2016 年11月果実概況

2017 年 1 月 東京青果株式会社営業管理部 作成
2016 年11月果実概況
北日本日本海側は寡照、北日本で月を通して低温。24 日に関東甲信地方で積雪。
気温が高めで曇天続きであった 10 月を過ぎ、11 月に入る頃からようやく秋らしい晴れ間も広がって朝晩の気温は
グッと下がってきた。下旬には関東地方で記録的に早い積雪を記録するなど、特に北日本を中心に一足早い本格
的な冬の天候となった
11 月全体では入荷は 101%、価格は 332 円(112%)。柿やみかん・りんごなどの秋果実は着色遅れ等により入荷
量が伸び悩み、かつてないような高値が継続された。下旬にかけては高値疲れも見え始めて荷動きは停滞気味と
なってきたが、全体的な品不足感は払拭されず、大きな価格の下げは無かった。
みかん類は各産地から早生品種の入荷が始まった。いずれも糖度はある程度高いものの、秋以降の天候不良の
影響もあって酸抜けは良かった。また、着色遅れから出荷量がなかなか増えず、相場は中旬まで異例の高値推移
であった。下旬には各地出荷量増えてきたものの、年末にかけての数量不足への懸念から価格は下がらず、高値
を維持したままであった。
りんご類は秋以降の天候不良や気温高の影響もあって全国的に出荷は遅れ気味となった。11 月半ばには各地
「サンふじ」が出揃ったが、春先の凍霜害などによる作柄不良で入荷は伸びず。全体の動きとしては良い訳では無
かったが、価格は 327 円(115%)と高かった前年をさらに上回る高値であった
かき類は「富有」など甘柿の入荷が始まったが、9 月中~下旬の長雨や天候不良が続いた九州産を中心に入荷が
伸び悩み、品薄から高値のままであった。「平核無」や「次郎柿」は前年が早めに出回りピークを迎えていたことも
あって前年比では大幅増の入荷となったが、これまでの不足感と他品目が少なかったことで価格は 270 円(127%)
と高めを維持。
西洋なし類では主力となる「ラ・フランス」が順調に入荷し、前年よりはやや小ぶりであったが、玉肥大も良く 16 玉中
心にほぼ前年並みの数量であった。新潟産「ル レクチエ」は病害の発生で大幅減となった前年よりは多かったが、
それでも一昨年の量には届かず。西洋なし類全体では入荷量は 101%、価格は 343 円(105%)と堅調であった。
いちご類は 10 月から始まっている栃木産「とちおとめ」や静岡産「紅ほっぺ」に加え、下旬には福岡産「あまおう」や
佐賀産「さがほのか」の入荷が始まったが、初期生育不良の影響もあって出始めの数量は伸び悩んだ。関東産も
遅れ気味であったことから、入荷は前年の 54%まで落ち込んだ。前年は非常に多い年であったが平年比でも 68%
と少なく、価格は 2,085 円(131%)と高値であった。