海外安全対策情報(カタール国)

海外安全対策情報(カタール国)
平成28年度第3四半期(平成28年10月~平成28年12月)におけるカタールの
治安状況については以下のとおりです。
1
社会・治安情勢
カタールは,国内人口のほとんどが首都ドーハ市を始めとする数都市に集中してい
るため,警察等治安機関のコントロールが行き届いており,治安は比較的安定してい
るといえます。
平成24年9月,預言者ムハンマドを侮辱する映画に抗議するデモが当地米国大使
館前で発生しましたが,それ以降大規模な抗議行動は行われていません。また,平成
25年8月のエジプトにおける騒乱及び平成26年5月のエジプト大統領在外選挙の
際には,ドーハ市内ウェストベイ地区に所在するエジプト大使館周辺において,カタ
ール当局が大規模な警備規制を実施しましたが,一般的な交通渋滞はあったもののト
ラブル等は発生していません。
そのほか,ドーハにおけるシリア反体制派による会合(平成24年11月)や米国
人捕虜との交換に伴うタリバーン・メンバーのグアンタナモ収容所からドーハへの移
送(平成26年6月),米軍主導の有志連合によるイスラム過激組織「イスラム国」の
拠点(シリア内)に対する空爆開始(平成26年9月)やサウジアラビア率いる連合
軍によるイエメン・ホーシー派に対する空爆開始(平成27年3月),イラク南部にお
けるカタール人拉致事件(平成27年12月),周辺諸国(サウジアラビア,ヨルダン,
トルコ,バーレーン)でのテロ事件(平成28年)が発生したほか,ハリーファ元首
長の死去(平成28年10月)やカタール独立記念日式典の急遽取り止め(平成28
年12月)事案がありましたが,当地では現在までのところ安全上の問題は発生して
いません。
2
一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)一般犯罪
一般犯罪については,主にアジア諸国から低賃金外国人労働者が仕事を求めて大
量に流入した結果,観光地,ショッピングモール等におけるスリ,置き引き等の窃
盗事案や強盗等の事案が発生しており,引き続き十分な注意が必要です。
また,ドーハ市内おける車上荒らし事件も連続的に発生しており,報道等におい
ても増加している旨報じられております。
なお,内務省によれば,平成27年中に報告された殺人,加重暴行,強姦,誘拐,
強盗,放火等の重要犯罪の発生件数が,前年と比較して49%低下した旨報道され
ており,治安対策に力を入れている状況がうかがえます。
(2)邦人被害事案
日本人が殺人,強盗,その他性犯罪等凶悪犯罪の被害に遭ったとの報告はありま
せん。
3
テロ・爆弾事件発生状況
発生していません。
4
誘拐・脅迫事件発生状況
日本人の被害の報告はありません。
5
日本企業の安全に関する諸問題
日本企業を対象とした被害の報告はありません。