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TOEIC テスト めざせ Part 7 時間内制覇!
シャドーイング・トレーニング
文・早川幸治(明海大学講師)
TOEIC®テストでは、Part 7 * の時間配分がうまくいかずに、全問解
き終えることができないという声をよく耳にします。そこで、この連載で
は、時間内に全問制覇をめざすべく Part 7 とよく似た英文を、決められ
たスピードでシャドーイングしていくトレーニングを実践していきます。
このトレーニングの目的:
なぜ Part 7 をシャドーイングするのか?
多くの TOEIC テスト受験者はリーディングセクションを時間内に解き終わりませ
ん。理由は文法・語彙問題のセクションである Part 5/6 に時間を使いすぎているとい
うこともありますが、Part 7 の文書を読むスピードが不足していることも一因です。
速く読むことができれば、それだけ問題解答に時間をかけられます。そこで、十分な
スピードで読めるスキルを身につける必要があります。
十分なスピードとはどのくらいでしょうか。リーディングセクションを時間内に終
わらせるためには、150wpm(1 分間に 150 ワード)程度のスピードが必要だと言
われています。このスピードで理解するためには、一文を分解して戻り読みしたり、
きれいな日本語に訳しながら読んだりという時間はありません。つまり、英語を英語
のまま理解する力が求められます。
速く読むための方法にはいくつかあります。たとえば、頭の中で音声化せずに読み
進めること。音声化しないことで、目が文字を認識するスピードで理解できるため、
かなりの速さで読むことができます。しかし、日本語であっても頭の中で音声化しな
がら読む人は多くいます。それでも速く読めます。これは、頭の中で「速い音読」が
できるからです。英語ノンネイティブである私たちがまず目指すのはこの「速い音読」
です。声を出して読むスピードが速くなれば、
黙読のスピードも速くなるのです。徐々
に、初めて読む素材でもスピードを落とさずに読めるようになります。
そこで、本連載では、150wpm で読まれる音声を使って段階的にトレーニングし
ます。そのゴールがシャドーイングです。
「リーディングなのにシャドーイング?」
という疑問が浮かんだかもしれません。
「はい、リーディングなのにシャドーイング」
なのです。理由はもちろん、効果があるからです。たとえば、音声化して頭に入れて
おけば、同じ表現や構文が出てきたときにスムーズに読めるようになります。日本語
でも「お世話になっております」
、
「~の件でメールをしております」
、
「よろしくお願
いいたします」のようによく使う表現は一瞬で理解することができます。音声が頭に
入ることによって、英語でも同じように一瞬で理解できるようになるのです。なお、
速く読めるようになるには、意味がわかるものを読んで練習することが不可欠です。
そのため、準備運動として単語やフレーズの理解から始めます。段階的なトレーニン
グですから、確実に読むスピードが速くなります。それでは、トレーニングを始めま
しょう!
*TOEICの問題はPart1〜4リスニングセクション、Part5〜7のリーディングセクションで構成されています。
Part 7は48問の読解問題です。