大村市立地適正化計画 (案)

大村市立地適正化計画
(案)
平成 29 年 1 月
大村市
目
次
序章 社会情勢の大きな変革への対応
1
2
3
大村市がこれから直面する課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
集約型都市構造(コンパクト+ネットワーク)への取組みによる市民生活の変化・・
今後のまちづくりに必要な対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
4
5
第1章 大村市の現状把握
1
2
大村市の概況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
上位・関連計画における位置づけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37
第2章 大村市の将来見通し
1
2
人口の将来見通し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45
財政の将来見通し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50
第3章 今後のまちづくりの課題
1
2
大村市が抱える現況課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 51
課題解決のための対応策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 52
第4章 立地適正化計画の基本的方針
1
2
立地適正化計画の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53
立地適正化計画の基本的方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 57
第5章 都市機能誘導区域の設定
1
2
3
都市機能誘導区域について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 65
都市機能誘導区域の設定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 68
誘導施設の設定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 86
第6章 居住誘導区域の設定
1
2
3
居住誘導区域とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 97
居住誘導区域に適さない区域・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 101
居住誘導区域の設定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 102
第7章 計画を実現するための施策の方針
1
2
3
4
5
誘導施策の基本的な考え方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
誘導施策の方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
届出制度の運用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
目標の設定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
立地適正化計画の見直し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
104
105
112
114
116
序章 社会情勢の大きな変革への対応
序章
1
社会情勢の大きな変革への対応
大村市がこれから直面する課題
(1)人口減少時代への備え
人口減少は、社会情勢や市民生活において様々な影響をもたらすことになります。
全国の地方都市では、大半の都市が人口減少時代に突入しています。大村市においても将来的に
人口減少に転じることが予想されるため、将来の人口規模に適した市街地形成のための対策を行っ
ていくことが必要になります。
■大村市の将来人口予測
(2)税収の縮小への対処
市の歳入は、国税からの支出金などが主となる依存財源と、市税などの自主財源で構成されてい
ます。自主財源については、人口減少による市民税の減収や産業の低迷による地価の下落による固
定資産税の減収などが進むと予想されます。今後は、限られた財源の中でコンパクトなまちづくり
を進め、効率的な都市経営を行っていく必要があります。
資料:平成 27 年度一般会計決算概要
1
序章 社会情勢の大きな変革への対応
(3)懸念される将来の市民生活への影響
人口減少や産業衰退などの社会情勢の変化に対応することなく、そのままの状態でまちづくりを進めると、
将来の市民生活において様々な影響が生じてきます。
これは、既に人口減少が進んでいる自治体で実際に起こっていることであり、大村市も将来において人口
減少が進む中で直面する課題となります。
生活利便施設の減少
利用者の減少により、身近な商店等が閉店するなど、生活
が不便になる恐れがあります。
公共交通の縮小・撤退
公共交通利用者の減少により、公共交通サービスが低下
し、外出する機会が減少する恐れがあります。
就業機会の減少
企業などの減少により、若者の働く場所が少なくなる恐れ
があります。
地域コミュニティの希薄化
地域活動の担い手がいなくなったり、1人暮らしのお年寄
りや見知らぬ人が増えるなど、地域のつながりが弱くなる恐
れがあります。
空家・空地の増加
空家や空地が増え、居住環境や景観が悪化する恐れがあり
ます。
公共施設の老朽化・財政規模の縮小
公共施設の維持管理や建替など都市経営コストが増大し、
財政が逼迫する恐れがあります。
2
序章 社会情勢の大きな変革への対応
3
序章 社会情勢の大きな変革への対応
2
集約型都市構造(コンパクト+ネットワーク)への取組みによる市民生活の変化
集約型都市構造とは、人口減少・高齢化が進展する中、地球環境問題、都市経営の効率化等に対応す
るため、都市内の中心市街地や交通結節点の周辺に医療・介護・福祉・教育・文化施設等、生活に必要
な都市機能を集積し、公共交通の利便性を高めることや、にぎわい・交流機会を確保することで、効率
的で利便性の高い都市を形成するまちづくりです。
これにより、都市内のどの地域からでもサービスの享受が可能となり、徒歩・自転車、公共交通を中
心とした「歩いて暮らせるまちづくり」の推進や、集積のメリットを活かしたエネルギーの高効率化等
により、環境負荷低減という効果も期待できます。
また、以下のような市民生活における良い循環効果が期待できます。
4
序章 社会情勢の大きな変革への対応
3
今後のまちづくりに必要な対策
集約型都市構造は、市街地をコンパクトにして、経済的かつ効率的な市街地形成を行うことにより、
人口が減少した場合にも市街地を維持することが可能なまちづくりの取組みです。
以下に、集約型都市構造を実現した場合のイメージ図を示します。
5
第1章 大村市の現状把握
大村市では、将来において人口減少・高齢化が進んだ場合でも、現在の市街地を維持していくことが
できるよう、以下の2つの取組みによって早めの準備を進めます。
産業振興・人口対策・市民生活
集約型都市構造への取組み
・立地適正化計画
・地域公共交通網形成計画
・第 5 次大村市総合計画
・まち・ひと・しごと創生総合戦略
・大村市人口ビジョン
立地適正化計画の目的は、人口減少や高
齢化が進んだ場合においても、できる限
り商店やサービス店などの生活利便施
設を維持して、市民の生活利便を確保し
ていくことや、効率的な市街地形成を誘
導して、都市基盤などを維持する費用を
軽減することにあります。
立地適正化計画は、大村市の人口減少と
高齢化が国の推計のまま推移した場合
を想定し、対策を講じます。
まち・ひと・しごと創生総合戦略は、本
市の産業振興や新たな定住を促進して、
市の更なる発展と将来にわたって活力あ
る地域社会を構築するものであり、想定
される将来の人口減少・高齢化を、でき
る限り抑制していきます。
大村市人口ビジョンで示す「2025 年の
人口 10 万人」を目指し、施策を展開す
ることで、より良い大村市を実現するた
めの対策として取り組みます。
2つの取組みで、大村市の
より良い将来都市像を実現
将来都市像の実現を目指します
6
第1章 大村市の現状把握
第1章
大村市の現状把握
1 大村市の概況
(1)人口動態・特性
①総人口・世帯数
全国的な人口減少社会が進行する中で、本市では、微増ながら人口の増加傾向を維持し続けて
います。
世帯数についても、核家族化の進行も影響して、増加傾向は著しく、市内の住宅戸数も増え続
けています。
微増ながら増加傾向を維持
(人/世帯)
(人、世帯)
100,000
84,414
88,040
90,517
79,279
80,000
4.0
73,435
69,472
65,538
60,000
3.0
40,000
20,000
0
5.0
18,715
S55
22,262
20,476
31,849
29,292
34,044
2.0
1.0
S60
H2
人口
図
図
26,194
H7
世帯数
大村市の人口推移
H12
H17
1世帯当たり人員
人口、世帯数、1 世帯当たり人員の推移
H22
0.0
世帯人員の減少でよ
り一層世帯数が増加
資料:国勢調査
(戸)
住宅総数(居住世帯あり)
50,000
40,000
30,000
20,000
29,970
27,430
32,490
34,340
平成20年
平成25年
10,000
0
平成10年
平成15年
図
住宅総数の推移
資料:住宅・土地統計調査
7
第1章 大村市の現状把握
②年齢階層別人口の推移
本市の年少人口は緩やかに減少しており、生産年齢人口と老年人口は増加傾向にあります。年
齢の構成比をみると、年少人口と生産年齢人口は減少傾向にあります。
一方で、老年人口は増加傾向にあり、平成 22 年と昭和 55 年の老年人口を比較すると、約3
倍にまで増加しています。
S55
人口(人)
年少人口
(0~14歳)
老年人口
(65歳以上)
H2
H7
H12
H17
H22
16,474
16,766
16,091
15,792
15,909
15,377
15,241
25.1
24.1
21.9
19.9
18.8
17.5
16.8
42,653
45,170
48,288
52,177
54,764
56,619
56,821
構成比(%)
65.1
65.0
65.8
65.8
64.9
64.3
62.8
人口(人)
6,404
7,530
9,045
11,305
13,619
16,032
18,096
9.8
10.8
12.3
14.3
16.1
18.2
20.0
構成比(%)
生産年齢人口
(15~64歳)
S60
人口(人)
構成比(%)
表
年齢 3 区分別人口
高齢者が大きく増加
(人)
100,000
90,000
7 9 ,279
80,000
70,000
60,000
6 5 ,538
6,404
7 3 ,435
6 9 ,472
9,045
7,530
11,305
8 8 ,040
9 0 ,517
13,619
16,032
18,096
8 4 ,414
50,000
40,000
45,170
48,288
52,177
54,764
56,619
56,821
42,653
16,474
16,766
16,091
15,792
15,909
15,377
15,241
S55
S60
H2
H7
H12
H17
H22
30,000
20,000
10,000
0
年少人口
(0~14歳)
図
生産年齢人口
(15~64歳)
年齢 3 区分別人口の推移
8
老年人口
(65歳以上)
資料:国勢調査
第1章 大村市の現状把握
③近隣市町村への転出入・流出入
本市からの転出先と転入先は、長崎市が最も多く、次いで、諫早市、佐世保市となっており、
近隣都市での転出入が多く見られます。
諫早市・長崎市との転出入が多い
転出
転入
図
近隣市町村への転出入
資料:H24 都市計画基礎調査
9
第1章 大村市の現状把握
市外への通勤・通学先で最も多いのは、諫早市で、次いで、長崎市、佐世保市となっており、
本市への通勤・通学も、諫早市が最も多く、次いで、長崎市、東彼杵町となっています。
転出入と流出入をみると、諫早市との繋がりが特に強いことが伺えます。
諫早市・長崎市との関連が強い
流出
流入
図
通勤・通学による流出入
資料:H24 都市計画基礎調査
10
第1章 大村市の現状把握
④町丁目別の人口増減
平成 12 年から平成 22 年の地区別の人口の変化をみると、黒丸町や富の原 2 丁目で人口が
200 人以上増加しており、増加率も 50%を超えています。また、新大村駅や岩松駅周辺におい
ても増加数、増減率ともに高い地区が多くみられ、中山間地では人口が減少していることが伺え
ます。
新大村駅北側の増加が顕著
図 地区別人口増減数(H12~H22)
資料:H24 都市計画基礎調査
11
第1章 大村市の現状把握
図 地区別人口増減率(H12~H22)
資料:H24 都市計画基礎調査
12
第1章 大村市の現状把握
⑤町丁目別の人口密度動向
平成 12 年から平成 22 年の地区別の人口密度の変化をみると、鉄道沿線の西側で人口密度が
増加している地区が多くみられます。特に大村駅周辺や新大村駅周辺では人口密度が 60 人/ha
以上となる地区が多くなってきています。
図
地区別人口密度(H12)
資料:H24 都市計画基礎調査
13
第1章 大村市の現状把握
既成市街地での人口密度は増加傾
向、市街地北側での増加が顕著
図 地区別人口密度(H22)
14
資料:H24 都市計画基礎調査
第1章 大村市の現状把握
⑥年少人口割合の動向
平成 12 年から平成 22 年の地区別年少人口の割合の動向をみると、人口が増加している地区
において年少人口割合が増加傾向にあることが伺えます。中山間地においては年少人口割合が減
少している地区が多くみられます。
図
地区別年少人口割合(H12)
資料:H24 都市計画基礎調査
15
第1章 大村市の現状把握
中山間地における年少
人口の減少が著しい
市街地北側の年少人口割
合が高く、若い世代が多い
図 地区別年少人口割合(H22)
資料:H24 都市計画基礎調査
16
第1章 大村市の現状把握
⑦高齢化率の動向
平成 12 年から平成 22 年の地区別老年人口割合の動向をみると、中山間地において高齢化の
進行が顕著です。また、新大村駅や竹松駅、松原駅を中心に高齢化率が増加していることが伺え
ます。
図
地区別高齢化率(H12)
資料:H24 都市計画基礎調査
17
第1章 大村市の現状把握
中山間地の高齢
化の進行が顕著
図 地区別高齢化率(H22)
資料:H24 都市計画基礎調査
18
第1章 大村市の現状把握
(2)市街地の広がり
本市における DID(人口集中地区)の人口及び面積は増加傾向にあり、平成 22 年の DID 人口は
60,561 人で、DID 面積は 17.3 ㎢となっています。
DID 区域の拡大とともに人口密度は一旦減少しましたが、昭和 55 年以降は増加傾向となり、平
成 22 年には 35.0 人/ha となっています。昭和 40 年と比較すると、DID 人口は 2 倍以上、DID
面積は 4 倍近く増加しています。
DID 区域は、主に北東部方向に広がっていることが伺えます。
(人)
70,000
(人/ha)
60.0
DID 人口は増加を続けており、
区域内の人口密度も増加中
52.6
60,000
43.4
50.0
41.9
50,000
31.2
40,000
32.0
31.6
33.1
34.4
35.0
28.0
30.0
30,000
46,800
20,000
40.0
50,950 53,387
57,591 60,561
20.0
39,035
31,687
10,000
10.0
23,680 22,135 23,874
0
0.0
S40
S45
60
S55
S55
S60
人口集中地区人口
図
H2
H7
H12
H17
H22
人口集中地区人口密度
DID人口と人口密度
(㎢)
DID 面積も拡大している
20
18
16
14
12
10
17.3
16.1 16.7
14.8 15.9
8
6
11.3
12.5
4
2
0
4.5
5.1
5.7
S40
S45
60
S55
図
S55
S60
H2
DID面積の推移
19
H7
H12
H17
H22
第1章 大村市の現状把握
図 DID区域の変遷(S45~H22)
資料:H24 都市計画基礎調査、国土数値情報
20
第1章 大村市の現状把握
(3)公共交通の利用状況
鉄道の年間利用者数は、諏訪駅や竹松駅が減少しているのに対し、大村駅は H21 から H25
にかけて約 17 万人の増加となっており、市全体の年間利用者数は微増で推移しています。
バスの年間利用者数は、H21 から H23 までは減少傾向で推移していましたが、H23 以降は
ほぼ横ばいで推移しています。
《鉄道(JR)
》
(万人)
350
319.4
297.4
300.4
301.6
303.9
300
5.7
6.1
6.4
6.5
250
88.3
89.9
87.4
86.8
200
19.3
17.7
17.3
17.2
174.5
177
180.3
183.9
191.8
9.5
9.7
10.2
9.5
10.1
H21
H22
H23
H24
6.3
92.2
19.0
150
100
50
0
岩松駅
大村駅
図
諏訪駅
竹松駅
H25
松原駅
鉄道利用者数の推移
資料:長崎県統計年鑑
《バス》
(万人)
160
140
120
100
80
60
135.7
126.4
103.0
101.6
95.6
98.9
H23
H24
H25
H26
40
20
0
H21
H22
図
バス利用者数の推移
資料:長崎県営バス資料
21
第1章 大村市の現状把握
図
公共交通網
22
第1章 大村市の現状把握
(4)公共交通利用圏域
①公共交通利用圏域の人口カバー率
大村市内の公共交通の利用圏域内人
公共交通利用圏域(駅利用圏:800m、バス利用圏:300m)
地域
口及びカバー率については、中北部地
域と中南部地域は 85%以上の高いカ
バー率となっていますが、北部地域と
南部地域では低い値となっています。
特に、北部地域については 38.4%と
低く、6 割以上の方が公共交通の利用
人口
H22
H47
8,282
7,822
3,178
2,893
38.4%
37.0%
中北部地域
49,598
49,990
42,706
42,943
86.1%
85.9%
中南部地域
26,696
25,452
22,544
21,762
84.4%
85.5%
5,941
5,543
3,755
3,522
63.2%
63.5%
90,518
88,807
72,183
71,120
79.7%
80.1%
北部地域
南部地域
表
図
カバー率
H47
市全体
圏域外で生活されています。
利用圏域人口
H22
公共交通利用圏域
23
公共交通利用圏域人口
H22
H47
第1章 大村市の現状把握
②公共交通の交通利便性
市内の公共交通による利便性を把握
<中心市街地までの公共交通所要時間(待ち時間あり)>
するため、中心市街地(大村駅周辺)
までの公共交通による所要時間を計測
すると、左図のようになります。
上の図は、公共交通の待ち時間を考
慮したもので、待ち時間は平均の運行
間隔時間で算出(ただし、待ち時間の
上限は 15 分)しています。待ち時間
ありの場合には、バス路線の多い市民
病院方面と市役所方面が中心市街地へ
のアクセス性が高くなっています。
下の図は、公共交通の乗換で待ち時
間を考慮しない場合の交通利便区域を
表示しています。これによると、中心
凡例
中心部までの所要時間
市街地まで 30 分以内で到着できる圏
0~5分
域が大幅に広がり、竹松駅周辺、長崎
10~15分
空港、大村 IC、岩松駅周辺、松原駅周
20~25分
辺までカバーできています。
30~45分
5~10分
15~20分
25~30分
45~60分
<中心市街地までの公共交通所要時間(待ち時間なし)>
凡例
中心部までの所要時間
0~5分
5~10分
10~15分
15~20分
20~25分
25~30分
30~45分
45~60分
24
第1章 大村市の現状把握
(5)都市機能の集積状況
大村市の都市機能は、中北部地域と中南
拠点分類
部地域に集中して立地しています。
商業
特に、医療施設や福祉施設では、地域間
医療
における施設の立地状況に差が大きく、地
福祉
域住民の生活利便に格差が生じています。
子育て
市内合計
北部
地域
中北部 中南部
地域
地域
南部
地域
スーパーマーケット
29
1
17
8
3
コンビニエンスストア
52
2
31
15
4
一般病院(内科)
6
0
2
4
0
一般診療所(内科)
42
1
24
17
0
高齢者通所系福祉施設
63
7
40
13
3
障がい者通所系福祉施設
39
1
17
14
7
幼稚園・保育園・認定こども
園・地域型保育施設
49
6
25
15
3
学童保育施設
35
3
18
12
2
小学校
15
2
7
4
2
中学校
6
1
3
2
0
35
3
20
9
3
教育
地域経済
金融機関
関連
図
都市機能分布図
25
第1章 大村市の現状把握
(6)市街地整備事業等
①市街地整備、開発行為等
大村駅周辺や諏訪駅周辺で土地区画整理事業が行われており、駅を中心とした市街化が進めら
れていますが、5ha 未満の住宅用及び商業用の開発は、国道 34 号から西側の地域や、大村駅南
部の久原等で比較的多くみられます。
新大村駅周辺土地区画整理事業
平成 28 年 1 月都市計画決定
図
市街地再開発事業、土地区画整理事業等実施区域
資料:H24 都市計画基礎調査
26
第1章 大村市の現状把握
②公共下水道
本市の下水道処理は、「公共下水道事業」と「農業集落排水事業」によって行われています。
公共下水道は用途地域内を中心に整備が進められ普及率は大村処理区で 87.3%、大村南部処理
区で 1.7%となっています。また、農業集落排水は 7.2%となっており、市全体の汚水処理人口
普及率は 98.9%となっています。(平成 27 年 3 月時点)
図
公共下水道区域
資料:H24 都市計画基礎調査
27
第1章 大村市の現状把握
(7)法規制
①農用地区域・保安林
農用地区域及び保安林区域は、人口が比較的少ない市の北東部や南部の都市計画区域内に多く
指定されています。
図
農用地区域・保安林
資料:H24 都市計画基礎調査
28
第1章 大村市の現状把握
②土砂災害警戒区域
用途地域縁辺部及び市南部の西部町や今村町に土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域が比
較的多く指定されていますが、用途地域内は平坦な地形をしていることもあり、警戒区域等に指
定されている箇所は少ないです。
図
土砂災害警戒区域
資料:H24 都市計画基礎調査
29
第1章 大村市の現状把握
③浸水想定区域
用途地域北部の郡川流域を中心に広く浸水想定区域が指定されています。また、市中心部の杭
出津 2 丁目付近で浸水想定区域がみられます。
図
浸水想定区域
資料:H24 都市計画基礎調査
30
第1章 大村市の現状把握
(8)地価・路線価
本市の地価は H18 から H25 までは減少傾向で推移していましたが、近年はほぼ横ばいで推
移しています。
(円)
100,000
90,000
80,000
70,000
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
0
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27
地点1
地点2
地点3
地点4
地点5
地点6
地点7
地点8
地点9
地点10
地点11
地点12
地点13
地点14
地点15
地点16
地点17
地点18
地点19
地点20
地点21
地点22
地点23
図
地価公示・地価調査の推移
資料:国土数値情報
※過去 10 年分のデータがある地点のみを表示。
(次頁参照)
31
第1章 大村市の現状把握
図
地価調査地点
32
資料:国土数値情報
第1章 大村市の現状把握
路線価を 100mメッシュ毎に評価したメッシュ別路線価をみると、市中心部の用途地域内は
比較的高く、特に大村駅前や国道 34 号沿道で 3 万円以上のエリアがみられますが、用途地域内
でも竹松駅より北側では 2 万円未満のエリアが比較的多くみられます。
図
路線価
33
資料:全国地価マップ
第1章 大村市の現状把握
(9)財政
H27 の一般会計歳入は約 401 億円、一般会計歳出は約 381 億円と歳出が歳入を上回ってい
ます。人口減少社会の到来を勘案すると、財源の大きな伸びが期待できないため、歳入規模に適
した予算を組む必要があります。
図
一般会計決算歳入の推移
(百万円)
45,000
38,671 40,000
35,340 35,000
30,000
32,269 3.5% 7.9%
9.9%
11.%
14.1%
25,000
20,000
10.4%
2.1%
7.4%
2.2%
7.2%
35,907 6.2%
1.4%
6.9%
8.3%
10.5%
8.2%
11.6%
37,921 38,250 2%
6.7%
5%
7.3%
11%
6.7%
6.6%
38,061
4.0%
37,117 3.2%
7.2%
3.4%
11.1%
12.4%
1.4%
7.5%
1.5%
8%
1.5%
8.7%
16.9%
15.4%
14.7%
1.9%
7.1%
1.5%
8.4%
14.9%
11.6%
9.6%
10.3%
9%
7.2%
7.6%
7.6%
3.2%
11.4%
1.6%
9.7%
12.8%
9.5%
7.5% 15,000
4.5%
6.5%
6.1%
7.1%
13.1%
11.2%
22.0%
25.2%
25.2%
27.7%
29.6%
20.0%
24.7%
20.7%
15.7%
14.9%
13.5%
14.8%
13.5%
13.2%
13.6%
13.1%
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27
10,000
5,000
0
人件費(百万円)
扶助費
公債費
投資的経費
図
物件費
維持補修費
補助費等
一般会計決算歳出の推移
34
投資・出資金、貸付金
繰出金
その他
資料:庁内資料
第1章 大村市の現状把握
(10)市民意向の把握
①まちづくりに対する満足度
第5次大村市総合計画基本構想の策定時の市民ニーズの把握においては、まちづくりの重要度
と満足度をセグメント化して、取組むべき項目の抽出を行っています。
満足度が低く重要度が高い項目については、重点的に課題を克服すべき項目となり、満足度は
高いが重要度も高い分野は、本市の強みとして更に伸ばすべき分野と捉えられます。
今後取り組みが必要な項目
35
第1章 大村市の現状把握
②分野別の市民意向(平成 27 年度市民満足度調査<H27.6 実施分>より)
1)人口が減少した場合に影響が大きいと考える・不安に感じること
人口減少による社会への影
響や不安に感じるものとして、
社会保障に係る個人負担の増
大や行政サービスの低下を懸
念される方が多くなっていま
す。
2)地域の活性化や賑わい創出のために重要だと思う取組
地域の活性化や賑わい創出
のために重要だと思うことと
しては、中心市街地や商店街の
活性化、公共交通の利便性向上
を求める意見が多くなってい
ます。
3)人口減少や少子化に歯止めをかけるために重要だと思う取組
人口減少や少子化のために
重要だと思うことでは、妊娠・
出産時にも働ける環境整備や、
子育て・教育への経済的負担軽
減が重視されています。
4)地域経済を活性化させるために重要だと思う取組
地域経済のために重要だと
思う取組みでは、企業誘致や企
業支援など新規産業の創出が
突出しています。
36
第1章 大村市の現状把握
2
上位・関連計画における位置づけ
(1)第5次大村市総合計画(平成 28 年度~平成 37 年度)
■大村市の将来像
『~行きたい、働きたい、住み続けたい~しあわせ実感都市
大村』
■まちづくりの基本目標
基本目標1
人を育むまち
基本目標2
健康でいきいきと暮らせるまち
基本目標3
安全・安心なまち
基本目標4
活力に満ちた産業のまち
基本目標5
機能的で環境と調和したまち
■都市経営の基本目標
基本目標6
持続可能な行財政運営と市民協働の推進
■施策の大綱
人を育むまち
健康でいきいきと暮
らせるまち
安全・安心なまち
活力に満ちた産業の
まち
機能的で環境と調和
したまち
持続可能な行財政運
営と市民協働の推進
政策1-1
政策1-2
政策1-3
政策1-4
子育てしやすいまちづくり
豊かな学力と生きる力をはぐくむ教育の充実
文化の振興と生涯学習の充実
国際・地域間交流の推進
政策2-1
政策2-2
政策2-3
政策2-4
政策3-1
政策3-2
政策3-3
政策3-4
政策4-1
政策4-2
政策4-3
政策4-4
政策5-1
政策5-2
政策5-3
政策5-4
政策6-1
政策6-2
政策6-3
政策6-4
健康づくりの推進と医療体制の充実
高齢者が暮らしやすいまちづくり
障がい者が暮らしやすいまちづくり
暮らしのセーフティネットの充実
災害に強いまちづくり
消防・救急体制の充実
交通安全と消費者保護の推進
犯罪のないまちづくり
魅力ある農林水産業の振興
活力ある商工業の振興
企業誘致の推進と新たな雇用の創出
歴史や自然を活かした観光のまちづくり
コンパクトで暮らしやすいまちづくり
道路網の整備と公共交通の利便性の向上
快適で暮らしやすい都市環境の整備
環境にやさしいまちづくり
効率的で開かれた行政運営の推進
健全な財政運営の推進
地域コミュニティの活性化とみんなで取り組むまちづくり
お互いを尊重し、誰もが活躍できる社会づくり
37
第1章 大村市の現状把握
■人口推計
・新工業団地の分譲、九州新幹線西九州ルート開業などにより、平成 37 年度に人口 10 万人と推計
■都市構造の考え方
【コンパクトで機能的な都市づくりを推進】
・本市は、少子高齢化の進行や将来的な人口減少に対応するため、コンパクトで機能的な都市づくり
を計画的に進める必要があります。このため、国道34号と国道444号を「都市軸」として、大村
駅周辺や新幹線新大村駅(仮称)周辺などを都市拠点とした都市構造を目指し、地域の特性を活か
した計画的な土地利用と都市環境の整備を進めます。
38
第1章 大村市の現状把握
(2)大村市都市計画マスタープラン(平成 24 年~平成 40 年)
■将来都市像
『日本一“住みたくなるまち”大村』
■都市づくりの目標
大村らしさの発揮により、魅力と活力を創出します
賑わいと成長をもたらす、新たな交流・連携を展開します
元気・笑顔の暮らしを支える、快適な居住環境をつくります
■将来都市構造の基本概念
基本的な考え方「環境に配慮したコンパクトな都市づくり」
 大村市の空間構成の背景となる、海~まち~里山~山の特性を生かします。

都市軸を骨格として、主要な拠点を結び、まとまりある市街地形成を進めます。

都市機能の集積を促進し地域の魅力や個性を最大限に発揮する拠点の形成を進めます。また、
拠点を中心として利便性の高い生活圏を創出します。

公共交通体系および道路網により拠点を結び、各生活圏が一体となった、コンパクトな都市
づくりを推進します。
■将来都市構造
39
第1章 大村市の現状把握
都市中心拠点
●
●
●
地域生活拠点
●
●
新幹線新大村
駅(仮称)周辺
地区
都市の求心力を高めるため、市内外の買い物需要に対応した商業施設や
教育、文化をはじめ市民交流を促進する施設の立地促進を図ります。
まとまりある都市空間の創出、訪れる人が快適に移動できるなど、利便
性の高い市街地形成に向けて、都市機能の適正な配置・誘導を図ります。
そのため、必要に応じて土地利用や市街地形成の仕組み、ルールづくり
について検討します。
地域生活拠点においては、地域での安定した生活を今後も営んでいくた
めにも、公共交通や公共・公益サービス機能の維持・向上に努めます。
地域が持つ特色ある伝統や文化を継承し、地域活力やコミュニティを維
持していくための拠点整備について、地域住民と協働で進めます。
“交通・情報ネットワークの中心となる『賑わい交流拠点』”の形成を図
るため、「新幹線開業に向けた基本計画」に基づく新幹線新大村駅(仮称)
周辺整備を推進します。
●
●
●
公益拠点
大村市全体の活力や賑わいの創出に向けて、JR 大村駅周辺や幸町周辺に
おいて多様な都市機能の集積を誘導します。
●
●
交通結節点としての機能に加え、来訪者の利便性向上に向けた情報発信
機能や人々の賑わい・交流を創出するため、周辺の公共用地等を含め、
市街地環境のあり方について検討します。
空港や市内各拠点との連絡性向上を図るため、その他公共交通との連携
や道路の配置など、交通体系のあり方を検討します。また、駅前広場や
駐車場の整備など、交通結節機能の強化を推進します。
新幹線新大村駅(仮称)を起点に、人や地域の連携、賑わいの創出を図
るため、市民・事業者等・市による協働のまちづくりを展開します。
公共・公益施設や沿道型の商業施設の集積が進む森園地区周辺において
は、身近な生活利便性を享受できる地区として、基盤整備や交通ネット
ワークなどの整備による市街地環境の向上を図ります。
長崎県の救急救命センター、広域災害拠点病院としての役割を担う“長
崎医療センター”周辺地区においては、スムーズにアクセスできる交通
環境の整備を図ります。
40
第1章 大村市の現状把握
(3)大村市中心市街地活性化基本計画(平成 21 年 12 月~平成 27 年 3 月)
■中心市街地活性化のまちづくり・活性化の理念
『にぎわいあふれる
桜と長崎街道のまち』
■中心市街地の活性化の目標
目標1 居住人口の拡大
“緑と歴史に包まれた、人と環境にやさしい、便利で快適な住環境の形成”
目標2
交流人口の拡大
“人が集い賑わう、多様な活動の場の形成”
地元独自の目標
商業の活性化
“愛され楽しめる商業空間の形成と商業サービスの展開”
(4)大村市新幹線新大村駅(仮称)周辺地域まちづくり計画(平成 26 年 8 月)
■まちづくりのテーマ
『世界へ、そして未来につながる・緑と歴史の大舞台 新大村』
豊かな自然と歴史が人々を迎え、
長崎、九州から全国、世界へ、そして未来につながる“大村”を実感できる
「新幹線」
・「空港」
・「IC」がつながるまちづくり
■まちづくりの基本方針
花と緑に囲まれた駅づくり・拠点づくり
若者が集い・躍動感のある拠点づくり
便利で魅力的な新しい生活を提案する拠点づくり
41
第1章 大村市の現状把握
■計画対象区域内のまちづくり方針(ゾーン設定)
①新大村駅前周辺ゾーンの整備イメージ
42
②新幹線車両基地ゾーン、③文教ゾーンの機能配置
第1章 大村市の現状把握
(5)大村市地域公共交通網形成計画(平成 28 年 3 月)
■大村市の将来の姿と方向性
都市軸を骨格として主要な拠点を結び、まとまりある市街地の形成
~コンパクトな多核連携都市の形成促進~
■公共交通の方針
都市軸を骨格として主要な拠点を結ぶ「コンパクト+ネットワーク」のまちづくりにより、利
便性が高い公共交通ネットワークを構築する
■大村市の公共交通を構成する3つのネットワーク
●「高速交通ネットワーク」、「幹線バス・ネットワーク」、「支線バスとコミュニティバス等
のネットワーク」の3つのネットワークが一体となって、将来の大村市公共交通におけるバ
ス・ネットワークを構成することを計画する。
●高速交通ネットワークによって広域観光につなげるとともに、バス・ネットワーク等を通して
大村市にある歴史、自然、農業等を活かした観光資源へのアクセス向上をめざします。
43
第1章 大村市の現状把握
44
第2章 大村市の将来見通し
第2章
大村市の将来見通し
1 人口の将来見通し
(1)大村市の将来人口
大村市の人口は、これまで増加傾向を維持してきましたが、平成 32 年には減少に転じると予
想されています。平成 52 年には、ピーク時から約 4,500 人が減少すると予測されており、人
口規模の縮小によって、これまで拡大傾向にあった市街地が縮退の方向に向かいます。
人口減少と同時に高齢化も進行し、
平成 52 年には3人に1人が高齢者という割合となります。
生産年齢人口は、平成 22 年時点で最も多く、平成 52 年には約 8,900 人の減少が予測され
ており、人口3階層割合のバランスが悪くなります。
■大村市の将来人口予測
出典:国立社会保障人口問題研究所
45
第2章 大村市の将来見通し
(2)地域別人口の将来見通し
居住誘導区域及び都市機能誘導区域を検討する際の基礎資料として、都市計画マスタープラン
に基づいた 4 地域毎の将来人口を推計します。
■地域別将来人口
地域
北部地域
中北部地域
中南部地域
南部地域
人口
区分
H22
用途地域内
都市計画区域内(用途白地地域)
都市計画区域外
北部地域合計
用途地域内
都市計画区域内(用途白地地域)
都市計画区域外
中北部地域合計
用途地域内
都市計画区域内(用途白地地域)
都市計画区域外
中南部地域合計
用途地域内
都市計画区域内(用途白地地域)
都市計画区域外
南部地域合計
市全体
図
地域区分
46
H47
2,390
2,979
739
6,108
48,470
1,881
1,422
51,773
23,303
2,098
1,295
26,696
1,123
4,554
264
5,941
2,286
2,690
593
5,569
49,353
1,796
1,093
52,242
22,574
1,999
879
25,452
1,071
4,232
239
5,542
90,518
88,805
第2章 大村市の将来見通し
■大村市の 100mメッシュ人口(2010 年)
47
第2章 大村市の将来見通し
■大村市の 100mメッシュ人口(2040 年予測)
48
第2章 大村市の将来見通し
(3)大村市人口ビジョンとの考え方の違い
本市では、
『第5次大村市総合計画』の最上位計画に基づき、
『大村市まち・ひと・しごと創生総合
戦略』などの計画を推進し、人口ビジョンに示す将来人口を目指して、市民がより良い生活が送れる
よう取り組んでいます。
立地適正化計画は、人口密度の維持と持続可能なまちづくりを目指すため、人口問題研究所が推計
する予測値に近づいた場合を想定し、その対策のための土地利用誘導を図るものです。
人口ビジョンは、人口問題研究所の人口推計にならないように人口増加のための施策を行うもので、
立地適正化計画はもし人口が下がった場合でも対応できる市街地形成を進めるというものなので、双
方での取組みにより、より良い都市づくりを進めることができます。
立地適正化計画の手引きにおける人口推計の考え方(抜すい)
“将来の都市構造を検討するにあたっては、対策を講ずることなく現状のまま推移した場合に
おける将来像を想定し、都市構造上いかなる課題が生じる恐れがあるのか、的確に分析を行う
ことが重要である。”
これらを勘案し、立地適正化計画では、人口問題研究所推計値を採用して、本市での都市機能や居住
の誘導に関する方針を検討します。
将来人口推計について
(人)
2040
91,583
2060
人口ビジョン
●第5次総合計画
●まち・ひと・しごと創生総合戦略に適用
ピーク
人口問題研究所準拠推計
●立地適正化計画に適用
(H22)
(H32)
(H52)
人口問題研究所準拠推計
49
(H72)
(年)
第2章 大村市の将来見通し
2
財政の将来見通し
市の財政中期見通しでは、今後 5 年間は歳出超過となり、その累積額は 40 億円に達する見込み
となっています。
歳入に関しては、1 割程度の縮小が見込まれており、2017 年以降は毎年歳出が歳入を上回って
いきます。
また、今後は、道路や橋梁、下水道、公園などのインフラや、教育施設や文化施設、官公庁施設、
医療施設などの公共公益施設の老朽化による改修費用が必要となり、歳出額は更に大きくなること
が予想されます。
■大村市の財政見通し
※大村市では、この結果を受け、財政健全化に向けた取り組みを実施中
出典:大村市中期財政見通し(平成 29 年度~平成 33 年度)
50
第3章 今後のまちづくりの課題
第3章
1
今後のまちづくりの課題
大村市が抱える現況課題
大村市の分野別の課題は、以下のように整理できます。
項
目
現状
課
人口動態・特 ・大村市の人口は、微増ながら増加傾向を維持し続けて
性
いる。
・世帯数も、人口増加と核家族化によって、増加傾向が
顕著であり、住宅需要は未だ多い。
・中山間地においては、人口減少と高齢化が進行してい
る。
市街地の広が ・大村市の DID 区域は、新大村駅から北側に広がる平野
り
部において次第に広がりを見せている。
・大村駅周辺では、中山間地への市街地の広がりが見ら
れる。
公共交通の利 ・大村市の公共交通利用者は、鉄道及びバスの何れも利
用状況
用者数に大きな変化はない。
・人口増加が公共交通の利用者数の増加に繋がらない。
公共交通利用 ・公共交通の利用圏域内人口では、中北部地域と中南部
地域が高く、北部地域と南部地域が低いが、特に北部
圏域の人口カ
地域の公共交通の人口カバー率の低さは顕著である。
バー率
都市機能の集 ・大村市の都市機能は、中北部地域と中南部地域に集中
積状況
して立地しており、生活利便における地域格差が見ら
れる。
市街地整備事 ・土地区画整理事業や再開発事業は、大村駅周辺から新
業等
大村駅周辺にかけて実施されている。
・5ha 未満の開発行為も用途地域内で多く行われている
が、用途地域外における住宅開発も見られる。
法規制
・北部地域と南部地域の用途地域外には、農用地区域が
広く指定されている。
・大村駅東側の丘陵地や南部地域には、土砂災害危険個
所が広く分布している。
地価・路線価 ・大村市の路線価は、近年価格自体の減少幅は小さくな
っているものの、依然として減少傾向にある。
財政
・大村市の財政は、今後歳出の増加が懸念される中で、
歳入が減少傾向にある。
市民意向
・人口減少による影響では、社会保障への個人負担増や
行政サービスの低下が懸念されている。
・地域の活性化での重要項目は、中心市街地や商店街の
活性化、公共交通の利便性向上が求められている。
上位・関連計 ・新大村駅周辺及び在来線新駅周辺の新市街地の形成
画及び主要プ ・大村駅周辺及び新大村駅周辺の都市拠点の形成
・市民病院の建替え及び周辺の公益拠点の形成
ロジェクト
将来見通し
・大村市の人口は、平成 32 年以降から減少傾向を辿る
見込みとなっている。
・財政見通しでは、平成 29 年度以降は赤字の見込み
・都市機能においても教育施設を除くすべての項目で施
設の減少が起こることが予想される。
51
題
・人口増加を維持するための取組みが
必要
・山間地域の集落における活力の維持
が必要
・人口拡大傾向にある北部地域の都市
基盤整備が必要
・災害危険性の高い場所への市街地の
広がりを抑制することが必要
・公共交通体系の市民ニーズに応じた
再編が必要
・北部地域と南部地域では、利用者数
が少なく、バス路線の維持が難しい
ため、地域に応じた公共交通のあり
方の検討が必要
・北部地域と南部地域の地域住民の生
活利便の確保が必要
・用途地域外における宅地開発が見ら
れ、無秩序な市街地拡大が進んでお
り、用途地域外の拡大抑制が必要
・1 次産業の生産基盤への市街地の広
がりを抑制しつつ、農林業従事者の
生活利便の確保が必要
・災害危険性の高い区域への市街地の
広がりを抑制することが必要
・路線価の下落による固定資産税の税
収縮小を抑制することが必要
・歳入の減少を抑制するための取組み
が必要
・市の収支に伴う生活への影響を懸念
されており、健全で効率的な市街地
形成による歳出抑制が必要
・拠点の賑わい利便性の確保が必要
・新大村駅周辺及び在来線新駅周辺の
都市機能及び居住の誘導が必要
・都市拠点及び公益拠点の形成が必要
・人口減少を抑制するための施策と併
せて、人口減少に応じた市街地形成
を進めることが必要
・都市機能を維持するための対策が必
要
第3章 今後のまちづくりの課題
2
課題解決のための対応策
課題解決のための対応策として、以下の取組みを進めます。
対応策
無秩序な市街地を抑制し、効率の良い
経済的な市街地形成を図る
市民が安全で快適に生活することがで
きる市街地を形成する
立地適正化計画によ
る都市機能及び居住
の誘導
地域住民の日常生活を支える最低限の
都市機能の維持を図る
高齢社会における地域住民の生活の足
となる公共交通の再編を行う
農山村集落を維持するための 1 次産業
の振興及び集落の活力維持を図る
土地の下落抑制、人口減少の抑制によ
る、市の財政健全化を図る
市内の主要なプロジェクトを活かした
都市構造の再編を図る
本市の適正な拠点配置及び拠点形成に
よるにぎわいの創出を図る
52
地域公共交通網形成
計画による地域ニー
ズに応じた公共交通
の再編
まち・ひと・しごと
総合戦略による産業
振興、人口対策
小さな拠点づくりに
よる集落の活力の維
持
第4章 立地適正化計画の基本的方針
第4章 立地適正化計画の基本的方針
1 立地適正化計画の概要
(1)策定の目的と役割
①立地適正化計画策定の背景
本市のまちづくりにおいては、将来的な人口減少と高齢化を背景として、高齢者や子育て世代
にとって安心できる健康で快適な生活環境を維持し、財政面・経済面において持続可能な都市経
営を可能にしていくことが大きな課題です。
国では、平成 26 年 8 月に都市再生特別措置法を改正し、全国的に人口が減少に転じている中、
持続可能な都市の実現を図るため、コンパクトな都市づくりに向けて、居住、福祉・医療等の生
活サービス施設等の諸機能が、都市内のどの地域に立地すべきかを検討・明確化する立地適正化
計画の策定を推進しています。
このような背景を踏まえ、都市全体の観点から、居住機能や福祉・医療・商業等の都市機能の
立地、公共交通の充実に関する包括的なマスタープランとして、行政・住民・民間事業者が一体
となってコンパクトなまちづくりに取り組んでいくための指針として立地適正化計画を策定し
ます。
②立地適正化計画とは
1)立地適正化計画とは(都市計画運用指針(国土交通省作成)引用)
多くの地方都市では、急速な人口減少と少子高齢化が進展する中、一定の人口密度に支えられ
てきた医療・福祉・子育て支援・商業等の生活サービスの提供が将来困難になりかねない状況に
あります。さらに、厳しい財政状況の下、急速に進展している社会資本の老朽化への対応が求め
られています。
このような中、立地適正化計画は、
・高齢者でも出歩きやすく健康・快適な生活を確保すること
・子育て世代などの若年層にも魅力的なまちにすること
・財政面・経済面で持続可能な都市経営を可能とすること
・低炭素の都市構造を実現すること
・災害に強いまちづくりを推進すること
を目指し、都市全体の構造を見直し、コンパクトなまちづくりと連携した公共交通のネットワー
クを形成するため、居住や医療・商業などの暮らしに必要なサービス施設の立地の適正化を図る
計画です。
53
第4章 立地適正化計画の基本的方針
2)立地適正化計画の記載事項
立地適正化計画では、区域や基本的な方針など都市再生特別措置法の規定に基づく事項を記載
します。
■立地適正化計画の記載事項
項目
立地適正化計画
区域
記載事項
区域
基本的な
方針
内容
都市計画区域内
都市全体を見渡し、用途地域内に居住・都市機能誘導区域等を設
定
都市の居住者の居住を誘導すべき区域
◆居住誘導区域は、人口減少の中にあっても一定エリアにおいて
区域
人口密度を維持することにより、生活サービスやコミュニティ
が持続的に確保されるよう、居住を誘導すべき区域で、基本的
居住誘導区域
には用途地域が指定された区域に設定します。
講ずべき
施策
居住環境の向上、公共交通の確保その他の当該居住誘導区域に都
市の居住者の居住を誘導するために市町村が講ずべき施策に関
する事項
都市機能増進施設の立地を誘導すべき区域
◆都市機能誘導区域は、医療、福祉、商業等の都市機能を都市の
都市機能誘導
区域
中心拠点や生活拠点に誘導し集約することにより、これらの各
種サービスの効率的な提供を図る区域で、原則として居住誘導
区域
区域内に設定します。
講ずべき
立地を誘導すべき都市機能増進施設(誘導施設)及び当該誘導施
施策
設の立地を誘導するために市町村が講ずべき施策に関する事項
(立地適正化計画概要パンフレット(国道交通省作成)抜粋)
54
第4章 立地適正化計画の基本的方針
(2)位置づけ
立地適正化計画は、
「第 5 次大村市総合計画」や長崎県が策定する「都市計画区域マスタープラン」
の内容に即し、「大村市まち・ひと・しごと創生総合戦略」との一体的な取組みによって、目指すべ
き将来都市像の実現を目指します。
また、地域公共交通網形成計画や公共施設等総合管理計画など、その他関連計画との整合を図るこ
とで、実現に向けた施策を展開します。
■立地適正化計画の位置づけ
基本計画
第5次大村市総合計画(2016~2025)
まち・ひと・しごと
創生総合戦略
重点施策
①地方における安定した雇用を
創出する。
②地方への新しい人の流れをつ
くる。
③若い世代の結婚・出産・子育
ての希望をかなえる。
④時代に合った地域をつくり、安
心な暮らしを守るとともに、地
域と地域を連携する。
大村市都市計画マスタープラン
(H24:2012~H40:2028)
○○計画
大村市立地適正化計画(H29~H47)
○○計画
都市機能立地支援事業
アクションプラン
連携
社会資本
総合整備計画
55
○○計画
・
・
・
・
(各種個別計画)
都市再生整備計画
連携
地域公共交通網
形成計画
連携
都市再構築戦略事業
連携
公共施設等総合
管理計画
第4章 立地適正化計画の基本的方針
(3)計画区域と目標年次
①計画区域
本計画の区域は、都市再
生特別措置法第 81 条第 1
項に基づき、大村市の都市
計画区域とします。
②目標年次
本計画の計画期間は、おおむね 20 年後の都市の姿を展望し、総合計画やまち・ひと・しごと
創生総合戦略等を勘案しつつ、平成 29 年度(2017 年度)から平成 47 年度(2035 年度)
までの 18 年間とします。
拠点連携型の都市づくりを進めるためには、人口密度を維持し、暮らしに必要な都市機能を確
保することが必要であり、中長期的な視点に立ち、20 年という期間を設けて、計画的な時間軸
の中で緩やかに居住や都市機能の維持・誘導を進めます。
そのためには、市民と都市づくりに対する方向性を共有し、理解を深めていくとともに、計画
策定後は本計画に対する評価や土地利用の状況等を踏まえ、必要に応じて見直しを行います。
計画期間
2017年4月 から 2036年3月 まで
(平成29年度)
56
(平成47年度)
第4章 立地適正化計画の基本的方針
2 立地適正化計画の基本的方針
(1)立地適正か計画の目指すべき都市像(まちづくりの方針)
①立地適正化計画の目標
大村市都市計画マスタープランの理念
大村市は、豊かな自然、歴史資源の魅力とともに、良好な居住環境によって、長崎県でも有数の
住みやすい都市として発展してきました。また、空港、新幹線、高速道路など充実した交通体系の
活用により、賑わいや交流機能を高める可能性を秘めています。
こうした大村市が持つ魅力や機能を活用することで、新たな都市文化や暮らしの場を創出し、訪
れる人、住む人を大きく増やすことができます。
本計画では、こうした“住”と“交流“に重点を置き、自然・歴史文化と充実した都市機能の魅
力が育むまちを目指し、将来都市像を「日本一住みたくなるまち大村」と定めます。
【将来都市構造(都市計画マスタープラン)】
日本一“住みたくなるまち”大村
【都市づくりの目標】
大村らしさの発揮により、魅力と活力を創出します
賑わいと成長をもたらす、新たな交流・連携を展開します
元気・笑顔の暮らしを支える、快適な居住環境をつくります
立地適正化計画の目標
目標1
ずっと住み続けられる都市づくり
立地適正化計画では、人口密度の維持を最大の目標としているため、居住誘導区域内の人口
密度を 20 年後も維持することを目標とします。
市民が住み続けられる市街地にするためには、一定の人口密度があり、店舗や事務所等が経
営を継続できる環境を整えることが重要です。
立地適正化計画では、居住誘導区域内の人口密度の維持に努めます。
目標2
市民が便利で快適に生活できる都市づくり
立地適正化計画では、市民が快適に生活できる居住環境を提供することを目標としています。
このまま対策を講じることなく推移すると、未だ人口増加を続ける大村市においても、店舗
や事務所等の都市機能が減少していく危険性があることから、市内に点在する拠点に都市機能
を誘導し、市街地内の良好な居住環境を維持します。
立地適正化計画では、都市機能誘導区域内の生活利便施設を増やしていくことに努めます。
57
第4章 立地適正化計画の基本的方針
≪現都市マスの内容≫
②将来都市構造
1)基本概念
『環境に配慮したコンパクトな都市づくり』を都市構造の基本的な考えとして進めます。
〇大村市の空間構成の背景となる、海~まち~里山~山の特性を生かします。
〇都市軸を骨格として、主要な拠点を結び、まとまりのある市街地形成を進めます。
〇都市機能の集積を促進し地域の魅力や個性を最大限に発揮する拠点の形成を進めます。また、
拠点を中心として利便性の高い生活圏を創出します。
〇公共交通体系及び道路網により拠点を結び、各生活圏が一体となった、コンパクトな都市づく
りを推進します。
2)都市構造
【ゾーン】
海~まち~里山~山の特性を生かしたゾーンの配置を行います。都市を取り囲む豊かな自然環境
を保全する区域、市街化を進める区域や自然と調和した居住環境を形成する区域など、それぞれの
特性に応じた土地利用を展開し、環境に配慮したコンパクトな都市づくりを進めます。
【軸】
[都市軸の概念図]
南北の骨格となる国道 34 号、東西の骨
格となる国道 444 号を、都市内外の交流
を促進し市街地形成を進める都市軸とし
て位置づけます。
また、都市軸を基本に東西、南北を結ぶ
交通ネットワークを配置することで、各拠
点を結びコンパクトにまとまった市街地
の形成を進めます。
【拠点】
都市の活力を生み出し、地域の生活を支える拠点を位置づけます。そのため、地域の特性に応じ
て都市機能の集積を促進し、地域の拠点性を発揮します。また、日常生活にかかわりの深い生活の
拠点、産業の拠点、より豊かで魅力的な都市空間を構成するための自然、レクリエーション拠点を
配置します。
特に、市民生活の中心となる「都市中心拠点」
「地域生活拠点」においては、生活の利便性を享受
できるとともに、徒歩や自転車、公共交通により各地域および拠点へ移動しやすい生活圏の形成を
図ります。
58
第4章 立地適正化計画の基本的方針
(2)将来都市構造の再検討
①都市計画マスタープランの将来都市構造図
≪現都市マスの内容≫
都市計画マスタープランの将来都市構造では、大村駅から大村湾、市役所までのエリアを市の中
心となる都市中心拠点として位置づけ、その他に地域住民の日常生活における拠点となる地域生活
拠点や公共施設や医療施設が集積する公益拠点、工業施設が集積する産業拠点、大規模な公園等を
有する自然・レクリエーション拠点などがあります。また、国道 34 号を基軸とした各駅の拠点を
連結する縦断都市軸と、国道 444 号を基軸とした大村インターチェンジや新幹線駅、長崎空港な
どの広域交通を結ぶ横断都市軸の2つの大きな都市軸を位置づけています。
立地適正化計画では、地域住民の日常生活における都市機能や居住する場所を誘導するものであ
るため、都市中心拠点や地域生活拠点、公益拠点が重要となりますが、九州新幹線長崎ルートの整
備や市民病院の建替えなどによって、本市の都市構造に変化が生じているため、都市構造図につい
て再検討を行います。
■将来都市構造図
59
第4章 立地適正化計画の基本的方針
②大規模プロジェクトによる都市構造の変化
大村市では、以下の大規模なプロジェクトが進行しています。これらの事業は、大村市が政策
的に推進している事業であり、事業完了後には大村市の都市構造に大きな影響をもたらすことと
なるため、将来都市構造への新たな拠点の位置づけを行うとともに、拠点間連携等の見直しを行
います。
新大村駅周辺整備構想
車両基地・新駅計画
大村市民病院建替事業
市立図書館・歴史資料館整備事業
60
第4章 立地適正化計画の基本的方針
(3)将来都市構造の見直し
①生活利便型の拠点配置
本市では、市民の日常生活を支える拠点を3種類(コミュニティ拠点を除く)の生活利便型拠
点として設定します。
都市計画マスタープランでは、大村駅から市役所までのエリアを都市中心拠点と位置づけてい
ますが、10 年後の大村市の都市の状況を踏まえ、新たに新大村駅周辺を加え、本市の玄関口と
して都市において中心的な拠点の形成を図ります。
地域拠点は、医療センターから岩松駅までの医療センター周辺を南部地域の新たな地域拠点、
また新駅が整備される予定の車両基地周辺地区を北部地域の地域拠点として位置づけます。
また、松原駅周辺及び竹松駅周辺、諏訪駅周辺、萱瀬地区、三浦地区、鈴田地区については、
対象となる地区住民の規模や拠点配置のバランスを考慮し、地区拠点として位置づけを行い、地
域拠点を補います。
■拠点配置の概念図
61
第4章 立地適正化計画の基本的方針
②政策誘導型の拠点配置
大村市では、これから新たな拠点形成を図る場所が新大村駅周辺と車両基地及び新駅(在来
線)周辺の2箇所存在します。これらの周辺においては、現状では都市機能や人口の集積が比較
的少ない状況にあり、新たな拠点形成を進める政策誘導型の拠点として位置づけを行い、都市機
能や人口集積の推進を図る場所として位置づけます。
また、公共公益施設が既に集積している公益拠点や長崎医療センター周辺の医療拠点において
は、既存の施設の集積を維持するとともに、新たな拠点集積や機能強化を推進していく場所とし
て位置づけます。
■政策的に拠点形成を行う場所
政策拠点
誘導方針
◇九州新幹線西九州ルート新大村駅の整
備による新たな都市中心拠点の形成
◇「車両基地及び在来線新駅」の整備によ
る新たな地域拠点の形成
新大村駅の整備に伴って、駅周辺における新たな拠点整備が進められ
ており、市においても広域的な拠点として機能することになります。
新大村駅の整備と連動して、新幹線車両基地と在来線における新駅の
設置を検討しており、駅の整備に伴って、周辺の都市機能集積と居住
促進を進めていくことになります。
市民病院の建替に伴って、市民利用の向上が期待され、公益拠点とし
ての役割が高まり、公共交通等の連携強化が必要となります。
既存の長崎医療センターや看護学校等の集積を活かし、医療関連に特
化した都市機能の集約を図り、医療ゾーンの形成を進めます。
◇市民病院の建替による公益拠点の公益
性の強化
◇高度医療機関の集積を活かした医療機
能の強化
■政策誘導型拠点の配置
62
第4章 立地適正化計画の基本的方針
③将来都市構造の変更
拠点名称
拠点形成の方針
都市 新大村駅周辺 新幹線新駅の設置によって広域交流人口の増加が見込まれるため、駅周
辺における都市機能や交流機能の充実を図り、本市の新たな都市拠点の
拠点 地区
形成を図る。
(地域
大村駅周辺地 既存の都市機能や公共施設の集積を活かし、本市の中心市街地に相応し
拠点)
い賑わいと活力のある都市拠点の形成を図る。
区
地域
拠点
車両基地周辺 九州新幹線の整備に関連する車両基地の設置に伴い、在来線新駅の設置
が予定されているため、在来線新駅の周辺において、既存の教育施設の
地区
集積状況や車両基地関連企業の立地を想定し、北部地域を担う地域拠点
生活利便型拠点
医療センター
周辺地区(医
療拠点)
地区
拠点
の形成を図る。
南部地域住民の日常生活における生活サービス機能を充実させ、都市拠
点との連携強化によって、南部地域を担う地域拠点の形成を図る。
松原駅周辺の地区住民の生活に必要な都市機能を有し、都市拠点や地域
拠点との連携強化によって、松原地区を担う地区拠点の形成を図る。
竹松地区
竹松駅周辺の地区住民の生活に必要な都市機能を有し、都市拠点や地域
拠点との連携強化によって、竹松地区を担う地区拠点の形成を図る。
西大村地区
西大村出張所周辺と諏訪駅周辺の地区住民の生活に必要な都市機能を有
し、都市拠点や地域拠点との連携強化によって、西大村地区を担う地区
拠点の形成を図る。
萱瀬出張所周辺の地区住民の生活に必要な都市機能を有し、都市拠点や
地域拠点との連携強化によって、萱瀬地区を担う地区拠点の形成を図る。
拠
松原地区
萱瀬地区
点
(小さな拠点)
鈴田地区
(小さな拠点)
三浦地区
(小さな拠点)
鈴田出張所周辺の地区住民の生活に必要な都市機能を有し、都市拠点や
地域拠点との連携強化によって、鈴田地区を担う地区拠点の形成を図る。
三浦出張所周辺の地区住民の生活に必要な都市機能を有し、都市拠点や
地域拠点との連携強化によって、三浦地区を担う地区拠点の形成を図る。
政策誘導型拠点
コミュニティ拠点
一定の人口集積が見られる地区や集落においては、公民館や集会所など
にコミュニティ拠点を形成し、地区拠点や地域拠点間を結ぶ交通連携の
確保に努める。
政策
拠点
公益拠点
公共公益施設が多く集積し、市民や周辺市町村からの利用者が多い地区
であるため、公益拠点として位置づけ、既存の都市施設の維持を図ると
ともに、新たな都市機能の強化を進める。
医療拠点(医
療センター周
辺)
既存の医療センター及び活水女子大等の高等教育機関などの集積を活か
すため、長崎医療センター周辺地区を医療拠点として位置づけ、医療機
能の強化・維持を図る。なお、医療センター周辺は、南部地域の地域拠
点としての役割も併せて担う。
大村市の産業、雇用を創出する県央の産業拠点として位置づけ、産学官
の連携促進によって、ハイテク産業の集積や研究機関の誘致を図る。
産業拠点
自然・レクリエーショ 自然とのふれあいや都市のうるおいを提供する場所として、自然・レク
リエーション拠点として位置づけ、市民の健康増進やスポーツ振興の推
ン拠点
進を図る。
※生活利便性型拠点・・・市民の日常生活において必要とされる都市機能を有する拠点
※政策誘導型拠点・・・既存施設の集積を維持・増進し、政策的に拠点形成を行う拠点
63
第4章 立地適正化計画の基本的方針
≪大村市将来都市構造図≫
将来都市構造変更点
都市計画マスタープラン
(都市中心拠点)
大村駅周辺地区
(地域生活拠点)
松原駅周辺/竹松駅周
辺/諏訪駅周辺/岩松
駅周辺/萱瀬出張所周
辺/三浦出張所周辺
(公益拠点)
市民病院周辺/医療セ
ンター周辺
立地適正化計画
(都市拠点)
新大村駅周辺地区/大村駅周辺地区
(地域拠点)
車両基地周辺地区/医療センター周
辺地区
(地区拠点)
松原地区/竹松地区/西大村地区/
萱瀬地区/鈴田地区/三浦地区
(公益拠点)
市民病院周辺
(医療拠点)
医療センター周辺
64
第5章 都市機能誘導区域の設定
第5章
都市機能誘導区域の設定
1 都市機能誘導区域について
(1)基本的な考え方(立地適正化計画制度の考え方)
都市機能誘導区域とは、医療、福祉、商業等の都市機能を都市の中心拠点や生活拠点に誘導し、集
約することにより、これらの各種サービスの効率的な提供を図る区域です。
医療・福祉・子育て支援・商業といった民間の生活サービス施設の立地に焦点が当てられる中では、
これらの施設をいかに誘導するかが重要となります。このような観点から都市機能誘導区域は、都市
の居住者の共同の福祉又は利便を図るために必要な機能を民間投資等により将来確保するため、誘導
したい機能や誘導するために講ずべき施策を明示する区域であり、当該区域内の具体的な場所は問わ
ずに、生活サービス施設の誘導を図るものです。
(都市計画運用指針
引用)
(2)大村市における都市機能誘導区域の考え方
都市機能誘導区域は、市民の日常生活に必要な機能を適正に誘導するため、用途地域内の都市拠
点、地域拠点、地区拠点に設定します。
都市機能を誘導すべき場所としては、市民の誰もが利用しやすい場所で、既存ストックの集積が
ある場所、施設の集積に適した場所である必要があるため、一定の条件に適合した区域を対象とし
て指定します。
また、補助制度の適用要件や事業可能性のあるまとまった空地なども含まれます。
なお、区域設定にあたっては、永続的に存在する可能性の高い、道路や河川・水路・公共施設等
の地形地物によって設定することを基本とし、適当な対象施設がない場合には施設からの距離や用
途地域界などによって区分します。
(3)都市機能誘導区域の適用条件
都市機能誘導区域の適用条件としては、以下の3つの評価を用います。一つ目は、多くの市民に
施設利用がしやすい場所であることが必要であるため、公共交通の利便性が高い区域であることを
条件とします。二つ目に、現時点で都市機能が集積する場所は既に市民に使用しやすい状況にある
ため、既存の都市機能の集積が見られる場所を条件とします。三つ目は、都市機能を誘導しやすい
用途地域であるかを判断するため、現況用途地域の指定状況を条件とします。
評価①
公共交通の利便性の高い区域
評価②
既存の都市機能の集積が見られる場所
評価③
現況用途地域の指定状況
65
第5章 都市機能誘導区域の設定
■市民生活に係る都市機能誘導区域の評価
評価項目
評価①
公共交通の利便性の高い
評点基準(該当しないものは全て0)
駅から500m圏域※1
駅から800m圏域※2
10 便/日未満の
バス停300m圏域
又は 20 便/日以上の
又は 10 便/日以上の
バス停300m圏域※3
バス停300m圏域
3点
2点
1点
要素5~7
要素3~4
要素1~2
3点
2点
1点
近隣商業地域
第 2 種中高層住居専用地域
区域
評価②
既存の都市機能の集積が
見られる場所
商業地域
評価③
準住居地域
第 1 種中高層住居専用地域
第 1 種住居地域
第 1 種低層住居専用地域
3点
2点
1点
高評価
中評価
低評価
現況用途地域の指定状況
都市機能誘導区域の評価
区分
9
8
7
6
5
4
3
2
1
(合計点数)
【評価項目に関する設定根拠】
評価①
※1:高齢者の徒歩圏は半径 500m
※2:一般的な徒歩圏は半径 800m
(不動産の表示に関する公正競争規約施行規則により 1 分 80m と規定)
※3:バス路線 20 便/日以上のバス停は、1 時間 2 便程度の路線
※4:バス路線 10 便/日以上のバス停は、1 時間 1 便程度の路線
※5:バス利用者の 90%の方が抵抗感なく無理なく歩けるバス停の距離が 300m
参照)国土交通省「都市構造の評価に関するハンドブック」
社団法人土木学会「バスサービスハンドブック」
評価②
既存の都市機能(商業施設、教育施設、文化施設、高齢者福祉施設、児童福祉施設、医療施
設(内科のみ)、金融機関の7要素)を各要素の施設から 300m の圏域を作成し、何種類の
都市機能が近くに存在するかを評価。
評価③
都市機能の集約及び土地の高度利用を図る「商業地域」を3点評価とした。近隣商業地域に
ついても十分な都市機能の集約が図れるものの、大村市では自家用車利用を前提として主要
道路沿いに多く指定しているため、2 点評価とした。
66
第5章 都市機能誘導区域の設定
【評価結果】市民生活に係る都市機能誘導区域の適正評価
67
第5章 都市機能誘導区域の設定
2
都市機能誘導区域の設定
都市機能誘導区域は、用途地域内において指定を行うものとし、用途地域内に点在する都市拠点、
地域拠点、地区拠点において、それぞれの役割に応じた誘導区域及び誘導施設の設定を行うものと
します。
■都市機能誘導区域を設定する拠点
68
第5章 都市機能誘導区域の設定
(1)都市拠点
①新大村駅周辺(生活利便型・政策誘導型都市機能誘導区域)
新大村駅周辺は、市の都市拠点であるとともに、新駅設置に伴う周辺の都市基盤整備や都市計
画道路の整備、用途地域の変更が予定されているため、生活利便及び政策誘導の観点から都市機
能誘導区域を設定します。
適正評価における評価点の高いエリアは、主要道路沿道に集中しており、今後の施設整備等を
踏まえ、以下の区域を都市機能誘導区域とします。
なお、主要道路沿道の区域境界については、用途地域の指定と同様に沿道から 30mの距離で
設定を行います。
【区域の設定案】
69
第5章 都市機能誘導区域の設定
【適正評価結果】
新大村駅周辺の土地利用適正評価は、新幹線駅が開設していないため、既存の都市機能集積が少
なく、低い評価結果となっていますが、駅周辺の都市基盤整備や用途地域の変更などを予定してお
り、駅開通による公共交通の再編が行われるため、都市拠点形成のための都市機能誘導区域として
設定します。
70
第5章 都市機能誘導区域の設定
②大村駅周辺(生活利便型都市機能誘導区域)
大村駅周辺は、本市の中心市街地として様々な都市機能が集積し、市役所周辺には大規模な集
客施設や公共公益施設が多く立地しています。都市計画マスタープランでは、大村駅から市役所
までのエリアを都市拠点に位置づけており、高次都市機能や生活利便施設の誘導を行うための都
市機能誘導区域を設定します。
適正評価における評価点の高いエリアは、大村駅周辺や市役所周辺に集中しており、今後の施
設整備や既存の施設用地等の状況を踏まえて、以下の区域を都市機能誘導区域とします。
【区域の設定】
71
第5章 都市機能誘導区域の設定
【適正評価結果】
土地利用適正評価では、大村駅周辺の中心市街地から大村市体育文化センター周辺で評価が高く
なっています。海岸沿いの大規模未利用地では、評価結果が低くなっていますが、土地の利活用を
推進するため、未利用地等を含めた都市機能誘導区域を指定します。
72
第5章 都市機能誘導区域の設定
(2)地域拠点
①車両基地周辺(生活利便型・政策誘導型都市機能誘導区域)
新たな在来線新駅の設置が予定されている車両基地周辺は、北部地域の新たな地域拠点として、
生活利便及び政策誘導の観点で都市機能誘導区域を設定します。
適正評価における評価点の高いエリアは、国道 34 号沿いを中心に広がっていますが、文教ゾ
ーンとしての教育施設の維持・増進、高齢者福祉施設等の集積状況、新たに整備される都市計画
道路沿道の鉄道関連企業を踏まえ、以下の区域を都市機能誘導区域とします。
【区域の設定】
73
第5章 都市機能誘導区域の設定
【適正評価結果】
土地利用適正評価では、新駅の周辺及び国道 34 号沿いで評価が高くなっています。新駅が設置
されたことを前提とした 800m圏域を基本に評価の高い区域と車両基地に近接する都市計画道路
沿いに都市機能誘導区域を設定します。
バス路線の拡充も想定されますが、路線や位置が未定であるため評価には加えていません。
74
第5章 都市機能誘導区域の設定
②医療センター周辺(生活利便型・政策誘導型都市機能誘導区域)
医療センター周辺は、南部地域の地域拠点として、生活利便の観点で都市機能誘導区域を設定
します。また、周辺市町や離島などを対象とする高度医療施設や医療系大学が多く立地し、障害
児医療施設の建設も予定されていることから、更なる都市機能の集約と施設の維持・増進に努め
るため、医療拠点としての政策的な拠点形成を図ります。
南部地域にある岩松駅周辺は、都市機能の集積や公共交通が少ない状況にあります。一方で、
医療センター周辺は、公共交通利用者が多いためバス路線の本数も多く、都市機能の集積も見ら
れることから、既存の都市ストックの活用と店舗等の維持・集積を図るため、以下の区域を都市
機能誘導区域とします。なお、鈴田出張所周辺は、まとまった市街地が形成されていることや都
市機能誘導区域を維持する観点から、今後は用途地域の拡大について検討を行います。
【区域の設定】
75
第5章 都市機能誘導区域の設定
【適正評価結果】
土地利用適正評価では、医療センター周辺と岩松駅周辺で評価は高くなっていますが、都市機能
の集積は医療センター周辺に集中しています。区域設定は、医療センターまでの公共交通が充実し
ていることを踏まえ、長崎医療センターバス停及び与崎バス停から 500mの圏域に都市機能誘導
区域を設定します。
76
第5章 都市機能誘導区域の設定
(3)地区拠点
①松原地区(生活利便型都市機能誘導区域)
松原駅周辺は、北部地域の松原駅周辺住民の生活を支える地区拠点として、生活利便の観点で
都市機能誘導区域を設定します。
適正評価における評価点の高いエリアは、松原駅から 500m圏域の用途地域内に集中しており、
松原駅前の商業集積や国道 34 号沿いの店舗立地、松原小学校周辺の都市機能集積の状況を踏ま
え、以下の区域を都市機能誘導区域とします。
【区域の設定】
77
第5章 都市機能誘導区域の設定
【適正評価結果】
土地利用適正評価では、松原駅周辺については用途地域内での評価が高くなっており、松原駅前
からよし川、国道 34 号沿いまでの区域に都市機能誘導区域を設定します。
78
第5章 都市機能誘導区域の設定
②竹松地区(生活利便型都市機能誘導区域)
竹松駅周辺は、中北部地域の竹松駅周辺住民の生活を支える地区拠点として、生活利便の観点
で都市機能誘導区域を設定します。ただし、竹松地区では、駅周辺よりも竹松出張所周辺に都市
機能が集積することから、竹松出張所から 500m 圏域についても区域設定の対象とします。
適正評価における評価点の高いエリアは、竹松駅周辺のバス路線沿いで評価が高く、新大村駅
や車両基地周辺と帯状に連担しており、竹松駅から国道 34 号までの商業集積や竹松出張所及び
竹松小学校周辺の都市機能集積の状況、駅東側の新たに整備された都市計画道路沿道の土地利用
の促進などを踏まえ、以下の区域を都市機能誘導区域とします。
【区域の設定】
79
第5章 都市機能誘導区域の設定
【適正評価結果】
土地利用適正評価では、駅西側の駅前から国道にかけて評価が高く、近接する新大村駅周辺や車
両基地周辺地区と連担しており、竹松駅から国道 34 号沿道、竹松小学校、竹松駅東側の都市計画
道路沿道にかけて都市機能誘導区域を設定します。
80
第5章 都市機能誘導区域の設定
③西大村地区(生活利便型都市機能誘導区域)
西大村地区は、中北部地域の西大村地区住民の生活を支える地区拠点として、生活利便の観点
で都市機能誘導区域を設定します。ただし、新大村駅や大村駅と近接しているため、両都市拠点
に都市機能を依存しており、地区住民に必要な最低限の都市機能を誘導しつつ、既存施設の維持・
増進に努めます。
適正評価における評価点の高いエリアは、国道 34 号沿いの商業地域や大村駅と市民病院を結
ぶ都市計画道路乾馬場空港線沿いで高い評価となっており、多様な施設立地が可能な商業地域や
西大村出張所周辺や諏訪駅周辺の商業集積、小・中学校や保育所、医療施設等の立地状況等を踏
まえ、以下の区域を都市機能誘導区域とします。
【区域の設定】
81
第5章 都市機能誘導区域の設定
【適正評価結果】
土地利用適正評価では、国道 34 号沿いの商業地域に多種多様な都市機能が立地するため、商業
地域での評価結果が高く、主要道路沿道を通じて新大村駅や大村駅と連担しています。都市機能誘
導区域は、国道 34 号沿道や都市計画道路乾馬場空港線沿道、諏訪駅周辺を中心に機能誘導区域を
設定します。
82
第5章 都市機能誘導区域の設定
(4)政策拠点
①公益拠点(政策誘導型都市機能誘導区域)
公益拠点は、市民のみならず周辺市町からの利用も多い地区であり、政策的な拠点形成の観点
で都市機能誘導区域を設定します。
当地区には、多くの公共公益施設が集積しており、更なる都市機能の集約を図るとともに、既
存施設の維持・増進に努める必要があるため、公共公益施設の立地状況や国道 34 号沿いの都市
機能集積、環境センターや浄水管理センターなどの都市施設の立地などを踏まえ、以下の区域を
都市機能誘導区域とします。
【区域の設定】
83
第5章 都市機能誘導区域の設定
【適正評価結果】
土地利用適正評価では、地区の中央を横断する都市計画道路乾馬場空港線沿いに公共施設が数多
く集積し、国道 34 号沿いの商業地と一体的に高い評価となっています。公共公益施設の立地状況
や国道 34 号沿いの都市機能集積、都市施設の立地などを踏まえて、都市機能誘導区域を設定しま
す。
84
第5章 都市機能誘導区域の設定
【誘導区域全体図】
85
第5章 都市機能誘導区域の設定
3 誘導施設の設定
(1)基本的な考え方(立地適正化計画制度の考え方)
誘導施設とは、都市機能誘導区域ごとに立地を誘導すべき都市機能増進施設で、誘導施設を設定す
る際には、当該区域及び都市全体における現在の年齢別の人口構成や将来の人口推計、施設の充足状
況や配置を勘案し、必要な施設を定めることが望ましいとされています。
また、誘導施設は、居住者の共同の福祉や利便性の向上を図るという観点から、
■病院・診療所等の医療施設、老人デイケアサービスセンター等の社会福祉施設、小規模多機能型
居宅介護事業所、地域包括支援センターその他の高齢化の中で必要性の高まる施設
■子育て世代にとって居住場所を決める際の重要な要素となる幼稚園や保育所等の子育て支援施
設、小学校等の教育施設
■集客力がありまちの賑わいを生み出す図書館等の文化施設や、スーパーマーケット等の商業施設
■行政サービスの窓口機能を有する市役所支所等の行政施設
などを定めることが考えられます。
(都市計画運用指針
引用)
(2)大村市における誘導施設の考え方
大村市が目指す都市像を実現するためには、少子高齢化及び緩やかな人口減少下における暮らしに
必要な機能と都市の活力の維持・増進のために必要な機能を中長期的視点に立って拠点に誘導するこ
とが重要です。
このため、市全体を見渡しつつ、地区の特性や都市機能等の立地状況を踏まえ、以下の施設を誘導
施設として検討します。なお、施設の「誘導」は、既存施設の維持や集約、複合化、機能強化の考え
方を含みます。
○生活利便施設(通所系)
商業施設
大規模集客施設/スーパーマーケット/コンビニエンスストア
など
医療施設
一般病院/一般診療所(内科・小児科)/整体・整骨院/歯科
など
福祉施設
子育て施設
教育施設
その他
高齢者通所系福祉施設/障がい者通所系福祉施設/子ども通所系福祉施
設 など
保育所/幼稚園/認定こども園/地域型保育施設/子育て支援センター
/病児保育施設 など
小学校/中学校/高校/専門学校/大学
金融機関/行政窓口
など
86
など
第5章 都市機能誘導区域の設定
(3)拠点の対象人口
都市拠点は、全市民の利用を対象とした拠点で、市を代表する施設や唯一の施設などの立地を推
進します。
地域拠点は、地域住民の利用を対象とした拠点で、地域住民の人口規模に応じて、必要な都市機
能を集約します。ただし、都市拠点を担う新大村駅周辺地区及び大村駅周辺地区については、それ
ぞれの地域の拠点の役割も担うこととします。
地区拠点は、地域拠点を補う拠点として、地区住民を対象とした施設の誘導を行うこととし、地
区拠点の担う圏域は中心から 500m圏域とします。
このため、各拠点によって必要となる都市機能の種類や規模が異なることとなります。
87
第5章 都市機能誘導区域の設定
(4)拠点に配置すべき都市機能と充足状況
各拠点に求められる誘導施設は、対象とする圏域内の人口規模に応じて、本来備えておくべき都
市機能の施設数を算定し、現況において立地する施設数との差によって充足度を判断します。
都市拠点は、中北部地域と中南部地域の2つの地域に設定しますが、都市拠点に必要な誘導施設
は合算で計算します。例えば、不足施設であるイベントホールは2拠点のどちらかに1つとします。
各地域の不足施設は、地域拠点及び地区拠点への誘導を図るものとしますが、地区拠点について
は必ずしも都市機能誘導区域を設定する訳ではないため、不足数はあくまで参考値とします。
■拠点内の都市機能(民間施設)の充足状況(都市拠点)
拠点分類
都市拠点
対象圏域
(下段:拠点の中心となる場所)
現況
施設数
全体人口
65歳以上人口
対象圏域
人口
全市
新大村駅、大村駅
大村市
1施設当り
人口
(H22)
90,517
14,926
10歳未満人口
11,701
5歳以上15歳未満人口
13,769
1
90,517
-
77,500
~92,500
2
県央
270,050
-
175,000
~275,000
大学1,専修3
専門学校3
県央
270,050
-
125,000
~175,000
史料館 1
90,517
イベント
ホール
57,500
~87,500
大規模集客施設
救急病院(二次・三次救
急医療機関)
高次
都市施設
高等教育施設(大学)
【参考】
存続確率50%
~80%以上の
必要人口規模
(国交省資料)
文化施設
■拠点内の都市機能(民間施設)の充足状況(地域拠点・地区拠点)
地域拠点
拠点分類
中北部地域
北部地域
対象圏域
(下段:拠点の中心となる場所)
現況
施設数
対象圏域
人口
全体人口
90,517
65歳以上人口
大村市
各拠点
1施設当り
の圏域
人口
人口
(H22)
車両基地
(新駅)
松原地区
(500m)
松原駅
竹松地区 西大村地区 萱瀬地区
(500m)
(500m)
(1km)
新大村駅
西大村
萱瀬
竹松駅・竹
出張所
出張所
松出張所
中南部
地域
南部地域
大村駅
医療セン
ター
鈴田地区
(1km)
鈴田
出張所
三浦地区
(1km)
三浦
出張所
646
6,107
1,010
51,774
6,668
7,052
590
26,696
5,941
1,902
14,926
1,491
325
9,392
758
796
47
2,747
1,296
208
111
10歳未満人口
11,701
621
82
6,243
753
742
46
4,270
567
187
100
5歳以上15歳未満人口
13,769
スーパーマーケット
全体人口
29
3,121
コンビニエンスストア
全体人口
52
1,741
商業
一般病院(内科)
全体人口
6
15,086
一般診療所(内科)
全体人口
42
2,155
医療
高齢者通所系福祉施設 65歳以上人口
63
237
福祉
障がい者通所系福祉施
設
全体人口
39
2,321
幼稚園・保育園・認定こ
10歳未満人口
ども園・地域型保育施設
49
239
学童保育施設
35
334
子育て
小学校
10歳未満人口
5歳以上
15歳未満人口
15
918
教育
中学校
地域経済
金融機関
関連
5歳以上
15歳未満人口
全体人口
6
35
2,295
2,586
695
109
9,195
1,326
1,537
226
3,012
867
370
102
理想値
2.0
0.3
16.6
2.1
2.3
0.2
8.6
1.9
0.6
0.2
立地数
1.0
0.0
17.0
1.0
4.0
0.0
8.0
3.0
0.0
0.0
理想値
3.5
0.6
29.7
3.8
4.1
0.3
15.3
3.4
1.1
0.4
立地数
2.0
1.0
31.0
5.0
4.0
1.0
15.0
4.0
4.0
0.0
理想値
0.4
0.1
3.4
0.4
0.5
0.0
1.8
0.4
0.1
0.0
立地数
0.0
0.0
2.0
0.0
0.0
0.0
4.0
0.0
0.0
0.0
理想値
2.8
0.5
24.0
3.1
3.3
0.3
12.4
2.8
0.9
0.3
立地数
1.0
0.0
24.0
2.0
7.0
0.0
17.0
0.0
0.0
0.0
理想値
6.3
1.4
39.6
3.2
3.4
0.2
11.6
5.5
0.9
0.5
立地数
7.0
4.0
40.0
6.0
7.0
5.0
13.0
3.0
1.0
0.0
理想値
2.6
0.4
22.3
2.9
3.0
0.3
11.5
2.6
0.8
0.3
立地数
1.0
0.0
17.0
3.0
3.0
0.0
14.0
7.0
1.0
0.0
理想値
2.6
0.3
26.1
3.2
3.1
0.2
17.9
2.4
0.8
0.4
立地数
6.0
2.0
25.0
3.0
4.0
1.0
15.0
3.0
1.0
1.0
理想値
1.9
0.2
18.7
2.3
2.2
0.1
12.8
1.7
0.6
0.3
立地数
3.0
1.0
18.0
4.0
8.0
0.0
12.0
2.0
1.0
1.0
理想値
1.3
0.1
10.0
1.4
1.7
0.2
3.3
0.9
0.4
0.1
立地数
2.0
0.0
7.0
1.0
2.0
1.0
4.0
2.0
1.0
1.0
理想値
0.5
0.0
4.0
0.6
0.7
0.1
1.3
0.4
0.2
0.0
立地数
1.0
0.0
3.0
0.0
1.0
1.0
2.0
0.0
0.0
0.0
理想値
0.9
0.4
17.7
2.6
2.7
0.2
10.3
2.3
0.7
0.2
立地数
3.0
1.0
20.0
3.0
6.0
1.0
9.0
3.0
1.0
1.0
※理想値:対象とする圏域内の人口から本来必要とされる施設数 立地数:対象とする圏域内に現在立地する施設数
88
【参考】
存続確率50%
~80%以上の
必要人口規模
(国交省資料)
10,000
3,000
5,500
~27,500
500
-
-
-
-
-
500
第5章 都市機能誘導区域の設定
(5)関連計画に基づく政策的な施設誘導
①高齢者福祉施設
高齢者福祉施設については、平成27年3月に策定した「大村市高齢者保健福祉計画(第6期 介
護保険事業計画)」において、サービスごとに施設の整備目標を設定しています。特に、立地適正
化計画において生活利便施設に位置付ける通所系サービス施設については、現在の利用率や将来の
利用見込みを勘案し、施設数及び定員を当面は現状維持することとしています。一方で、高齢者の
生活支援や介護に関し、地域でのニーズにきめ細かく応えることができるよう、高齢者福祉施設の
中でも、比較的小規模な施設による地域密着型サービスの充実に努めることとしています。
今後は、認知症高齢者や中重度の要介護高齢者等の増加が見込まれており、平成37年度までに
要介護3以上の低所得者に重点を置いた介護老人福祉施設の入所系施設を計画的に整備を図ると
ともに、入所系施設以外の住宅を対象とした小規模多機能型居宅介護や定期巡回・随時対応型訪問
介護看護及び看護小規模多機能型居宅介護の拡充を進めることとしています。このため、高齢者福
祉施設の中でも、小規模多機能型居宅介護施設及び看護小規模多機能型居宅介護施設を誘導施設に
設定します。
小規模多機能型施設については、地域拠点及び地区拠点において、現在の施設立地の有無に関わ
らず、都市機能の誘導を図ります。
小規模多機能型施設は全拠点において誘導施設に設定
②障害者福祉施設
障害者福祉施設においては、平成25年4月の障害者総合支援法の施行により、障害者の社会参加
や生活自立への支援を重点的に行うこととされ、就労支援施設の整備が急がれています。
また、本市においても、平成27年3月策定の「大村市障害福祉計画(第4期計画)」で、障害者
の就労を支援する就労移行支援・就労継続支援の各サービスの利用が増えていることから、新たな
事業所の参入や増設などを促し、必要なサービス量の確保に努めることとしています。以上のこと
から、政策的な観点で障害者就労支援施設を誘導施設に設定します。
障害者就労支援施設については、地域拠点及び地区拠点において、現在の施設立地の有無に関わ
らず、都市機能の誘導を図ります。
障害者就労支援施設は一部拠点において誘導施設に設定
89
第5章 都市機能誘導区域の設定
③保育施設及び学童施設
保育施設及び学童施設の需要については、平成27年4月の子ども・子育て支援法等の施行によ
り、非常に高くなっています。
本市においては、保育施設にあっては認定こども園、保育園(所)、小規模保育事業等45施設
あり、学童施設にあっては35施設ありますが、今後、核家族化や共働きの増加などにより、さら
なる需要増がそれぞれ見込まれるため、それらの施設整備が急務となっています。
これらを踏まえ、保育施設及び学童施設をそれぞれ誘導施設に設定します。
保育施設及び学童施設は一部拠点において誘導施設に設定
④小学校・中学校
大村市では、人口が微増ながら増加傾向にあり、少子化傾向にはあるものの、児童数が少ないこ
とで統廃合が必要とされる学校はありません。よって、学校については、今後の状況に応じて立地
誘導の検討を行うこととし、誘導施設の対象から除外します。
学校は誘導施設の対象から除外
90
第5章 都市機能誘導区域の設定
(6)都市機能誘導区域別の誘導施設の設定
①都市機能誘導区域の誘導対象施設
各拠点の都市機能誘導区域に本来有すべき対象施設を以下に示します。
誘導対象施設とは、それぞれの拠点に本来機能として備えておくべき都市機能のことを指し、既
存施設の維持・増進を図るために設定するものですので、届出の対象となる誘導施設とは異なりま
す。
各拠点の誘導対象施設(都市拠点・政策拠点)
都市拠点
新大村駅周辺
政策拠点
大村駅周辺
対象人口(人)
(医療センター周辺)
-
90,518
●
大規模集客施設(1万㎡以上)
医療拠点
公益拠点
●
●
一般病院(内科を有する)
●
高等教育施設(大学・専門学校等)
その他市が政策的に整備を行う施設
-
●
文化施設(イベントホール、図書
館、歴史資料館等)
-
●
高次都市施設
救急病院(二次・三次医療)
各拠点の誘導対象施設(地域拠点・地区拠点)
地域拠点
西大村地
区
竹松地区
松原地区
医療セン
ター周辺
大村駅周
辺
26,696
5,941
1,010
6,698
7,052
●
●
●
-
-
-
コンビニエンスストア
(売場面積 250 ㎡未満)
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
医
療
一般診療所(内科)
福祉
51,774
●
商業
高齢者福祉施設
障害者福祉施設
児童福祉
生活利便施設
6,107
スーパーマーケット
(売場面積 250 ㎡以上)
●
人口(人)
西大村・竹
松原駅から 竹松駅・竹 諏訪駅・西大
松出張所か 村出張所から
大村・萱瀬 鈴田・三浦
松・福重
500m圏 ら 500m圏 500m圏
●
松原
新大村駅
周辺
車両基地
周辺
対象圏域
対象地区
地区拠点(500m圏域)
幼稚園・保育園・認定こど
も園・地域型保育施設
学童保育施設
その他
金融機関
行政窓口
コミュニティ施設
91
第5章 都市機能誘導区域の設定
■誘導施設の定義と考え方
【民間施設】
都市機能
誘導施設の定義
増進施設
商業施設 【生鮮スーパー】商業統計分類
主に食料品などの日用品を扱い、セルフ-サービス方式
を採用した小売店舗で、統計法(平成 19 年法律第 53
号)に基づき実施される経済センサス-活動調査におけ
る業態分類を参照し、売場面積 250 ㎡以上で、かつ食
料品が全体の小売販売額の 70%以上を占める店舗を対
象とする(経済センサス定義)
【コンビニエンスストア】商業統計分類
飲食料品を扱い、売り場面積 30 ㎡以上 250 ㎡未満で、
営業時間が 1 日で 14 時間以上のセルフサービス販売店
を指す
下記に該当する病院又は診療所のうち、内科診療を取り扱
医療施設
う医療施設を対象とする。
【病院】医療法第 1 条の5 第 1 項
医師又は歯科医が、公衆又は特定多数人のため医業又は
歯科医業を行う場所であって、20 人以上の患者を入院
させるための施設を有するものをいう。病院は、傷病者
が、科学的でかつ適正な診療を受けることができる便宜
を与えることを主たる目的として組織され、かつ、運営
されるものでなければならない
【診療所】医療法第 1 条の5 第2項
医師又は歯科医が、公衆又は特定多数人のため医業又は
歯科医業を行う場所であって、患者を入院させるための
施設を有しないもの又は 19 人以下の患者を入院させる
ための施設を有するものをいう
福祉施設 【高齢者福祉施設】老人福祉法 第 5 条の 3
老人福祉施設とは、老人デイサービスセンター、老人短
期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽
費老人ホーム、老人福祉センター、老人介護支援センタ
ーを指す
【小規模多機能型居宅介護施設・看護小規模多機能型居宅
介護施設】介護保険法 第8条第14項
小規模多機能型居宅介護施設とは、「通い」を中心とし
て、利用者の様態や希望に応じ、随時「訪問介護」や「泊
まり」を組み合せてサービスを提供することで、在宅で
の生活継続を支援する施設。看護小規模多機能型居宅介
護施設は、小規模多機能型居宅介護と「訪問看護」を組
み合せてサービスを提供することで、中重度となっても
在宅での生活継続を支援する施設を指す
【障害者福祉施設】障害者総合支援法 第 5 条の 11
障害者福祉施設は、障害者につき、施設入所支援を行う
とともに、施設入所支援以外の施設障害福祉サービスを
行う施設を指す
【障害者就労支援施設】障害者総合支援法 第 5 条の 11
障害者支援施設は、障害のある方の一般企業への就職を
サポートする通所型の福祉サービス施設を指す
92
誘導施設の考え方
・都市機能増進施設は、1 万㎡未満の
商業施設については、市民の日常生
活において利用頻度の高い生鮮スー
パー及びコンビニエンスストアを対
象とする。
・各都市機能誘導区域のうち、現況で
施設が不足している区域に都市機能
増進施設の設定を行い、既に充足し
ている区域には設定しない。
・医療施設には様々な科目が存在する
が、市民の日常生活で最低限の医療
行為を確保するため、初期診療とな
る内科医院を都市機能増進施設の対
象とする。
・各都市機能誘導区域のうち、現況で
施設が不足している区域に都市機能
増進施設の設定を行い、既に充足し
ている区域には設定しない。
・高齢者福祉施設及び障害者福祉施設
のうち、利用者が日常的に通所する
施設を都市機能増進施設とする。た
だし、利用者の送迎の有無は問わな
いものとする。
・このため、入所を前提とする施設は
都市機能増進施設の対象とはしな
い。
・各都市機能誘導区域のうち、現況で
施設が不足している区域に都市機能
増進施設の設定を行い、既に充足し
ている区域には設定しない。
・小規模多機能型施設及び障害者就労
支援施設は、現況で施設数が不足し
ているため、政策数値に基づく算出
を行い、不足地域への誘導を行う。
第5章 都市機能誘導区域の設定
児童福祉
施設
金融機関
【幼稚園】
学校教育法に定められた学校
【こども園】
小学校就学前の子供の保育および教育並びに保護者
に対する子育て支援の総合的な提供を行う施設で、
都道府県知事が条例に基づき認定した施設
【保育園・認可外保育】
児童福祉法に基づき都道府県又は政令指定市又は中
核市が設置を認可した施設、及び認可外保育施設も
対象とする
【学童保育施設】
共働き・一人親の小学生の放課後の生活を継続的に
保障することを通して、親の仕事と子育ての両立支
援を保障する施設
【民間金融機関】
預金を取り扱う普通銀行(都市銀行、地方銀行、第
二地方銀行)、長期金融機関(信託銀行)、中小企業
金融専門機関(信用金庫、信用組合、労働金庫、商
工組合中央金庫)、郵便局
・幼稚園、保育園・認可外保育、こども園
は、居住誘導区域内での定住促進を図る
うえで重要な施設であるため、増進施設
として設定する。
・各都市機能誘導区域のうち、現況で施設
が不足している区域に増進施設の設定
を行い、既に充足している区域には増進
施設の設定は行わない。
・学童保育施設は、現況で施設数が不足し
ているため、政策数値に基づく算出を行
い、不足地域への誘導を行う。
・金融機関の窓口業務は、高齢者に必要な
サービス機能であるため、増進施設とし
て設定する。
・各都市機能誘導区域のうち、現況で施設
が不足している区域に増進施設の設定
を行い、既に充足している区域には増進
施設の設定は行わない。
【公共公益施設】
都市機能
増進施設
救急病院
高等教育
施設
文化施設
行政窓口
コミュニ
ティ施設
誘導施設の定義
誘導施設の考え方
【二次医療】
入院治療を必要とする重症患者の医療を担当する医
療機関
【三次医療】
二次医療機関で対応できない、脳卒中、心筋梗塞、
頭部損傷や複数の診療科領域にわたる重篤な患者に
対応する医療機関
【大学・短大】学校教育法 第 83 条
学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深
く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用
的能力を展開させることを目的とする学校
【専門学校】学校教育法 第 124 条
学校教育法第 124 条に規定れた専修学校のうち、専
門課程を置く学校
【イベントホール】
市民の交流をはじめ、演劇、コンサート、スポーツ、
展示会を主とする様々な公演やイベントに使用され
る施設で、収容人数が 1,000 人を超えるもの
【図書館】
学校などの図書館に置いていない専門性の高い図書
を豊富に貯蔵する広域市町を対象とする図書館
【歴史資料館】
老朽化した大村市立史料館のリニューアル施設とし
て整備を行う施設のこと
【行政窓口】
行政窓口とは、行政サービス等を受けられる支所、
出張所のこと
・都市拠点への二次医療・三次医療機関を
誘導するため、増進施設として設定す
る。
・既存施設の維持を図るものとし、必要に
応じて施設の増進を行う。
【公民館等】
地域における生涯学習や福祉の増進の場として日常
的に利用されている施設や集会所のこと
93
・既存の高等教育施設の維持と新たな施設
誘導を図るため、増進施設として設定す
る。
・既存施設の維持を図るものとし、必要に
応じて施設の増進を行う。
・大村市には、1,000 人以上を収容でき
るイベントホールが不足しているため、
増進施設として設定する。
・図書館や歴史資料館等の文化施設につい
ては、周辺市町の利用も考慮し、都市拠
点への積極的な誘導を図る施設として、
増進施設として設定する。
・既存施設の維持を図るものとし、必要に
応じて施設の増進を行う。
・行政窓口は、市民の公平な公共サービス
を提供する場所であるため、既存施設の
維持を図るものとし、必要に応じて施設
の増進を行う。
・地域住民の生涯学習や福祉の増進、コミ
ュニティ形成を図るための施設である
ため、既存施設の維持を図るものとし、
必要に応じて施設の増進を行う。
第5章 都市機能誘導区域の設定
②誘導施設の設定
それぞれの誘導区域に必要な誘導施設については、以下のように設定します。
ただし、既に施設数が充足している場所においては、既存施設の建替え等を行う場合に限って支
援の対象と見なします。
【誘導施設の考え方】
1)少子高齢化及び緩やかな人口減少下における暮らしに必要な機能と都市の活力の維持・増進の
ために必要な機能を中長期的視点に立って拠点に誘導
2)市全体を見渡しつつ、地区の特性や都市機能等の立地状況を踏まえ検討
3)市の各関連計画との整合を図り、実情に合った誘導施設を設定
誘導施設(都市拠点・政策拠点)
都市拠点
新大村駅周辺
政策拠点
大村駅周辺
対象人口(人)
医療拠点
公益拠点
(医療センター周辺)
90,518
-
○
大規模集客施設(1万㎡以上)
○
○
一般病院(内科を有する)
○
高等教育施設(大学・専門学校等)
-
●
高次都市施設
救急病院(二次・三次医療)
文化施設(イベントホール、図書
館、歴史資料館等)
-
●
その他市が政策的に整備を行う施設
誘導施設(地域拠点・地区拠点)
地区拠点(500m圏域)
地域拠点
西大村地
区
竹松地区
松原地区
医療セン
ター周辺
大村駅周
辺
新大村駅
周辺
車両基地
周辺
松原
人口(人)
6,107
51,774
26,696
5,941
1,010
6,698
7,052
スーパーマーケット
(売場面積 250 ㎡以上)
●
○
●
○
-
-
-
コンビニエンスストア
(売場面積 250 ㎡未満)
●
○
○
○
○
○
○
医
療
一般診療所(内科)
(無床診療所)
●
●
○
●
●
●
○
福祉
高齢者福祉施設(小規模多
機能型施設)
●
●
●
●
●
●
●
障害者福祉施設(就労支援
施設)
●
●
○
○
○
●
●
児童福祉
幼稚園・保育園・認定こど
も園・地域型保育施設
●
●
●
●
○
●
●
●
●
●
●
○
●
●
その他
金融機関
○
○
●
○
○
○
○
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
松原駅から 竹松駅・竹 諏訪駅・西大
西大村・竹
松出張所か 村出張所から
大村・萱瀬 鈴田・三浦
500m圏 ら 500m圏 500m圏
松・福重
対象地区
対象圏域
商業
生活利便施設
学童保育施設
行政窓口
コミュニティ施設
※●:誘導施設
○:既に施設が充足
※誘導施設については、「大村市立地適正化推進協議会」の意見を踏まえ、庁内での調整を経て決定
94
第5章 都市機能誘導区域の設定
■都市機能誘導区域と誘導施設
95
第5章 都市機能誘導区域の設定
【都市機能の誘導イメージ】
『●:誘導施設』の場合の誘導イメージ例
【誘導施設の現在の状況】
【充足数の計算】
△△市の 10 歳未満の人口
10,000 人
△△市の学童保育施設数
25 施設
一施設あたりの人口
10,000 人
◇◇地域の 10 歳未満の人口
÷
2,000 人
25 施設
=
400 人/施設
現況立地数
2 施設
一施設あたりの人口
2,000 人
÷
400 人/施設
2 施設
<
=
充足数
5 施設
5 施設
⇒ 『施設が不足』と判断
2,000 人
◇◇地域の学童保育施設
÷
2 施設
=
1,000 人/施設
《支援の対象》
A:市外など地域外から都市機能誘導
区域内に立地する施設の整備
B:地域内の都市機能誘導区域外から
都市機能誘導区域内に移転立地する
施設の建替え
《支援の対象外》
C:都市機能誘導区域外での既存施設
の建替え
『○:既に施設が充足』の場合の誘導イメージ例
【誘導施設の現在の状況】
【充足数の計算】
××市の人口
45,000 人
××市の一般診療所
30 施設
一施設あたりの人口
45,000 人
◆◆地域の人口
6,000 人
◆◆地域の一般診療所
6 施設
一施設あたりの人口
6,000 人
6,000 人
÷
30 施設
=
1,500 人/施設
現況立地数
÷
1,500 人/施設
6 施設
>
充足数
=
4 施設
4 施設
⇒ 『既に施設が充足』と判断
÷
6 施設
=
1,000 人/施設
《支援の対象》
A:都市機能誘導区域内に立地する既
存施設の建替え(機能強化が必要)
B:都市機能誘導区域外の既存施設
で、区域内に移転立地する施設の建替
え
《支援の対象外》
C:都市機能誘導区域内の既存施設の
建替え
96
第6章 居住誘導区域の設定
第6章
1
居住誘導区域の設定
居住誘導区域とは
①基本的な考え方(立地適正化計画制度の考え方)
居住誘導区域は、人口減少の中にあっても一定のエリアにおいて人口密度を維持することによ
り、生活サービスやコミュニティが持続的に確保されるよう、居住を誘導すべき区域です。
居住誘導区域を指定する区域としては以下が考えられます。
◎都市機能や居住が集積している都市の中心拠点及び生活拠点並びにその周辺の区域
◎都市の中心拠点及び生活拠点に公共交通により比較的容易にアクセスすることができ、都市の中
心拠点及び生活拠点に立地する都市機能の利用圏として一体的である区域
◎合併前の旧町村の中心部等、都市機能や居住が一定程度集積している区域
(都市計画運用指針
引用)
②大村市における居住誘導区域の考え方
居住誘導区域は、市の人口が減少傾向となっても、人口密度を維持し続けられる区域に設定し
ます。
居住を誘導すべき場所としては、既に人が多く住んでいる場所で、公共交通の利便性や日常生
活での施設の利便性が高く、居住地としての魅力の高い場所である必要があります。また、居住
誘導区域内の人口密度を維持することで、土地活用を促す必要があるため、土地の収益性の高い
場所が適しています。
なお、区域設定にあたっては、永続的に存在する可能性の高い、道路や河川・水路・公共施設
等の地形地物によって設定することを基本とし、適当な対象施設がない場合には施設からの距離
や用途地域界などによって設定します。
③居住誘導区域の適用条件
居住誘導区域の適用条件としては、以下の4つの評価を用います。一つ目は、既に多くの市民
が居住していることが必要であるため、人口集積度が高い場所を条件とします。二つ目に、将来
の歩いて暮らせる都市づくりに向けて、公共交通の利便性の良い場所を条件とします。三つ目は、
現時点で都市機能が集積する場所は居住性が高い場所であるため、既存の都市機能の集積が見ら
れる場所を条件とします。四つ目は、市街地内の土地の経済効率が高い場所に、今後も土地利用
を継続してもらう必要があるため、土地の収益性の高い場所を条件とします。
評価①
人が多く住んでいる場所(人口集積度)
評価②
公共交通の利便性の高い区域(交通利便性)
評価③
日常生活における施設の利便性が高い場所(生活利便性)
評価④
土地の経済効率が高い場所(土地収益性)
97
第6章 居住誘導区域の設定
■市民生活に係る居住誘導区域の評価
評価項目
評価基準(該当しないものは全て0)
評価①
人が多く住んでいる場所
DID 区域内で
用途地域内で
40 人/ha 以上
40 人/ha 以上
3点
2点
(人口集積度)
40 人/ha 以上
1点
駅から500m圏域
駅から800m圏域
10 便/日未満の
評価②
又は 20 便/日以上の
又は 10 便/日以上の
バス停300m圏域
公共交通の利便性の高い
バス停300m圏域
バス停300m圏域
3点
2点
1点
要素4~7
要素2~3
要素1
3点
2点
1点
地価上位20%
平均以上
平均以下
3点
2点
1点
高評価
中評価
低評価
区域(交通利便性)
評価③
日常生活における施設の
利便性が高い場所(生活
利便性)
評価④
土地の経済効率が高い場
所(土地収益性)
居住誘導区域
の評価区分
12
11
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
(合計点数)
【評価項目に関する設定根拠】
評価①
DID 区域は、国勢調査結果に基づき、40 人/ha 以上で、かつ 5,000 人/k ㎡以上となるエ
リアを設定している区域で、様々な制度の区域要件として使用されているため、DID 区域内
の 40 人/ha のメッシュを 3 点で評価。また、用途地域内の 40 人/ha のメッシュを2点評
価とし、それ以外の 40 人/ha のメッシュを1点で評価。
評価②
都市機能誘導区域の評価方法と同様の評価。
評価③
既存の都市機能(商業施設、教育施設、文化施設、高齢者福祉施設、児童福祉施設、医療施
設(内科のみ)、金融機関の7要素)を各要素の施設から 300m の圏域を作成し、何種類の
都市機能が近くに存在するかを評価。
居住誘導は公共交通による移動でカバーできるため、都市機能誘導区域の評価よりも項目数
は減らし、7種類の都市機能のうち4~7要素が重なる場所を3点、2~3要素が重なる場
所を 2 点、1要素がある場所を1点で設定。
評価④
土地の経済効率が高い場所を高評価とするため、固定資産税路線価に基づく地価で土地収益
性を評価。地価の上位 2 割を3点、5割以上を 2 点、それ以外を 1 点とし、用途地域内を
評価対象とした。
98
第6章 居住誘導区域の設定
【評価結果】市民生活に係る居住誘導区域の適正評価
99
第6章 居住誘導区域の設定
【評価結果】市民生活に係る居住誘導区域の適正評価(市街地抜粋)
100
第6章 居住誘導区域の設定
2
居住誘導区域に適さない区域
居住誘導区域には、以下のような区域設定に相応しくない区域については除外する必要があります。
①工業専用地域・工業地域:工業専用地域は非可住地ですが、工業地域も工場等が集積するため居住
地には適さない場所となります。
②災害危険個所:災害の危険性のある場所は居住を誘導するには適さない場所となりますが、都市基
盤整備等によって改善され、区域設定が解除されることもあるため、但し書きでの除外を行います。
③大規模非可住地:市内の自衛隊演習場などの大規模な施設用地は非可住地なので除外します。
④風致地区:地区の居住環境の風致を目的とする地区であるため住宅開発には適せず除外します。
⑤都市公園:都市公園は非可住地なので区域から除外します。ただし、都市機能誘導区域に属する公
園については居住誘導区域に含みます。
■居住誘導区域の除外要素
101
第6章 居住誘導区域の設定
3
居住誘導区域の設定
居住誘導区域の適正評価結果を基本とし、除外要素の状況を踏まえ、以下のように居住誘導区域の
設定を行います。
ただし、災害危険区域に指定された区域(浸水想定区域を除く)は、居住誘導区域から除外します。
居住誘導区域
102
第6章 居住誘導区域の設定
【参考】誘導区域の割合
誘導区域の面積割合
面積(ha)
対用途地域割合
都市計画区域
5,974
-
用途地域
2,336
100.0
629
26.9
1,610
68.9
都市機能誘導区域
居住誘導区域
103
第7章 計画を実現するための施策の方針
第7章
1
計画を実現するための施策の方針
誘導施策の基本的な考え方
国立社会保障・人口問題研究所による本市の将来人口見通しでは、2020 年の9万2千人をピーク
に減少に転じ、2060 年には7万7千人まで落ち込むと推計されています。
一方で、本市の様々な政策効果や社会情勢の変化から策定した「大村市人口ビジョン」では、2025
年に 10 万人を目指し、2060 年には9万8千人を維持する目標を掲げています。
その要因として、平成 34 年度の九州新幹線西九州ルートの開業に伴う新大村駅周辺整備をはじめ、
車両基地周辺の整備や新工業団地の造成など、都市構造に大きな影響を与える大規模なプロジェクト
が進んでおり、一定の人口流入や開発行為が見込まれます。
以上のことから、目指すべき将来都市像を実現するため、都市機能誘導区域及び居住誘導区域と連
動した誘導施策を検討していきます。
●都市機能誘導区域における都市機能の維持・増進
都市拠点をはじめ、地域拠点、地区拠点及び政策拠点など、それぞれの拠点の役割に応じた都市機
能の維持・増進を図るため、都市機能誘導区域を設定し、効率的で利便性の高い都市構造の形成を図
ります。
●居住誘導区域における人口密度の維持
用途地域が指定された地域のうち、民間及び公共投資、その他の行政運営などを効率的に行うため、
一定の人口密度を維持する居住誘導区域を設定し、公共交通の利便性の向上を図るとともに、歩行空
間、自転車通行空間、その他公共空地の整備に努め、快適で利便性の高い住環境の創出を図ります。
●公共交通ネットワークの充実
大村市地域公共交通網形成計画との整合を図り、都市機能が集積する拠点までの公共交通を確保す
るため、都市拠点をはじめ、公益拠点、地域拠点及び地区拠点を結ぶ基幹公共交通のネットワーク強
化を図るとともに、日常生活を支えるバス路線網の再編、居住地域から各拠点とを結ぶコミュニティ
交通の導入を図ります。
●地域コミュニティの維持、活性化
本市の魅力の一つである自然環境や農業・漁業生産環境の保全に努め、既存集落(小さな拠点)の
維持を図るとともに、地域コミュニティの維持、活性化を図ります。
上記の4つの視点を軸とした取り組みを進めることで、本市が目指す「多極ネットワーク型のコン
パクトシティ」を実現し、人口密度の維持に努め、税収の減少や地価の下落を抑制し、効率的で持続
可能な市街地の形成を図ります。
また、誘導施策については、今後の社会情勢や目標値の達成状況に応じて、新たな施策の追加や既
存施策の更新などについて「大村市立地適正化推進協議会」と連携しながら検討していきます。
104
第7章 計画を実現するための施策の方針
2
誘導施策の方針
立地適正化計画の実現には、都市、医療、社会福祉、教育文化、経済、環境、農業など幅広い分野が
同じ将来像に向かって取り組む必要があります。そのため、庁内の横断的な連携はもとより、「大村市
立地適正化推進協議会」において学識経験者や民間事業者などの意見を聞きながら、都市機能及び人口
密度を維持、誘導するための施策を検討していきます。
施策については、人口動向を考慮しながら、目標の達成状況に応じて以下の施策を検討します。
(1)都市機能誘導区域における都市機能の維持・増進に関する施策
①新幹線関連施設の活用
1)新大村駅周辺地区
・九州新幹線西九州ルートの開通に伴う新大村駅の周辺は、本市の玄関口にふさわしい魅力ある
駅前空間として、社会基盤の整備や都市機能の誘導を図るとともに、空港やインターチェンジ
などの高速交通との連携を強化し、新たな都市拠点として拠点形成を図ります。
※新大村駅周辺地区(土地区画整理事業、都市再生整備計画事業等)
2)車両基地周辺地区
・新幹線車両基地の建設をはじめ、在来線新駅の設置や都市計画道路の整備が進められており、
新たな地域拠点としての拠点形成を図るため、駅周辺における都市機能の誘導を推進します。
105
第7章 計画を実現するための施策の方針
②高次都市機能の集積の活用
1)中心市街地の活性化
・中心市街地の活性化に向けた取組みを推進し、医療、教育文化、社会福祉、商業などの多様な
都市機能と市民交流を促進する施設の立地を維持、誘導し、活力や賑わいの創出を図ります。
※大村中心地区(第2期)都市再生整備計画事業(都市再構築戦略事業)
2)公益拠点の機能向上
・既存の公共公益施設の集積を維持するとともに、新たな公益施設の誘導を図り、広域的な拠点
として、市民をはじめ、県央地域住民の日常生活に寄与します。
※西大村地区
都市再生整備計画事業(都市再構築戦略事業)
106
第7章 計画を実現するための施策の方針
③都市機能の施設整備
・都市再構築戦略事業等の活用により、都市機能誘導区域内へ商業施設、福祉施設、子育て施設
等の生活利便施設及び高次都市機能施設を維持・増進します。
④都市計画制度の活用
・地区計画等の活用により、都市機能誘導区域内の都市機能を維持・増進します。
・都市機能誘導区域内で民間の都市機能増進施設を誘導するにあたり、必要に応じて用途地域の
変更や容積緩和を図るなど、特定用途誘導地区の指定等について検討を行います。
⑤公的不動産の活用
・市が所有する公共施設の集約等による施設跡地や未利用地を活用し、都市機能の維持・増進を図
ります。
⑥特定用途制限地域の検討
・都市計画区域内の既存の集落を除く用途指定のない地域(白地地域)において、誘導区域内へ
の都市機能の立地促進を図るため、特定用途制限地域の指定による商業施設等の建築制限を検討
します。
⑦空き家等の利用されていない土地の活用
・空き家については再利用に向けた取り組みを、空き地等の利用されていない土地については都市
機能の立地の可能性を検討します。
⑧届出制度の活用
・都市機能誘導区域外に立地する誘導施設については、都市再生特別措置法第108条に基づき届
出が必要となるため、できる限り早期の情報収集と届出を活用した都市機能誘導区域内への立地
促進を図ります。
⑨公共施設の立地促進
・公共施設の再編等にあたっては、公共施設の用途に応じて、都市機能誘導区域及び居住誘導区域
への立地を念頭に検討します。
⑩介護保険事業者選定審査の見直し
・介護保険の地域密着型サービス事業者が都市機能誘導区域内に立地する場合の事業者候補者の選
定審査において、立地適正化計画に配慮した加点項目を検討します。
⑪関係団体等との連携
・都市機能誘導区域内の都市機能を維持、増進するため、学識経験者、事業者、関係団体、行政と
の連携ネットワークの強化を検討します。
107
第7章 計画を実現するための施策の方針
⑫都市機能の施設整備に対する支援
・都市機能誘導区域内に民間の誘導施設を移転、新設する場合には、都市機能立地支援事業等の活
用により、施設整備費等の一部支援について検討します。支援にあたっては、拠点ごとの誘導施
設を対象とするものとしますが、支援を行う適用基準等を十分に検討した上で、支援制度の活用
を図ります。
・都市機能誘導区域内の誘導施設が更新または合築、複合化する場合、都市機能立地支援事業等の
活用により、施設整備費等の一部支援について検討します。
・その他の支援制度については、今後検討を進め、支援内容の充実を図ります。
(2)居住誘導区域における人口密度の維持に関する施策
①良好な居住空間の確保
・歩行環境や自転車走行環境の向上をはじめ、公共交通へのアクセスの向上を図るための道路整備
を推進します。
・「大村市公園施設長寿命化計画」に基づき、公園の維持、更新を進めながら、幅広い世代にとっ
て快適な居住環境の創出を図ります。
②市営住宅の維持、更新
・「大村市営住宅長寿命化計画」等に基づき、市営住宅の維持、更新を進めるにあたり、居住誘導
区域外の施設については区域内への再配置を検討するとともに、地域コミュニティの維持、活性
化に寄与するよう努めます。
③空き家等の利用されていない土地を活用した居住促進の検討
・居住誘導区域内の空き地、空き家などについては、居住に向けた再利用の方法について検討を行
います。
④届出制度の活用
・居住誘導区域外に一定規模以上の住宅を建築する場合は、都市再生特別措置法第 88 条に基づき
届出が必要となるため、届出を活用した居住誘導区域内への立地促進を図ります。
⑤税制面の措置
・「空き家等対策の推進に関する特別措置法」に基づく必要な措置の勧告の対象となった特定空家
等に係る土地については、住宅用地に係る固定資産税・都市計画税の特例の対象外となることか
ら、特定空家等に係る必要な取組を推進します。
⑥民間団体等との連携
・居住誘導区域内への誘導については、不動産業界、住宅業界等との連携を図り、土地売買取引情
報の把握や空き家等の解消に向けた連携ネットワークの強化を検討します。
108
第7章 計画を実現するための施策の方針
⑦定住に対する支援
・居住誘導区域内への定住を促進するため、居住誘導区域外で住宅開発や共同住宅の建築などを予
定される場合に、誘導区域内での立地が優位になるような支援制度の充実に努めるため、今後支
援内容の検討を行います。
(3)地域コミュニティの維持、活性化に関する施策
①地域コミュニティの活動の支援
・町内会など地域団体への支援により、地域コミュニティの維持を図ります。
・既存の出張所や公民館の維持、更新を図り、地域の相談窓口、地域情報収集、行政情報発信をは
じめ、地域コミュニティ活動の支援を行います。
②安全で安心して暮らせる地域コミュニティの創出
・市民が住み慣れた地域や望んだ場所で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよ
う、地域包括ケアシステムの構築に努めます。
・多様な世代の交流を促進し、地域が一体となって子育て、防犯、介護などに取り組むことができ
る環境づくりを推進します。
(4)その他の施策
①移住・定住促進の支援
・シティプロモーション活動により、交流人口の増加を図るとともに、地域コミュニティの活性化
や移住促進を図ります。
・UIターン希望者のための相談窓口を設置するなど、市域への移住を支援するとともに、企業誘
致や雇用の促進など、定住促進を図る施策に取り組みます。
②高速交通結節機能の向上
・空港、高速インターチェンジ、新幹線の高速交通結節機能を向上させ、高速交通ネットワークの
構築による交流人口の増加を図るとともに、市内公共交通網との連携を強化し、交流人口の流動
を促進します。
③自転車利用環境の向上
・居住誘導区域内においては、歩行者と自転車が共存でき、良好な居住環境の形成に資する交通環
境の整備を推進し、駅や主要なバス停などの交通結節点や公共施設等における駐輪場の整備を図
ります。
109
第7章 計画を実現するための施策の方針
(5)公共交通ネットワークの充実
①公共交通の方針
本市が目指す「多極ネットワーク型コンパクトシティ」を実現するため、立地適正化計画による
将来都市構造の結果を受け、平成 30 年頃を目途に拠点間連携を行うための交通体系の見直しを行
い、平成 31 年度に再編実施計画の策定を目指します。
110
第7章 計画を実現するための施策の方針
②市民の都心部移動需要に対応した幹線バスネットワークの再編
・九州新幹線の開業に伴い新幹線新大村駅の開業とともに、JR大村線に新駅が整備される予定であり、
駅周辺には都市機能を計画的に集積させて中心拠点として整備される計画である。これらの中心拠点
に、大村駅、市民病院、さらには市役所や大規模商業施設が立地する沿岸部の拠点が位置付けられ、大
村市の都市像が大きく変貌することになる。
・将来的には人口が減少に転じ、高齢化が進行することが予想される大村市では、バス利用者の減少に伴
う路線バスの減便が懸念され、結果的に中心拠点間のバスサービス水準の低下を招き、大村市がめざす
将来都市像の実現が難しくなる。
・そのため、バス路線を幹線と支線へ再編し、立地適正化計画の中心拠点間を連絡する幹線バスの利便性
を向上させ、都市のリノベーションを促すための都市軸を強化する。
・中心拠点では、幹線バス、支線バス、必要に応じてコミュニティバス等の乗継を前提としたバスのネッ
トワーク化を形成することでバス利用の利便性を向上させる。
・利便性を向上させるため、拠点間を連絡する幹線バスの運行頻度を高めるだけではなく、適当なダイヤ
で支線バスが幹線区間を運行することで、都市機能誘導区域外から乗車したバス利用者が乗継なしで目
的地まで移動できるルートを作り、状況として幹線区間の運行頻度を高めることを図る。
大規模
集客施設
111
第7章 計画を実現するための施策の方針
3
届出制度の運用
居住や民間施設の立地を緩やかにコントロールするため、都市機能誘導区域外における誘導施設や
居住誘導区域外における一定規模以上の住宅の建築等を行う際には、都市再生特別措置法に基づき届
出が必要となります。
(1)都市機能誘導区域外での建築等の届出等
都市機能誘導区域外の区域において、誘導施設の整備を行おうとする場合には、これらの行為に着
手する日の 30 日前までに、行為の種類や場所などについて、市長への届出が必要となります。(都
市再生特別措置法第 108 条第 3 項)
届出の対象となる行為は、以下のとおりです。
【開発行為】
・誘導施設を有する建築物の建築目的の開発行為を行おうとする場合
【開発行為以外】
・誘導施設を有する建築物を新築しようとする場合
・建築物を改築し、誘導施設を有する建築物とする場合
・建築物の用途を変更し、誘導施設を有する建築物とする場合
市長は、建築等の届出があった場合において、当該届出に係る行為が都市機能誘導区域内における
誘導施設の立地の誘導を図る上で支障があると認めるときは、当該届出をした者に対して、当該届出
に係る事項に関し、誘導施設の立地を適正なものとするために必要な勧告をすることができます。
(都
市再生特別措置法第 108 条第 3 項)
市長は、勧告をした場合において、必要があると認めるときは、その勧告を受けた者に対し、当該
誘導施設に係る都市機能誘導区域内の土地の取得についてのあっせんその他の必要な措置を講ずる
よう努めなければなりません。(都市再生特別措置法第 108 条第 4 項)
(2)居住誘導区域外での建築等の届出等
居住誘導区域外の区域においては、一定規模以上の住宅開発を行うとする場合にはこれらの行為に
着手する日の 30 日前までに、行為の種類や場所などについて、市長への届出が必要となります。
(都
市再生特別措置法第 88 条第 1 項)
届出の対象となる行為は、次頁のとおりです。
112
第7章 計画を実現するための施策の方針
【開発行為】
・3 戸以上の住宅の建築目的の開発行為
・1 戸又は 2 戸の住宅の建築目的の開発行為で、その規模が 1,000 ㎡以上のもの
【建築等行為】
・3 戸以上の住宅を新築使用とする場合
・建築物を改築し、又は建築物の用途を変更して 3 戸以上の住宅とする場合
図:国土交通省作成資料抜粋
市長は、建築等の届出があった場合において、当該届出に係る行為が居住誘導区域内における住宅
等の立地の誘導を図る上で支障があると認めるときは、当該届出をした者に対して、当該届出に係る
事項に関し、住宅等の立地を適正なものとするために必要な勧告をすることができます。(都市再生
特別措置法第 88 条第 3 項)
市長は、勧告をした場合において、必要があると認めるときは、その勧告を受けた者に対し、居住
誘導区域内の土地の取得についてのあっせんその他の必要な措置を講ずるよう努めなければなりま
せん。(都市再生特別措置法第 88 条第 4 項)
(3)宅地建物取引に関する事項
宅地建物取引業者が宅地建物取引主任者をして宅地又は建物の売買等の契約の成立までに相手方
等に説明しなければならない法令上の制限として、居住誘導区域外及び都市機能誘導区域外における
建築等の届出義務等が追加されています。(宅地建物取引業法第 35 条第 1 項第 2 号)
宅地建物取引において、宅地建物取引主任者は、取引の相手方に対し、居住誘導区域外及び都市機
能誘導区域外における建築等の届出義務を説明しなければなりません。(宅地建物取引の重要事項説
明の項目に建築等の届出に関する事項を追加)
113
第7章 計画を実現するための施策の方針
4
目標の設定
本計画では、立地適正化計画を導入することによる効果を検証するための目標設定を行います。
目標については、評価を客観的かつ定量的に提示する観点から、実現しようとする目標値を以下のよ
うに設定します。
目標1.ずっと住み続けられる都市づくり
立地適正化計画では、人口密度の維持を最大の目標としているため、居住誘導区域内の人口密度
42 人/ha を 20 年後も維持することを目標とします。
人口問題研究所の本市の将来人口予測では、居住誘導区域内の平成 47 年時の人口は 66,537
人(現況 H22:66,759 人)と予測されているため、目標である 42 人/ha を達成するためには
居住誘導区域内に 663 人の人口誘導を果たす必要があり、都市機能及び居住の誘導によって人口
密度の維持を図ります。
指標1
居住誘導区域内人口密度
将来
現在
(平成 47 年)
42人
42人
※平成 22 年国勢調査人口
114
第7章 計画を実現するための施策の方針
目標2.市民が便利で快適に生活できる都市づくり
居住誘導区域内の人口密度を維持するためには、都市機能誘導区域内の生活利便施設を維持・増
進し、生活利便を確保することが必要です。
このため、都市機能誘導区域内に必要とされる生活利便施設数を以下のとおり設定し、平成 47
年までに立地を維持、誘導することを目標とします。
指標2
都市機能誘導区域内生活利便施設数
将来
現在
(平成 47 年)
144施設
166施設
※平成 28 年 4 月時点の施設
(施設数内訳
スーパーマーケット:13、コンビニエンスストア:21、医療施設:32、高齢者福祉施設:20、
障害者福祉施設 12、児童福祉施設・学童保育施設:27、金融機関:19)
■都市機能誘導区域内生活利便施設数の誘導内訳
現況施設数
将来施設数
スーパーマーケット
13
⇒
15
コンビニエンスストア
21
⇒
23
医療施設
32
⇒
38
高齢者福祉施設
20
⇒
24
障害者福祉施設
12
⇒
14
児童福祉施設・学童保育施設
27
⇒
32
金融機関
19
⇒
20
144
⇒
166
総数
115
備考
不足する施設数を補う
不足する施設数を補う
内科無床診療所のみを
不足地域に誘導する
小規模多機能型施設を
各地域に誘導する
就労支援施設を不足地
域に誘導する
学童保育施設の不足す
る施設数を補う
不足する施設数を補う
第7章 計画を実現するための施策の方針
5
立地適正化計画の見直し
立地適正化計画における国の指針では、公表から概ね5年毎に計画に記載された施策・事業の進捗
状況を把握し、社会情勢の変化や計画内容に関する調査・分析によって再評価を行い、本計画の妥当
性を検討することが望ましいとしています。
本市では、今後 5 年毎に立地適正化計画の内容についての評価を行い、目標の達成状況や施策の実
施状況等の把握に努め、必要に応じて計画の見直しを行っていきます。
見直しについては、「大村市立地適正化推進協議会」などの意見を踏まえ、検討を行うこととしま
す。
①計画の策定
(Plan)
④計画の改善
②計画の実践
(Action)
(Do)
必要に応じて計画を見直し
③計画の評価
(Check)
5年毎に計画の進捗状況、
目標達成状況を評価
116