2016 年12月果実概況

2017 年 1 月 東京青果株式会社営業管理部 作成
2016 年12月果実概況
東日本以南で月平均気温高く、東日本・北日本太平洋側と西日本で多雨。
一時的に冷え込む日もあったが、消費地では天候の大きな崩れも無く晴天と気温高の日が続いた。クリスマス前に
は北海道では数十年来という大雪により交通障害もあったが、東京都心では日中の気温が 20 度近くまで上がり、
年末が近づいても冬らしさはあまり感じなかった。
12 月全体では入荷は前年の 103%、価格は 418 円(104%)。これまでの品薄感は消え、みかん類中心に滞荷も目
につくようになってきた。市場での価格は弱含みの展開であったが、年末を控えて店頭での売価は高値のままであ
ったことから売行きは芳しく無かった。特に足りない品物があるわけでもなく、年明けからの売価変更を期待しなが
らの止市となった。
みかん類は後半を迎えた早生種で販売苦戦が見られたものの、出回り量が伸び悩んだことで価格を下げることなく
12 月の販売に突入。12 月に入ってからは前年を上回る出回りとなったが、すでに価格を下げる機会を逸した感も
あり、荷動き停滞気味のままであった。酸抜けが早く、一般消費者からは「食べやすくて良い」との評価もあったよう
だが、全体にはやや物足りなさも感じる味わいであった。その中で、品質基準のしっかりしている産地や、ギフト商
品としてネームバリューのある産地などの引合いは強く、銘柄による二極化が顕著であった。着色不良で出荷ペー
スが伸び悩んだ影響から各産地共に越年在庫量も前年より大幅に多くなった。みかん類全体では入荷は 108%、
価格は 290 円(105%)。
かんきつ類では熊本をはじめとする九州産「不知火(デコポン)」の加温ハウス物の入荷が始まり、入荷量は前年を
上回った(113%)が、まだ施設物で販売も限定的なことから価格は前年並み。「きんかん」も着色遅れ等が見られ
はしたものの、露地物が順調に入荷したこともあって入荷増(126%)・価格安(88%)の展開。
りんご類は長野産が天候不良により過去に類を見ないほどの大幅な生産減となり、入荷が伸び悩んだ。青森産も
産地相場が高く、消費地との価格差もあったために限定的な出荷となり、結果的には入荷減(92%)・価格高
(113%)となった。
柿類は着色遅れで出遅れていた「富有」が終盤を迎えて一気に出荷されたことでこれまでの品不足状況から一転、
平年と比べて出回り量が多い訳では無かったが、価格は 292 円(88%)と低迷した。
いちご類は全国的に出荷量が増えず、特に九州産の落ち込みが激しかった。品薄感から価格は高値基調が続き、
昨年は低迷したクリスマス期も大きな混乱なく比較的堅調な価格で乗り切ることが出来た。年末にかけても大玉果
中心の出回りで不足感は無かったが、前半の入荷減により月間では前年を下回る入荷(83%)であった。
アールスメロンは天候不良時の影響が残っており、生育不良などで入荷量伸び悩み、品薄感から価格は堅調推
移。
2017 年 1 月 東京青果株式会社営業管理部 作成
干し柿は適度に晴天などがあったことで乾燥も順調に進み、天候不良で過去に例を見ない減産となった前年を大
きく上回った。福島産は本年度より震災前に出荷していた全産地からの出荷が可能となり、出荷量も震災前の 8 割
程度まで回復する計画。干し柿全体では入荷は 114%、価格は 2,089 円(91%)。
キウイは輸入品から国産品への切替時期直前、当初販売好調で早めに切り上がると見込まれていたニュージーラ
ンド産が、一転して年明けまで残りそうな状況となったことで、終盤で若干販売にブレーキがかかった。