEWSBREAK】 薬局・医薬品
あじさいネットは、中核病院に入院・受診した際
またあじさいネットでは、がん患者の病状、治療
のカルテ情報を、患者の同意の下で地域の医療機関
レジメン、在宅移行の経緯なども把握できるため、
が閲覧できる仕組み。情報を提供する中核病院は 31
病院門前でなくても「患者のための薬局ビジョンに
施設(2016 年 12 月 28 日現在、佐賀県の 1 施設含む)
盛り込まれた高度薬学管理機能を発揮でき得る」
で、患者の診療情報を得るにはあじさいネットの会
(宮崎会長)という。
員(情報閲覧施設)になる必要がある。
会員150 薬局の入会が目標
宮崎会長によると、昨年 3 月に開催した研修会で、
厚生労働省の中井清人薬剤管理官(当時)があじさい
ネットによる地域医療連携を強く推奨したことを
あじさいネットの利用には初期設定費 3 万円とは
きっかけに、県薬としての利用を検討。今年度の厚
別に、会費 3 万 6000 円(1 年当たり)、システム料 1
労省の「患者のための薬局ビジョン推進事業」で、長
万 2000 円(同)などがかかるが、団体入会によって
崎県の「あじさいネットを活用した『かかりつけ薬剤
県薬の会員は入会金(5 万円)が不要になった。
師・薬局』機能強化推進事業」が採択されたことを受
その効果もあってか、団体入会前に 46 だったあじ
け、事業を円滑に進める目的で昨年 8 月に団体入会し
さいネット上の薬局数は 57 に増えた。県薬の天本耕
た。団体入会金は特別会計予算を組んで支払った。
一郎常務理事は、昨年 9 月 15 日までに入会の意向を
あじさいネットを使えば、中核病院を受診してい
示した会員が約 50 薬局に達したため、既入会と合わ
る患者の検査値のほか、入院中の経過や服薬状況、
せて 100 薬局は超えると期待。県薬会員約 720 薬局
医師の処方意図なども確認でき、記録しておくこと
のうち 150 薬局の入会が当面の目標だと説明する。
が可能。該当する患者が地域の医療機関を受診し、
県薬は、あじさいネットに参加する患者と薬局に
処方箋を応需した際には、こうした情報を処方監査
対する調査を通じ、ネットワーク活用のメリットな
に使用できる。宮崎会長は「(処方監査の)質を高め
どを検証する方針。あじさいネットへの加入が、か
ることができる」とし、かかりつけ薬剤師・薬局とし
かりつけ薬剤師・薬局の機能向上にもつながってい
て患者の服薬情報を一元管理していく上で、あじさ
ることを数値化し、エビデンスとして示していく考
いネットの情報は「有用」との見解を示す。
えだ。
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SERVICE
医療提供体制、都道府県別・二次医療圏別データを公表
日医総研
2017年 1月18日【MEDIFAX】 医療・介護
日医総研はこのほど「地域の医療提供体制の現状
「地域の医療介護提供体制の現状―市区町村別
―都道府県別・二次医療圏別データ集―」を公表し
データ集(地域包括ケア関連)―」も公表した。15 年
た。2012 年に第 1版として公表した二次医療圏デー
に第 1 版として公表したデータ集の第 2 版。全国の
タ集の第 5 版。
都道府県における今後の医療計画策定
市区町村における人口動態や高齢者・要介護者の現
に向け、客観的なデータを提供するためにまとめた。
状、地域包括ケアシステムを構成する医療・介護資
全国の二次医療圏における医療施設、医療従事者の
源の状況などが盛り込まれている。
状況が示されているほか、04 年から14 年にかけての
いずれも表データは日医総研のホームページから
医師数、病床数の変動などがまとめられている。
ダウンロードできる。
薬剤師向け薬学アプリ「JP Learning Ⅱ」販売開始
日本調剤子会社
2017年 1月20日【PHARMACY NEWSBREAK】 薬局・医薬品
日本調剤の連結子会社で医療総合人材サービス会
ルの全 15 講座で構成。各講座のドリルと参考ノート
社のメディカルリソース(東京都)は今月、薬剤師の
で学習を修了させ、実力テストに合格すると、受講
ための薬学アプリ「JP Learning Ⅱ」の販売を開始
単位請求の演題レポートに進める。
した。ドリル演習タイプの e-Learning プログラム
講義視聴タイプの e-Learning ではないため、ま
で、薬剤師認定制度認証機構(CPC)の受講単位に対
とまった学習時間が取れなくても、通勤や隙間時間
応している。
などに学習できるという。旧・JP Learning のサー
医薬品、疾患をベースにした実務知識から、保険
ビスは 2016 年末で終了した。
薬剤師に必要な法律や保険制度まで、幅広いジャン
中国の電子決済サービス「アリペイ」導入、順次拡大へ
大賀薬局(福岡県)
2017年 1月20日【PHARMACY NEWSBREAK】 薬局・医薬品
九州でドラッグストアや調剤薬局などを展開する
決済サービス。世界一の決済プラットフォームで、
大賀薬局(福岡市)は中国・アリババグループの電子
4 億 5000 万人以上が日々利用している。
決済サービス「支付宝(アリペイ)」を導入した。大賀
大賀薬局は 16 年 12 月、インバウンド需要が高い
薬局と提携した信販会社のジャックスが 19 日に発
福岡市内の店舗にアリペイ決済を導入。今後順次、
表した。アリペイは 2004 年に中国で始まった電子
導入店を拡大し、利便性の向上を図っていく。
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SERVICE
ビッグデータ活用、OTC 製販の新会社設立へ
医療データ分析のMDVが来月1日に
2017年 1月12日【PHARMACY NEWSBREAK】 薬局・医薬品
医療データの分析・調査やコンサルティング業務
新会社は、東京都千代田区神田美土代町に置く。
な ど を 展 開 す る メ デ ィ カ ル・デ ー タ・ビ ジ ョ ン
資本金は 1 億円。社長には、MDV コンシューマー・
(MDV、東京都千代田区、岩崎博之社長)は 12 日、
ヘルスケアユニットでシニアマネージャを務める本
一般用医薬品(OTC)やヘルス&ビューティケア
多功征氏が就く。新会社が工場や研究機関などを独
(H&BC)製 品 を 製 造 販 売 す る 子 会 社「MDV コ ン
自に保有することはなく、商品の企画を担い、製造
シューマー・ヘルスケア株式会社」を来月 1 日付で設
販売は OEM メーカーに委託する。
立すると発表した。新会社が担うのは商品企画で、
新会社の設立について MDV は「当社が独自に保
製造販売は委託する。
有する MDV 大規模診療データベースでは、特定の
MDV は全国各地の医療機関から DPC データやレ
疾患における患者の数、性年代、併病状況、処方状
セプトデータなどを収集。こうした医療ビッグデー
況などが経年で明らかになるため、本質的なニーズ
タやその分析ノウハウを活用し、生活者のニーズに
をくみ取った生活者視点に立った商品を提供するこ
即した商品を開発する。薬局やドラッグストアなど
とができる」としている。
で販売する計画だ。
服薬支援機器「e お薬さん」販売開始、見守り支援機能を搭載
エーザイ
2017年 1月12日【PHARMACY NEWSBREAK】 薬局・医薬品
エーザイは 12 日、薬局や医療機関、介護施設など
ミングで電子メールを
に向け、服薬支援機器の「e お薬さん」の販売を開始
受け取ることができ、
した。指定時刻に決められた量の服薬を促し、飲み
服薬履歴もクラウド上
忘れや過量服薬の防止を支援する。専用クラウドを
の専用サイトで最大 1
介し、家族や薬剤師など関係者が離れた場所でも服
年分保管される。
薬状況を確認できる見守り支援機能も搭載する。
同社によると、販売
1 日最大 4 回(朝、昼、夕、就寝前)の服薬時刻を
に先駆けて全国約 100
指定して、1 週間分の薬をセットすることができる。
カ所の薬局や医療機
指定した時刻になると、薬ケースが前方に押し出さ
関、介護施設の協力の
れ、音声と画面表示で服薬を促す。薬ケースを取ら
下に実施した実証実験では、服薬率の向上や過量服
ない場合は、あらためて音声で知らせるほか、指定
薬の防止、服薬支援者の負担軽減などが認められた
時刻から 40 分経過すると薬ケースが回収される。見
という。販売価格は 8 万 5000 円(税抜き)。
守り支援機能では、家族や薬剤師らが、服薬のタイ
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エーザイが開発した服薬支援機器
「e お薬さん」
2週間 し
まずはお試しください
1
2
お試 ン
料
無
ー
ペ
ン
キャ 施中
実
1 メールニュース
朝刊メール:前日のニュースを午前7時に
配信(月∼金)
3
特報メール:重要なニュースは随時配信
携帯電話やスマホでも受信できるので、
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厚労
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