企業市民として取り組むANAグループのCSR

特集
企業市民として取り組むANAグループのCSR
ANAグループのCSRの全体像
CO2排出量が少ないバイオジェット燃料の研究・開発も
A N Aグ ル ー プ は 安 全を経 営 の 基 盤 に 、事 業を通じた 価 値 創 造 や 社 会 課 題 の 解 決 に 努 め 、社 会と共 に
ANAグループはCSRを「グループが生み出す価値を創
支援しており、2020年にはバイオジェット燃料を使用
造するための土台」として、かねてより地道にその実践
したフライトの実現を目指しています。
持 続的に成長する「世界のリーディング・エアライングループ」を目指しています。ANAグループのCSR
(企業の社会的責任)の取り組みについてご紹介します。
と質の向上に努めてきました。安全・安心の追求はもと
より、多様化・複雑化する国際社会からANAグループが
求められていることを、より幅広い視野を持って敏感に
捉え、グループの経営理念にある、
「夢にあふれる未来へ
の貢献」を一歩一歩実現していきたいと考えています。
お客様
ビジネス
パートナー
地域社会
◆安全・安心
◆良質な商品・サービス
◆期待・要望への対応
◆社会課題の解決
株主・
投資家
社会全体
ステークホルダー
(利害関係者)
信頼関係
社員
行政機関
バイオジェット燃料の実用化を目指すユーグレナの出雲社長
(左)と、
ANAの殿元専務(右)
地球環境
社会的責任投資の代表的指標に選定
◆選択
◆購買 ◆協働・支援
◆就業・ロイヤリティー
ANAホールディングスは、世界の代表的な社会
的責任投資(SRI)の指標である「ダウ・ジョーンズ・
サステナビリティ・アジア・パシフィック・インデッ
ク ス 」 の 構 成 銘 柄(146社 ) に 選 定 さ れ ま し た。
持続可能な形で、共により良い状態になっていく
この指標は、企業の長期的な持続可能性に関心を
持つ世界中の投資家の皆様が投資判断をする際の
CO2削減に向けた取り組み
重要な基準の1つになっています。
航空事業を中核とするANAグループは、
「環境リーディ
経済・環境・社会の3つの側面から、持続可能性
ング・エアライン」を目指す中で、CO2排出量の削減を
に優れた企業を選定するもので、ANAグループの
最大のテーマと捉え、地球温暖化防止に向けた取り組み
グローバル化を意識したCSRを推進
社会的責任」を意味しており、企業にとってCSRを重視
を推進しています。2021年3月期までにCO2排出量を
企業が成長を続けていくためには、自らを取り巻くさ
した事業展開が、近年ますます重要になっています。
20%削減(2006年3月期比、有償トンキロ当たり)し、
まざまなステークホルダー(利害関係者)の皆様からの
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、
国内線での年間総排出量を440万トン以内に抑制すると
期待に応え、信頼を得る不断の努力が必要です。CSR
日本企業への世界からの注目が集まる中、ANAグループ
いう目標を掲げています。その達成に向けて、環境性能
(Corporate Social Responsibility)は、企業市民
では国際線事業の拡大を進める事業戦略に基づき、グ
の高い新型航空機への更新を積極的に進め、2016年3
として社会や環境と共存するために果たすべき「企業の
ローバル社会におけるCSRの取り組みを強化しています。
月期はCO2排出量を16.1% 削減(同上)しました。また、
7
これまでの事業活動やCSRの取り組み全般が評価
されました。
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向けた活動を推進
航空券を購入して支援する
「BLUE CLASS」
お客様とともに社会課題を解決する持続的な仕組み
特集
特集
BLUE WINGプログラムへの3つの参加方法
世界の社会課題に向き合いより良い未来づくりに
東北の復興支援活動
さまざまな地域の活性化をエアライングループ
これからの東北復興支援に向けた新たな取り組みのシ
ならではの活動で継続的に支援
ンボルとして、「東北FLOWER JET」の運航を開始しま
平成28年熊本地震の被災地支援
した。「震災を風化させない」「東北の“元気と感謝”を
事業を通じた復興支援への取り組み
全国に届けたい」をコンセプトに、東北に咲く「強く・
ANAグループは、運航の早期復旧はもとより、熊本・
美しく・まっすぐな」花々をあしらったボーイング737-
大分両県への義捐金の寄付、人や物資の輸送協力などを
800型機が、2020年まで日本全国の空をフライトしま
実施しました。また、ANAマイレージクラブ(AMC)会
す。そして、
「ANAこころの森」での森林保全活動や「海
員の皆様から募った約2億7,000万マイル(2億7,000万
岸林再生プロジェク
このプログラムでは、国際社会が抱えるさまざまな課
円相当)を、日本赤十字社を通じて支援活動に役立てて
ト10カ年計画」を支
題やその解決のための取り組みに、より多くのお客様に
いただきました。さらに、九州地方の観光・経済振興を
援 す る な ど、 現 在 も
応援するプロジェクト「でかけよう
継続的に活動してい
九州」を展開し、観光ツアーや九
ます。
-BLUE WINGプログラム
マイルを提供して支援する
「マイル ドネーション」
困難に直面する人々を救うために、途上国を中心に世
界中で奮闘している社会起業家(チェンジメーカー)※1と
SNSでストーリーを
広めて支援する「シェア」
お客様を結ぶ「BLUE WINGプログラム」を2014年か
ら展開しています。
世界の観光資源を次世代に継承
関心を持っていただき、共感いただいたお客様はANAと
-「アンコール・ワット西参道修復工事」を支援
ともに気軽にその社会起業家の活動を応援することがで
9月1日からの成田−プノンペン定期直行便就航を
きる仕組みを提供しています。現在、6名の社会起業家
機に、「アンコール・ワット西参道修復工事サポー
とアショカ・ジャパン※2が活動しており「3つの参加方法」
ター」となり、上智大学のアンコール・ワット遺跡
(右図参照)で支援ができます。
※1 社会起業家(チェンジメーカー)とは、ユニークな発想で貧
困や天災などの深刻な社会課題の解決方法を提示し、実行し
ている人々のことです。
※2 アショカ・ジャパンは、社会の課題に取り組むチェンジメー
カーを日本で輩出するべく、若者へは「実験の環境」を、企業に
はチェンジメイクのロールモデルやリソースを提供しています。
州産品の販売促進を行うなど、継
続的な復興支援を行っています。
ちゅ
沖縄の海でサンゴ再生「チーム美らサンゴ」
熊本空港のスタッフ
保存修復活動を支援しています。文化・自然を守り、
熊本県益城町・大津町での「こころの湯」活動
世界の観光資源を次世代に継承する活動に取り組ん
ANAグループが各地の空港で使用する除雪作業車のボ
でいるANAグループは、「観光資源の保全」「現場で
イラー機能を使って沸かしたお湯でお風呂を提供する
の人材育成」につながるこの取り組みに賛同し、遺
「こころの湯」活動を、益城町の公営施設や大津町の避
跡保存修復活動に関わる輸送協力、イベントの共催、
難所で、7月末まで約2カ月半にわたり実施しました。「い
遺跡修復現場の見学などを実施していきます。
つも熊本空港の近くでANAを見守ってくださっている皆
生物多様性保全活動にも継続的に取り組んでいます。
2004年にANAが発起人となり、行政、地域と共に、
沖縄県内外の企業の皆様と結成した「チーム美らサ
ンゴ」では、サンゴ礁を蘇らせる活動を続けています。
年4回実施する活動には、これまでにのべ2,800名の
ボランティアの方々が参加し、6,000本以上のサン
ゴを植え付けました。
さんに、少しでも喜んでいただきたい」という想いで実
最近植え付けたサンゴの生存率は恩納村漁協の技
施 し た こ の 活 動 に は、ANAグ ル ー プ33社 か ら、 の べ
術協力により、95%ほどになっています。こうした
288名の社員が参加し、4,991名の被災された方々にご
取 り 組 み が 評 価さ
利用いただきました。
BLUE WING
プログラム・
ウェブサイト
東北FLOWER JET
れ、2015年「第3回
グッドライフアワー
アンコール・ワット西参道修復工事
ド 」 環 境 大 臣 賞・
最優 秀 賞 を 受 賞 し
詳しくは、下記をご参照ください。
http://www.ana-bluewing.com/
成田−プノンペン線就航イベント
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ました。
「こころの湯」受付
益城町「こころの湯」の大浴場
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サンゴ植え付けの様子